とりあえず、部屋のCO2濃度に応じて風呂の換気扇のon/offを制御するソフト(c2m-wj01-ac-fan.sh)ができた。それにより、火を使ったり汗をかくような作業をしている場合(→ グラフ: 右半分: 作業時, 高い山: 火の使用時)を除いて※、部屋のCO2濃度が常に概ね800ppmを下回るようにできて居る(ここ一か月の平均CO2濃度は約720ppmとなった)。 (→ グラフ: 過去1か月の変化, 過去1日の変化)
※その場合には換気扇が連続して回るので、しばらく経てばCO2濃度は下がる。
そして、適切に換気できるようになったおかげか、近頃は、夕方近くに頭痛が起こることや、外に起因する異臭(例: 煙草臭)がすることが ほとんどなくなった。就寝時の動悸についても改善はしたが、関係はまだ良くわからない。
- 換気扇の自動制御をしている場合の、1日のCO2濃度の変化 (緑)
- 同、1か月のCO2濃度の変化。なお、最後の2つの高い山の時(7/25, 28)は換気扇を停めて作業していた。
- 作業時のCO2濃度(右半分): 低レベルの時間が少なくなる。なお、高い山の時はガスコンロを使っていた。
- 換気扇を停めて作業した場合のCO2濃度の例(中央の山の左半分)
CO2濃度に応じた換気扇の自動制御処理
基本的に、換気扇はタイマーで常時間欠運転しており、1人で安静にしている場合には室内のCO2濃度が増加しないようになっている。ただ、作業したり火を使ったりするとCO2濃度(の増加速度)が高くなり、間欠運転では換気量が足りなくなるため、PCからタイマーを制御してCO2濃度が下がるまで換気扇を連続して回す処理をしている。
以下に処理手順の概要を示す。
- センサ(CO2Mini)からCO2濃度を取得する。
- 換気扇を回していない場合
- CO2濃度が 高い(>= Th_H)場合
- 以下のいずれかの場合、換気扇を単位時間回す。
- CO2濃度が すごく高い(>= Th_Hi)
- この場合、換気扇を単位時間の2倍回す。
- CO2濃度の変化率が大きい(>= Th_cr_p_Hi)
- CO2濃度の短期間移動平均の変化率が大きい(>= Th_cr_st_ma_Hi)
- CO2濃度の短期間移動平均が大きい(>= Th_st_ma_H)
- CO2濃度が すごく高い(>= Th_Hi)
- 以下のいずれかの場合、換気扇を単位時間回す。
- CO2濃度が 高い(>= Th_H)場合
- 換気扇を回している場合
- CO2濃度が低い(< Th_L)場合
- 以下のいずれかの場合、換気扇の運転を継続しない(ただし、すぐに停めずに現在の運転時間が終わるまでは回す)。
- CO2濃度が すごく低い(< TH_Li)。
- CO2濃度が高くなくて中期間移動平均のCO2濃度が小さい(< Th_mt_ma_L)。
- 以下のいずれかの場合、換気扇の運転を継続しない(ただし、すぐに停めずに現在の運転時間が終わるまでは回す)。
- CO2濃度が低くない場合
- 換気扇を継続して回す。
- CO2濃度が低い(< Th_L)場合
- 次の処理・濃度チェック時間まで待つ。
- 1に戻る。
現在の動作設定を以下に示す。
- 換気扇の常時間欠運転(タイマーによる)
- On: 26分, Off: 14分 (On率: 65%)
- 換気扇の自動制御
- 処理(CO2濃度チェック)間隔: 1分
- 換気扇を回す単位時間: 30分
- ただし、CO2濃度が すごく高い(>= Th_Hi)場合は2倍(60分)。
- CO2濃度を移動平均する時間
- 短期間: 7分
- 中期間: 10分
- しきい値
- 換気扇を回す関係
- CO2濃度が右以上の場合、「高い」とする。 (Th_H): 775ppm
- CO2濃度が右以上の場合、換気扇を回す。 (Th_Hi): 875ppm
- 前回からのCO2濃度変化が右以上の場合に、換気扇を回す。 (Th_cr_p_Hi): 20ppm
- CO2濃度の短期間移動平均の変化が右以上の場合に、換気扇を回す。 (Th_cr_st_ma_Hi): 10ppm
- CO2濃度の短期間移動平均が右以上の場合に、換気扇を回す。 (Th_st_ma_H): 775ppm
