まだ光は開通していないのだが、気の早いことに、仮にそれが夜などにすごく遅くなった場合に備えて、IPv6(IPoE)接続を検討している。

良く書かれているが、遅くなる原因は、NTTのフレッツのPPPoEの設備がボトルネックになることだそうだ。それで、IPv6(IPoE)接続にすると、そこをバイパスできるから速くなると。そもそも鳴り物入りでフレッツを出したNTTが設備をちゃんとすべきだが、お金がないのか面倒なのか、しない。それで、外部の会社がフレッツにIPoEの設備を繋げて「IPv6にすると高速化できる」と謳って提供している。

なお、サイト・ページによっては、「PPPoEの認証が遅いから速度が低下する」と書いてあるが、それは違うと思う。仮に認証が遅くても、それは回線の接続時(例: ルーターをonにした時)にしか行われないので、遅いのは最初だけだ。本当に遅いのはNTTの設備の処理速度だ。そういうサイトでは「認証待ち」が生じて遅くなると書いてあるが、実際には、設備の処理能力がフルの場合に新たに始まる通信あるいは通ろうとするパケットが待たされる(単に落ちる)ということなのだろう。

何ともアフォみたいな話だが、そういう話なので仕方ない。

それにしても、今疑問に思うのは、なぜPPPoEを使ったのかだ。というのは、PPPoEはEthernet上にPPP(アナログ電話時代に使われ始めた)のパケットを通す(載せる)という仕組みで、PPPの認証機能が必要なのなら分かるが、フレッツは光(またはADSL)回線で、誰でも勝手に接続できる訳でないから、実際には認証なんて不要なので、無駄もいいところなのだ(その関係で、昔は(今も?)MTUを調整しないと遅くなった)。まあ、フレッツの思想としては、いろいろなプロバイダを混在させて使えるから、認証機能で切り替えることは可能だが、実際にそんな酔狂なことをしている人はまず居ない。

結局、「ただケーブルを繋ぐ」IPoEで良かったのだ。

これについてはおもしろい(というか、僕が馬鹿だった)思い出がある。2番目の会社に居た頃、確かADSLが始まった頃だと思うが、それにもPPPoEが使われていた。そういう話になった時、同じ職場に居た僕の嫌いなジジイは、「PPPoEなんて要らない(なんで使ってるの?)。ただ繋げばいいんだよ」と言っていた(理由は上記と同様)ので、僕は「なにいってだ、このジジイ」と思って「認証ガー」と反論したのだが、(数十年経ったが)今となっては全面的に彼が正しい。

ここで、例によって「認めたくないものだな−」が来るw

自分で余計なことを考えて、あげくの果てに問題が起こって(遅くなって・コストが増大して)自分の首を締めるという、技術馬鹿に良くあるパターンではある。

(ここまででPPPoEについては終わり、以下はIPoEへの疑問と僕の環境関連の話に変わります。)

IPoEがいいことは分かったが、それでも更に気になることがある。今はIPoEが速いとしても、使用者が増えたらいつかは遅くなるのではないか。IPoE(正確には、IPv6をIPv4に変換する処理)も、何らかの設備で処理するので、そこがボトルネックになるだろう。

そして、IPoEにもいろいろな方式があるのだが、NTT系(某O社)の方式(MAP-E、「バーチャル」なんとか)は、例によって筋が悪い予感がする。詳しく比較していないので方式の良し悪しは言えないが※、対応ルーターを探しても、MAP-Eなんてほとんど日本製のにしか載っていない。しかも(・だから)高目だ(希望より千円高い)。もう、ガラパゴス臭プンプンである。だから、設備にしたって、(日本仕様だったら高くなって、)増強が高く付いて、結局今と同じことになるのではないか?*

※書いてからJPNEの資料をざっと見たところ、MAP-Eの処理は、フレッツやプロバイダ側に関してはシンプルなので、もう一つ有名な方式のDS-Liteに比べて、PPPoEのような設備起因の速度低下は起こりにくそうだ。ただ、そのためにユーザー側のルーターの処理が複雑になっており、それで対応機が少ないのではないか。他のページも見たが、(サボり屋の)僕としては、「こんな複雑なことやってられっか!」って気がした。

それから、対応ルーターが少ないのは、この問題はNTTが怠慢で設備増強しないために起こっている訳で、海外など普通のところでは起こらず、だから、わざわざIPv6を使う必要がなくて、IPv6→v4変換機能がなくても何も問題ないからではなかろうか。

そうすると、いっそのこと「フレッツなんて止めちゃえ!」と思いたくなるが、さすがにそこまでは言えない。ただ、フレッツが欲張っていろいろやっている(頑張っちゃってる)ために問題が出て、その対処のために複雑化していることもあるように思う。例えば、「ひかり電話」の有無でIPoEの最初の処理が違うとか、ちょっとやってられない。

結局、NTTは、ユーザーとプロバイダを繋ぐ単純な通信路(仮想的な専用線)の提供に徹してくれれば良かったのだ。そのためにPPPoEとかIPoEなどが要るのならそれでもいい。しかし、なぜか、自分たちの作った階層の違うもの(サービス)を混ぜて提供しようとするから、ややこしくなっているのだと思う。昔あった(今もある?)フレッツのサイト(インターネットでなく、フレッツ網内にある)なんて、その端的な例だ。あんなの一体誰が使うの?? 何が便利なんだ? それを使えるようにするために、ルーターの処理が面倒になっている。無駄無駄無駄。モバイルでも似たようなことはあるだろう。

*ちなみに、IPv6で通信する場合(IPv4を使わない場合)はほぼ素通し(ただし、最初にIPアドレスなどを割り当ててもらう処理は要る)のようなので、速そう(速度低下の可能性が低い)だ。その場合はMAP-E対応ルーターは要らない気がしている。実際、MAP-Eの方で、使い勝手が悪い(ポート枯渇問題?)とのことで、外部の自分のサーバまでIPv6で繋ぎ、サーバでIPv6→v4変換している(2018)という話がある。

なお、ポート枯渇に関しては、JPNEとOCNでは割り当て可能なポート数が違っているそうで、後者は多いから起こりにくそうな気がした(実際にはどうだか不明)。

結局のところ、そもそもこういう面倒なIPv6→v4変換処理が要る(それで遅くなるかも知れない)理由はIPv4アドレスの枯渇問題なのだろうから、「全員」がIPv6を使えばいいのだろうが、それはいつか実現するのかね。

 

運の悪いことに、僕の入ったプロバイダ(DTI)はそこのIPoEを使っているので、IPv6(IPoE)接続しようとしたらMAP-E対応ルーターが要り、更に、そのプロバイダはPPPoEとIPoEの同時利用はできないので、「ちょっと試す」ことはできないことが分かり、やっぱりセンスが悪いことが分かって、選択を失敗したかもと残念である。

まあ、PPPoEが(実用上充分に)速ければIPv6(IPoE)もMAP-E対応ルーターも要らないので、何の問題も苦労もなく、こうやって考えるのは無駄もいいところなのだが、性格なんだろうねw

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