全く「終わった詐欺」で、気付いたら前回から2か月も経って居た。が、今度は本当で、散らばっていた道具や電子部品を片付けて すっきりした。

前回書いた残件の、自作アンプBA3886やサウンドカード(ASUS Essence STX II)のDAC部の仕上げ作業をしていたら、例によって ちょっと気に入らないことや いくつかの謎・問題が出たので、追加作業をしたり手こずったりした。

前回以降の追加作業・苦労・謎

  • アンプ本体
    • 前回から回路の変更はなく、確定したのだが、特性をチェックしたら以下の謎・問題が出た。
      • 50Hzの雑音(特に右が大きい):
        • アンプ単体では出ないので、ボリュームやカップリング回路に関係しているようだが、解決できず。 (参照: グラフ: ベージュ: アンプ単体時の右, オレンジ: ボリュームとカップリング回路を接続時の右: 50Hz辺りに山がある)
          • ボリュームなどで雑音が入りやすいのは分かるが、右だけに出ることがあるのが不思議だ。
          • ベース(放熱板兼固定台)をGNDに接続したら雑音が減るかも知れないと試したが、予想通り、効果はなかった。 (→ 写真: 左下のネジと黒いコード)
            • 単純にGNDに繋げた金属板があるだけで雑音が防げる訳ではなく、少なくとも周囲を囲う必要はあるだろうし、そうしても、アンテナになって雑音を拾ったり、変動するGNDが雑音を撒き散らすことがあるとのことだ。
        • 気に入らないものの、かなりレベルが小さく聞こえないので、保留にしている。
      • クロストークが大きい(作った時より悪化した)。: 対処できた。
        • 入力のコードと出力部(コイル, コンデンサ)が近かったこと。+残る謎の原因?
          • → コードを基板に密着させていたのを、なるべく基板から離すようにしたら、悪化は解消し、作った時より少し良くなった。
            • 更に検討したところ、推測ではあるが、基板でなくコンデンサに近いのが悪かったようだ。 (詳細は後述)
            • コイルについては、作った時も同じコードの通し方だったので違うだろう。
      • なぜか歪みが大きいことがある。: 対処できた。
        • 入出力のコードの通し方が悪かった。: なぜか、電源フィルタ付近(特にアンプの下)を通すのが駄目なようだ。
          • 作業が終わってコードを綺麗にしようとしてアンプの下に挟むと なぜか歪みが増大して、上のクロストークの改善作業で随分遠回りした。
          • → コードをアンプから少し離すようにした
      • 超高域での左右の歪みの差・左の歪みの増大 (参照: グラフ: 超高域での青系(左)と赤系(右)の差):
        • 電源の弱さ・経路の非対称性、基板の非対称性、LM3886(アンプIC)の個体差によるのではないか。
        • 出力に応じて歪みが増大し続ける訳ではなく、実用上の問題はないので保留とした。
      • 両チャネルで大出力時の高域での歪みの増大 (参照: グラフ: 実線: 片チャネル, 点線: 両チャネル):
        • 電源の弱さかも知れないが、高域なので違う気がする。
          • 上の問題(左右の歪みの差)の対処の試行でも分かったが、電源ではないのかも知れない。
        • 増大した状態でもひどい値ではなく、LM3886のデータシートの値に近いため、大きな問題ではないと考えている。
      • 左右のカットオフ周波数(高域)の差: なぜか右が30kHzくらい低くなった。: 対処できた。
        • 右の測定用出力を取リ出す位置を間違えていた。。。 → 修正したら直った。
          • 本来の出力の手前にあるZobelフィルタの抵抗とコンデンサの間から取っていた。 (参照: 回路図: 右端の"Out A/B"から取るべきところを、その少し左の"AltZobel"の右辺りから取っていた。)
          • 超高域(約30kHz以上)ではZobelフィルタが効き出して流れる電流が増え、そのために信号を取り出している点の電圧が下がるために、カットオフ周波数が下がったように見えたと考えている。
    • その他の作業
      • 交換後のコンデンサが結構大きく、また、並列接続などで数が多くて取り付け強度に不安があったので、ハリ玉と ひっつき虫の混合物(またはブルタック)で止めて補強した。 (→ 写真: 白いもの)
        • それらは熱で柔らかくなるが、作った時に温度センサをLM3886に固定するのに付けたブルタックが問題なさそうなので、大丈夫そうだ。
          • ただ、夏に状態を確認する予定だ。
        • また、余り期待しては居ないが、フィルムコンデンサが振動するのが良くないようなので、多少は防振できそうだ。
      • 同様に、クロストークの改善(上記)のために入力のコードを浮かせたため、基板に半田付けしている部分が力に弱いので、ハリ玉などを付けて動きを制限して補強した。 (→ 写真: 白いもの)
      • LM3886をベース(放熱板兼固定台)に固定する押え板をDVDケースを切ったもので作り直した
        • それまではPCケースのベイのトレイのレールを加工したものを使っていたが、厚くて基板の配置が不便なので作り直すことにした。
        • LM3886はネジ止めする部分が薄いので、そこにも板を密着させて押さえる力を高めるため、2枚重ねた。
        • 思い付きで始めたため、実寸を全く測らず、データシートのサイズと大体の想像で作ってしまったが、結束バンドを通す切り欠き部を調整したのと上記の重ねた部分以外は問題なかった。
        • DVDのケースの素材(PP)の耐熱性が気になったが、調べたら大丈夫そうだった。
      • 最終的な特性の測定時に、なるべく「綺麗」な特性を手軽に測りたかったので、アンプ基板に測定用出力コネクタを追加した。 (→ 写真: 下部に出ているコードとコネクタ)
        • その接続先(右チャネル)が誤っていて、上記の左右のカットオフ周波数(高域)の差の問題が起こった。。。
        • コネクタに測定用ピンコードを付けることで、簡単に測定できるようになった。
      • 同様に、最終的な特性の測定時に、なるべく「綺麗」な残留雑音を手軽に測りたかったので、アンプの入力をショートするピンプラグを作った。 (→ 写真: 上・中)
        • 同様に、ASUSのADCの入力をショートするミニプラグも作った。 (→ 写真: 下)
        • どちらも、手持ちの「使えない」部品でテキトーに作った。
    • 改良後の回路図 (入力部(下記のカップリング回路とボリューム)を含む)

