本来なら、「ゲインを下げるなら、余計なアンプをすっ飛ばせばいいじゃない。」の実装編を書くところ、予定外の(でも よくあるw)寄り道をしたので書く。

(少し書いていた)初段アンプをバイパスする件と並行して、劣化しているために耳閉感や不安定さの原因になっていると思われたDCカットコンデンサを換える話も進んでおり、新しいコンデンサ(TDKのフィルムコンデンサ EPCOS B32529 1μF)*が届いたので、早速試してみた。※

*手軽に入手できてオーディオに使えるコンデンサは余りなかったのだが、オーディオ用とか高音質をうたうものは色が付いてそうなので止めて、いかにも普通だけど特性が良さそうなのを選んだ。レビューに「素直な音」とか書いてあったのもポイントだった。ちなみに、約150円/個だった。あと、スピーカー用なのか、フィルムコンデンサには大きいものが多くて使えないのが残念だった。

※アンプの回路変更用に付けたICソケットは、最初は初段オペアンプのゲイン調整用の追加抵抗だけだったのだが、いつの間にか ほとんどフルに使われており(14ピンのうち12ピン(6組)を使っている)、あたかもパッチベイのようになっている。それで、大抵のことは半田付けなしで試せるようになっている(実際、DCカットコンデンサの入れ替えは こうやって挿すだけだw)。ただ、やっぱり接触不良や抜けが起こりがちだし、いつか多くのコードのどれかが切れる可能性が高いので、(壮観ではあるが)好きではない。

最初の印象は、(地味な外見どおり)おとなしめだった。異常にキラキラした手持ちの電解コンデンサとは全く違い、「ごく当たり前」という感じの音を出した。アンプに元々付いていたコンデンサに比べると若干おとなしい印象で それが物足りない気がするが、こっちのほうが「本当・本物の音」なのかも知れないと、(何度か挫けながらも)試している。

なお、やっぱり・当然ながら、周波数特性(振幅、位相)は換える前と違いがなかった。歪みや雑音が少し違うが、大きな差ではない(なので、グラフは省略した)。それなのに音に違いが出るのは、大きな謎だ。いつか正体を突き止めたい。

ただ、周波数特性に違いがなかったということは、僕の回路の読みや勘が正しく、元のコンデンサと同じ容量(書いてないし、測れない)を選んだということで、それはそれで喜ばしいことだ^^

あと、僕は余り信じていなかったが、コンデンサを換えたあとは音が今ひとつなことがあって、エージングが必要なのかと思った。ただ、それがエージング不足によるのか、演奏の元々の音なのか、耳の調子によるのか分からないので、何とも言えない。元のと交換して試したりすると、印象が行ったり来たりする。

(2/14 10:16) それから試しているのだが、どうもTDKのコンデンサは今ひとつな感じだ。聴いていると、悪くない時もあるのだが、段々、「なんか音が悪い」、「音が荒れている・埃っぽい」(今気付いた表現)とか感じたり耳に圧迫感が出たりして、元のコンデンサに戻すと「まあまあ」・「普通」になる。それで少ししたら、「もしかして気のせいだったのでは?」と思って再びTDKに換えてみると「やっぱり駄目」ということを何度も繰り返している。圧迫感は耳の調子もあるが、特性は変わらないのに音が悪く感じて「なんか嫌」な感じになるのは謎だ。

(2/15 10:34) 性懲りもなく代わりのコンデンサを調べていたら、元のコンデンサはパナのECPUというシリーズのようだ。型番など書いてないから確証はないが、独特の光る金属的な外観がそれらしい。だとすれば、ECPUに悪い評判は見なかったので、いいものを使っているようだ。ただ、表面の薄い皮のような「何か」が剥がれるのは大丈夫なのだろうか??

(2/16 12:03) 別件で検索していて、コンデンサの歪みを測るというページがあり、それをヒントに手持ちの「キラキラ」電解、TDK EPCOS、内部(パナ ECPU?)の各コンデンサを測って比べてみた。※ すると、興味深い結果となった。結論を先に書くと、歪み(THD)と雑音に関しては以下のようになった。

内部 > TDK >> 電解

なお、振幅と位相に大きな差はなかった。

※アンプで使われているようなDCカット回路(1μFと20kΩのCR HPF)にして、測定信号を入れて出力を測った。

THDは はっきりと差が付いた。内部(グラフ: 緑)は低域(100Hz以下)がTDK(グラフ: 水色)より10-20dBも小さかった。電解(グラフ: 紫)は低域がTDKより5-10dB大きかったし、振幅が大きい時に歪みが増大した(グラフ: 明るい紫)ので論外だ。

TDKが嫌な感じだったのは、この低域の歪みが多いせいだろうか? そして、もし、何らかの条件(音の構成・成分、温度、湿度?)で内部コンデンサも低域の歪みが増すとして、あるいはコンデンサは関係なくとも、イコライザ・フィルタの設定や音の構成・成分で低域の歪みが大きくなり、それで耳閉感や圧迫感が起こる(、あるいは、起こる切っ掛けになる)としたら今までの謎が解ける切っ掛けになりそうだ。

 

