電源で躓いた次期アンプ。調べていたら、更に本質的な問題があることが分かった。使う予定だったアンプIC LM3886のデータシートには書かれていないが、ゲインを20以下にしたら発振したという事例があるのだ。
キットに関して問い合わせた時に、ゲインを下げるつもりだと書いたら教えて下さった。ありがたい。
(2/21 11:03) その後、更に調べたら、データシート(P.21)に 安定して使えるゲインは10以上(= 20dB) のように書いてあった。読み込みが足りなかったようだ。
LAYOUT, GROUND LOOPS AND STABILITY: The LM3886 is designed to be stable when operated at a closed-loop gain of 10 or greater,
確かに、今のアンプもボルテージフォロア(ゲイン= 1)にしたら発振したし、僕は詳しくないから勘がないのだが、アンプICにはそういうノウハウがあるのだろう。
(2/21 14:27) これについても情報が見つかった。: Why power op amp LM3886 is unstable when the close-loop gain is set below 10 のAnoArqの回答によれば、LM3886は大出力を優先しているために終段のトランジスタの寄生容量が大きくなっており、それでゲインを下げると位相余裕が小さくなるために発振しやすくなるようだ。
だとしたら、頑張って電源を何とかしても、ゲインが今のアンプの大き過ぎる28(= 29dB)とほとんど同じになって使いにくくなるうえに、(PCの)元々の音量は大きいのにアンプに合わせて絞って入れて また増幅するっていうクソそのものアフォなことになって
なんだかなぁ〜
になってしまうではないか。
そもそも、アンプICの選択が駄目だったようだ。そして、ほぼ素人がアナログアンプを構成(もちろん設計なんてできない)するのが無茶だったのかも知れない。いろいろ調べて随分考えたが、なかなかハードルが高かった。
まあ、勢いで部品を沢山注文して組み立てて、最後に「あっ!」になるよりはずっといいか。いろいろな知識も増えたし・・・ (近頃こんなのが多いなw)
知識と言えば、LM3886のデータシートの"GENERALIZED AUDIO POWER AMPLIFIER DESIGN" (P.22)に、アンプの最低ゲインの計算方法や、それと出力電圧・電流・電力の関係(設計の基礎?)が書かれていて、すごく役に立った。ただ、そこでもスピーカーは純抵抗とみなされて最大出力などが計算されていて、周波数によるインピーダンスの変化は考慮されていなかった。その点はどういう考えなのかは まだ謎である。
アンプICは自分が出したい電圧(← 入力の振幅≒ 音量で決まる)を出すために電流を自動的に(何も考えずに)増やすのか、出力電圧に応じて出す電流が決まっていて、それ以上は出なくて音が歪むのだろうか。
車で言えば、ドライバーが走るスピードを設定したとして、坂道では設定したスピードになるようにアクセルを調節するのか、坂道でも関係なくアクセルの踏み代を一定にしたままでいる(遅くても速くても知らん顔な)のかということだ。
具体的には、スピーカーのインピーダンス(≒ 抵抗)が低くなれば電流が沢山流れるだろうが、その時の電圧はどうなるのだろうか? 一定だとすれば、それとアンプの出力や電源容量の関係はどうなるのだろうか?
