昨日、懸案だった、自作アンプBA3886に付けてしまった粗悪電解コンデンサ(ただし、証拠は なし。あくまでも、全く別の地平の個人の自主的研究発表であるw)を交換した。部品が込み入っていて大変だったが、何とかできた。気付かずにしていた致命的な間違いなども見付かって、驚いた。

以下の7本を日本メーカーのものに換えた。

  • アンプ基板
    • 電源平滑コンデンサ: 2200μF x2
    • ミュート用コンデンサ: 100μF x2 → 47μF x2
  • スピーカー保護基板
    • 電源平滑コンデンサ: 100μF x2 → 10μF x2
  • 電源基板
    • 起動時のミュート防止用コンデンサ: 10μF

ミュート用コンデンサとスピーカー保護基板の平滑コンデンサは、手持ちに同じ容量のものがないので小さいもので代用した。アンプの平滑コンデンサを買う時に一緒に買えば良かったのだが、すっかり忘れて居た(折角送料が高いのに、全く馬鹿だった)。電源基板のものは最初は忘れていて、別件(断線の修理)の時に気付いた。うっかりすると どこにでも入り込んで居て、恐ろしいものだw

いつも頭に来て居るのだが、基板の銅箔が厚過ぎて半田こての熱が通らず、アンプ基板の平滑コンデンサの脚を抜くのが大変だったので、元の脚を短く切って それに継ぎ足した。インダクタンスとかありそうだが、いずれにしても短くは付けられないので仕方ない。

今になって気付いたが、新しいものは粗悪品より直径が細くて背が低いので、もしかしたら直立で付くかも知れない。また、余計なことに気付いてしまったようだ・・・

↑ そもそも、直立させると下側のコンデンサがアンプICの押え板に当たるから斜めに付けたので、直立させられないことを思い出した。

ミュート用コンデンサの交換後にミュート時間を確認したら、想定よりずっと短かった(数秒のはずが、電源on直後に音が出た)ので、アンプIC(LM3886、以下、3886)のデータシートを良く読んだら、ミュート時間の設定が想定と違っていた。コンデンサと抵抗の時定数で決まると思い込んでいたのだが、そうではなく、ミュートピンから流れ出る電流が規定値より大きい時間だった(以前にも読んでは居たが、時定数と同じと思い込んでいた)。

シミュレートしてみたら、確かに数百msにしかならず、一瞬で音が出るのも納得が行った。それで、シミュレートで見付けた、ミュート時間が最も長くなる(430ms)抵抗に変更したが、それも一瞬で音が出た。

更に、元々の標準的な設定(100uF+15kΩ)では1秒近い(約760ms)はずが、やっぱりほとんど一瞬で音が出ていたので、何かおかしい気がした。が、電源on時にポップ音などはせず目的は達成しているので、現状のままで良しとした(というか、疲れて諦めた)。

(21:54) どうにも納得行かず、電源on時のミュート時間を測定したら、やっぱり100ms未満で、一瞬もいいところだった。気になってデータシートを更に良く読んだら、ミュートの機能や動作仕様が思って居たのと全く違っていた。

データシートの"Electrical Characteristics"には以下のように書かれている。

Pin 8 Open or at 0V, Mute: On
Current out of Pin 8 > 0.5 mA, Mute: Off

3886のミュート機能は、ミュートピン(ピン8)から流れ出る電流を0にすることで有効(ミュート状態)になる。一方、良く見る回路ではピン8には(データシートのサンプル回路のような)ミュートスイッチはなく、大きなコンデンサと抵抗だけが繋がっているので、電源on時にコンデンサに充電される時に大きな電流が流れたあとは定常状態になって、ミュート解除する電流が流れ続けるだけで全く無意味だ。つまり、3886のミュート機能は電源on時のミュートには使われていない。コンデンサの値は、ミュートスイッチがある場合にミュート状態になるまで・解除されるまでの時間を決める。だから、そこに大きなコンデンサを入れても、まさに「あんなの飾りです」だ。

そして、電源on時のミュートは3886の"Under-Voltage Protection"(UVP)で行われる。

僕が期待していた、3886のミュート機能を使って電源on時のミュート時間を長くするには、以下のような追加回路が要りそうだ(あくまでもコンセプトである。これでピン8から電流が流れ出るはずだが、データシートにあるように、ピン8は負電圧でなければならないのかも知れない。: 要確認・調整 ← 等価回路を良くみたら、ピン8はトランジスタのエミッタで、ベース(GNDに繋がっている)-エミッタ電圧で判定するのだろうから、負でないと駄目なことが分かった)。この場合、シミュレーションでは約1.3秒のミュート時間となった。

LM3886のミュート機能を使って電源on時のミュート時間を長くする回路 (コンセプト)

謎が解けた気がした。そして、今まで勝手な思い込みで随分馬鹿らしいことをしていたことが分かった。が、追加回路を作るのは面倒だし(疲れたし、場所もないし)、現状でもUVPによって電源on時の雑音は出ないから、問題が起こらないかぎり実装はしない。

ちゃんとした回路でなく、電源スイッチの余り回路を物理的なミュートスイッチにしても良さそうだが、チャタリングなどの問題がありそうだし、ステレオの場合に2個を共通にしていいのかという疑問があるし(これはリレーを使えばいいが、だったらトランジスタのほうがいい)、今は困っていないので まあ止めておく。

そして、ミュートには役に立たないことが分かったコンデンサ(47uF)をスピーカー保護基板に移す(相互に交換する)といいが、やっぱり面倒だし困っていないので、これも止めておく。

