日々右往左往していた、アンプBA3886のスピーカー保護部。ようやく行き方が固まったので、ブレッドボードに ほぼ全体のプロトを作った。最初はなぜか起動しなかったが、良く見たらGNDが繋がっていなかった。直したら ちゃんと思ったように動いて「ご満悦^^」、というか、ようやく終わりが見えてホッとしている。

結局、前回書いたように保護IC μPC1237(以下、1237)は使わないことにして、自分で考えた方式にした。左右のスピーカー出力の直流成分の絶対値を求めて、それらがしきい値を超えていたらアンプの電源を切る。その絶対値を求める回路は(僕の多くのプログラム同様)ひらめきでできたので、まともなのか、実は無理があって、しばらく使うと壊れるのかは分からないが、シミュレータで結構確認したので、すぐに壊れることはないと思っている。それに、壊れたら別の回路で作り直せばいい。

ここで問題なのは、日頃動かない機能なので、いざという時に壊れている可能性があることだ。それで、完璧ではないが、チェック機能(後述)も付けた。

回路図を以下に示す。

自作アンプBA3886のスピーカー保護部の回路

1237と違い、LPFとしきい値の設定が独立なのがいい。※ もちろん、正負のしきい値が非対称(かつ、計算がややこしい)なんてこともない。

※現状ではしきい値を変更する機能はない(絶対値回路のゲインで決まっている)が、入力にアッテネータを付けることで、しきい値を上げることができる。ただ、絶対値回路のゲインが余り上げられないので、下げることは困難である。

また、(前回気になっていた、)左右チャネルの入力回路が同じになったのと、入力抵抗をちょっと大きくできたのが気分的にいい。

回路で、LPFのあとの抵抗(Ra5)は余計に見えるのだが、これがないと、負の交流を入れた時に出力が振動する(テスターの針が うなる)ので入れた。負成分用ダイオードDa1の前でもいいので、想像だが、入力のコンデンサに信号が逆流(負なので、そもそも逆ではないのだが・・・)するのではないだろうか。

それから、1237がないので、上は単なる回路図だけでなく、ちゃんとシミュレータで動くのもいい(パラメータが異なるので、多少動きは違う)。そして、1237がなくなったので、回路全体が1枚に収まって すっきりした。1237では使わない機能のための抵抗やコンデンサがあったので、基板面積も少しは減るはずだ。

オフセット検出の方法については、トランジスタ4個を使う方式(→ )はオペアンプすら要らなくてシンプルでいいので それにしたかったのだが、前にも書いたとおり、自分で試すとどうしてもちゃんと動かない(オフセットが負の場合が駄目)ので諦めた。おそらく、NPNトランジスタ4個のあとにPNPトランジスタが要るのだと想像しているが、手元にないし、そういう条件が厳しい方式は何か嫌なので止めた。

それにしても、PNPトランジスタでなくてオペアンプでは駄目な理由が分からない。動く場合もあるが、設定が余りにもシビアだった。まあ、初心者で分かってないので仕方ないのだろう。

処理としては、まず、LPF(回路図の左側、Rf1辺り。図の上側と下側は、ステレオの左右用に同じ処理である)で入力(アンプのスピーカー出力)から直流に近い成分を抽出する。絶対値回路(回路図の中央、Qa1辺り)でオフセットを検出したら※、トランジスタでリレーを駆動(回路図の中央-右側、TRd1辺り)してアンプの電源を切ってミュートする。ミュートしたら、警告の赤いLED(回路図の右側、LEDp1)を点灯させる

※正確には、絶対値がトランジスタがonになる電圧(約0.65V)を超えていたらリレーを駆動する。絶対値回路はゲインが少し小さいので、しきい値(ミュートする、スピーカー出力からの直流電圧)は約±1.5V程度である。

左右チャネルは独立に処理するので、同時に符号が逆のオフセットが生じても正しく検出できる。その時は左右のORで(どちらかがしきい値を超えていたら)リレーを動かす。

この時、2つのトランジスタが重複してリレーの駆動電流を流すので消費電力が大きくなってしまうが、異常時なので頻繁には起こらないので対応していない。

似たような問題に、入力のオフセットの振幅が大きい場合にオペアンプの出力電流が過大になる可能性がありそうだ。これも頻繁には起こらず、過大になった瞬間にミュートされてアンプの電源が切れて危険な状態を脱すると期待するので、対応を保留にした。仮に壊れたら、オペアンプを交換すればいいだろう。

なお、通常時は動作確認用に、「アンプ電源が出ている」という意味の緑のLED(回路図の右側、LEDp2)を(暗目に)点灯させる

基板面積を小さくするため、赤と緑が一つのパッケージに入ったLEDを使ったのだが、なぜか赤いほうが暗目だったので、電流を増やすとともに たまたま同じパッケージに赤が2素子入っていたので、並列にして同時に光らせることにした。

そして、僕が必須と考えているラッチ機能ももちろん実装した。これは、一旦ミュートしたら、電源を切るまでミュートし続けるものだ。ミュート条件がなくなった(アンプからオフセットが出なくなった)からといって また音を出したら、絶対再発して事態を悪化させるので※、危険な時には とにかく音を止めるのが重要と考えた。

※自分がそこに居れば、分かって電源を切るが、居ない場合にそういうことが起こって、戻ってきたら大惨事になっているのが眼に浮かぶ。

ラッチ機能は、リレーを自己保持することで実現している。正確には、ミュートすると、リレーがアンプに電源を出さないほうの接点(NO接点)に変わるので、そこからコイルの電源を取ってリレーのon状態を保持させている(回路図の右側、Trd3辺り)。

