先日、サーキュレーターを買ったので(実際には数日間の命であったが)、長時間動かすと臭いの出る扇風機(東芝 F-LR8)を捨てようと思った、その前に、使える部分・部品を残すために回路を調べた。最初は なんとも意味不明だったのだが、検索しつつ見たら大分分かって来た。一つだけ分からないこと(「ゆっくり」モードはどうやっているのか)は あるものの、他の用途に使うには充分分かった。

想像を含めて書くが、回路は、(近い)昔からのトライアックを使ったオーソドックスなものに 少し新しい機能(「ゆっくり」モード)を追加しているので、ちょっと もったいなかったり変なところはあるが、安さやタイムリーさが重要な家電ではそれで正解の気がする。かと言って、東芝だけあって、安さを求めるだけでなく、安全を確保した作りをしているので感心した。

なお、短い命だった無印のサーキュレーターは回転速度(風量)の変更は抵抗(箱に入っていたので、実際の中身は不明: 箱は四角く薄かったので、コンデンサかも知れない)を使っているようだったが、東芝は ちゃんとトライアックなので感心した。とは言え、実際に回転数を変えているのはモーター(の巻線)というオチがあった。

以下に感心した例を示す。

  • 制御系用電源を100Vからコンデンサや抵抗で下げて作るなどという野蛮なことはせず、ちゃんと電源IC(DCコンバータ)で作っている。
  • 基板の裏面にコーティング(耐湿なのか絶縁なのかは不明: 写真: 基板大半の薄いベージュ色)していて、ちょっと触っても感電しなさそう(そのため、導通チェックに苦労した)。
  • マイコンでトライアックを制御して、ファンの回転速度(→ 風量)を自由に調整できそうだけど、そうせず、風量: 強・中・弱それぞれ専用のトライアックを設けて、それぞれをモーターの強・中・弱用巻線に接続して回転速度を設定している。つまり、トライアックは単なるスイッチにしか使っていない。
    • 僕からすれば ものすごく もったいないが、仮に、回転速度を制御する(トライアックにパルスを出す)マイコンが暴走したら、とんでもないことになる(ファンが超高速で回転→大惨事など)可能性があるし、モーターがトライアックでの制御にどこまで対応するかも不明かつ検証・保証が難しいので、トライアックをスイッチとして使うほうが安全なのだろう(そもそも、「枯れた」回路のようだ)。
      • マイコンで制御するとして、ACの周波数に同期(位相まで)したパルスを出すのは結構大変そうだが、マイコンにはタイマーなどが内蔵されているから、やればできるのだろう。
        • ↑詳しくはないが、処理の内容を簡単に書くと、AC(50/60Hz)の波の0点からonにする時間だけパルスを出す。: 50Hzだと周期は20msなので、0-10msくらいまでの幅のパルスを、10msごとに、ACが0Vになった点から出す必要がある。: 難しい・・・
          • でも、そんなに難しい処理を みんながしているとは思えないので、もっと簡単な方法があるのではないか?
    • 想像だが、ファンをとても遅く回す「ゆっくり」モードだけは、専用のトライアックも巻線もないので(それぞれ「中」を使っている)、これだけはマイコンでトライアックを制御して遅くしているのだろうか。
      • オシロなどがないため、「ゆっくり」モードの波形は確認できなかった。
  • 基板上に説明が豊富で、分かりやすかった。
    • あと、「絶対にショートさせるなよ!」って感じのピン間に赤線が描いてあって、親切(?)な感じがした。

いくつか感心しなかったことの一つは、LED基板へのコード(写真: 灰色の線)が太過ぎて ごちゃついていることだ。どうにも無理があるし、ケース内でも邪魔な感じだった。もっと細い線にすれば良かったと思うし、基板への接続も コネクタにしたほうが取り扱いが楽そうだが、コストの点で これが最適だったのだろうか。

