先日誤って注文した部品の代わりが届いたので、グライコの内蔵DACを使うための作業を再開したのだが、一筋縄では行かなかった。

部品(アンフェノール AC3F)は揃っていたし、今度はちゃんとF(「メス」)のコネクタだった。1個約300円だった(こんなに安いのに送料・代引き手数料共に無料なので、サウンドハウスは本当にありがたい)。

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ところが、端子が奥まっていて、半田付けできそうになかった。これは何かの専用コネクタとか、プロ用で特殊工具が要るとかで、また失敗したかと思ったのだが、ちょっと考えて、前から押してみたらするっと抜けたので、無事半田付けできるようになった。

ところが、配線にかなり手こずった。前もって、グライコのMain出力(内蔵DACの出力)のXLRコネクタのピン配置を調べたり、Mainの差動出力をアンプの入力のシングルエンド(RCAコネクタ)に変換する配線を検討していたのだが、検討結果がすべてうまく行かなかった。。。

まず、誤って買った変換ケーブルの配線を調べたところ、以下のようになっていた(これは一般的だ)。

接続A

XLR       →  RCA
1(GND)  →  GND
2(Hot)   →  +
3(Cold)  → GND

これだと、「Coldの出力が常にGNDにショートしているから良くない」という話を読んだので、グライコのDACのデータシートのサンプル回路図を参考に、以下がいいのではないかと考えた。

接続B

XLR       →  RCA
1(GND): 開放
2(Hot)   →  +
3(Cold)  → GND

これで駄目なら、以下だと考えた。

接続C

XLR       →  RCA
1(GND)  → GND
2(Hot)   →  +
3(Cold): 開放

早速、接続Bで結線した。

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(↑中央左の黒い部品は前後逆。後で付け直した。)

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ちょっと聴いたところでは問題ないようだったのだが、RMAAで特性を測ったところ、信じられないことに、AUXよりひずみや雑音が多かった。雑音は23dBも多く、ひずみは1.5倍あった。

原因は分からないのだが、接続Cを試したら、雑音は収まった。だが、まだひずみがAUXの1.4倍もあった。

仕方なく接続Aを試した。DACのサンプル回路では、出力に直列に100Ωの抵抗が入っているので、ショートしても大丈夫だろうと考えた。

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すると、どういう訳かひずみが収まって、AUXに近い結果となった。

THD:

  • Main(緑): 0.0055%
  • AUX(白): 0.0048%

DEQ2496 THD cmp-1

IMD:

  • Main(緑): 0.031%
  • AUX(白): 0.035%

DEQ2496 IMD cmp-1

周波数特性(Main(緑), AUX(白)):

DEQ2496 FR cmp-1

THDはまだAUXの1.15倍と悪いが、グラフではMainの方が良く見える(悪い原因は3kHzの山が高いせいのようだ)。PCのサウンドチップ自体の性能が良くないとか、相性があるのかも知れないので、DACの性能測定用に手配中のMAYA44 XTe(故障と思って捨ててしまったので2枚目!)が届いたら測り直すつもりだ。

もちろん、聴いただけでは音の違いはない。外付けDACからも、AUXからも変わりない。それは理論的には当たり前のことだ(心情的には差があって欲しかったのだが)。

最後に、AUX出力をヘッドフォンに出すのは問題なくできた。グライコの設定で、AUXに入力信号をそのまま出し、アッテネーターで音量を調整したらちゃんと聞けた。

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(作業中の机)

なにはともあれ、とりあえず、外付けDACを使わずに、グライコの内蔵DACからスピーカーとヘッドフォンに音が出せるようになった。しばらく試してみて問題なければ、外付けDACを手放そうか。

(2015/8/11 18:48 改題)

 

PS. MainのTHDが悪かった件、ケーブルのせいかも知れない。マイク用のケーブルなどを継ぎ足して測ってみたところ、MainがAUXより良くなった。

  • Main(緑): 0.0043%
  • AUX(白): 0.0050%

DEQ2496 THD cmp 2-1

グラフではAUXの方が良くみえるが、それにしても不思議だ。安物の変換ケーブル(約200円/本)を流用したせいだろうか? 試しに、いいケーブルに替えてみるか。。。

手持ちの、オーディオテクニカ製の高品質(と思われるが、シールドの密度はそれほど高くない)ケーブルに付け替えてみた。

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そうしたら、信じられないことに、THDが10%改善した。

