数日前に、Backblaze B2(以下、B2)中の もう更新しない(であろう)データをGoole Cloud Storage (Archive) (以下、GCS)に移動する設定を追加して、10日くらい前からほぼ「定常運用」をして居る。以下のグラフを見て分かるように、操作数・データ量などや料金は落ち着いている。
- GCS: 約25日目までの操作数, 送受信データ量, 保存データ量, 保存オブジェクト数の変化: 前日に少量のバックアップをした。
- GCS: 約25日目までの料金の変化
保存しているだけで何もしないなら、毎日、保存データ量分の料金(現状は4円)だけが増える。更新チェック(約3回で1円, 1日1回実施している)や追加バックアップ(量と回数による。: 下を参照)をすると、その分が追加される。
今までに分かったことなどを書く。
- データ移動(B2→GCS)関係
- バックアップ対象設定の変更で、B2のデータがGCSに移動するか(B2の保存データ量が減るか)? → Yes.: duplicacy check -statusで各リビジョン(履歴)のデータ量が分かり、将来のprune(不要データの削除処理)で減ることが分かった。
- 一度に大量に(全部)減らすとpruneに時間が掛かるのと、失敗した場合に大変なので2回に分けて減らすことにした。今のB2のデータ量は約270GBで、来月にもう一度、約270GB分を減らす設定をする。
- 上を合わせるとB2の残りが0になってしまうが、集計の誤差や重複排除の影響があるため、そうはならない。ただ、残りは かなり少なくなるはずである。
- GCSのコスト関係
- ストレージだけの料金の見積もり: 1651円(USD 14.8)/年, 138円(USD 1.23)/月
- データ量を1TBとし、USD 1= 112円とした。
- 単価: 0.134円(USD 0.0012)/GB・月
- バックアップ対象ファイルのチェック(更新チェック)の料金の概算: 3回で1円くらい。 → 約10円/月
- バックアップ(アップロード)の料金: 推定: 約5円/回(ストレージのチェック) + 約1円/GB
- 定期更新チェック(1回/日)と追加バックアップ分を含めた年間料金・単価の試算
- 既存1TB, 追加バックアップなし
- 支払い額: ストレージ: 1651円 + 更新チェック: 120(30/3*12)円= 1771円(USD 15.8)/年
- 総合単価: 0.144円 (USD 0.00129)/GB・月
- 既存1TB + 追加100GB/年 (1回で追加)
- 支払い額: ストレージ: 1813円 + 更新チェック: 120円 + バックアップ: 105(5+100*1)円= 2038円(USD 18.2)/年
- 総合単価: 0.151円 (USD 0.00135)/GB・月
- 既存1TB + 追加100GB/年 (10回で追加)
- 支払い額: ストレージ: 1813円 + 更新チェック: 120円 + バックアップ: 155(5*10+100)円= 2088円(USD 18.6)/年
- 総合単価: 0.155円 (USD 0.00138)/GB・月
- 既存1TB + 追加500GB/年 (1回で追加)
- 支払い額: ストレージ: 2458円 + 更新チェック: 120円 + バックアップ: 505(5+500*1)円= 3083 (USD 27.5)円/年
- 総合単価: 0.251円 (USD 0.00224)/GB・月
- 上より、追加料金はバックアップのデータ量が効くので、回数が多過ぎなければ(例: 月に1回以下)小まめにしても良さそうだ。ただ、「100MBを10回」のように細かいものは割に合わない。例えば、1回10GB以上がいいのではないか。
- 既存1TB, 追加バックアップなし
- 料金はUSD建てのため、実際の支払額は為替相場に影響される。円が大幅に安くなると困るが、さすがに2倍にはならないだろう・・・
- Googleのレートは毎日変わっている訳ではないので、毎月更新のようだ。
- ストレージだけの料金の見積もり: 1651円(USD 14.8)/年, 138円(USD 1.23)/月
- 運用関係
- B2→GCSの移動対象ファイル・ディレクトリの追加の仕方: 以下のようにすることで、毎年GCSに移すものが増えても、バックアップ対象の設定(duplicacyではfilters)を変えなくて済むようにした。
- 移動対象を同じディレクトリに作成した"Archived"ディレクトリに移動する。
- B2: パターン「Archivedという名前のディレクトリ」をバックアップ対象外にしておく。
- パターンの例: e:(.+/)?Archived/
- 注: 設定ファイル内での他のパターンとの順序関係で有効性が変わる。下も同じ。
- パターンの例: e:(.+/)?Archived/
- GCS: 同Archivedをバックアップ対象にしておく。
- パターンの例: i:(.+/)?Archived/
- B2: パターン「Archivedという名前のディレクトリ」をバックアップ対象外にしておく。
- 移動したものを書き込み不可にする。(意図せず変更しないようにするため)
- 元のディレクトリにArchivedからのsym-linkを作成する。
- 移動対象を同じディレクトリに作成した"Archived"ディレクトリに移動する。
- 数日前に、ストレージに保存されているduplicacyの設定ファイル(config)のストレージクラスをStandardにしてみた。
- 更新チェックやバックアップのたびにストレージからダウンロードされるので、Archiveクラスだと ストレージ操作やデータ取得の単価が高く(約10倍)、わずかに料金がかさむため。
- configのサイズはとても小さい(< 1KB)ので、Standardクラスの料金は毎月の無料枠(5GB・月)内に収まる。
- これにより、更新チェックの料金(現状は約10円/月)が更に下がることが期待できる。
- 問題など
- バックアップ先がB2とGCSの2箇所になるので、リストアが面倒(どちらにあるか・どちらからリストアすべきかを考える必要がある)。
- まずB2で試し、なかったりArchivedに入っていたらGCSからリストアする。
- バックアップ対象設定を誤る(例: 設定が非対称)と両方にバックアップされず、いざという時にリストアできない可能性があるので、注意・確認が必要。
- B2とGCSでバックアップのトップディレクトリが異なるので、間違えやすい。
- バックアップ(HDD)を整理しようとして本物を削除してしまい、B2のバックアップからリストアして復旧できた。
- バックアップ先がB2とGCSの2箇所になるので、リストアが面倒(どちらにあるか・どちらからリストアすべきかを考える必要がある)。
- B2→GCSの移動対象ファイル・ディレクトリの追加の仕方: 以下のようにすることで、毎年GCSに移すものが増えても、バックアップ対象の設定(duplicacyではfilters)を変えなくて済むようにした。
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