前回ちょっと書いた、アンプのゲインを下げる改造の続きである。

はじめに、理解しやくするため、アンプのブロック図を以下に示す。「初段」、「最終段」と呼んでいるのは、図中の「プリアンプ」と「6dBパワーアンプ」である。

アンプSP192ABのブロック図 (マニュアルより)

これまでは、アンプの初段のゲインを下げることで僕の希望(ガリの出るボリュームを排除する)を満たせていたのだが、使っている・聴いているうちに、

もしかして、この初段は なくてもなんとかなるんじゃまいか?

と ひらめいた。それで、初段のゲインを下げている時に後段に入る振幅(音の大きさ)を計算してみたら、以下のように何となく行けそうだった。

アンプの仕様: ゲイン: 29dB (約28倍) うち、初段(プリアンプ): 23dB (約14倍)、最終段(パワーアンプ): 6dB (2倍)

初段のゲインを下げた時の(初段の)ゲイン: 11dB (約3.6倍)

初段のゲインを下げて使った時の外付けボリュームの通常使用時の最大の回転角(率)とその時のボリュームの透過率: 約50%, 15% (ボリュームは15A特性(推定)のため、回転率が50%の時の透過率は左の値となる)

→ この時、入力の振幅を1とした時に後段に入る振幅: 3.6*(15/100)= 0.54

つまり、初段はアンプと言いつつも増幅はしておらず、ゲインを下げた状態でも更に約1/2に絞って後段に入力しているから(正確には、外付けボリュームで かなり小さくしたものを3.6倍して後段に入れている。: 僕の大嫌いな、馬鹿馬鹿しく無駄なことをしている)、初段がなくても間に合うはずである。

後段だけにした場合のアンプの出力は、PCのサウンドカードから入力する場合、以下のように約4Wと推定できる。(実は、最初は約0.5-1Wと見積もっていたが、それよりずっと大きいので「行けそう」だ。というか、行っているw)

アンプを後段だけにした時、最大音量時にはサウンドカードの最大出力電圧をアンプの後段に入れるとすると、サウンドカードの最大出力は2Vrmsなので、振幅(電圧) E= 2.8V

電力P= E2/Rなので、簡単のためスピーカーを8Ωの純抵抗とした場合、
アンプの出力P= (2.8V*2)2/8Ω= 3.9W

※アンプの初段は電圧だけを増幅し、最終段で電圧と電流を増幅するため、出力(電力)に寄与するのは最終段だけであると考えて、この計算とした。つまり、最終段に充分な電圧(振幅)を入れさえすれば、初段の有無に関わらず、その分の出力は出ると考えた。

つまり、アンプを後段だけにした場合の最大出力は約4Wとなる(もっと大きな振幅の出るサウンドカードなら、もっと出るはず)。

また、PCから最大音量で再生する場合に最低限必要な出力(PCの音を歪まずに出し切れる出力)を求めて、アンプの出力が充分かを考えてみた。

サウンドカードの最大振幅は、上記のとおり約2.8V
それがスピーカー(8Ωの純抵抗とする)に掛かった場合の電力は 1.0W (2.82/8Ω)

PCの最大音量を再生する場合には約1W(以上)必要だが、アンプを後段だけにした場合の最大出力は約4Wなので充分そうだ。最終段のゲインの2倍が効いている。

もちろん、実際にアンプに必要な出力は聴力(耳の感度)、耳とスピーカーの距離、部屋の広さ、騒音レベルなどが関係するが、初段のゲインを下げた状態でもかなりボリュームを絞って使っているので、おそらく足りると思われた。

(実は、上のような検討は 事前にして居たが、間違いもあったりして、今 再確認しながら書いている。いわゆる「後付け」だが、それなりにうまく行ったので結果オーライとも言えるw)

近頃思い出したのだが、このアンプを買う頃、こういうふうにゲインを下げる(高・低に切り替える)機能が欲しかったが、残念ながら付いていなかった(確か、別の候補に付いていた気がする)。前面パネルのスイッチは入力切り替えでなく、ゲイン切り替えであって欲しかったが、そうでなくて残念に思ったのを思い出した。それを今、実現しつつある。

それで早速試してみた。なんとなく難航しそうな気がしたが、やっぱりいろいろ苦労・試行錯誤・紆余曲折した。今日も、これを書くためのデータを測定していたら、妙な値や音になったために測り直したり調整・修正したりして一日潰れてしまった。それで 疲れて後半を書く気力が消滅したので、一旦ここまでで公開する。

 

To be continued.

 

PS. 前の稿に書いたように、やっぱり、手持ちの素性の不明な電解コンデンサの音は駄目だ。やたらにキラキラした音になって、賑やか・うるさい感じで嫌になる。一見、高域の特性がいいように聞こえるから一般受けしそうだが、忠実ではなさそうだ。

それにしても不思議なのは、そういう音のおかしさが周波数特性(振幅、位相、歪み)に全く表れないことだ(例: キラキラしているからといって、高域が持ち上がっている訳ではない)。いったい、どういうものなのだろうか? 動特性なのか。

それで、今は元のコンデンサに戻している。※ ただ、半田付けの熱で劣化してしまったのか、どうも挙動不審な感じだ。それで、フィルムコンデンサを注文した。どういう音になるかは分からないが、電解コンデンサではないという点でマシだと思う。

※妙なのは、元のコンデンサに戻した直後に、音が「ものすごい迫力」で聴こえることがあり(曲は「ステキな恋の忘れ方」(1985))、「いったい どうしてこうなった?」などと不思議に思ったが、なぜか今は落ち着いている。これも上の挙動不審なことの一つだと思う。

あと、もしかしたら、耳閉感もコンデンサの状態がおかしくなった時(あるいは、そもそもコンデンサが変な特性で、特定の構成の音で破綻するのかも知れない)に起こるのではないかと、疑っている。その点でも、新しいコンデンサがどうなるか興味深い。

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