改良後のBA3886の回路図 (入力部を含む)

  • カップリング回路 (ASUSとアンプを接続する部分)
    • カットオフ周波数が少し低いためか、わずかに耳に問題が起こりやすい感じだったので、少し高くした。
      • カットオフ周波数(後段の抵抗が90kΩの場合の理論値): 約4Hz → 約5.4Hz
      • アンプと組み合わせた場合(実測値): 約7.0Hz → 約9.4Hz
      • コンデンサの容量: 0.44μF → 0.33μF
        • 0.22μFと0.22μFx2個直列を並列接続した。
          • 合成容量= 0.22 + 1/(1/0.22 + 1/0.22)= 0.33
      • 高くなったとは言え わずかな差(約2.4Hz)なので、実は耳の調子の問題だったのかも知れず、本当に効果があったのかは分からない。
    • 正式版を作ったあとに、アンプ同様にクロストークが大きい落とし穴が見付かった。
      • ケースに入れたため、左右チャネルのコンデンサが平行に密着して干渉するようなので、約90°に配置し、GNDに繋いだ網線(VGAケーブルのもの)を間に入れて隔離(シールド)したら改善できて、最終版となった。
      • ※変遷を おまけに載せた。
    • なお、本アダプタのコンデンサをASUSのカップリングコンデンサにする(置き換える)ことも考えたが、ASUSもアンプも接続先や構成が変わる可能性があり、その時にはコンデンサの容量を調整する必要がある可能性があるため、それが容易な外付けにした。
  • ASUS (サウンドカード, DAC)
    • 新たな問題はなく、正式なDC出力化とそれに伴う電源off時のポップ音の防止のための改造をした。
    • 改造の目的・期待する効果・概要
      • 出力のカップリングコンデンサ(220uF, 電解)の音質への影響の排除
        • コンデンサの排除 → 出力のDC化
      • LPF出力から出力端子までの間の部品の音質への影響の排除
        • 出力抵抗(100Ω), コンデンサ(容量不明), その他(抵抗?)の排除
      • リレーの接点(3個/チャネル)の音質への影響の排除
        • 出力切り換え用, ミュート用の接点の直結化
      • 出力のDC化に伴う電源on/off時のポップ音の防止
        • 改造後もミュート機能が働くようにした。
    • 改造前後の回路図

