僕の最初のオーディオ装置は、使われなくなっていた、父のコロムビアのステレオだった。プレーヤーからスピーカーまでが一体型の物で、木製だった(→ こんな感じの外観だった)。回路はトランジスタではなく、真空管で組まれていた。中にレコードを入れる場所があって、クラシックの古いレコードが十枚くらい入っていた。ブルーノ・ワルターという有名な指揮者のレコードがあったのは覚えている。

小学生高学年の頃だろうか、電気機器に興味が出た僕は、それを使いたくなって電気を入れてみたのだが、雑音が出るばかりで駄目だった。それで、父に修理を頼んだ。すると、電気屋さんを呼んでくれた。電気屋さんは何度も来ていろいろな修理をしてくれ、何とか動くようになった。修理代は結構したと思うが、良く払ってくれたと思う。

プレーヤーは、カートリッジがMC型でもMM型でもなく、クリスタル型で、駆動方式はダイレクトドライブではもちろんなく、ベルトドライブでもなく、リムドライブだった。そして、プレーヤー全体がバネでフワフワ浮く構造で、回転数はストロボシートを見ながらつまみで調整するのだが、一旦合わせても電圧が変動すると回転数が変わってしまうという、残念な物だった。もちろん、針圧は分からず、トラッキングエラー(レコードの溝と針の角度)なんて考慮されていたか不明だった。

それでも、高校に入って新しくオーディオ機器を買ってもらうまでは、他にレコードを聴く手段が無かったので、このステレオを活用した。ビートルズのレコードは、これで聴いていた。最初に買ったレコードは、どうしてか、Gメン'75の主題歌のシングルだったと思う。もう40年前になるのか。。。(今調べると、その頃にはもうクイーンが活動していたことが、なんとも不思議だ。更に言えば、当時はビートルズの解散から5年くらいしか経っていなかったことも不思議な気分だ。)

いろいろな改造もした。例えば、ターンテーブルに貼られていたスポンジが劣化してボロボロになっていたので、剥がして、フェルト製マットを聴かなくなったLPに貼り付けたものに交換したり、カートリッジからアンプまでのケーブルも劣化していたので、電気屋さんが置いて行ったシールド線に交換したり。

最後の頃は、プレーヤー部をステレオから外して(バネでただ置かれていて、ピンケーブルでアンプに繋がっていたので簡単だった)、発泡スチロールの箱で作った台に乗せて、単体プレーヤーに仕立て上げてラジカセに直結した。まったく、やりたい放題だった。

ただ、クリスタルカートリッジは、通常のMCやMMとは特性が違っていた。出力電圧が大きかったので、ラジカセのPHONO入力につなぐと音量が大きくなり過ぎた。更に、今調べると、周波数特性はイコライザを通さなくても良かったようだ。当時も直感でそんな気がしていたが、資料も何もなくて確証が無かったので、一応イコライザを通していた。今分かってもしょうがないが、謎が解けた気分だ。音質以前の時代だったと、しみじみ思う。

という訳で、ちょっと酔ったので昔のことを書いてみた。当時に比べれば、今は何と良い音が簡単に聴けていることだろう。もう、絶対に戻りたくないと思う。

 

PS. それにしても、こんな古い用語で良く画像が出るものだ。現代はすばらしい!

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