  • Main(緑): 0.0050%
  • AUX(白): 0.0048%

DEQ2496 THD cmp 3-1

AUXは0.0050%のこともあるので、MainとAUXの違いは誤差の範囲と言え、MainとAUXのTHDは同等になったと言えるだろう。それにしても、ケーブルで特性が変わるとは思ってもいなかった。やはり、安い物はそれなりの品質なんだろう。そして、AUXが意外に高性能なのでちょっと驚いている。

いずれにしても、このひずみ率はPCのサウンドチップ(Realtek)の限界(代表値=0.00562%)付近なので、測定結果は余り信頼できるとは言えず、MAYAで測り直す必要がありそうだ。(17:39)

PS2. THDとケーブルの件、ケーブル長が関係しているのかも知れない。マイク用を使った場合は数mだ。それで信号の高周波成分が緩和されて、サウンドチップがフィルタリングできない成分が低減し、ひずみとして検出される信号が少なくなっているのかも知れない。でも、だとしたら、高品質ケーブルは高周波成分を通しにくいことになって、品質が悪いことになってしまう。とすると、インピーダンスの問題だろうか。こればかりは良く分からない。まあ、いずれにしても、何か分かるのはMAYA44が来てからだ。(19:09)

PS3. 昨日出た疑問について、ちょっと調べてみた。

1. バランス→アンバランス(「シングルエンド」より「アンバランス」と言った方が適切なようだ)の結線

Web上でもさまざまな説があるようだが、結論としては、出力の構成によるようだ(→ 参考)。

  • トランスの場合: ColdとGNDをショート(接続A)で良い。
  • オペアンプの場合: 基本的にはColdとGNDをショートしてはいけない(→ 接続C)。大電流が流れて出力段が過負荷になる可能性があるため。ただ、電子バランスの場合には、ショートしても良いそうだ。

DEQ2496は電子バランスなのでショートしてもいいはずだが、回路図を見て僕が理解する限り、ショートしたら大電流が流れるような気がするので、当面はショートしないことにする。そして、今朝ショートを止めた。そうしたら、THDは0.0086%に悪化した。

ただ、ショートでなく抵抗でつなげば過電流にはならないからいいような気がするので、抵抗セットを注文した。約900円。

2. ColdとGNDをショートしない場合(接続C)、ショートした場合(接続A)に比べてTHDが大きくなるのはなぜか。

これは良く分からないのだが、ショートした場合、出力の音量が上がることが関係しているように思う。仮に、ひずみ成分が音量に依存せず、固定の量であるとすれば(これは、「ひずみ」でなく「残留ノイズ」と言った方が適切だろう)、音量が上がれば相対的にひずみ率は低くなる。

そもそも、DEQ2496の仕様ではTHDの代表値は0.007%だから、ショートしない場合の0.0086%で合っているのではないかと思う。ショートした場合の値は裏ワザ的なものかも知れない。

3. 接続B(出力のGNDをつながない)はなぜ駄目だったのか。

これは分からなかった。想像だが、受け側はアンバランスなので、バランス(差動)信号を正しく処理できないのではないだろうか。あるいは、バランス信号のHotとColdはGNDを基準としているので、GNDが受け側に伝わらなかったら、基準が分からないために電圧が不安定になるのかも知れない。

(8/10 20:04)

PS4. 今朝の検討で、ColdとGNDをショートするのでなく抵抗でつなぐのには意味がないことが分かった(Cold端子が0Vにならないため)。抵抗は無駄になるが、終端抵抗として使ってみよう。(8/11 7:02)

PS5. ものすごく悩んで調べまくっていた、ColdとGNDをショートするかどうかの問題は、意外にあっさりと解決してしまった。ダメモトで販売店(サウンドハウス)に問い合わせてみたら、アンバランスにつなぐ時はショートするようにと説明書に書いてあるとのことだった。もっとマニュアルを良く読もうと反省しきり(でもないかw)。

ちなみに、DEQ2496は電子バランスという方式のため、ColdとGNDをショートすると、自動的にHotの音量を上げるようにできている。Coldは出力を停める(0Vにする)ようなので、過電流は流れない。回路図を見て、そうらしいことは分かったのだが、ちょっと変わった回路だったし、その回路図自体が本物かの確証もなかったので、ショートしていいという確信が持てなかった。それにしても、なかなかの優れものだ。(8/11 19:24)

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