先日、実家でiPhoneのアプリ(Ever MusicとAnzuTube)でYouTubeで音楽を聴いたのだが、果たしてそれらのアプリは、今使っているMVNOのプランに最適なのか(=ブラウザや純正アプリよりも転送データ量が少ないのか)疑問に思ったので、いろいろなアプリを比較してみた。それらを選ぶ時に比べた気はするのだが、その記憶が曖昧(かつ、記録を探すのが面倒)なのと、もっと多くのアプリを調べてみたかったので、再度実施した。

結構大変だったが、いろいろ得るものがあった。長くなるので、まとめから先に書く。

目的

旅行や帰省した時など、自分のオーディオシステムがない場所で、自分が聴きたい音楽を聴くために、かつ、新しい音楽(演奏者・演奏)を見つけるために、手持ちの音源ではなく(、YouTubeなどを使って)全然知らなかった音楽(演奏者・演奏)が聴きたい。

一方、今スマフォで使っている回線は、MVNO(いわゆる「格安SIM」)なので、月間の通信データ量の上限(= 3GB)があるため、YouTubeのビデオを「何の気兼ねもなく」再生することはできないから、可能な限り通信データ量を削減して再生できるアプリを見つける(本当は、YouTubeの音だけを出すアプリがあればベストなのだが、それはなさそうだ)。

結論

数十のアプリを、転送データ量と使い勝手の観点で評価・比較した結果、最も通信データ量が少なく(転送速度が低く)、使いやすかったのはEver Tubeで、次点はMusic Worldだった。

分かったこと

  1. どういう訳か、Wi-Fiとモバイル(LTEなど)では転送速度が異なっていた。ほとんどのアプリで、Wi-Fiはモバイル(LTE)の3-4倍になった。プロバイダが圧縮しているのか、アプリが切り替えているのか。
  2. (僕の用途には関係ないが、)ビデオを観るなら(今使っている)OCNモバイルONEは全く使えない。転送速度が高い(と言っても高々数百kB/sで、すごく高いとは言えない)と、再生に失敗したり、再生中に途切れることが多くなる。
  3. ほとんど全部のYouTubeアプリは、広告が鬱陶しくて使いたくない。有料オプションで消せるものもあるが、オプションがないものも多く、元々の使い勝手がクソなのが多い。例えば、間違って広告を押すように作っているものや、再生が終わったら、アプリだかYouTubeが勝手に選んだ次の曲を再生するというゴミ機能のon/offの設定すらできないものが多い。
  4. それでは素直にYouTubeの純正アプリを使えばいいかというと、それは更に腐っていて、使い物にならない。うるさい音が出る広告を十秒くらい再生し、更に手でskipを押さないと始まらないので、音楽を聴く用途には全く向かない。
  5. 純正アプリをインストールしている場合、SafariからYouTubeのwebページ(へのリンク)をクリックした時にアプリが起動されるのは不便なので、止めて欲しい。
  6. 同じ人・会社?(例: gumby, osamu takana, Ayako Moriyama, YOU KIKAKU)が、名前と外見だけを替えた複数のクソアプリを出している。広告収入を稼ぐためだろうが、元が良ければいいけど、はっきり言ってクズ・雑音で、探す時間の無駄なので止めて欲しい。
  7. Appleの検査をすり抜けたのか、起動直後に不審なアプリのインストール・更新ダイアログを出す怪しいアプリが何個かあった。
  8. ほとんど同じ名前の別アプリがあって、ややこしいことがあった(例: "Ever Music"と"Evermusic"、"MusicTubee"と"MusicTube")。

詳細メモ

1. 試したアプリ一覧

評価したもの:

Ever Music, AnzuTube, BGM, Music FM, TubeStream, Ever Tube, MusicBank, Music Pro, TubeyPlayer, SuperMusic, Music cool, Safari (YouTubeのwebサイト, Listen Yo!(YouTubeの音だけを聴けるwebサイト)), Xochi, Music World, Yousic

