先日のアンプの改造。落ち着いたかに思えたのだが、例によってその後も飽きずに続いておりw、昨日と今日、あるアイデア(初段アンプのゲインを下げるんだったら、すっ飛ばしてもいいんじゃない?)を試した。その件については追って書くが、その過程で気付いた、僕にとっては驚くべきことを書きたい。
題に書いたように、コンデンサには「音」あるいは「色」があるようなのだ。ただ、常にという訳ではなく、そのコンデンサに音(の電流)が流れる場合が主だと思う。
僕のアンプの中程には直流カットコンデンサが入っている。※ 今日、ちょっと訳があって(ちょっと手抜きをして)、それを元々のでなく手持ちのに置換した。すると、どういう訳か、音が(今まで以上に)綺麗な感じ(高域がクリアな感じ)になって感心した。
※本当は、音が通るところにコンデンサを入れるのは嫌なのだが*、コンデンサを使わずに直流をカットするのは難しい(高く付く)ので仕方ない。また、直流をカットしない訳には行かない。もし直流やそれに近い音をスピーカーに出すと、コイルに悪影響が出る(最悪の場合、焼ける)らしいし、実際、僕も、ちょっと失敗した時に音がおかしくなったのだ(これは、コンデンサ以上にすぐに感じた)。
*なぜ嫌かと言うと、良く言われていたので(証拠もなく)「コンデンサで音が劣化する」、「音にコンデンサの色が付く」と思って居たからだ。それが、今日、初めて証明された。
ただ、長時間聴いていたら、わずかに耳閉感がして来た。最初は音がダイレクトで刺激が強いせいかと思ったのだが、段々、コンデンサを変えたせいではないかと疑って来た。というのは、使ったものは何用か素性が分からない(電源用?)電解コンデンサだったので、オーディオには向かない気がしたからだ(ただ、各種特性(振幅・位相の周波数特性、歪み)は全く問題なかった)。
それで、試しに(四苦八苦してw)、元のコンデンサに戻したら、なんと、「馴染みの音」に戻ったのだ。
これ、僕にしては今までの意見を覆すような大きなことなので安易に書けないのだが、書くってことは本当なのだ。聞こえ方に体調とかそういうのは関係あるが、それ以上に違いが はっきり分かった。
なお、馴染みに戻ったのはいいが、今となっては、さっきの妙にクリアで輝かしい音も なかなか捨てがたい感じはしている。
だから、手持ちのコンデンサがオーディオ用でなかった可能性はあるだろうが、(今までの考えに反して)コンデンサには固有の「音」があると実感した。良く考えると、電解コンデンサは中で化学反応をするので、つくりによって特性が変わるから、音に対する反応も違うのだろう(それが各種特性に出ないのが謎ではあるが、もっと別の方法で測れるのかも知れない)。
そうすると、電解コンデンサが使われている機器ではもちろん、スピーカーやレコードプレーヤーのように(アナログ音に関係する)機械構造があるものもエージングの効果は本当にあるのだろう。要するに、経時変化するものは(文字通り)時間が経てば音が変わるのだ。
「ただ、そういうのが全くないものは、今でも、どうだろうと思う。」と書こうとしたが、そういうものはほとんどないことに気付いた(せいぜい、純粋なデジタル機器だが、そういうものはオーディオには まずない。DDCとかか)。また、音が流れない箇所(例: アナログ回路の電源)にあるコンデンサも効く可能性はある。
そういうものは回路図などには書けないし、一般的な特性に表されにくいので、一見、音には無関係と思われるのだが、実は関係していたのである。ただ、それらが「測定できないけど音には出る」かというとそうでもない。単に、普通に測定しただけでは分からないだけであって、そこに着目して測れば違いは出るはずだ。そして、そういうものと そうでないものの違いを見極める必要は、大いにある。
ちょっと分類すると、以下のようになるだろうか。
-
- 科学的に正しい定説
- 定説だけど、あまり知られていない・嘘くさい (なかなか信用されない)
- 科学的に正しいはずだが、まだ証明されていない説
- 定説の受け売り (言う本人が理解していないで、説得力がない)
- 謎の独自理論 (まだ証明されていない説との区別が難しい場合はあるが、大抵、物理法則に反しているとか定量的でないが、心理的効果がある場合もある)
- 虚偽・雰囲気 (逆効果の場合すらあるが、心理的効果がある場合もある)
- それ以外 (雰囲気に近い)
なかなかオーディオの世界は深いと、思い知らされた。
↓
(2/8 18:01) 元々のコンデンサで聴いていたら、やっぱりわずかに耳閉感が起こることがある。音がダイレクト過ぎるとかキレが良過ぎるせいなのか、耳の疲れかは分からない。ただ、手持ちのコンデンサの時よりは きらびやかな感じはしない(馴染みの音がグレードアップした感じ)ので、やっぱり「コンデンサの音」はあると思う。
そして、(今まで何度もあって、自分でも「また?」と思っているのだが、)いろいろな演奏の音がリアルに感じるとか、今まで気付かなかった音に気付くことが多い(以下に例を挙げる)。だから、耳閉感は そういういつもと違う音に耳が慣れないせいかも知れない。これが いつまでも慣れないと厄介なことになるが、果たして・・・
- The Beatles
- "Magical mystery tour" (1967) - "Strawberry Fields Forever - Remastered 2009": 左のエコーの掛かったドラム(中域, スネア?)がリアル
- "Let It Be - Remastered 2015" (1970, single ver.): 高音の聞こえ方が随分違う(例: 常時鳴っているハイハットかシンバル)。終盤の右の小さいギターが鮮明に聞こえる。 (シングル版かつ新しいリマスタリングのせいかも)
- The Police "Synchronicity" (1983)
- "Walking On The Moon": スネア?の縁を叩く音がリアル。
- "Synchronicity II": 記憶の音と全然違う。 (レコード以来、ほとんど聴いてないせいかも)
- Eagles "The long run" (1979)
- "Those Shoes": 時々左(右だったかも)の遠くで鳴る音が聞こえる。今まで気付かなかったかも。
- "The Sad Cafe": 左のアコースティックギターがリアル。
PS1. 良く、オペアンプを換えると音が変わるという定説があり、当然ながら僕は懐疑的だったのだが、それはオペアンプ自体の特性の違い以外に、周辺で使われているコンデンサの特性やそれとの相性もありそうだ(何となく、そっちが大きい気がする)。更に言えば、抵抗も関係しているかも知れない。
PS2. こういうことがあると、以前悩まされた耳閉感や耳痛は、そのコンデンサのせいかも知れないと思った。買った直後は少し耳が痛くなったし、特定の成分・構成の音を通すと僕の耳に悪さをするような色付けになるとか・・・ やっかいなことに、それは普通に特性を測っても出ないのだ。もしかして、そのコンデンサを高級なものにすれば、すべて丸く収まるのだろうか? (多分無理だw)
PS3. 上のように書いたものの、まだ認めないことは多い。(コネクタでなく)ケーブルやケースの振動やケーブル・被覆の材質(例: 高純度無酸素銅、銀)、処理工程(例: ケーブルのクライオ加工)のような、科学的に明らかに音に無関係なことだ。が、それらが「明らか」だという証拠が出せないのが弱い。
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