先日考えた、冷気フィードバックによるエアコンの冷房温度の微調整アダプタを実現してみた。なお、理論上は暖房にも適用可能なので、「冷気フィードバック」を「サーモ・フィードバック」(以下"TFB")と呼ぶことにした。
現状での結果(効果)は、「全く効かない訳ではないが、効果があるようなないような微妙なところ」(プラシボ??)である。冷房が強く効いている(風量が多い)場合は、TFBをonにすると0.5℃前後暖かくなることがあったが、効かないこともあった(再現性がない感じで、定量的な確認ができない)。また、風量が少ない場合には効かない。
その一因は、後述のように、ホースが細くて冷気のフィードバックが効果的にできていないことだと考え、太いホースに換えてみようとしている。届き次第、改良する予定だ。
前回は効果の有無を調べるためにバラック的に組んだが、今回は実用化するために、何段階かを経て、それなりにちゃんと作った。
TFBのon/offの仕方については、迷ったのだが、最初は(リモコンで)エアコンの風向を下にした時にTFBが効かないようにしようとした。というのは、暖房時は風を下向きにすることが多いが、暖房時はTFBは余り使わなさそうなことを考えると、上向きでonにするほうが都合がいいからだ。しかし、試してみると、なぜか、上向きでonにするようにするとTFBが効かない感じだった。
原因は、あとで分かったことだが、使ったホースが前回と違って少し細い(内径が2mmくらい細い)ために、通気抵抗が大きく、上でon/offする配置ではホースの曲げが急で風が通りにくいことのようだ。
それで、(暖房で暑くて困ることはまずないので、)暖房でのTFBは諦め(冬はホースに蓋をして常時offにする)、風向を下にした時にonになるようにした。そして、真下に近づけるほど室温センサに戻す風の量が増えるようにして、TFBの効果量(効き)を調整できるようにした。
実際の効果を確認するために、条件を変えながら室温や吸気温度などを測定していたところ、いつものように、いろいろな落とし穴があった。
まず、エアコンの仕様を調べずに作ったために失敗した。このエアコンは、冷房時は、ルーバーの結露水の滴下防止のため、水平とその一段下以外の風向以外は、一定時間後に自動で戻ってしまう※。そのため、指定(角度を維持)できる風向はそれら二種類だけとなり、残念ながらTFBの効きは調整できなくなった。
※本来はとても真っ当な仕様なのだが、(エアコンが最下位レベルと思われる製品なので、そんなちゃんとした機能なんてないと思い込んでいただけにw)「余計なことするなよ!」って思った。この辺りで結構くじけて、室温センサ(サーミスタ)に可変抵抗を付けてエアコンを騙す方式に乗り換えたくなったが、基板を掘り出すのは敷居が高いのと、TFBでも多少は効果があるかも知れないから、試すだけ試そうと思って続けた。
次に、エアコンの動作が謎だった。同じ室温・設定温度でも、場合によって、冷房が効く(コンプレッサーが強く動く、風量が多い)場合とそうでない場合がある※。「少々の温度差は気にしない」仕様(動き出すためのしきい値が大きい?)なのかも知れない。ただ、外が暑い時はすぐに効く感じなので、外気温でも判定しているのかも知れない。
※その後、効き出さない場合は手動で風量を増すと冷えることが分かった。結局、TFBよりこっちの方が手軽で効果があるのかも知れない。ただ、冷えたら自分で風量を減らさないと寒くなってしまうのが難点だ。
その点では、最初の頃に考えた、PCなどに温度センサと学習リモコンを付けて微調整するのがいいのかも知れない。
それから、上述のとおり、使ったホースが前回と違って少し細い(内径: 推定14mm)ために、通気抵抗が大きくて風が通りにくく、TFBの効果が弱い感じがした。細いせいか吸気もしにくく、吸気口に漏斗を付ける必要があった(透明なので、写真では見にくい)。また、ホースの曲げ具合で効きが弱くなることが分かった。そのため、太いホース(内径: 推定20mm)に換えて試すことにして、その材料が届くのを待っている。
- サーモ・フィードバック(TFB)の最初の構成
- TFB on/offの動作を逆にしようとしたが、うまく行かなかった。
- TFBの正式版 (V1) 室内機左端は吸気温を測るための温度計
- TFB一式
- 冷風が室温センサに届きやすくなるようにホースを曲げたら、風が通らなくなってしまった。
- 吸気口の漏斗の調整が微妙だ。
- 正確な室温を測るため、温湿度計を机上に移動した。
- サブディスプレイの後ろに棚を作ってカレンダーを移動した。
- サブディスプレイの後ろに簡単な棚を作った。
以下に、効果確認中に気付いたことや細かい話などを書く。
- 自分の活動状況・体調はもちろん、風の強さ(気流)でも体感の暑さが変わるうえに、測定を続けると暑過ぎたり寒過ぎる状況になることがあるので、TFBの効果の測定も調整も難しい。
- 目的は温度の値を調整することではないので・・・
- 角度差がほとんどない二段階の風向でTFBをon/offする必要があるので、吸気口の漏斗の形状の調整は難しかった。
- どうにかしたいが、難しいと思う。ルーバーの角度を増幅するような物を付ければいいのだろうか?
- 上記のとおり、TFBのon/offは微妙で、本体のルーバーを見てもどちらか判別できないので、本体とリモコンに目安の線を書いたシールを貼った。
- ホースの内径と断面積の関係を計算してみたら、以前使った推定16mmから推定14mmになると、約3割も減ることが分かった。通気抵抗と面積の関係(反比例? 自乗に反比例?)は分からないが、結構効いていそうだ。
- → 圧力損失というものを調べると、どうやら、管の断面積の自乗に反比例するようだ。もちろん、管が長かったり曲がっていたりすると更に増える。
- TFBの排気口の風の状態(有無)は、濡らした小指をかざして調べた。エアコン本来の風があるので、ティシューでは検知が難しかった。
- エアコンの動作は意外に正確で、定常状態での吸気温は設定温度とほとんど同じことが多かった(まあ、普通に制御しているだけなのかも知れない)。ただ、吸気温が設定温度より1℃くらい異なるままのこともあった(原因は不明)。
- あと、吸気温と室温が異なることが多い(同じこともある)のが難しいところである。
- エアコンの下の窓から熱気が上がって冷房の効果を下げているのかと思って、カーテンレールの上に段ボールを載せてみたが、効果の有無は不明だった(ちゃんと比較していないせいもある)。
それから、効果確認中に、位置によって室温が結構異なる(例: 約1℃)ことが分かったので、正確に測ろうとして温湿度計を机の左端に移動した。その際、置き場所が不足したので、サブディスプレイ裏(上)にちょっとした棚を作って(少し前に知った(けど、その時は「こんなの弱くて駄目だ」と思った)製品のアイデアを拝借)、カレンダーを載せた。
なお、最初はメインディスプレイ裏に棚(写真の奥に見える白い桟)を付けて温湿度計を載せたのだが、ディスプレイの熱の影響で値が少し高くなったので、止めた。
最後に、というか、やっぱり思うのは、PCなどと温度センサと学習リモコンで制御する方式がベストな感じだ。というのは、体感温度ではないにしろ、実際の室温に基づいてエアコンを制御できるためである。あと、デジタルだから、物理的・アナログ的に微妙な「動かしちゃ駄目!!」な設定(配置)なんてないし、プログラムでいくらでも柔軟に制御できるのもいい。が、一番お金が掛かるwww
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