全く論外だったものと理由(()内に理由一覧の番号を記載):

YouTube(純正アプリ) (1), ClipTube (4), TubeClip (8), MUBO (2), Music Tunes (4), FineBox (3), MixerBox MB3 (5), Mステ (2), FreeMusic 4U (6, 7), MusicTubee (5), TubeyPlayer (3), Nowtube (3), MusicKing (3, 6), iMusic (9), Tubex (6), Music Jam (6), 作業用BGM (4, 8), PocketTube (4), Smart Music (5), Free iMusic Play Pro (4, 7), Free Music (4, 7), MusicTube (2, 4), MusicSounds (4)

論外だった理由:

1. 音が出る広告ビデオがうるさい。
2. 再生できない。途切れが多過ぎる。
3. 広告が鬱陶し過ぎる(広告を間違って押しやすいなど)。
4. 検索できない・検索結果が少ない。検索結果が見にくい。
5. バックグラウンド再生できない。
6. 勝手に次の曲が始まる。
7. 挙動が怪しい(起動直後にアプリのインストール・更新ダイアログが出る)。
8. とにかく駄目
9. サポート終了

2. 評価内容と結果

評価項目

  • 通信速度の低さ
  • 使い勝手

通信速度の測定手順

  1. Wi-FiまたはLTEの通信データ量を測定できるアプリを起動しておく。
  2. 評価対象のアプリで画像の品質が設定できる場合は、最低に設定する。
  3. 再生前の通信データ量を記録する。
  4. 対象のアプリで、曲のビデオを数分間再生する。
  5. 再生後の通信データ量を記録する。
  6. 再生前と後の通信データ量の差と再生時間から、通信速度を求める。

測定に使用した曲(ビデオ)

  1. 静止画(時々切り替わる): 内田 モーツァルト K. 545 第1楽章 (長さ: 4'36"= 276s)
  2. 動画1: ルプー モーツァルト K. 488 第1楽章の最初の3分(長さ: 180s)
  3. 動画2: Queen "A kind of magic (Original movie version)" (長さ: 3'26"= 206s)