恐ろしかったのは、ミュート用コンデンサを交換する時に回路図やデータシートを再確認したら、今まで極性を逆に付けて居たのに気付いたことだ。。。 負電源に付けるので、GNDを+極に繋げるべきところ、つい、いつもの習性でGNDを-極に繋げてしまって居た。電流が小さいせいか、粗悪コンデンサでも破裂しなかったのは幸いだ。極性が逆でも、交換するまでそれなりにミュートが働いていた(ただ、上記のように時間は短い)ように思えるのも謎だ。回路が何かおかしいのかも知れない。あるいは、電流が小さいと極性が逆でも動くのかも知れない。

極性が逆だったことが、以前あった「ポツポツ」の雑音の原因だったかも知れないが、粗悪品に交換する前はどいういう極性で付けていたかが分からないので何とも言えない。

交換後、特性や残留雑音を測ったら、なぜか残留雑音(200Hz辺り)がわずかに(総量で< +1dB, もちろん全く聞こえないレベル)増えたが、雑音は変動が大きいので実際には変わっていないのかも知れない。振幅と位相はもちろん問題なく、歪みも変わらなかった。

詳しい測定結果は、アンプが完成した時にきちんと出したい。

聴いてみると、(粗悪コンデンサだった時は、ちょっと「やり過ぎ」な感じがしていたのだが、)最初は「普通に良く」、以前より落ち着いた感じ(高音が控え目)がした。その後、時々音が変な感じがすることがある。部品か(以前書いたように、)耳が落ち着くまで時間が掛かるのか。一種のエージング? もちろん、いつもと同様に、いい音と感じることも多いし、初めて聞く音も結構ある。

ということは、特性は変わらなくても音が変わった可能性がある(思い込みの可能性もある)。変わったとしたら、複数の音が混じった場合や動特性が変わるのだろうか。

以下に、昨夜から今朝の、印象が変わった例を示す(Spotifyで聴いたものにはリンクを付けた)。

  • 少女A - 30th anniversary mix」: 高音(シンバルなどの響き方)が全然違って聞こえる。
  • 瞳はダイアモンド」: 音が悪く聞こえる。詰まった感じ。
  • ルガンスキー: ラフマニノフ ピアノ協奏曲 第3番-1: 何となく音が違う。ピアノの中高音のうなりのような音が、より本物の音に近い気もする。
  • 勝手にしやがれ」: 音が落ち着いて来た感じ。(耳が慣れた?) 音の良さは感じる。特に高音がクリア。
  • 青い夜の今ここで」: なぜか低音が強い。今まではなかった。

 

それから、使っていた別の粗悪コンデンサのメーカー名(Ch*gx)で検索してみたら、やっぱり悪い情報(体験談)しか出て来ない(下に例)。"crap"などと書かれていることもあった。ということは、本当に良くないのだろう。ただ、そういうモノ(が使われた製品)を買って使う人が大量に居るにも関わらず世界が破滅して居ないってことは※、全然使えない訳ではなさそうだ。定格(例: 耐電圧、温度)に充分過ぎるマージンを取ればいいのだろうか? 僕は、例えば、耐圧を使用電圧の2倍以上で選んでいたが、それが効いたのかも知れない。それでも寿命は短かったのだろう。

※ニュースで良く見る、突然発火・爆発した物は こういうのが原因だったりするのかも知れないが、まだ、連日至る所で爆発炎上事故が多発というような地獄の様相には なって居ないので、駄目なものは少ないようだ。

粗悪コンデンサの体験談: いくら いいコンデンサだって、耐圧の3/4以上で使うなんて、随分なチャレンジャーという気がするが・・・ まあ、最初のチェックは必要か。

My only experience with Ch*gx was rather a disappointment. From what I recall they didn't work up to the rated voltage, the leakage increased dramatically around 3/4 of the voltage marked on the can. I wouldn't touch them again.

そして、すぐ壊れる機器ってのは、こうこう粗悪コンデンサが使われているのかも知れない。※ 更に、粗悪コンデンサの中にもいいものがあって、ちゃんと使える・長持ちすることがあるのかも知れない。それが「当たり」ってやつ?

※実は、あの「ソニータイマー」もこういうことなのだろうか。それであれば充分腑に落ちる。本当に、ぴったり1年で壊れるのも可能そうだ。

逆に、粗悪コンデンサの情報を調べると、必ず、「(安物のゴミなんて止めて)日本メーカーのにしておけ」っていう意見があって、こういう分野ではまだ日本の立つ瀬があることに気付いて、ちょっと見直した。

参考: コンデンサのメーカー序列 ("Capacitors Manufacturer Tier List") (c. 2015)

 

不思議だったのは、以前買ったスピーカー保護キットに日本のものが入っていたことだ。実は偽造品というオチなのだろうか。ロゴや色などを信じてミュート用に使ってしまったが・・・ もしや、それでミュート時間が短い??? (うむ。余計なことに気付いてしまったようだ)

そして、手元には電子部品セットなどで大量に粗悪コンデンサが残ったが、ちょとした実験には使えそうだ(使う前にちょっと確認すれば、腐っているかは分かりそうだ)。

 

それから、抵抗などでも粗悪品がある可能性はあるが、電解コンデンサと違って化学反応はしないから、「普通に」作ればおかしなものはできず、せいぜい、値が違うとかだろうと高をくくっているが、実際のところはどうなんだろうね・・・ (さすがに、抵抗を全部交換ってのは できない相談だ・・・)

あと、トランジスタとかICのような半導体はどうなんだろう。化学反応の有無で大きく違うのだろうか? あるいは、同じ国・地域でも、そういうのはちゃんとしたメーカーなのか。謎は多い。

 

PS. 書いたあとで「バイバーイ、粗悪コンデンサくん。」という題も思い付いたが、元の題以上に古過ぎるので止めるw (これのCMが出て来ないのが残念だ・・・)

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