この辺りはまさに「アンプの基本」なんだろうと思うが、僕は(電子回路はオームの法則で動いている的な)オペアンプ大好き人間でwこんなに深いことまで知らないので、全然見当がつかない。
オペアンプ人間にとっては「増幅」といえば当然電圧なので、電力(電流)を増幅するなんていう概念が さっぱり抜け落ちているせいなのだろう・・・
とりあえずは、(耳の調子と折り合いを付けつつ)今のアンプの改造をfixし(仕上げ)て、それでも駄目なら(安い)既成品の(デジタル)アンプを買うかねぇ・・・
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(2/22 10:13) とは言え、安い既成品のアンプで気に入るもの(例えば、PSに書いたようなもの)なんて いくら探してもなく(外国製で、日本に入って来ていないものは いくつかあった)、今のアンプに問題なければそれでいいが、駄目だったら やっぱりLM3886(のキット)しかない感じだ。※ あと、「遊び」としては興味あるw が、十中八九、組み立てたあとで「(音が)なんか今ひとつだな・・・」って感想になる悪寒が今からしている。
※その場合は、可能な限りゲインを下げ、それでも大きい場合はアンプの前にアッテネータを付けるかPCの出力音量を下げるかしようと思っている。どちらが音がいいかは難しいが、後者の方が良いと予想している。
というのは、アッテネータの場合には、アナログ的に振幅を下げるため、雑音が増えたり歪みが発生する可能性が高い。一方、PCの出力音量を下げる場合、サウンドカードは24ビットなので、振幅を1/10に(-20dB)すると4ビット減る。ほとんどの音データは16ビットなので、-20dBしても高々4ビット右シフトされる(簡単に言えば、除算される)だけで切り捨ては起こらず* そのまま小さい音として出るはずだからだ。
*16ビットから下方に溢れた4ビットが24ビットの最下位8ビットの上位4ビットに収まるため。以下に、簡単のために1/16した場合の概念を示す。1/16しても元データ(aaaabbbbccccdddd)は失われない。1/10の場合は最下位ビットが微妙なことになるが、聴感上は問題にならない。
元データ(16ビット): aaaabbbbccccdddd
元データを24ビットに変換: aaaabbbbccccdddd00000000
元データを1/16: 0000aaaabbbbccccdddd0000 → DACの出力(24ビット)
なお、実際にはPC内部では音のデータは浮動小数点数や32ビット整数で処理されるので、切り捨てが起こり得るのはDACに・から出力する時だけである。
ただ、いずれにしても、アンプで弱い信号を増幅するので、ゲインが適正ならあり得なかった雑音が増えたり歪みが発生することは確かだ。その量は、(-20dB程度であれば)デジタルの方が少ないと予想する。
こういうことを気にすると、結局、デジタル入力のデジタルアンプ(アナログでは増幅しない、「DACアンプ」)なら、上のような問題は起こらないからいいのだが、どうも気に入らない。単に気分の問題だろうか。
→ 気分は悪いにしろ、DACアンプが僕的に一番正しい方向なのかも知れないな・・・ 仮に、同じ音や特性が得られるなら、なぜ、わざわざアナログにして多大な苦労をして増幅する必要があるのか? デジタルのまま一気にスピーカーに出せば、それでいいではないか。
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と思って期待に胸を膨らませて調べて、がっかりした。やっぱり同じことを考えた数年前(今のアンプを買う頃だったか)と同じかひどくなっていて、モノがほとんどなかった。見つかったのは、わずかに3機種: デノン(2機種)とFX-AUDIOとS.M.S.Lのものだった。
最初のメーカーは論外なもの(電源を切る時にポップ音がした)を買ったので嫌で、二番目は口コミはとてもいいのだが、なぜか掲示板に悪評が多い。あと、音がいいように書いてあるけど特性が書いてないのはどうして? そして、メーカーサイトが落ちているのはなぜ?? 最後のは特性が悪いから、乗り換える意味がない。
という具合なので全部却下した。それから、オーディオマニアはこういうのは好きでないようで、ICはいくつかあるものの、手に入るキットはなかった。5年くらい経ってもフルデジタルアンプは時期尚早か。いつまで待てばいいのやら・・・ (2/22 15:09)
PS. まずないことは分かっていたが、他になにか小出力で音質のいいアンプICや製品はあるかと思って検索していたら、「ハイレゾアンプの自作!超高性能DAC AK4499EQ搭載」というのが見付かり、ハイレゾやDACや可愛い女の子はどうでもいいんだけど、wそのアンプ部が「純A級低出力バランスアンプ」というのに なかなかひかれた。仕様を見ると、ゲイン: 0dB(1倍), 出力: 2.25Wと、まさに
こういうのがいいんだよ!
である。残念ながら、市販されないので手に入らない。
このアンプの構成も、僕のと同様、オペアンプ(前段)+トランジスタ(中・終段)だ。だから、僕のも筋は間違っていないということを確認した。
なお、オペアンプ(OPA1612)の仕様はすごく、トランジスタの回路は結構複雑なので、そこら辺は僕のと思想が違うようだ。
あと、A級アンプのバイアスをマイコンで調節するのは なかなかいいアイデアだ。というのは、これはDACとボリューム内蔵だから、出す音量が本当に正確に分かるので、バイアス量が的確に調整できるからだ。ただ、そのために、(できないかと思って居た)アンプ部だけの切り出しができないのが残念ではある。入力にADCでも付ければできそうだが、それでは複雑になって全然イマイチだ。
そして、お約束の?、トロイダルトランス採用も結構グッと来た^^ (でも、こういう機器なら いい意味で当然だよねって気もした)
(2/21 7:50)
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