異音が出ることがあって、そろそろ寿命と思われた、PCの電源(Enermax EES500AWT II)を交換した。皮肉なことに、代わりの電源を注文した頃からパッタリと異音が出なくなってしまった。電源に追加したファンを外したために本来のファンの状態がおかしくなって(軸の埃の摩擦?)音が出たが、追加ファンを戻したら状態が戻って直ったのか?
まあ、いずれにしても、安全面(余裕の観点)から交換は必要だ。
一昨日に新しい電源(サイズ SPGT4-500P 「剛短4 プラグイン」※)が到着して その夜に動作確認(出力電圧のチェック)し、仮にPCに繋いで少し使ってみて大丈夫そうだったので、昨日、正式に交換した。
※この名前は、月の近く(実はすごく遠い)まで行くらしいお兄さんと付き合っているのかどうだか不明になってしまった ある女優を連想するがw、「剛」は彼女が出る前から使われていた。それどころか、「剛力」という製品すらあった気がする。
動作確認・事前確認(仮設置)
動作確認時は電源を単体で起動する必要があり、コネクタのあるピン(PS_ON)をGNDに繋げばできるのだが、それのピン番号を調べていて、(良く書いてある)クリップなどでテキトーにショートさせると、チャタリングで負電圧が生じて壊れる可能性があること(実際には問題ないことがほとんどだろうが、全く意識していなかったことに気付かされた)を書いたページがあり、念のため、それにならって手持ちのダイオードを使った(挿してから電源スイッチを入れた)。あと、この電源は大丈夫だったが、負荷がないと電源が入らないことがあるそうなので、古いHDDを繋いだ(良くないけど、これが毒味役にもなる: 異常な電圧が出ていたら爆発したりするw)。
余談: ダイオードは子どもの頃から苦手だ。というのは、端子が「アノード」、「カソード」と馴染みがなくて*、どっちがどっち("⯈"と"|")だか分からないのだ。トランジスタやFETも似たような命名だが、「ベース」とかなので、まだイメージが湧く(頭の中に画が出て来る)が、「アノード」って言われたってねえ・・・ まあ、ICじゃないから"+"や"-"は違う(実際、そういう風には使わない)気もするし、どうにもならないのだろう。
*子どもの頃に知って苦手なまま来たうえに、"base"なんかと違って"anode", "cathode"(Kathode)なんて使わないから、パッと来ないのかも知れない。
でも、「電解コンデンサは"+"と"-"だから、それでもいいじゃん」て気もするが、まあちょっと違うか。あと、ネイティブには(文字通り)「陽極」と「負極」のように読まれるのだから、日本でもそう書けばいいのにw
他には"in"と"out"はどうだろうか。これも"+"と"-"同様ちょっと違うが、まだましな気がする。ただ、対象が電流なのか電子なのかが問題かもw そもそも、電流と電子の流れる方向を逆にした奴が悪い。どこで懺悔して、「これからは電流の流れる方向を逆にします!」って言って欲しかったwww が、時間的には逆なので、電子は「反電子」という存在に置き換えられて、ってのはさすがにないなあ・・・
重要な部品なので、一応、すべてのコネクタ種(ATX(24ピン), EPS12V, ペリフェラル(4ピン), SATA, PCI-E, FDD)のすべての電圧(3.3V, 5V, 12V, -12V, 5Vsb)を確認した(「すべてのコネクタのすべての電源ピン」ではない)。更に、電源側のチェックした出力ジャックをマークして、(基本的に)そちらを使うようにした。もちろん、ケーブルも(基本的に)チェックしたものを。
ここまで厳密にする理由は、ある電源のレビューに「HDDを繋げたらチップが破裂して おしゃかになった」というのがあったので気にしていることはあるが、初期不良以外にも、自分の経験から、配線間違いや検査漏れは避けられないからである。そして、仮に製品不良で保証が効いても、壊れた他の部品(例: CPU, ディスク)は直らないので。
それから、最悪の事態を想定して、PCに繋いで試す前にバックアップした。負荷が掛かったら異常動作することもあるからだ。
