この稿では、自作アンプBA3886の製作に関する、今まで出していなかった素材をまとめて出す。製作に関しては本当にこれで終わりだ。
使わなかった話と写真
- スピーカー端子の固定
- 小さいリレー2個がスキー板みたいに大きな箱に1個ずつスカスカに入って、2個口で送られて来た・・・
- 間違ってレール(?)2本分(数十個)頼んだかと心配した。
- 送料無料だからいいけど、ある意味嫌がらせ??
- ミノムシクリップ付きコードの修理: 駄目になったミノムシは自作したものではなかった。コードが金具に圧着されているところの手前(クリップの反対側)が折れて接触不良になっていた(事前に予想していた圧着部ではなかった)。そのため、引っ張ると簡単にちぎれた。駄目なものは直し、残りは補強した。
- しかし、直したものもすぐに反対側が駄目になったので、もう寿命と判断し、新しく買うことにした。
- → 新しいもの(秋月)はつるつる滑って親指を痛くした?? 右の親指の外側だけが痛む。 → しばらく使わずに居たら痛みは軽くはなったが、まだ治らない。他に原因??
- 滑る以外にバネが硬いせいもある。
- → 滑りは台所用アルコールや洗剤では落ちないが、ディゾルビットならなんとかなりそうだが、全部にやるのは面倒なので、そのままにしている。
- 基板の固定
- 放熱のためにLM3886をベースに付けているので、基板がベースに垂直になっていて固定が難しかったが、ネジ穴に細長いプラ板(DVDケースの背を切ったもの)を付け、それをベースの端とベースを固定しているゴムスポンジの間に挟んで、基板が動きにくくした。
- 最後のピンジャックの交換
- ランプの光を延長: 雑音の少ない置き方にしたら、電源・ミュート通知ランプがヒートシンクの陰になって見えなくなったので、とりあえず、ストローの導光管を付け、上端のマスキングテープで散光した。それまでの散光フードは外した。
- ボリュームの入力をピンジャックに
- 雑音の入りにくい8-oneのコードをボリュームの入力にも使いたくなったので、入力をピンジャックにした。
- 元々アンプの入力に使っていた、中心電極が回ってしまうピンジャックを使った。
- 期待せずに瞬間接着剤を付けたら、なぜか まあまあ付いていた。
- まだ弱いが、このコネクタはあまり着脱しないので良しとした。
- それを、(なぜか手元にあった)ピンプラグのカバーに嵌めた。
- これも弱いが、あまり着脱しないので良しとした。
- 部屋(スピーカー)での測定結果
- アンプを換えてもスピーカーでの特性はほとんど同じだった(上(LR)中(L)下(R)、それぞれ2本ずつの線が交換前後の特性)。
- それでも音が違うのは、動的な特性や複数の音が混じっている場合の挙動が違うせいだろうか?
- (アンプには関係ないが、)以前からあるLの120Hz辺りの広く深い谷をなんとかしたいが、どうにも難しい。
- 片付いた作業机の様子
- さまざまな物がなくなって、随分すっきりした。今はもっと片付いている。
- BA3886のスピーカー端子の取り付け穴を作った。
- スピーカー端子をちゃんと取り付けた。
- BA3886で使うリレーが届いたが、すごく大きな箱2個で来た。
- リレー(中央の緑に挟まれた長方形)は1個ずつレールと内箱に入っていた・・・
- リレー単体 (約2x1x1cm)
- 接触不良のミノムシクリップを直した。 全10本を修理・補強した。
- アンプ・DCサーボ基板をケースとベースに固定するためのプラ板。
- アンプ・DCサーボ基板をケースとベースに(暫定)固定した。
- 入力のピンジャックを交換した。
- ピンジャックが接着できた。
- スピーカー保護基板から出ている線を切れにくくするため、線の周りにブルタックを被せて線を動きにくくした。
- 電源・ミュート通知ランプがヒートシンクの陰になるので、ストローで導光した。
- 電源ランプ(左上): 消灯時
- 電源ランプ(左上): 点灯時
- ミュート時のランプ (ランプと導光管が いい感じ)
- ボリュームの入力をピンジャックにする前の状態
