先日、一時的に収まった煙草臭はやっぱり再発した。まあ、原因が分からず、適切な対処もできていないのだから、当たり前ではあった。それで、しばらく試行錯誤していたのだが、文字通り手探りでは限界があるので、臭いの測定器を買うことにした。「煙草くさい」と思った時は本当に臭いのかを確認したり、臭いの出て来る場所を探したり、出る時間帯などの条件を調べたり、対処の効果を測ろうと思った。
Amazonで探したら、いくつか出てきた。確か、「臭い センサー」で検索して出てきた製品の、「−こんな商品もチェックしています」で、それなりに使えそうで値段が手頃な物を見付けた。最初は煙草臭はどういう成分なのかも分からなかったのだが、Amazonで出て来た製品を見たりしているうちに、TVOC(総揮発性有機化合物)とHCHO(ホルムアルデヒド)が関係しているらしいことが分かった。詳しくないのでTVOCやその内訳やHCHOとの違いは分からないし、煙草臭=(TVOC and/or HCHO)ではないようで、本当はもっと煙草臭に合った物質を測定するべきなのだろうが、手軽に入手できるのはTVOCとHCHOとCO2などを測定するものなので、そうした。
安い物は中国製で、今までの経験上不安はあったが、他に手頃な物はないので賭けてみた。Elikliv 空気品質モニターというのにした。実体はKAGWF Air Quality Detector JSM-131SCというもので、同類の中では安い方だけど安くはなく、約3800円だった。これは、マーケットプレイスの物ではあるがAmazonが発送するので、中国からよりずっと速いし、以前あったように注文しても発送すらされないという事態はないので、ちょっと安心だった。
注文して2日後に届く予定だったのだが、Amazonの配達のせいか、翌日に届いた。速いのはいいけど、突然、その日の午後に「本日お届けします」とかメールが来ると慌てるw
届いて早速電源を入れてみたら、ちゃんと動いた。いろいろ試したら、注意点や謎はあるものの、それなりに使えていろいろなことが分かった。
- においセンサ(JSM-131SC)の起動中。
- 机の脇の本棚で測定
- 台所の換気扇の下で測定
- 吸気口代わりに使おうとしている、未使用のエアコンダクトの近くで測定
- 脚が取り出しにくいので、出たままになるようにした。
- TVOCとHCHOの変化 (2020/6/18)
まだ確かなことは言えないが、今までに分かったことや推測していることを列挙する。
- 臭いの元は一つでなくて複数のようだ。そのために、今まで原因や現象が謎だったことはある。今のところは以下が「クサい」。結構、直感や勘が当たっていたようだ。
- 周囲の部屋: ベランダか換気扇の下で吸うようで、臭い時は、窓や換気扇や吸気口といった、窓側の入口すべてが臭くなる。近頃入って来た階下の部屋が怪しいが、近くの家かも知れない。
- エアコン: 使用中に内部のフィンなどに(くさいと感じないまでの)かすかな臭いが濃縮・蓄積され、停止後の乾燥運転(する場合)や次回の起動時に臭いが出る。ドレン水が出ない(内部が濡れていない)場合に出る感じ。: これが二番目の会社で起こっていたことのように思う。
- → 乾燥運転をoffにしたり(カビのリスクがある)、最初は温度をかなり低くする、最初は換気扇を回す、ずっと停めない(電気代は諸説あるが安いのか高いのか)などがいいかも。
- 近くの工事現場: 今日は煙草臭でなく、薬品臭がしていた。離れていても臭いが届くことがあるようだ。
- 暫定的に、僕が問題を感じる値は以下のようだった。2つのレベル(目が痛くなる(しみる感じ)と煙草臭がする・「べとつく」)を並べる。
- TVOC: 0.2, 0.5 ("ppm" (後述のように、正しくはmg/m3と思われる))
- 環境基準値(例): 400 (μg/m3)
- HCH0: 0.03, 0.05 (ppm)
- 環境基準値(例): 0.08 (ppm)
- TVOC: 0.2, 0.5 ("ppm" (後述のように、正しくはmg/m3と思われる))
それから、JSM-131SCで気付いたことや残念なことなどを挙げる。
- 移動(位置変更)後しばらくは値が安定しない・正しくない(移動時の風のせいで少なく出ることが多い)。少なくとも10分、できれば30分くらい待ったほうがいい。 → 15分待つことにした。
- 本体に風が当たっていると値が低くなる。: 臭いの物質が風で流れてしまうからではないかと思ったが、充分に濃度が安定していればそうでもないはずだ。センサに熱を使っている関係がありそうだ。
- 平均値をクリアする方法はない。電源のoff/onのみ。
- 画面は、輝度は高いが、コントラストが低く視野角が狭いので、見やすくはない。カメラで撮るのが面倒だった。
- バックライトは消えない?
- 立てておくための脚は便利だが、本体の凹部に入ってしまうと取り出しにくくてイライラする。それで、常に出しておけるようにちょっと改良した。
- 表示言語(英・中)の変更(◀を5回連続押し)は、単に中国語が消えるだけ。。。 だから、余り意味はない。
- 単位表示が怪しい。TVOCが"ppm"になっているが、mg/m3では?: いかにもズボラな感じではある。今回は絶対値は重要でないので良しとした。
- 実際、同型番の別製品では単位が違う。: HCHOの"mg/m3"はppmではないか? TVOCの"μg/m3"はmg/m3ではないか?
