暫時製作休憩中のアンプBA3886。DCサーボ基板という、オフセットを自動補正するオプションを一緒に買った。以前も少し書いたが、これがなかなかの問題児だった(基板だけでなく、キットを売ってる人も)。しばらく様子を見、更に特性を測定して、僕の考えでは回路に問題があることが確定し、その問題を修正し、経過が良好なので書く。

なお、頭に来たので会社や製品名を書きたいが、営業妨害とか言われるのは嫌だし面倒だし、こちらの測定方法は正式なものでないから証拠として弱いので、控える。ただ、BA3886関係の過去の投稿を調べたり、ダイオードの載ったオーディオ用DCサーボ回路を検索すれば出て来るはずだ(そういうのは ほとんどない)。

現象

アンプ基板にDCサーボ基板(以下、サーボ)を付けて、比較的大音量(例: アンプの出力: 約4.9V, 3W (PCのDAC出力: -16dBFS)以上)の音を出すと、超低域(例: 約60Hz以下)の歪みが増大する。下にサーボ有無での歪み(THD)の比較グラフを示す。

BA3886のDCサーボ基板の有無での歪み(THD)の比較 (低域を拡大): 黒系: サーボなし, 紫系: サーボあり; DAC出力: 暗色: -16dBFS, 明色: -10dBFS; 下の歪み率は20Hzでの値

サーボありの場合は、20Hz以下で歪みが増大している。

測定条件が変わってしまったのか、以前はもっと歪みの増加がひどかったが、今回はあまりひどくない。※ と書くと、測定の信頼性を疑われるが、今回の測定で何度か測り直しても同じ値が得られたので、上の測定値の組に関しては正当性が高いと考える。

※歪みの増加が小さくなった原因は、下に書いたように、今回の測定ではサーボのLPFのカットオフ周波数を下げたためかも知れない。比較のため片チャネルだけ変えたのだが、変えていないチャネル(全くオリジナルの状態)の歪みは すごくひどく、測定を失敗したのかと思ってデータを採用しなかった。(→ 参考グラフ: 上のグラフに、全くオリジナルのサーボ基板(ただし、上とは別のチャネル)の結果をベージュ系で追加した。) ただ、繰り返して測定しても同じ結果だったので、測定は正しかった可能性は高い。

推測する原因

  1. どういう意図・理由かは理解できないが、サーボ回路の入力部に振幅制限と思われるダイオード2本の組がある。
  2. そのため、サーボの入力信号(ほぼスピーカー出力)の振幅が大きい(サーボの入力の振幅が約0.7V以上?)場合にはダイオードによって振幅の大きい部分が削られため、入力信号が歪む。※
    • ※ダイオードによる歪みはシミュレーションで確認した。回路図(例)や歪んだ波形などについては、過去の稿を参照のこと。
  3. 歪んだ信号を入力するからサーボの出力も歪み、それがアンプにフィードバックされて、入力から減算される。
  4. 入力信号と相似でない信号を減算するため、出力も歪む(振幅の大きい部分が飛び出る?)。

検討

グラフを見ると、歪みが増大するのは超低域(グラフでは20Hz以下)なので聞こえないだろうが、そもそも、オーディオ製品なのにわざわざ音を歪ませるのは全く許容できないし、歪みが増えるのは聞こえない帯域としても、それが可聴域に影響しない保証はない。

販売(製作)元に問い合わせても、簡単に言えば「知らぬ存ぜぬ」で、歪みが出ると言うのを信じず、ひたすらこちらの測定結果を疑うだけだったのだが、アナログに詳しい人、この回路を設計した人なら、すぐには思い出せないにしても、調べて気付かないはずがない。それなのに、「歪むことはない」スタンスだったということは、製作元の技術力は信用できないという結論に達した。

シミュレーションで歪むのだから、設計は正しくて、実は歪まないということはあり得ないだろう。

なんて言うと、「シミュレーションと実際の回路は同じではないし、シミュレータと実際の部品は微妙に特性が違うので・・・」などと、(正しいけど無意味な詭弁の)良くあるズレた言い訳が来るのは確実だwww それを言ったら、回路なんて考えることができなくなるよ? 考えた回路に必要な特性に全く同じ部品は、常にあるとは限らないよ。それはどうすんの?

可聴域に影響しないから「歪まない」という態度を取った可能性もあるが、こちらは歪みの増えたグラフを出したのだから、技術者なら「それは想定した動作だ」などと正しく反論すべきだろう。あと、こちらはグラフを提示したにも関わらず、製作元は一切データを出して来ず(普通は、開発時に測定した、標準的あるいは想定する特性のデータやグラフがありそうなものだが*、測ってないのだろうか)、ただ○○の一つ覚えのように「オシロで見ろ」※とか言うだけだったので☆、信用に値しないと考えた。

※オシロで見て歪みが分かったら(最大で0.1%のオーダーの歪みを見て分かるものかな?)、もう、「聴けたものではない」状態だし、波形で歪みの量や周波数分布は分かるのだろうか? 目分量・勘?? まあ、その程度のものだと看破した。良く居るんだよな・・・

*「出せ」と言うと、「キットは作った状態で特性が変わるので、そういうのは意味がない」などという返事が来るのは確実だが、そうじゃなくて、キットの開発時に検証した結果は なくてはならない。それを参考値・typicalな値として出すのは大いに意味があると思うが、社外秘で出せない??

