昼間考えて気付いたのだが、以下は誤りだ。というのは、LPFのコンデンサとGNDを通して音が漏れるなら、同じチャネルのHotとColdすら打ち消しあうはずで、そうなると高域の周波数特性に影響があるはずだが、それはないからだ。そもそも、すべての信号の基礎となるGNDがふらつくはずがない。

ということは、他にクロストークの原因があるはずで、まだまだ頭の体操は続く。別に、突き止めても手の施しようはなさそうだが、技術者として気になるのだ。(19:10)

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今朝も引き続き、グライコ(DEQ2496)のクロストークが高域で悪化する理由について考えた。そして、原因が分かったかも知れない。結論は最後に書く。

まず、原因として、以下を疑った。

  • フラットケーブルの隣接線間の浮遊容量
  • 基板のパターンの線間の浮遊容量
  • 左右のGNDが共通になっていること

そして、フラットケーブルの浮遊容量が最もそれらしかったので、フラットケーブル、クロストーク、浮遊容量などの単語で検索した。すると、「10pFの浮遊容量があれば50Hzの商用周波では、約300MΩの絶縁抵抗の場合と同じ漏洩電流」という記述が見つかった。これが大きなヒントになった。

その例から比例計算すると、浮遊容量が0.1μFなら10kHzで150Ωとなり、かなり影響がありそうだ。

ただ、フラットケーブルの仕様例から、浮遊容量は1mで約50pF程度である一方、グライコ内の線長は高々15cmだから、フラットケーブルは原因としては考えにくくなった。

それから、別製品(DCX2496)のDACの後ろの回路図(グライコと同じと言われている)を眺めてみた。

dcx2496-DAC-output

(← DAC / → 出力端子)

すると、DACの出力直後(図の左側)に、左右のHot・Cold共にGNDに対して約2nFのコンデンサ(C29など)が入っているのに気付いた。これは以前には関係ないと思っていたのだが、今日見つけた「10pFの浮遊容量・・・」の記述に合わせると、影響がありそうなことに気付いた。

左右の信号線がそのコンデンサで(GNDを介して)連結されているとみなせるので、左右間の容量は、(2個直列なので) 1/(1/2+1/2)= 1nF (=1000pF)となる。

それを「10pFの浮遊容量・・・」に当てはめると、以下のような抵抗値・漏洩比率となる。

1kHz: 約150kΩ : 0dB
10kHz: 約15kΩ : 20dB
20kHz: 約7.5kΩ : 26dB

(上の計算を、コンデンサのインピーダンスの式 Z= 1/(2πfC) を用いてより正確に行うと以下になるが、結果は同じである。

1kHz: 約159kΩ: 0dB
20kHz: 約8kΩ: 26dB

)

昨日の測定では、1kHzで-91dB、20kHzで-70dBだった。20kHzでの劣化は91-70= 21dBと上の26dBに近く、このコンデンサがクロストークの原因である可能性が高い。

そこで、このコンデンサはなぜあるのか、なくせないのかを考えてみた。この部分は、コンデンサの前の抵抗(R36など、2kΩ)と合わせてローパスフィルタ(LPF)になっている。カットオフ周波数は約40kHzなので、DACのエイリアシングノイズを抑制しているようだ。そして、DACチップ(AK4393)のデータシートのサンプル回路にも後付けLPFが記載されているので、このLPFはあった方がいいようだ。

ただ、実際には、サンプリング周波数が44.1kHzの場合にはカットオフ周波数は約20kHzであるべきなので、このLPFは効果がなく、省いてもいい気はする。

結論は以下のとおりである。

  • グライコ(DEQ2496)のクロストークが高域で悪化する原因は、出力回路中のローパスフィルタ(LPF)のコンデンサを介して左右がつながっていること。
  • このLPFを削除することで、クロストークの悪化は解消可能と思われる。

が、回路を改造する勇気はないし、その腕もないので、我慢するしかない。そもそも、昨日の検討で、この程度のクロストークは問題がないことになったのではないか。

まあ、とりあえず原因が分かっただけでも、随分すっきりして気分が良くなったから、良しとする。

PS. LPFを残したまま解消する方法があった。LPFを、オペアンプを使ってアクティブフィルタにすればいいのだ。もちろん、やる気も腕もない。それにしても、メーカー(Behringer)はどうしてこんなところでケチってしまったのだろうか。もったいない。(7:52)

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