通信速度(Wi-Fi, LTE)と使い勝手の評価結果

  • YouTube: ×
    • 通信速度(Wi-Fi): ×
      • 静止画: 21.7 kB/s
      • 動画1: 372 kB/s
    • 通信速度(LTE): △
      • 静止画: - kB/s
      • 動画1: 111 kB/s
    • 使い勝手: ×
      • うるさい広告の再生が必須。
  • Ever Music: △-
    • 通信速度(Wi-Fi):×
      • 静止画: 18.1 kB/s
      • 動画1: 268 kB/s
    • 通信速度(LTE): △
      • 動画1: 83.3 kB/s
    • 使い勝手: ×
      • 広告が鬱陶しい(間違えて押してしまう)。
      • 検索結果が少ない。
  • AnzuTube: ×?
    • 通信速度(Wi-Fi): ×
      • 静止画: 26 kB/s
      • 動画1: 483 kB/s
    • 通信速度(LTE): -
    • 使い勝手: △
      • 悪くない。
      • 実家(LTE)で再生できないことが多かった。
    • その他
      • なぜかAppStoreからなくなってしまい、再インストールできず、LTEでの測定ができなかった。
  • BGM: ×
    • 通信速度(Wi-Fi): ○
      • 静止画: 43.5 kB/s
      • 動画1:  77.8 kB/s
    • 通信速度(LTE): -
    • 使い勝手: ×
      • 勝手に次の曲が再生される。
      • フォント(アニメ風)が見にくい。
      • 広告が鬱陶しい。
      • 音が悪い。
  • Music FM: ×
    • 通信速度(Wi-Fi): -
      • 静止画: 21.7 kB/s
      • 動画1:  - kB/s
    • 通信速度(LTE): -
      • 動画1: - kB/s
    • 使い勝手: ×
      • 検索結果が少ない。
      • LTEでは何度も途切れて再生不可
      • 同名アプリ多数。
  • TubeStream: ×
    • 通信速度(Wi-Fi): -
      • 静止画: 160 kB/s
      • 動画1: - kB/s
    • 通信速度(LTE): -
    • 使い勝手: ×
      • 勝手に次の曲が再生される。
  • Ever Tube: △+
    • 通信速度(Wi-Fi): ×
      • 静止画: 30.8 kB/s
      • 動画1:  195 kB/s
    • 通信速度(LTE): ○
      • 静止画: 18.1 kB/s
      • 動画1: 55.6 kB/s
      • 動画2: 48.5 kB/s
    • 使い勝手: △+
      • 試した中では一番使いやすく、通信速度が最も低い。
      • たまに出る全画面広告が鬱陶しい(ボタンの位置が毎回変わり、見付けにくい)。 ← お金を払えばなくなるようだ。
      • LTEでは再生失敗が多い。
  • MusicBank: ×
    • 通信速度(Wi-Fi): ×
      • 静止画: 18.1 kB/s
      • 動画1: 294 kB/s
    • 通信速度(LTE): ×
      • 静止画: - kB/s
      • 動画1: 167 kB/s
    • 使い勝手: ○
      • 悪くない。
      • LTEでは再生失敗や途切れが多い。
  • Music Pro: △-
    • 通信速度(Wi-Fi): ×
      • 静止画: 18.1 kB/s
      • 動画1: 200 kB/s
    • 通信速度(LTE): △
      • 静止画: - kB/s
      • 動画1: 83.3 kB/s
    • 使い勝手: ×
      • 検索結果が少ない。
      • LTEでは再生失敗が多く、再生開始が遅い。
  • TubeyPlayer: ×
    • 通信速度(Wi-Fi): ×
      • 静止画: - kB/s
      • 動画1: 211 kB/s
    • 通信速度(LTE): △
      • 動画1: 111 kB/s
    • 使い勝手: △-
      • 間違って押しやすい広告が出ることがある。
  • SuperMusic: ×
    • 通信速度(Wi-Fi): ×
      • 静止画: - kB/s
      • 動画1: 211 kB/s
    • 通信速度(LTE): -
    • 使い勝手: ×
      • 勝手に次の曲が再生される。
      • 広告がすごく面倒。
      • 中身はBGMと同じ?
  • Music cool: ×
    • 通信速度(Wi-Fi): ×
      • 静止画: - kB/s
      • 動画1: 272 kB/s
    • 通信速度(LTE): -
    • 使い勝手: ×
      • Yahoo!アプリの広告が毎回出て鬱陶しい。
  • Safari (YouTubeのweb): ×
    • 通信速度(Wi-Fi): ×
      • 静止画: - kB/s
      • 動画1: 450 kB/s
    • 通信速度(LTE): ×
      • 動画1: 194 kB/s
    • 使い勝手: △
      • 純正アプリがインストールされていると表示できない。
      • LTEでは再生失敗が多く、再生開始が遅い。
  • Safari (Listen Yo!): ×
    • 通信速度(Wi-Fi): ×
      • 静止画: 25.4 kB/s
      • 動画1:  150 kB/s
    • 通信速度(LTE): △
      • 動画1: 138 kB/s
    • 使い勝手: △
      • 通信速度が余り低くなく、このサービスのメリットがない(ユーザー登録すると速度が設定できる?)
      • 検索結果のリンクを押してから、更に再生ボタンを押す必要がある。
      • ユーザー登録しないと、1日5回しか再生できない。
  • Xochi: △
    • 通信速度(Wi-Fi): -
    • 通信速度(LTE): △
      • 動画1: 139 kB/s
    • 使い勝手: △
      • 音量が大き目だが、それ以外は問題なし。YouTube以外にサイトが選べるのはいい。
  • Music World: △+
    • 通信速度(Wi-Fi): -
    • 通信速度(LTE): △
      • 動画1: 83.3 kB/s
    • 使い勝手: ○
      • 特に問題なし。速度がもう少し下がればベスト。Ever musicやMusic Proよりは良い。
  • Yousic: △
    • 通信速度(Wi-Fi): -
    • 通信速度(LTE): △
      • 動画1: 130 kB/s
    • 使い勝手: ○
      • 名前が変だが、それ以外は問題なし。