☆オシロで波形を見るにしても、どこをどういう観点で見ろとか書いてなかったから、どこかに繋いで ただ眺めれば分かるのかねえ? で、見たあとはどうすんの?www そこらは自分で分かれ? だったらそもそも聞かねえよ。「あっ」となって終わりだ。

対策

歪みの増大の原因はダイオードだと考えて取り外した(左右2本ずつ、計4本)。すると、歪みは綺麗になくなった。下にサーボ有(ダイオード有無)・無での歪み(THD)の比較グラフを示す。

BA3886のDCサーボ基板の有無とサーボのダイオード有無での歪み(THD)の比較 (低域を拡大): 黒系: サーボなし, 紫系: サーボあり 緑系: サーボあり(ダイオード除去); DAC出力: 暗色: -16dBFS, 明色: -10dBFS; 下の歪み率は20Hzでの値

ダイオードを外したサーボでは、サーボなしの場合と同様の歪み特性になった。

製作者に見せたいが、見せても理解できずに更に反論して来そうな能無しのようなので、見せない。

効果・経過

ダイオードを外すと歪みが改善することは随分前に分かっていたのだが、耳の不調が影響したのか、ダイオードなしにしたら耳閉感や圧迫感が出た(それ以前の試行の影響や疲れがあったのかも知れない)ので、(前にも書いた気がするが、)ダイオードどころかサーボ自体が悪いのかと思って、サーボは使わない方向に傾いて試した。しかし、それでも耳閉感や圧迫感が出た。

題の前半は、上の、サーボは使わない方向に傾いた時(「こんなの捨てる!」と思って居た)に付けたものである。

それで、2週間くらい前から(、「これで最後だ」という気持ちで)ダイオードなしのサーボを試し、耳の調子が回復して来たこともあって、ようやく「大丈夫」という確証が持てた。今、再びサーボなしやダイオードありを試せば、それらが本当に要るのか分かるが、スピーカーの補正の時のように、やっぱり駄目な気がするし、耳閉感も圧迫感が再発するのは真っ平なので、この状態で確定とした。

だから、サーボやダイオードが音に影響している確証はない(この稿では そういう主張はしない)。単に、クソなしょうもないものは付けていたくないから外したのだ。

良く考えると、歪みが増える周波数(基本波)自体は聞こえないが、その高調波(2, 3, 4, ...倍)が可聴域に入る可能性は大いにある。だから、やっぱり音、そして耳閉感に関係あるのではないか。

ただ、前の稿に書いたように、サーボなしの場合には微量(左右ともに3mV程度)とはいえオフセットが出るので、それが耳閉感などを起こす可能性は0ではないから、サーボはないよりはあったほうがいいだろうと考えて、付けている。

 

それから、歪みに関して別の疑問(サーボを付けると中低域の歪みが少し増える)があり、昨日、サーボの入力のLPFのカットオフ周波数を下げてみたのだが、効果はなかった。更に測定し直したら、どうやら、左右で歪みの量がわずかに異なり(例: DAC出力-16dBFSの場合、500Hzで約0.0028%、中低域全体では概ね3.5dB、左が多い)、同じと思って左右のグラフを比較したために、中低域の歪みが少し増えたと誤解したことが分かった。

実は、サーボなしでも差があるので、アンプ自体の特性の差のようだ。まあ、値も差もとても小さいので、「誤差の範囲」なのだろうか。どうしてか気にはなるが。

余談

ダイオードの着脱の効果が分からず、何度も半田付けするのは面倒だし いつか壊れると思ったので、少し前に、コネクタで手軽に着脱できるようにした。まあ、もう付けることはないと思うが・・・

サーボ基板の着脱に関しては、似たようなことを結構前にもやっている。前に書いたか予定だったか あやふやだが、サーボ基板を付ける時にはアンプ基板のフィードバック回路のコンデンサを無効にする(ショートする)必要があり(サーボを外す時は有効にする)、試行錯誤で何度も着脱するたびに半田付けするのは面倒なので、アンプ基板に手製のジャンパコネクタ(写真: 先端の尖った黒いもの2個)を付けて手軽にコンデンサを有効・無効にできるようにした。

サーボ基板はコネクタで着脱できるのに、アンプ側に別な半田付けが要るのは詰めが甘いと思った(着脱のコネクタのピンを増やしてショートできるようにすればいいのに)。

こういうのを見せると、大体、「コードが長くて・コネクタの接触が悪くて歪みが出るのでは」云々言われそうだ。これに関しては関係ないのに。やたらに詰まらない揚げ足を取る奴が居て、いつもムカつく。

 

そもそも、データ・(流行りの言葉では)「エビデンス」で説明できない(良く居るオーディオマニア的な、定性・感覚的な説明しかしない)、自社製品の回路のことすらまともに説明できない謎の人がこのアンプのキットを設計・製作したのかと考えるとすごく不安なのだが、今まで見た・試した感じでは、アンプの回路や基板の作りに大きな問題はない。だから、回路はどこかのコピペ流用とか、オーソドックスなもので間違えようがないのかと想像している。一方、サーボは調子に乗ってうっかり自分で考えちゃったとか、駄目なものを良く検討・検証せずにパクった流用して失敗した? (あくまでも想像である)

 

このキットの製作者について一言言えば、問題を指摘されても自分の間違いの可能性を考えず、即座に「問題ない」と思って指摘した方を疑うなんてのは、クソ以外の何物でもないってこった!

 

(4/21 21:49 加筆・修正など)

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