先日買った無印良品のサーキュレーター(MJ-CF18JP-W)は、その前にサーキュレーターとして使っていた東芝の扇風機(F-LR8)同様に、連続運転(例: 1日以上)したら頭痛がしたり気持ちが悪くなった。無印に、モーターなどから症状に繋がるような臭いが出る可能性を問い合わせたところ、否定はされなかったが、不明とのことだった(同様の問い合わせは今までなかったそうだ)。

前に書いたように、調べたところでは、(一般的な話として、)モーターを連続運転させるとコイルや軸受や基板やケースなどから臭いが出る可能性はあるが、企画・販売会社が分からないのでは、それ以上は進めようがない。

連続運転しても臭い物質が出ないのなら使い続けるし、出るのなら止める判断が できたのだが・・・ まあ、ここが不明でも、僕の想定外だったこととして、連続運転は仕様の想定外(8時間までを想定)だったので、いずれにしても使い続けることはできなかった。

日本のほとんどのサーキュレーターに言えるのだが、大々的に「冷暖房効率の向上」をうたっているのに、連続運転は8(あるいは10)時間までを想定して作っているところに大きな欺瞞を感じる。今の多くの家は ずっと冷暖房したままではないか? 8時間なり経ったら、停めて(次の日まで?)待つなんてことを期待している? 寝ている時はどうする? そんなのはサーキュレーターじゃなくて扇風機だ。一方、その想定を無視して使い続ければ、寿命が縮んで1-2年で交換だ。全く使い物にならない。

推測だが、メーカーでは そういう評価・検証をしていないのかも知れない。あと、後述するが、その機種はモーターが密閉型なうえに構造として冷却が今一つな感じなので過熱しやすいのかも知れない(実際、長時間運転後はモーターが熱かった)。

仕方ないので返品し、ボルネードの633DC-JPを書い直した。実に高価で、無印の約5倍(2.4万円)もした。しかも、円安や暑さや政府の節電依頼のせいか、買う直前に約3千円値上がりしたのが悔しかった。が、まあ仕方ない。

ただ、USでの価格の2倍くらいになっているのは ちょっと暴利かなあとも思うが、まあ、輸入とかマニュアル作成とかPSEとかサポートなど いろいろやっているだろうし、正規輸入品はモーターの10年間保証も適用されるので、これも まあ仕方ない。

機種選定

以下の3機種について、(風量は どれでも問題ないと思われるので、)主に運転音(騒音)の静かさを検討・推測して、633DC-JPにした。

  • 533DC-JP
    • 運転音: 32以下-60 (dB)
      • 32dBは無印の風量中レベル。
      • 騒音の質は今一つな感じ。高い成分が多そう。 (→ 参照)
    • 回転数: 239-2732 (rpm)
      • 回転数の最小値が一番小さい。
        • が、低い回転数でどの程度の風量が出るかは不明。
    • 風量だけなら、僕の部屋には これで充分と思われる。
      • ただ、(他の機種も同様だが)風量の測定方法がUSの規格で日本と異なっているために無印とは単純に比較できないので、実際のところは分からなかった。
    • ファンが小さいため、通常使用時は回転数が高目になり、騒音が他より大きそうな気がするので却下した。
  • 633DC-JP
    • 運転音: 30以下-56 (dB)
      • 騒音の質はまあまあな感じ。 (→ 参照)
    • 回転数: 400-1800 (rpm)
      • 回転数の最大値が一番小さい。
  • 610DC2-JP
    • 運転音: 30未満-55 (dB)
      • 騒音の質は悪くなさそうな感じ(610DC※)。 (→ 参照)
        • ※USの情報を検索しても610DCばかりで、610DC2の情報は なかった。
    • 回転数: 505-1835 (rpm)
    • グリルの前面に凹み(溝)があって そこに埃が溜まりそうなのと※、ACアダプタ式で煩雑なので却下した。
      • ※買ってから気付いたが、633DC-JPには背面に同様な凹みがあり、そのほうが埃が溜まりやすいかも知れない(が、目立たないので良しとする)。

感想など

全体的には概ね問題ない。風量は全く問題なく、風の到達力は強い。今まで数日間連続運転している(移動や分解などの時以外は停めていない)が、無印などのように気持ちが悪くなることはなかったので、その問題は起こらなそうだ。

約1日の連続運転後にモーター付近(ケースに覆われているので、直接は触れなかった)に触ってみたが、全然温まっていなかったので、連続運転は問題なさそうだ。モーターを冷却するような構造なのが いいのではないかと思った。