ついでに、趣味と興味から、新旧電源での消費電力を測った。すると、アイドル時は約62Wと変わらなかったが、起動時の最大値が約4W(約130 → 約126W)、スリープからの復帰時の最大値が約9W(約85 → 約76W)、それぞれ下がった(目視で測ってメモしたので、誤差はあると思う)。また、測定器がクソなための制限(5W未満は測定不可)のため、スリープ時の値は測定できなかった。
気にして居たのはアイドル時やスリープ時など、長時間維持される状態(= 一番効くもの)での消費電力だったので、概ね増えていないようだから、まあ良しとした。
→ その後、スリープ時の消費電力を測定する方法を思い付いて測定した。「下駄を履かせ」た。つまり、PC以外の負荷(バックアップとビデオ用HDDにした)をPCと並列に接続して測定器に繋ぎ、PCがスリープした時でも全体の消費電力が5W以上になるようにした。※ すると、スリープ時には0と1W(HDDを差し引いた後の値)が切り替わっていたので、0.5W程度と考えられる。これ以上は測定器の精度なり分解能が足りないので測定できないし、前の電源とも比較できないが、1W未満なら「まあ許容できる」レベルだ。 (19:58)
※厳密に考えれば電力(電流)のレンジが変わっても測定器の精度なり分解能が保たれるのか分からないが、おそらく大丈夫だろう。
新しい電源の最初の印象は、静か(ファンの回転数が低い)で外観が綺麗(グラフィカルなことでなく、塗装などの質)で、予想以上にいい感じだった。 (まあ、それと信頼性や耐久性(寿命)は関係ないというのが、僕の経験上の教訓だが・・・)
交換
事前確認がOKだったので、昨日、正式な交換作業をした。例によって、(しかも、今回は予想どおり)交換作業は難航し、ほぼ一日掛かりだった。やっぱり電源は簡単には外せず、PCの中には埃が溜まっていて、掃除嫌いな僕でさえw看過できないありさまだった。
電源は、もしかしたら、ネジを外せば横に引き抜けるかと思ったが、やっぱり問屋が卸してくれなかった(どうして問屋ってのは、そんなに頑固者が多いのか?w)。左(横のカバーが開く側)からも右からも、補強のリブや柱(写真の横棒)が邪魔で通らなかった。あと5mmくらいで惜しいのだが・・・ あの柱が取り外せれば良かったのだが、リベットのように止まっていたので、無理だった。ネジ式だと安く強度を持たせるのは無理なのだろう。
それで、CPUクーラーを外すのは嫌なので、CPUクーラーを付けたままマザーボード全体を取り外した。ケース内のマザーボードは手を掛けられるところが少なく、CPUクーラーや部品に力が掛かるので、なかなか危険だ。
ただ、CPUクーラーを外す手間やリスクに比べれば、こっちの方がマシだと思う。あと、そもそも設置する時は外でCPUクーラーを付けた気がするので、これが正しいのかも知れない。
マザーボードを外そうとすると、さまざまな部品を外す必要があり、嫌でも盛大に溜まった埃を目にし、仕方ないので掃除機で掃除しながら進めた。おかげで、新しい電源を付けるころには見違えるように綺麗になった。また、新しい電源がセミプラグイン式で余計な電源ケーブルがなくなったのと、余計な部品やケーブルを外したので、随分すっきりした。
不思議かつがっかりしたのは、CPUクーラーのフィンの間に大量の埃が溜まっていて いかにも放熱が悪そうだったので、掃除したらもっと冷えるかと思って居たのだが、掃除後でもCPU温度やCPUファンの回転数が変わらなかった(せいぜい、1℃下がった程度だが、室温が下がったせいかも知れない)ことだ。クーラーが大きいために かなり余裕があるのだろう。まあ、すごく重い処理をした時に効くのかも知れない。
マザーボードを取り外せば古い電源は簡単に外せ、新しい電源を取り付け、マザーボードを戻し、他の部品を付けて配線して終わりである。
ちなみに、(安いので当然ながら)電源添付のケーブルのSATAの電源コネクタにはロックがないので使わず、今まで使っていた、4ピンコネクタ-ロック付きSATA電源コネクタケーブルを使った。
- 新しい電源(SPGT4-500P)の起動・出力電圧の確認
- 新しい電源を仮設置しての動作確認
- 残念ながら、電源は横から取り出せない。。。 (上から伸びるケーブルが点滴みたいだ)
- 電源を取り外すため、マザーボードごと外した。
- やっと古い電源が外せた。
- 清掃中のHDDファン (左: 済み、右: ほぼ未)