- CO2濃度が右以上の場合、「高い」とする。 (Th_H): 775ppm
- 換気扇を停める関係
- CO2濃度が右未満の場合、「低い」とする。 (Th_L): 750ppm
- CO2濃度が右未満の場合、換気扇の運転を継続しない。 (TH_Li): 675ppm
- CO2濃度の中期間移動平均が右未満の場合、換気扇の運転を継続しない。 (Th_mt_ma_L): 750ppm
- CO2濃度が右未満の場合、「低い」とする。 (Th_L): 750ppm
- 換気扇を回す関係
作る時に苦労したのは、処理手順(アルゴリズム)※よりも、設定の調整である。いろいろなしきい値(上記)が定常的なCO2濃度や動作の安定性を決める。それらが不適切だと、いつまでも換気扇が回り続けたり、CO2濃度が下がらなかったり、下がってもすぐに上がって、頻繁に換気扇が回ることになる。
※アルゴリズムについては、思い付いたまま、かつ、動かしながら修正したので、上に示すように「何か複雑」になってしまった。
また、常時間欠運転のon/off時間やon率がCO2濃度の減少速度を決定するので、これを人によるCO2濃度の増加速度に合わせる必要がある。以前も書いたように、常にon率に比例する換気能力が得られる訳でなく、ある程度on時間を長くする、あるいは、on率を大き目にする必要があった。
あと、移動平均時間は換気扇を回す・停める「感度」を決める。
例によって、(題や最初に「とりあえず」と書いたように、)いろいろ改良したいことはあるが、現状で大きな不満なく使えているので、まあ、気が向いたら やって行きたい。
最後に、前回以降にCO2・換気関連で したことや分かったことなどを列挙する。
- センサ(CO2Mini)関係
- 設置位置の変更: メインディスプレイの後ろに設置した。
- 強い呼気(深呼吸や溜息など)の影響を避けるため。
- 遮熱・防風処理: CO2Miniは熱(急な温度変化)や風(室内の気流)の影響を受けやすいことが分かったので、それらを抑えようとした。
- 台: 机の温度の影響を抑える(低減する、以下同)ため。
- プラのカップ(ある飲み薬の計量用)と輪ゴムで作った。
- 振動を抑えるように、中にスポンジを入れた(本当に効果があるかは不明)。
- 遮熱板: メインディスプレイの熱の影響を抑えるため。
- ただし、冷房などでの室温変化の影響は防げない。
- 熱とともに、ディスプレイの下から通って来るであろう呼気も抑える。
- 段ボールで作り、ディスプレイの側に断熱材(エアキャップ)を貼った。
- どれくらい効くかは不明。
- あと、貼る側もどっちがいいか不明だが、こっちがいいと考えた。
- 防風板: サーキュレーターやエアコンなどでの気流の影響を抑えるため。
- 段ボールで作った。
- 遮熱・防風板: 上の二つを統合して簡略化した。
- 遮熱板と同様に、ディスプレイの側に断熱材を貼った。
- 台: 机の温度の影響を抑える(低減する、以下同)ため。
- 設置位置の変更: メインディスプレイの後ろに設置した。
- 部屋のCO2濃度について
- CO2濃度の増減速度の例(速度は さまざまな要因で変動する)
- 人による増加速度
- 換気扇: off (1人): 約5-10ppm/分
- 活動量によって増加速度は変わる。
- 換気扇: 間欠on(on率: 65%)+自動制御 (1人): ほぼ0ppm/分 (長時間を見た場合)
- 状況により正の場合(例: 0.3ppm/分)もある。
- 換気扇: off (1人): 約5-10ppm/分
- 換気扇による減少速度
- 換気扇: 連続on (1人): 約3ppm/分
- 換気扇: 連続on (無人): 約3ppm/分
- 本来は上よりも減少速度が大きくなるはずだが、状況が異なるため、同じ値になった。
- 換気扇: 間欠on(on率: 65%) (無人): 約2ppm/分
- 約3ppm/分(連続on)*0.65= 1.95ppm/分なので、概ね想定どおりの換気率が得られた。
- 人による増加速度
- 作業するとCO2濃度は(急)増する。
- 火気がなくても増える。
- 汗をかくような作業だと増加速度は大きくなる。
- 食後や日光が射した場合も増える。
- 身体の代謝が大きくなるため?