一方、無印(メーカー: 三菱系)は、どういう訳か密閉型モーターを採用しているとのことだが、放熱しなかったら、劣化が進んで長く使えないに決まっている。なぜ密閉型にしたのだろうか? 騒音抑制のため? (無印のページに書いてあった気がするが面倒なので、調べない。)

構造を見ても、モーターの前半分は外気に触れるが、後ろ半分はケースの中に埋め込まれていて、全く放熱できなさそうだ。前半分だけで冷却が充分なのかも知れないが、その前半分も触ると熱いくらいになる。それでも問題ないのか、1日8時間しか使わない前提だからそうしているのか、僕には分からないが、いい印象ではない。

(僕が使う範囲の)運転音は うるさくない(もちろん、風量を増すと(例: ツマミの右半分の領域)途端に すごくなる)。ものすごく静かとは言えないが、エアコンの送風音(弱)と同等か小さいことが多い。他には、風呂の換気扇より小さく、冷蔵庫よりは ずっと静かだ。音の質は悪くなく、耳障りではない。左に挙げた中では冷蔵庫の音が一番悪質で、本機はエアコンと同じくらいで一番上等なレベルだ。

ただ、買った直後は、無印のは いろいろ工夫されているようなので、(大きい機種の中古やジャンクを買って)そのファンやケースを流用して静音化したいと思った。が、その後、ボルネードは風の到達力を確保するようなグリル形状にしているようなので(後述)、他のを流用したら意味がなくなってしまうことに気付いた。

他に気付いたことや、いくつかの不満や謎を以下に書く。

  • 風量調整が無段階で便利だが、クリックがないので再現性が劣る。 → 良く使う位置にテープで目印を付けた
    • ただ、ツマミの回転角で実用になる(僕が使う)範囲が狭い(全体の約1/4-1/3: 9時から12時くらいまで)のが惜しい。
    • また、ツマミのoff(6時)から9時くらいまでは最弱で一定のようで、9時以下にしても それより弱くはできない。 (写真: ツマミ左から下の太線の範囲の風量は最弱で一定)
    • ツマミの実用範囲が狭いので改造して拡大したいが、そこまで細かい調整はしないので、現状でも大きな問題はない。
    • 同様に、最大風量が大き過ぎるので、(全体的に弱くして)最大を今の2/3くらいにしたいが、壊すリスクや保証を損なう可能性があるので、安易にはできない。
  • 同様に、ファンの上下角度調整も無段階で便利だが、クリックがないので再現性が劣る。 → 良く使う位置にテープで目印を付けた
    • 上下を繰り返すと いつか磨り減って固定しなくなるかも知れないが、その時は何とかする。
  • グリル(前面カバー)は「外れない」・「外しにくい」と散々文句を言われているが、マニュアルのとおりにしたら全く問題なく外れた。今までの他の製品に比べれば楽なほどだ。経験や慣れの問題か。
    • ただ、グリルがきちんと取り付いていないと運転音(風切り音)が大きくなるので注意が必要だ(ネジを締めれば問題ない)。
      • グリルと本体の(縁の)密着度が結構重要なようだ。
  • なぜか、風が回折しやすいようだ。
    • 寝ている時、寝室と居間の区切りのカーテンの陰に居るのに風が当たる。
    • ボルネードの風の特徴なのかも知れない。
    • 似たようなこととして、意外に風が広がるようで、サーキュレーターの近くでも風の範囲が広い。
  • 使っていると音が大きく/小さくなることがある?
    • 最初はツマミのボリュームの誤差で設定回転数が変動するのかと思ったが、調べたら、DCモーターは負荷変動で回転数が変わるとのことなので、それが原因なのかも知れない。 (→ 参照)
      • 負荷変動としては、温度(室温 → モーターの温度)、湿度、経時変化があるそうだ。
    • サーキュレーターが回転数が正確に一定になるように制御しているとは思えないので、負荷変動で回転数が若干変わり、その時々で音量が変わるのだろうと推測している。
      • 音のスペクトラムを測れば、回転数が分かって確かめられそうだが、さすがに面倒だ。

設置・設定

届いてから結構な時間・手間を掛けて設置・設定を調整したが、結局、今までの扇風機や無印のサーキュレーターと同じ場所(エアコンの手前)から、少し上向き(昼は約60°(自作目盛りの「中」)※, 寝る時は約30°(同「低」))で寝室に向けるのが良さそうなことが分かった。また、風量は、昼は自作目盛りの「中」、夜は同「弱」辺りが良さそうだ。

