いろいろなことが一段落しつつあるが、少し前に思い付いて、アンプ(SAYA SP192AB)の「クソガリボリューム」(回すとガリガリ雑音が出ることがある)を何とかしようと思った。
少し前に、暫定対処として、アンプのボリュームは動かさないようにし、別なボリューム(FOSTEX PC-1e改)を外付けして音量を調節していた。使い勝手はすごく良かったのだが、アンプのガリボリュームを通るのが どうしても気に入らなかった。というのは、つまみを回してガリが出るということは、スライダーが接触している点付近の導通が均一でないということで、何らかの原因でボリュームが振動すると、わずかに導通性・抵抗値が変化する可能性がある。それが、耳には聞こえない音量変動や雑音(ガリ)になって音質を劣化させると考えるからだ。※ 振動しないまでも、気温などの変化でスライダーが微妙に動き、それで接触が悪くなって音質が劣化する可能性がある。
※これは、(一部のマニアが気にする)ケーブルやコネクタやアンプの筐体の振動よりずっと影響が大きい。
そこで、アンプのボリュームを撤去して(無効にして)固定抵抗(アッテネータ)に置き換えることを考えた。※ 具体的には、ボリュームの代わりに、今良く使う音量に合う値(≒ 現在のボリュームの値)の抵抗にすればいい。アンプのブロック図や内部の外観から現状の回路を推測し(写真の黒字。赤字は検討中の変更案)、固定抵抗に置き換える回路を考えた。なお、ボリュームがないので、いざという時のために音量のレンジを2段階(レンジ1と2, 2は1の2倍)に変えられるように、入力切り替えスイッチで2種類の抵抗値が選べるようにしたい。
※もう一つの案として、アンプの初段(ボリュームの直後、プリアンプ部)のゲインを下げることも検討した。固定抵抗で小さくした信号を また増幅するよりは、最初から小さく(適量だけ)増幅するほうが音質的にはずっと得策だ。そして、このアンプはオペアンプで構成されているので、片チャネルおよそ2本の抵抗の値を変えるだけで実現できそうだが、それで設計時と特性が変わって音が変わってしまう可能性があるので、却下した。また、僕がチップ抵抗の扱いに自信がないこともある。
アンプのボリュームは全体で10kΩ, A("15A": 中点で全体の抵抗値の15%)特性のようで、現在使っている位置(時計の9時付近)での抵抗値に近い抵抗値を、理論計算と実測と実際に聴いた感じで選んだ。現状は、全体(写真のR1+R2+R3)が14kΩ、R1は10kΩ、レンジ1(R3)は2kΩ、レンジ2(R2+R3)は4kΩとした。(写真のメモのとおり、)抵抗による入出力比rn (nはレンジ: 1, 2)は次の式で求められるはずだ。
r1= R3/(R1+R2+R3)
r2= (R2+R3)/(R1+R2+R3)
ここで、R2= R3なので、
r1= R3/(R1+2*R3)
r2= 2*R3/(R1+2*R3) → r2= 2*r1 (レンジ2は1の2倍)
理論上はレンジ1では約-17dB減衰する(約1/7になる)はずだが、実測では約-20dB減衰した(約1/10になった)。また、レンジ2では測定していないが、理論上は約-11dB減衰する(約1/3.5になる)はずである。
理論値と実測値の差の-3dB(約1/1.4)の原因は分からないが、DACとADCのインピーダンスとアッテネータの抵抗値との関係によるのかも知れない。あるいは、抵抗値の誤差かも知れない(デジタルテスタがないので、確認できない)。 → 別のADC(Scarlett Solo)で測ったら理論値に近い値になったので、サウンドカード(ASUS Essence STX II)のADCのゲインが-3dBくらいなのか、JACKからPulseAudioに入る時に3dBくらい下がるようだ。
いきなりアンプを改造するのは怖いので、まずは、アンプのボリュームを最大にし、仮組みした抵抗(アッテネータ)を外付けして試すことにした。
ただ、アンプのボリュームを最大にしたままにすると、何かの拍子にすごく大きな音が出る可能性がある※のがすごく怖いのだが、アンプの構成は、ボリュームでアンプのゲインを変えているわけでなく、(ボリュームのあとの)アンプは常に100%のゲイン(フルボリューム)で動いているので、アッテネータとアンプの間に雑音が入ったりケーブルが抜けたりしない限り、大きな音は出ないはずだ。
※音が出た途端に強烈な音でふっ飛ばされかねないので、大変危険だwww
また、このアンプの出力は数Wなので、仮に大きな音が出続けても、うるさいだけでスピーカーが壊れる可能性はなさそうだ。
よって、理論上はアンプのボリュームを最大にしたままでも大きな問題はないことになった。
昨夜から試しているが、今のところ問題はない。音はおかしくないし、以前起こっていた耳閉感や耳の痛みもない。プラシボ効果だとは思うが、音(特に高音)が少しクリアになった気がする。左右の音量バランスも問題ない。また、気になっているPCのスリープ時と復帰時にも雑音は出ない。念のために周波数特性を測ったが、当たり前のように全くフラットである。
- アンプのボリューム周りの元の推定回路図(黒)と変更案(赤, 検討中)
- アンプのボリュームを固定抵抗にする回路案
- アッテネータの抵抗値の調整中
- 固定抵抗によるアッテネータを仮組み・配線した。
- アンプのボリュームは最大!
- 固定抵抗によるアッテネータの周波数特性: 青: L, 赤: R (見やすくするため、Rを1dB下げた)
一週間くらい試して良さそうなら、アンプ内部に組み込もう(ボリュームを無効にする)と思うが、パターンカットがあって怖いのと、部品の置き場所によっては雑音が入るかも知れないので、とりあえず半田付けしてちゃんと作って、外付けのままにするかも知れない。
naoki: 2021-01-30 19:14
手書きの回路図がカッコイイです。特に僕は、電気が分からないので。机の写真もシビレます。
そして100%のゲインが出てきて「もしや」と思ったら、お約束のように動画が出てきましたw
れんと: 2021-01-31 03:48
●ありがとうございます。
回路図などをPCで描くのは面倒で時間が掛かるので、手で描いてますw
机は、僕もこういう雑然としたのが好きです。でも、これは安全上は結構問題があります。が、性格でこれになりますw
ごちゃついた配線は、ブレッドボードってのがあると、大分綺麗になるのですが、基本的に、家で電子工作をやるつもりがなかったので、持ってないのです。
不覚にもw、あの動画は書いて少ししてから思い出しました。「Maxゲイン」といったら、やっぱり あれですね^^