ASUSのDAC出力の改造内容の回路図(関連部分のみ, オリジナルは推定): 上: 改造前(オリジナル), 下: 改造後

    • 改造箇所の写真

作った時(2021/6)・前回(2023/2)からの変化

特性は作った時と ほとんど変わりない(悪化したものはある)が、音は確かに良くなっている(主観的印象)。それに加え、以前から書いている、耳の問題(耳閉感)が起こりにくくなった。

  • 特性の違い
    • 良くなったもの: 歪み率(特に大出力時の超低域(参照: 改良前: 30Hz以下で増大 → 改良後))とクロストーク(少しだけ)(参照: 改良前改良後)
      • 比較
        • 歪み率 (20Hz, 約8W, 片チャネル出力): 約1/7になった。
        • クロストーク (L→RとR→Lの平均): 1-2dB程度減った。
      • 歪み率はDCサーボ(の作りの悪さ)による。クロストークは上述の入力のコードの引き回しが大きかったようだ。
    • 悪くなったもの: 振幅(低域の下限が少し高くなった)と位相(低域(100Hz以下)のズレが大きくなった)
      • 比較
        • 振幅特性: 下限が約6倍になった。
          • 作った時 (入力: DC): 3Hz-20kHz※: +0, -1.1dB
            • ※サンプリング周波数44.1kHzで測定したため、上限が正しく測れなかった。
          • 改良後 (カップリング回路接続時(入力: AC)): 17Hz-42kHz +0, -1dB
        • 位相 (30Hz): ズレが約8倍になった。
      • 悪化したのはDCサーボを止めてコンデンサ(カップリング, フィードバック)にしたためで、予期したもので異常・問題ではない。
      • なお、グラフでカップリング回路+ボリューム(水色, ピンク)の高域の特性が悪いのは、ボリューム※に起因する。ボリュームの寄生容量が関係しているのかと推測している。
        • ※カップリング回路単体の特性を測りたかったが、後続に約90k-100kΩの抵抗がないとカットオフ周波数(低域)が変わってしまうので使った。
  • 音が良くなったと感じる原因: 定かでない。
    • ASUSの出力のカップリングコンデンサ(電解コンデンサ)とアンプのDCサーボを撤去したのが一番大きく、次は上記のクロストークの改善※だと推測している。
      • ※クロストーク悪化の原因の、コードを基板に密着させて固定したのが いつからかは、調べないと定かでないが、その時に音が悪くなったが気付かず、今回直して良くなったと推測する。
        • ↑過去の写真を調べたら、作った時(2021年)には既にコードが基板に近い状態だった※ことが分かった。
          • ※当時はアンプ基板の隣にサーボ基板があったため、スペースが狭くてコードを浮かせられなかった。
        • だから、作った時からクロストークは悪かったようだ。確かに、作った時に書いた資料での結果は悪かったが、2022年の更新版の資料での結果(上を参照)は それほど悪くない。 → まだ他に謎があるのかも知れない。
          • 更新版でクロストークが良くなった経緯を調べたら、実は最初から悪くなかった。
            • 今回、特性を比較する時に参照した資料(PDF版)が古かったため、良くないクロストークが載っていて最初は悪かったと思って居たが、(このブログにも載せているように、)正式版の資料(Zim)では正しいクロストークになっている。
          • 結局、クロストークは元々悪くなかったのに、今回の改良時に一時悪化したようで、それが謎である。
            • フィードバックコンデンサ(左チャネル)や高域ゲイン抑制用コンデンサ(右チャネル)の直近に入力のコードを通したのが、良くなかったのかも知れない。 (→ 参照: 入力のコード(黒)がフィードバックコンデンサ(茶)や高域ゲイン抑制用コンデンサ(赤)に接して通っている。)
    • また、(以前の稿に書いたように、)カップリング, フィードバック, 超高域のゲイン抑制回路に使うコンデンサの品種を、可能な限り聴感が良いものに選別・交換したのも効いたと思う。
      • Zobelフィルタでも選別したものに交換したが、効いているかは不明。
  • 耳の問題が起こりにくくなった原因: 超低域(概ね10(-30)Hz以下の帯域と推測している)の変動(ゆらぎ)が減ったためと推測している。
    • 超低域が「出過ぎる」 ASUSの出力のカップリングコンデンサやDCサーボを撤去し、カップリング回路やフィードバック回路を調整することで超低域を抑制した。