それから聴いていたら、いつもの耳閉感(あるいは圧迫感)が起こった。それで原因を探っていて、昨夜は音源に入っている超低域(例: 40Hz以下)が悪さをしているのかと思って測ってみたら、曲(演奏)によって いろいろだった。1970年代のものは結構未処理っぽく「入るだけ入れたよ/出るだけ出すよ」的なのだが(一方で、古いために音質が悪いものもあるのがおもしろい)、新しいもの(例: 1990年代以降)は意外に処理されている(気を遣ったフシが伺える)ことが多い。想像するに、大昔のアナログ時代は いくらすごい音を入れても滅多に再生できなかったからテキトーで良かったが、デジタル化された近年は機器の性能が向上したために、迂闊に入れるとちゃんと再生されてしまって「うるさい!」とか文句が来るからではないか。

それで、そこら辺をフィルタでカットしてみたのだが、(例によって)ほとんど効果はなかった。

そうこうしているうちに、(今朝だったか)どうしてか、アンプから直流が出ていて、それが悪さをしているのではないかと思った。試しにテスターで測ったら、本当に出ていた(しかも測れた!)ので驚いた。僕的には全くありえない、お粗末なことだ。これはオフセットといい、大きいと音やスピーカーに悪影響を及ぼす。オフセットの量は、左が約-10mV、右が約-15mVだった。最初は、これくらいなら問題ないと思ったのだが(実際、調べると問題ない範囲のようだ)、普段聴いている時の電圧(振幅、音量)と比べたら、そうでもない感じだった。

太古のアナログテスターで測るところが いかにも竹槍戦法を想起させるが、精度は悪いけど、針が動くだけの電圧はあるってことで、それを0(= 開放時の値)に近づけるのは何もしないよりは意味があると思う。少なくとも、最初の0点が狂っていない限り、0にしたつもりで大きくなって逆効果ということはないはずだ。

普段聴いている音量(スピーカー端子での振幅)を調べたら、約-45dBFS(最大値の0.00562倍)で、サウンドカードの仕様から、約11mVrms= 16mVとなった。随分小さくて なんか信じられないのだが、この計算が正しければ全く無視できない。

16mVの振幅に10(or 15)mVも余計な直流が出ていたら、それは全然話にならないでしょう・・・ (家庭での使いみちがあるかは別として)数百Wのアンプなら仕方ないけど、これは小出力で高音質をうたっているのだから、その領域でちゃんとしてなかったら「何サボってんの?」だね。

それで、大学の実験でやったことのある、オペアンプのオフセット調整の仕方を調べてやってみた。本来は可変抵抗を使って補正量(電圧)を調整するのだが、そんなものはもちろんないので(仮にあっても、テキトーなものでは不安定で駄目だ)、現状のオフセット電圧を打ち消すような抵抗値を計算し、手持ちの抵抗から見繕って付けてみた(回路図では左下のR22に並行に数百kΩの抵抗(左右で値が異なる)を付け、それを負電源(-15V)に接続した)。

すると、数回試したら意外なほどうまく行って、テスターの読みでは ほぼ「なし」(概ね1mV以内)となった。大きな期待を抱いて聴いてみたがw、例によって耳閉感は改善されなかった・・・ 結局、耳閉感は機器の問題だけではなく、僕の耳の調子によるところが大きいようで、今日は夜になったら治った(どうも、夜は調子いいようだ)。あと、車のステレオでもならないところが不思議だ・・・ そら辺に謎を解く鍵がありそうだ。

またしても、周波数特性(振幅、位相)は違いがなかった(なので、グラフは省略した)。残念なことに、聴いた音にも違いは出なかった。

それから、オフセット電圧は温度などで変動するとのことだが、今のところずっと"0"のままである。アナログテスターで見えない変化はあるのだろうが、想像するに、このオフセットは回路に使われているダイオードまたはオペアンプの個体差によって最初から生じているもので、温度が少々変わってもあまり差が出ないのではないか。

ただ、そうであれば、「仮にも高音質をうたう製品で そういう個体差を知らん顔して出すってどうよ」と言いたいが、この程度は実用上は全く問題ないという考えだったのだろうと想像する(実際そうだ)。でも、僕は全然気に入らない。だから直した。

オフセットを補正するのに、抵抗を追加する以外に、PCのサウンドカードに付いていた交換用オペアンプがたまたま低オフセットだったので、それを使うことも検討したが、まずは効果を調べるために抵抗にした。でも、オフセットの変化が激しいようならそれに交換したいと思う。それにしても、音質重視と言いつつオフセットの大きいオペアンプを選んでその補正をしないってのは余りにも杜撰で、僕には考えられないことだ。

以前も書いたが、オーディオマニア向け製品は すごく微細なところにこだわっているのだが、それが全然効かないことだったり、今回のように随分間抜けなことがあったりするのが どうにもアンバランスで、馬鹿らしいと思うことが多い。

(2/15 10:44) オフセットを補正・調整したあと たびたび確認していたが、大分いい感じで、温まると増えるものの、左は-2mV以下、右は-1mV以下(どちらもアナログテスターを目視した値)に収まっている。左の調整用抵抗値は右より大きかった(約1.5倍)ので変動幅が大きいのだろうか。

てな訳で、進歩のない寄り道をしたが、自分の考えたとおりにできたので、おもしろいことはおもしろかったし、僕のオペアンプの経験値は確実に増えた^^ (それが趣味以外の何かに役立つかは不明だw)

 

まあ、回路や僕との「相性」なのか・・・ 何とも不思議だ。

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