- アルコールなどにはかなり敏感: アルコールは揮発性だろうから、TVOCとして検出されるのだろうか(→ 調べたら、エタノールはVOCの一つだった)。HCHOは違う気がするが、アセトアルデヒドと似たようなもので検出される??
- 近くでお酒を飲むと上がる。 (TVOCとHCHOが通常の20倍前後まで跳ね上がる)
- 飲み終わっても、しばらくは呼気で高い。
- 食事だけでも上がる。
- 着替えなどで動いても上がる。
- 普通の呼気でも上がる。
- 水しぶき(蛇口の水)でも?
- 近くでお酒を飲むと上がる。 (TVOCとHCHOが通常の20倍前後まで跳ね上がる)
- TVOCとHCHOの測定値の独立性に疑問がある。
- USBコネクタは本当に充電のみで、(ちょっと期待したが)「隠された機能」はないようだ。
- (測定値の記録時などの)画面の撮影にはデジカメよりスマフォ(AQUOS sense lite)の方が便利。細かい調整不要で、タッチすれば暗い画面に露出が合う。画像の自動転送機能(自作)も便利。放置しておけばPCに画像が来る。
上述のように、臭い時は窓側の空気の入口すべてが臭くなる(玄関側はまだマシ)ので、原因が分かって対処(可能な場合のみ)できるまで、それらを塞ぐことにした。ただ、吸気口がないと居間の換気ができないので、前回した玄関側の郵便受けを少し開けるのに加え、未使用のエアコンダクト(ここは換気扇の排気口から遠いせいか、それに近い吸気口よりは少しはマシなようだ)を開けておき、臭くなったら閉じることを考えた。それで、エアコンダクト付近にセンサを置いて定点観測することにした。
ダクトからの風を直接測りたいのだが、上述のように、センサを直接風に当てては測れないため、ダクトの少し前の脇に置いて測ってみたが、値の変動が激しいようなので、衝立で囲ってダクトからの風を溜める(バッファリングとかLPF・平滑化みたいなもの)ようにした。ただ、完全に囲うと、風がないときに原因物質やCO2が溜まったままになるようなので、衝立に切れ目を入れた。
こういうのの計算(バッファの形状、容積や切れ目の大きさ)は、流体力学とかそれ以前の物理の話になるのだろうが、とりあえずテキトーに作ってみた。電子回路(RC回路)にも近い考えはあるが、そっちも得意ではないw
時々センサを見て値を記録したり、風が臭い時にダクトを塞ごうと思うが、性分でw、つい自動測定したり、値の高い時にアラートを出したくなる(それどころか、ダクトを自動で塞ぎたくもなった)。しかし、この製品にはデータを出すインタフェースがないので容易ではない。考えたのは、定期的にカメラ(センサの前に固定しておく)で画面を撮影して、その文字をOCRで読んで数値にすることだ(今流行りのRPA風?w)。意外に、液晶ディスプレイ(7セグメント)の文字を認識できるプログラムは少ないようだったが、ssocrというのでできることが分かった(実際に、試しに認識できた)。ただ、認識させたい文字(数値)のある場所はこちらで指定しないといけない(しかも、罫線などが入ると誤認識する)ので、実用化は簡単ではなさそうだ。
その他に、液晶の端子から表示している情報を取れれば楽そうだとも思ったが、ダイナミック点灯かも知れず(液晶については全く知らないので、的外れかも知れない)、その場合は常に端子の値が変動するから逆に困難なことに気付いた。あとは、中の基板やソフトなりを見て、「うまい出力端子」があるのを期待するが、まあ、無理そうだ・・・ それに、一応精密な測定器なので、分解すると精度に影響があるかも知れないのが怖い。
そんなことを考えているうちに、PCにつながるセンサが欲しくなって調べたが、USBのものはほとんどなく(しかも高い)、I2Cというインタフェースのものが多かった。これはArduinoなどにはすぐ付くようだが、PCだとUSBから変換する必要があって、やっぱり手軽でない。センサを買っても、較正は要るのかとか、USBからI2Cでちゃんと繋がるのかとか、いろいろ心配があって、やっぱり容易ではない。
という訳で、しばらくは人力で測定することにした。
PS. 近頃は、例えで「地雷」という単語を使っても不謹慎(確か、残存地雷で多くの人が亡くなっているからだったか)とか言う人が居るようで、この稿の「兵器」もそれに引っ掛かるかも知れないと思いつつ、使われているうちに最初の悪い意味がなくなって、今の一般的な意味が定着した言葉は多い(例: 「ダサい」)けど、そういうのを全部止めるのかとか、言い換えたって言う人の本心が変わらなければ意味ないので、特に差別的とか読む人を嫌な気分にさせなさそうな限り(ここはこっちの推測なので、齟齬はあるだろう・・・)、余り気にしないことにしている。
他に、「馬鹿」、「猿芝居」、「幼稚園児並み」、「小学生/子ども/猿でも分かる・できる」、「猫に小判」、「馬の耳に念仏」、「豚に真珠」などは問題ないのかとも思う。こっちのほうが余程例えられた相手(馬など)に失礼だと思う。
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