※なぜか、昼は上に向けると涼しく感じる。

また、サーキュレーター自体ではないが、前述のように、寝ている身体にカーテン(居間と寝室の区切り)で回折した風が当たらないようにするため(弱くても風が当たり続けるのが嫌いなのと、無印の時に弱い風をずっと当てていたら風邪をひいたため)、カーテンの中央を閉じる(両端を開ける)ようにしている。

更に、なぜかカーテンの開度は換気にも影響するようで、約1/2くらい開かないと換気効率が悪くなる(CO2の減りが遅い)ので、両端の1/4ずつを開けるようにしている。

カーテンが抵抗になるのだろうが、その割にはドアは15cmくらい開ければ充分なので、素材や表面の作り、あるいは空気の通り方に依存するのだろうか。

例によって(思い付きの)改造(は失敗w)

運転音(風切り音)をなるべく小さくできないかとちょっと試したのだが、効果がないか失敗だった。

なぜそうしたかったかと言うと、グリルを外したあとに付けた時に、手抜きをしてネジを締めなかったためにグリルの下部がちゃんと付いておらず、運転音が大き目になったためである。その後気付いて付け直したら、問題ない音量になった。

まず、グリルのフィン(グリル前面の渦巻き状の骨)の間隔が狭くて いかにも風切り音が大きそうだったので中を見たら、中央のロゴ部の裏側が凹んでいたので、発泡スチロールで埋めてみた。が、効果は実感できなかった。中央辺りは風が少ないので、騒音が出にくいのだろうか。

更に、うるさそうなグリルを止めれば(使わなければ)静音化できそうだと思って外して動かしたら、確かに静かだった。それで、安全確保のために試しに段ボールと滑り止めネットで素通しグリルを作ったが、全然風が届かなくなってしまって失敗だった。このことから、ボルネードの特徴的なグリルは飾りではなく、ちゃんと機能していることが分かった。

もちろん、こういうのには理論があるのだろうが、全く知らないので勘とか想像でしか言えない。

静音化のため、グリルのフィンの数を減らす(間引く)ことも考えたが、間隔などが うまく計算されたものだった場合に素通し同様に台無しになったり、却ってうるさくなる可能性もあるので止めた。

ちなみに、フィンはそれなりに空力的な感じで、単に同じ太さ(厚さ)ではなく、ある程度奥行き方向に太さが変化しているようだ。

ただ、良く見るとバリ※があったり、本体との接合部の密着性が必ずしもいいとは言えないので、そこら辺を研磨したりなどとチューニングする余地はあるかも知れないが、単に「素人が無駄なことをした」的な結果になりそうだ(良く、車であるねw)。

※そのバリに見える形状も実は意図されている可能性があるので、磨いたら逆効果かも知れない。

 

てな訳で、いつものように(?)思い付きは失敗したが、オリジナルのままで期待通り動いている。冬はどういう場所・設定がいいのか興味があるところだが(しかも、加湿器と共存させなければならない)、今は暑いので その時に考えることにする。

 

壮大な(余計な)改造計画(希望)

満足は しているものの、実は改造してみたいことがある。上述の風量調整範囲の変更や全体的な風量を抑えるのもいいが、それとは別(・一緒)に風量の調整をリモコンやPCから したい。実物は椅子のすぐ後ろ(1mくらい)にあるから そんな必要はないのだが、純粋な遊びとしてやりたい。実用面でも、風量設定の再現性を高められるという(取って付けた)メリットはある。

が、サーキュレーターの風量をそこまで厳密に合わせる必要はないし、本文に書いたように、モーターの回転数が変動するから意味がないとすら言える。

リモコンについては、駄目になった扇風機の回路が使えそうだ。本機の風量調整用ボリューム辺りを調べて、プリセットしたい風量(強・中・弱など)と同じ電圧を制御部に出せばいいのではないか。電子ボリュームを使えば、安全・簡単かつ柔軟になりそうだ。

PCからの制御は簡単ではなさそうだが、リモコンが できればできそうだ。GPIOインタフェースや、GPIO端子のあるマイコンでできるのではないか。DCモーターだから高電圧は使われていないので、気軽ではある(とはいえ、電源は24Vのようなので、PCに入ったら壊れるだろう)。

この時の問題はPCとの接続方法である。居間にあるので有線では邪魔だから無線にしたいが、途端に面倒かつ少し高くなる。 → そこで、リモコン経由なら いいかも知れない。 (7/8 6:17)

 

(7/8 6:07 若干加筆・補足、調整; 6:17 改造計画を追記; 8:03 日本のサーキュレーターについての意見を加筆; 10:21 わずかに加筆)

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