- 作業しなくてもCO2濃度は増える(溜まる)ので、換気は必要。
- 近頃の住宅は24時間換気が必須になっている必要性が分かった。
- その時によってCO2濃度の減りやすさが違う。
- 原因不明: 風向き? 天気? 時間帯?
- 外気のCO2濃度との差が小さいと換気効率が下がる(→ 室内の濃度が低くなると現象速度が落ちる)のはありそう。
- CO2濃度の増減速度の例(速度は さまざまな要因で変動する)
- 頭痛や就寝時の動悸と換気・CO2濃度の関係
- 適切に換気(自動制御)するようになってから、午後・夕方の(頭痛薬が必要なほどの)頭痛は滅多に起こらなくなった。
- 寝ている時の動悸は まあまあ減った。
- 寝室の換気が悪かったせい?
- 換気の影響は大きそうだが、それだけではない。
- 近頃、寝ている時に暑いと(約28.5℃以上)動悸が することが分かったので、換気の他に、(寝る前と)寝ている時に寝室を適切な温度にする必要があることが分かった。
- 寝ている時が難しい。: 同じ温度でも、体感で暑く/寒く感じることがあるため。
- 上記以外に飲酒や疲れも関係ありそうだが、まだ良くは分からない。
- 寝室の換気が悪かったせい?
- 外からの異臭問題と換気の関係 (概略: 換気以外に さまざまな試行錯誤をしているので、「何とかなった」と思えた時に書きたい。)
- 臭いを減らすには、基本的に換気し続ける方針で良さそう。(CO2と同様)
- 外が臭いことはあるが、ずっと臭いままということはないので、換気すれば臭いは減る。
- 換気しないと室内に臭いが溜まってしまう。
- 一方、埃やゴミが溜まって臭い経路(= ダクト)があるので、そこからなるべく吸気しないことも重要そうなことも分かった。
- 近頃、部屋が煙草臭くなることが ほとんどなくなった。
- 換気とサーキュレーターの効果かも知れないが、まだ確定できない。
- 今まで何度もあったのだが、大丈夫と思って少しするとブリ返す可能性があるので。
- 暑くなって、外で、あるいは、家や車の窓を開けて煙草を吸わなくなったから?
- ただ、涼しい日や雨の日も臭わないので、換気とサーキュレーター(+他の対処)の効果があるのかも知れない。
- 換気とサーキュレーターの効果かも知れないが、まだ確定できない。
- 臭いを減らすには、基本的に換気し続ける方針で良さそう。(CO2と同様)
- CO2Miniの台(机の温度の影響を抑える)を作った。
- CO2Miniの遮熱板(ディスプレイの熱の影響を抑える)を作った。ディスプレイ側に断熱材を貼った。
- CO2Miniを遮熱板と共にディスプレイの後ろに設置した状態。
- CO2Miniの防風板(プロト, 風の影響を抑える)を作った。
- CO2Miniを遮熱板(プロト)と防風板と共に設置した状態。
- CO2Miniの遮熱・防風板を作った。ディスプレイ側に断熱材を貼った。
- CO2Miniを遮熱・防風板(接着待ち中)の位置関係。
- CO2Miniを遮熱・防風板(接着待ち中)と共に設置した状態。
(8/1 7:32 写真のキャプションを少し修正)
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