- 外して清掃したパーツ
- 清掃前のCPUクーラー・・・ (手前: ファン, 奥: フィン)
- 清掃後のCPUクーラーのフィン。驚くほど綺麗になった。
- 前面のサウンドとFireWireのジャックは使わないので、ケーブルを切った。
- ケースの清掃が終わった。
- ディスクなどを全部取り付けて起動した。
- 部品を整理して随分すっきりした。
- ようやく終わり、PCは無事起動した。
- 作業時の部屋。まったく大仕事だった。
が、細かいところで結構苦労した。
まず、マザーボードの電源コネクタ(24ピンのもの, 写真中央右側辺りの太いケーブルが繋がった黒い物)が堅く、なかなか挿し込めなかった(最初に動作確認する時に抜くのも大変だった)。しかも、僕のマザーボードにはその辺りに支柱がないので、力を掛けるとマザーボードが折れるおそれがある。老眼のため入り具合も良く見えず、なかなか怖かった。それで、写真でも分かるように、作業中はギリギリまで抜き挿ししなかった。終わりの頃に、コネクタの下にプラスティックの台(コネクタの蓋)を挾み、今後は少し楽になるようにした。
それにしても、なぜそういう作りにしたのか はなはだ疑問だ。部品を追加しなくていいから基板を大きくするだけでいいのに・・・ その方がパターンや配置に余裕ができていいだろうに。基板のサイズがそんなにコストに効くのだろうか? (大きな基板から取れる枚数が関係しているのか?) Micro ATXと共通化したかったのだろうか? (それにしては穴の位置が違うから、そうではなさそうだ) 機械的なことに無頓着な人が作ったのか?
それからマザーボードのメイン電源ケーブル(上の写真を参照)もいい加減にして欲しいほど太い。これをテキトーな気持ちで曲げようとすると、マザーボードに力が掛かって やっぱり折れそうな気がする。安くしたかったのだろうけど、ロックを別にするとか電気ポット方式とかw、もっといい方法があるはずだ。
それから、マザーボードの背面のコネクタの隙間を塞ぐ金属板(写真の右上)がなかなか嵌らなかった。薄い板に、コネクタを通す穴が開いていて、その上下のベロ(恐らく、(効き目があるかは不明だが、)板をグランド電位にしたいのだろう)がコネクタにぶつかって入らないのだ。ベロの数が多くて、全部を相手にする必要があるのでいつも苦労する。今回は、この板は止めようかとすら思った。これはマザーボードに一体にできないのだろうか?
それに、そもそもグランド電位にしたいのなら、こんな不安定な物じゃなくて、どこかでネジ止めすれば済む話だ。全く馬鹿らしい。次はベロは緩くしてそうしよう。
ようやく なんとかなり、とりあえず光ドライブだけ繋いで電源を入れたら無事起動したので、他の部品も繋いで起動しても問題なかった。結構手荒く扱わざるを得なかったので、本当にホッとした。
ちょっとした問題は、最初に起動した時になぜかHDDファンが高速に回転し、BIOSに回転数が出ないことだった。前者は、繋ぐコネクタを間違えていたこと(HDDファンの回転数を自作ソフトで制御するため、回転数を設定できるケースファンのコネクタに繋ぐようにしている)、後者は、HDDファンを2個にするために分岐しているが、今回はストレージが少ないので1個だけにすることにした時に、回すファンのコネクタをセンサ入力の繋がっていない方に繋いだたためだった。
感想など
- 当然ながら、電圧は全く問題ない。
- Muninで見ても何も変化はない。
- (今のところ)すごく静か。(エアコンの風の音やPCの他の部品や外の音に紛れて)電源の音は聞こえない。
- やっぱり、騒音の値が明記されているもの、ファンの回転数が低目なものを選んで正解だった。
- コイル鳴きもなくて安心した。
- HDDファンは1個でも大丈夫そうだ。
- HDDの温度は変わらない。
- 少し(約80rpm)回転数が上がったが、1個にしたせいなのか、電源のファンの回転数が遅いために全体としての風量が減ったためなのかは分からない。
電源交換といえども まったくの難事業だったw 運良く、今回は怪我はほとんどなかった。
という訳で、一件落着だ。さて、今度の電源やPC本体はいつまで持つだろうか?
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