この演奏はかなりいい。すごく乗れる。曲間もグールド(1981年の盤)に近く、スパっとタイミング良く次に入るから、気持ちいい。たまに曲間が長い箇所があるから、ちゃんと考えて設定したのだろう。ただ、最初のアリアの開始前のわずかなタメ(無音)がない(or 短い)のがちょっと残念だった。

マイクが近くてクリアな音だったが、その分、チェンバロの高音が耳に刺さる。でも、低音が豊かで良かった。彼の、ピアノでのこの曲の演奏を聴いてみたいが、あり得ないのだろうな。。。

ブックレットの「この曲の構造について」を読むと、難しい理論は理解できないのだが、バッハの恐ろしさを実感し、彼は人間だったのだろうかとすら思った。どうしてこんなに精緻な曲(スイスの機械式腕時計のようだ)を作れたのか・作ったのか、分からない。だから、やっぱり、モーツァルトの方が好きだ。といっても、モーツァルトの曲がいい加減ということは全然なく、ちょっと聴いただけでは実感できないが、実際にはすごいのだ。だから、逆に、モーツァルトの方が恐ろしい気もする。

「演奏に関して」を読むと、小林が常に試行錯誤していることが分かって、なかなか興味深い。そして、1970年代から毎年行われているこの曲の演奏会は、彼のその年の研究成果の発表の場なのだろう。先日疑問に思った、「彼はなぜ演奏しているか」の理由が、少し分かった気がした。

余談:

盤やジャケット(内側)のデザインが意外に凝っていた(シンプルで綺麗だった)。意外なことに、CDDBの情報は完璧だった(入ってないだろうと思っていた)。取り込みも速かった。ブックレットに鉛筆で文字(僕は購入日を書いている)が書きやすくて良かった。

僕は、昔からの習慣で、この曲を「ゴールドベルク(グ)変奏曲」と呼んでいるが、この投稿のタイトルはアルバムの表記に従って「ゴルドベルク―」とした。今は「ゴルベルク―」が一般的なようだ。ちなみに、今年の彼の演奏会のパンフレットでは「ト」だった。

曲のタイトルの表記に揺れがあるので、検索するなら、正規表現で"ゴ(ー)?ル(ト|ド)ベル(ク|グ)"になるのだろうなと思って試したら、すごく時間が掛かった。これは全くの技術者的雑談である。

PS. (再び聴いていて) やはり、この演奏は、体力的にはハードだ。演奏自体はいいのだが、体調がベストでないと、チェンバロの音が耳に刺さるし、全部繰り返すので持久力が要る・・・ (6:40)

  •   0
  •   0

2件のコメント

  1. Haru maro goro:

    演奏を究めることに終わりはないのですね…。

    この前の演奏会のご感想を拝読して、来年都合があえばー、主人と生演奏を聴いてみたいと話をしていたところでした。
    ライフワークとして弾き続ける曲を演奏する小林さんの姿を拝見・拝聴したいと思いました。それまで長いですが、小林さんのバッハの演奏(の動画)を聴くのを待とう思います。

    昔聴いたケンプの演奏会で、長い年月を積み重ねていらっしゃった重みがひしひしと伝わって、アンコールで涙が出てきた事がありました。ケンプが83か84歳の頃に来日された時です。私は高校1年生でした。

    •   1
    •   1
  2. PiuLento:

    ●Haruさん。まさに、彼の探求に終わりはないようです。そして、是非、彼の演奏会にいらっしゃって下さい。(その時は、ステージのちょっと近めがいいですよ)

    YouTubeに動画があるかと思って探したのですが、残念ながらなかったです。でも、一年が過ぎるのは年々速くなっていますから、すぐですよ。^^

    ケンプの演奏会も良かったのですね。その話を読んで、背筋がちょっとぞくっとしました。

    •   1
    •   0

コメントを書く

名前    

メール 

URL