3. 参考: 通信速度と通信データ量が3GBに達する時間の目安

  • 50kB/s → 約17時間
  • 80kB/s → 約10時間
  • 100kB/s → 約8.3時間
  • 200kB/s → 約4.2時間

※上の評価では、動画1の通信速度が0-80kB/sなら○、80-150kB/sなら△、それ以上を×とした。

余談

すごく満足できるアプリはないし、そもそも音だけ聴きたいのに、品質を落としているとはいえ、観ないビデオまで受信するのは通信データ量(いわゆる「ギガ」)の無駄遣いで、気に入らない。音だけなら、32kB/s(= 256kbps)程度で充分だ。

そこで、自分で、Listen Yo!(それ自体は羊頭狗肉だったが)のような、YouTubeから音だけを抽出して(、必要なら再圧縮して)、通信速度を下げるサーバーを作ってみたい気がしている。が、技術的な可能性や手間はともかく、利用規約上の問題はないのか、ちょっと気になる。まあ、公開しなければ咎められることはないだろうが。

あと、MVNOは安いだけあって、通信速度が出ない(安定しない)ようだ。普段は全然気にならないが、こういう時は結構問題になる。その点では、今人気のキャリア直系MVNOがいいのだろう・・・

余談2

こうやって苦労した後で思うのは、今だったら、AmazonのPrime MusicとかSpotifyとかの聴き放題(正確にそうなのか、分かってない。それらは、自分が聴きたい曲を選んで聴けるのだろうか?)サービスに入ればいいのかも知れないということだ。ただ、それに、僕の聴きたい曲が入っているかが気になる(まあ、調べればいいのか)。

だがしかし。そのサービスを使うのは、高々年に数回(旅行・泊出張・帰省など)だけなので、常に入会している必要はなく、なかなか難しい。

が、何となく、発想の転換とか、いわゆる「パラダイムシフト」が要りそうな気もする。もし、Spotifyのような音楽サービスが、僕の聴きたい音楽をすべて、かつ、それ以上持っている(かつ、永続する)なら、もう、CDなんて買う必要はない(もちろん、ダウンロードだって不要)のだ! 重要なのは、世の中のどこかに、僕が聴きたい(かも知れない)演奏の音源があって、それを提供する業者があることだ。

永続性も、他の業者が同等以上のサービスを実施すればいいだけなので、気にする必要はなさそうだ。要は、音楽(演奏)という、本来は実体のないものを、本当に実体なしで扱える時代になったのかも知れない。つまり、重要なのは、自分がその音源(CDやファイルなど)を持っていることではなく、聴きたい時に聴けることなのだ。だったら、もうCDだのHDDなんて、不要じゃないか! 何やってんだ僕。(と、ちょっと意識高そうな展開でまとめてみたw)

余談3

若い人とか機敏な人たち、あるいはサービスを提供する業者は、特に上のような難しいことを考えずにやってる訳で、それはそれで凄いことだと思う。まあ、僕が古いとか頭が硬いとか、考え過ぎということだろう。

余談4

でもね、良く考えると、まだ、オンライン音楽サービスは完全ではない。例えば、辺鄙な国のTVで放映されたライブなんて、まずSpotifyには入ってないから、やっぱり、YouTubeは要る。でも、だからと言ってCDが要ることにはならないから、オンラインサービスだけで事足りるのだろう。

CDを捨てよ、ネットに出よう?

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