動作チェック機能(回路図の左端上辺り)は、切り替えスイッチ(回路図のSWc4)をチェックモードにするとチェック用入力に切り替え、チェックするオフセットの正負を設定し、左右チャネルのボタンを押せば(回路図のSwc2, SWc3)、しきい値に近い直流(約1.5V)を出すので、ミュートされることを確認できる。要するに、漏電ブレーカーの点検ボタンである。

なお、動作確認で気付いたのだが、左右で逆相のオフセットをチェックしたいので、正式版ではボタンを4つ付けて、左右・正負を同時に押すことでできるようにする予定だ。

それだけでも、アンプとスピーカーのコードを外したり電池や電圧を掛けるボリュームを繋ぐとかの手間がなくなるから随分楽なのだが、定期的に点検するのを忘れる・怠る可能性が高いし、蓋を開けたりするのは やっぱり面倒なので、構想としてはPCと繋いでおいて(USBやシリアル通信で制御できるリレーが売られている)それらのスイッチを制御して、自動でチェックできるようにしたい。が、きっと作らない気はするw まあ、時間はあるので、次のプロジェクトとしてはいいかも知れない。

最初は、起動時(電源on時)または電源off時に自動でリレーを一度動かして固着(の種)を剥がしたかったのだが、マイコンなしで(しかもアナログで!)そういうシーケンスを実現するのは大変なので諦めた。でも、PCと繋ぐよりは、こっちのほうが筋が良さそうだ。

単にリレーを動かすのは容易だが、アンプの電源をリレーでonにすると、接点同士の時間差やバウンスによって盛大なショック音が出るので、それを防ぎつつ行うのが難しい。リレーが2個になるのも嫌だ。

そして、もう、この保護部をアンプ本体に繋げて確認できるのだが、何かありそうだし、そうなると夕食が食べられなくなるのでw、明日にした。

 

以下、記念(証拠)写真wを載せる。

 

気になっているのは、この機能ではリレーのコイルを常時offで使い、ミュートする時だけonにするのだが、以前も書いたように、リレーの接点を長期に渡って開閉しないために固着して、いざという時に開かずにアンプの電源が落ちない可能性だ。

まあ、現実には、買ってずっと保存していたたリレーの接点が固まっていて事故などが起きたという話はまずなさそうだし、メーカーが注意しているのは、たまに開いたあとで閉じた場合に接触不良になることだと思うが、それは分かる(分からなくても、スピーカーが壊れることにはならない)から、大きな問題ではないと思っている。ただ、それでも、開かない可能性は0ではないので、ミュートした時にブザーを鳴らそうと思っている。

これは簡単なはずで、(秋葉原に ぶらぶら行けないのでw)100円ショップなどで適当な物(例: 防犯ブザー、キッチンタイマー)を買ってきて、中のブザーを取り出して、ミュート通知LEDの元の電源から電圧を下げて繋げればいいと想定している。

 

ここまで来れば、あとは、プログラムと同様、分身(が居たら)に「じゃあ やっといて」と頼めるw

 

という訳で、我ながら予想していなかったほどのハード技術の進歩ぶりで、絶対に何か落とし穴がありそうな気がして、ちょっと気が気でないw

 

PS. 電子部品の話。

今回も秋月でいろいろ買った。

気付いたら、なぜか、トランジスタ(2SC1815)が1個壊れていた。「何もしてない」はずなのだが、配線を間違ったのだろうか?そういえば、先日、別の製品からからLEDを外しただけなのに点灯しなかったのも、謎だ。あと、タンタルコンデンサも何個か壊れたので、気付かずにヘマをしているのだろう・・・

トランジスタは20個1組(値段も安く、100円だった)なので、壊れても全く問題ない。おかげでふんだんに使える^^

それから、大量に買ったブレッドボードのジャンパの1本が不良だった。「60本以上」のうちたった1本(良品率90%以上。60本とみれば100%)なので全く問題はない。でも、うるさい人は文句言うんだろうな。

不良の原因は、先端のピンとその手前の少し太い部分(ベース?)の接触不良だった(カシメが弱かった?)。随分珍しく、見ただけでは分からなかった。そのコードは半分に切って、アンプをブレッドボードに接続するためのコードに使った。不良のピンは半田付けして直した。

指摘するとすれば、全数の導通チェックがされていないことが明らかとなったが、安いので、そういう手間はこっちが持つんだろうと理解する。さすがに、本当にw、全くムカつくことはない。

同時に買った「ミノムシ」はコードとクリップがちゃんと半田付けされていて、良くAmazonで見る、圧着(しかも いい加減らしい)だけで接触不良になる物よりずっと良く、当たりだった。ただ、同じく書かれている「ぬるぬる」はあった。カバーの材質のせいなのか、クリップを押さえると中身が飛び出てくる。ちょっと使いにくいが、まあ仕方ない。今までのは圧着だけだったので、僕としては半田付けされているだけで100点だ。

 

PS2. ここまでのBA3886の費用は約33000円になった。まあ、ここからは行っても35000円かな。ただ、時間はもう少し掛かりそうだ。

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2件のコメント

  1. naoki:

    保護部にチェック回路まで付けるなんてさすがです。僕の性格だと保護部を作って終わりにしそうです。

    そして机の上が何が何やらw でも楽しそうです。

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  2. れんと:

    ●いやあ、僕も保護部を作って終わりのつもりだったんですが、なぜか付けてましたwww やっぱり、電池とかボリュームをいちいち付けて確認するのが面倒だからだと思います。作っている時も面倒なんです。雑然としているため、間違って電池をショートさせると熱くなりますしw

    机は我ながらひどいもので、ミノムシのコードを取り違える(色が同じでも、別のところに繋がってたり、繋がってなかったり・・・)のはザラです。それで、上のように電池をショートさせたりwww

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