- ジャックの後ろに抜け止め(結束バンド)を付けた。
- ボリュームの入力をピンジャックにしたあと。: 出来上がり。
- スピーカーでの周波数特性(部屋の補正あり): BA3886 (2021/6/27): L: 水色, R: 朱, LR: ベージュ; 旧アンプ (2020/12/19): L: 紫, R: オレンジ, LR: 黄緑
- 片付ける前の作業机と周辺
- 片付け後の作業机と周辺
細かい工夫や発見・トラブル・アイデアなど
- コイルの作り方: キットの説明書には「10回」と大雑把な指定しかなかった(直径は「鉛筆」、ピッチの指定はなし。インダクタンス値の指定もなし)ので、別の回路図で想定されるインダクタンスの値を調べ、便利なページで正確な巻数、直径、ピッチを確認した。
- まあ、大雑把なものでいいのだとは思うが、基準を明確にしたかった。
- サーボ基板を繋ぐコネクタを壊した。
- キットの説明書に何も注意がなかったので、長いコネクタ(3つに分割して使う)をニッパで普通に切り分けたら外装が割れてしまった。。。
- → かなり苦労して補修したが、接触不良を疑って新しいものに交換した。
- 上のコイルもそうだが、説明書の写真が不鮮明で見にくかったり回路図の描き方もいい加減(線が接続されていない箇所がある)だったりして、このキットは(箱に比べて)随分大雑把な印象だ。
- 線が接続されていないってことは、手描きの回路図をドローツールで清書したのだろうか? 当然、シミュレーションもしていないのだろうか。
- (ヒートシンクを使おうとした時) 基板の奥行きがわずかに(<1mm)広く、LM3886の下部とヒートシンクの接触が不充分だった(隙間ができた)。 → ヒートシンクに力を掛けてLM3886の脚を曲げて外に出した。
- 何回もの修正・変更で、コンデンサなど大きい部品の外装が(間違って触れた半田コテの)熱でボロボロ・・・
- 電線は見た目は細くても大電流が流せる。
- 例: AWG22(径: 約0.6-0.7mm)でも7A前後も流せる。
- ただ、電源のインピーダンスとは別かも。
- 過渡特性の関係なのか。特にコネクタは良くなさそうで、大出力時に超低域の歪みが増える。
- 電源電圧は±12Vか15Vか? → 検討して±15Vにした。
- DC-DCコンバータの出力は固定(30W)で、それを電圧と電流に按分(?)する(P= IE)のとLM3886の電圧降下の関係で、15Vのほうが最大出力が大きくできるため。
- 12Vでは電流に比べて電圧が低いため、電源容量に無駄ができてしまう。
- 書いたあとで気付いたが、ステレオなので左右で同時に大きな音が出る場合が多いことを考えると、電流が多目に取れる12Vのほうが良かったのかも知れない(誤差の範囲かも知れないが)。 (7/6 7:37)
- まあ、そもそもそこまで大きな音量で聴かないので、実用上は関係ないことは確かだ。
- DC-DCコンバータの出力は固定(30W)で、それを電圧と電流に按分(?)する(P= IE)のとLM3886の電圧降下の関係で、15Vのほうが最大出力が大きくできるため。
- 内部のモジュール間の接続にXHコネクタを使ったのは大正解だった。PCの電源で言えば「フルモジュラー式」で、作業や調整や確認の時に半田付けなしで手軽に着脱できるのが良い。
- ただ、線やコネクタの容量は充分でも電源のインピーダンスが上がるようで、大出力時に中低域の歪みが増えたので、GNDはコネクタなしで直結の線を追加した。
- あと、入力やスピーカーの音を通す線は接点を減らすために直結にしたので、手軽にできない作業もある。
- ブレッドボードは便利だが、意外に部品が載らないし、込み入ってくると配線に手こずる。そして、GNDと電源のラインがあったほうがいい。ないと、足りなくて苦労する。あと、ジャンパ線も15本では全然足りない。関係ないけどミノムシも足りない。直しても足りないw
- エネループは単3ですら強力で、ショートさせると本体もコードも熱くなる。
- 気付かないでいると、コードの被覆が溶けるのでは?