もしかすると、乱暴に扱われて頻繁に振動などが加わることを考えて、細いコードやコネクタは却下したのかも知れない。

もう一つは、コードリールの上部のAC 100Vの端子(写真: 丸い銀色の上中央の黒いテープ(僕が貼った)の下)が絶縁されていないことだ。これは珍しく脆弱だった。中は開けない前提だから? であれば、基板にコーティング(上述)しなくてもいい気がする(ということは、あれは防湿なのかな)。

なお、制御基板はモーター系のAC 100Vと制御系のDC 5Vが渾然一体となっており(裏面のパターンを見ても、100Vと5Vの区切りがない!)、素人が ちょっと転用するには危険が大きい。例えば、普通の電子回路の基板の感覚でうっかり触ったら感電する(調べている時も すごく注意した)。だから、他の用途に使うとすれば、少なくとも、AC 100Vの電源を止めてDC 5Vに変える必要があると思っている。

回路概略

詳しく追っていないため(面倒なのとAC 100Vが怖いせいもあるw)、回路図は描いてない。ざっと見た感じでは、基本的なところはharatkhr技報の「単相誘導モータの速度制御」の回路図と同様と想像している。このような扇風機の回路は他にも出て来るので、オーソドックスなものなのだろう。

はじめに他のサイトで回路図を見た時、モーターの巻線までは書いてなかったため、回路からモーターに繋がる数本の線はモーターの中でどういう処理をされるのか分からなかったが、上のページで分かった。単に巻線が複数選べるようになっていたのだ。長い巻線は高速(力が出るから?)で、短い巻線は低速になるのだ。

書いたあとで気付いたが、この回路のトライアックをスイッチにすれば、大昔のボタン式扇風機になる。つまり、トライアックは扇風機を「電子化」(例: タイマー、リモコン対応)するために使われたのではないか。

分からないことは、上にも書いたように、風量: ゆっくりを どう実現しているかと、首振り回路だ。後者には なぜかトライアックが2個使われており、片方にはコンデンサが付いている。首を戻す時にコンデンサの系統を使っているのだろうか? (この辺りは興味がないので、全然調べてない)

それから、回路というより実装の話だが、ACのL(白)とN(黒)はLが活きているのでNをGND(の扱い)にしそうな気がするのだが、なぜか基板ではLがGNDになっていた(制御系5VのGNDにも)。良く分かっていないのだが、Nのほうが触っても感電しにくいから そうしているのかと想像した。そうすれば、Lはonの時しか外に出て来ないから(分かっていないので、説明も分かりにくい・・・)。

電源

  • 入力: AC 100V (写真: 右端の黄色い長方形の右の黒と白のコード)
    • モーター系にも供給される。
  • 制御部: DC 5V

基板上のコネクタ

  • CN1 (写真: 左上の赤いコードの右) → 主モーターへ
    1. 風量: ゆっくりと中で100Vが出る。
    2. 風量: 弱で100Vが出る。
    3. 風量: 強で100Vが出る。
  • CN2 (写真: CN1の右) → 首振りモーターへ
    1. 首振り時に100Vが出る。
    2. GND※
      • これはCN1(主モーター)のGNDにもなっている。

※ACでGNDというのは変な感じだが、パターンがベタになっているのでGNDと書いた。Commonというほうが適切かも知れない。

コネクタのピンは、基板の表から見て、切り欠きを上にした時、左端を1とした。

主要部品

参考資料(サイト・ページ)

 

最後に

大体分かって、期待どおり、「何か」(例: リモコンで いくつかの回路をon/offする)に使えそうなことは分かったが、まだその用途がないので、とりあえず、モーターと一緒に箱に入れて仕舞った。

なお、AC系の危ない部品を外すのは、実際に使う時にすることにした。どういう風に使うか分からないし、参照用に動かすこともあるかも知れないので。

なお、トライアックがあるのを知った時は、換気扇の速度制御に使えるかも知れないと思ったのだが、上のように、トライアックはスイッチとしてしか使っていないので無理だと分かった。今でも どういう実装か謎の「ゆっくり」モードは使えるかも知れないが、遅過ぎて換気には使えないだろう。

それから、トライアックは普通のトランジスタくらいのサイズなのに、数百V, 1Aもの大電力を制御できるのは すごいと思った。僕は余り やりたくないがw

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