- 作業中に工具や部品が落ちそうになった時、咄嗟に取ろうとしないほうがいいのかも。
- 鋭利なものや熱いものの場合、危険 (例: ナイフやドライバーが太腿に刺さる、火傷する、潰れて壊れる)
- 段々細くなる半田
- 太いと横に流れることがあるし、無駄に使うから良くない。
- 元々は確か1.2mmだったのが、1mm(アンプを作る時に補充) → 0.8mm(最後に補充)となった。
- 先端が磁石の工具は全然良くない。特にラジオペンチ。
- 部品やリード線をセットして放そうと思っても くっついたままそのまま戻ってしまうので、苦労が水の泡になる。
- 使おうと思うと、先端にリード線の切れ端がくっついていて汚らしいし、危険。しかも簡単には外れないから面倒。
- ハリ玉よりブルタックのほうが柔らかいうえに強くて良い。
- ただ、剥がしたあとにくっついて少し残ることが多い。柔らかいためで、その分付きがいいので、一長一短。
- 白でなく薄い水色なので、見えるところに使う場合は問題になるかも(そういう想定のものではないが)。
- 量も多く、割安な感じ。
- 半田吸い取り器が全然吸い込まなくて がっかりした。なぜ??
- その後、使い方を思い出して なんとかなった。ただ、少し弱い感じ。ピストンとシリンダーの隙間が大きいせいか?
- 基板から外に出している線が折れやすい。
- 半田の付いた部分が硬く、付いていない部分との境目辺りが弱いようで、何度も線を動かすと切れる。
- → 接着剤ではうまく保護できず、ブルタックを被せて動きにくくした。
- 本当は、半田の付いていない部分(被覆)を基板に固定すべきなのだろう。
- 「海苔」音源(例: ELT)が以前より普通に聴けるのは、歪や雑音が少ないとか、低域の再生能力(← 歪 ← 電源)が上がったせい?
- それでも、疲れている時は長くは聴けない。
使えたもの/使えなかったもの
- 最も使えたもの
- 回路シミュレータ: アナログ回路は詳しくないので、これがないと何も試せなかった。
- ブレッドボード: 半田付けなしで回路を動かせるのは すごく便利だった。
- XHコネクタ付きコード(ラジコン用): (上述のとおり)
- 最も使えなかったもの
- プラのメッシュ: 電源コードをまとめるのに使おうとしたが、使わず。
- 触るだけで端がバラける(そうしているうちに、使うところがなくなりそうだった)。それを固定する方法が不明。
- 僕の確認不足だが、太過ぎた。
- Scarlett Solo
- アンプの測定には特性が悪過ぎる。歪みや雑音がサウンドカード(ASUS Essence STX II)の10倍くらい大きい。
- プラのメッシュ: 電源コードをまとめるのに使おうとしたが、使わず。
参考にした・便利なサイト・ページ
- LM3886関係
- Circuit Basics: A Complete Guide to Design and Build a Hi-Fi LM3886 Amplifier: 「LM3886アンプの作り方」的な記事
- 僕の知識不足のせいか、変な点・腑に落ちない点はある。
- Neurochrome: Taming the LM3886 Chip Amplifier: LM3886アンプの細かい話
- Circuit Basics: A Complete Guide to Design and Build a Hi-Fi LM3886 Amplifier: 「LM3886アンプの作り方」的な記事
- 電子回路関係の計算・シミュレーション
- カシオ: 計算サイト, 特に 比・倍率→dB, dB→倍率
- 大川電子: CRローパス・フィルタ計算ツール
- Paul Falstad: Circuit Simulator Applet: ブラウザで動く回路シミュレータ
- 簡単な回路図を描くのにも便利だった。
- Pronine Electronics Design: Single-Layer Air Coil Calculator: 指定条件でのコイルの作り方
- その他
- 機械技術ノート: 熱伝導率一覧(金属・ステンレス・アルミ・空気・樹脂など): 放熱を検討する時に役立った。
- バッテリースペース: AWG 導線のサイズと許容電流について
ためになった&なかなかスゴいページ
- nabeの雑記帳
- new_western_elec
- 木村: 私のアンプ設計&製作マニュアル
- 通電してみんべ
- Audio Design: コラム
- Benchmark: 技術資料
※以前の投稿で紹介したページは省略した。
指向や考え方などが違うせいか、ページ間で記述が異なる・矛盾していて、どれを採用すればいいか迷うこともあった。例: GNDの処理(1点GND)について
いいパーツの店(通販)
- 秋月電子通商
- 基本は ここ一択だが、意外にない物もある。
- メール便もやってくれるとありがたいが・・・
- 宮崎電子パーツ
- 一度しか使っていないが、他の店よりもメール便の送料が安く、欲しいものがそれなりに揃って居た。
(7/5 5:14 画像ギャラリーがなくなっていたので、復元した。; 7/5 5:57 加筆・修正; 7/5 6:15 画像を追加; 7/5 9:46 少し加筆・修正; 7/6 7:37 少し加筆)
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