実際に聞いてもらって説明しないと音の違い(客観的には「良くなった」とは言えない)を示すのは難しいが*、なるべく有名で幅広い手段で聴けそうな演奏で、以前との違いが顕著※と感じた例を示す。全般的には、高い小さい音や余韻の響きに違いが出やすい印象だ。

*しかも、改良前の音は出せないから説得力がない。

※「顕著」とは言っても かなり些細な違いでしかないので、全く差が分からない可能性はある。 (「分かるかなぁ、分かんねえだろうなぁ」の域?w)

なお、YouTubeでは聞こえ方が違って分からないものばかりなので、Spotifyか他のサービスかCDなどを参照されたい。

  • A Walk In Taormina (Eric Serra, 1988): 低音のパーカッションやオルガンの響きが それまでと全然違って聞こえる。
    • 一番違いが大きく感じるものだが、この表現では客観的には違いが分からない・・・
  • 夢先案内人 (山口百恵, 1977): 右でほぼ通して鳴って居る、すごく小さいシンバルとかハイハットみたいな「シャッ」という音が聞こえた。 (4/13 11:16)
  • Day Tripper - Remastered 2015 (The Beatles, 1965): イントロのギター(左側)の、弦が少し かすれるような音(ピックで弦が擦れる音?)が聞こえるようになった。
  • Drive My Car - Remastered 2009 (The Beatles, 1965): 上と同様に、イントロの小さいギター(左側)の かすれるような音が聞こえるようになった。
    • これもYouTube版では聞こえ方が違う。
  • 風立ちぬ(SEIKO STORY〜80's HITS COLLECTION〜) (松田聖子, 1981): 時々左で小さく「シャンシャン」と連打されるパーカッションが はっきり聞こえるようになった。
  • Urgent (Foreigner, 1981): 時々(例: 42秒から)左で鳴る、変わった音(パイプを叩いてるような音)のパーカッションが聞こえるようになった。
    • YouTube版では聞こえ方が違い、上の音は はっきり聞こえる。なお、公式版は音が悪くて駄目。

まとめ

いろいろ謎は あるものの、とりあえず片付いた。改良の効果なのか、耳の問題の緩和のためにPCからの出力に入れているHPFのカットオフ周波数を少し低く(80Hz → 65Hz)して、超低域を増やしても※大丈夫なようだ(確認中 → OKだった。ただ、実際には超低域は減っていた。詳細は下を参照)。

※実際には、そうしても低音が増すと感じることは なく(部屋の特性のため、低域に出にくい帯域がある)、気分の問題である。チキンレース的な「どこまで行けるか!?」のようなものだw

これで前回書いた残件の2/3が終わり、最後に残った、(そもそも やっていた、)(再生)音による耳の問題の原因調査の続きが ようやく(?)再開できる(けど面倒だ・・・)。

 

その後

(4/18 15:45) HPFのカットオフ周波数を以前より少し低くした65Hzで しばらく聴いてみて大丈夫だったので、スピーカーでの特性を測ってみたら、予想以上に「いい感じ」だった。

というのは、なぜか、前回に比べて低域(60Hz以下)が少し(30-50Hzで約2dB)下がったのだ。※ (→ グラフ: 灰: 前回, 緑: 今回) しかも、カットオフ周波数を少し上下させると30Hz辺り*が前回と同じくらいに大きくなるので、期せずして この部屋の特性に最適になったようだ。

※理論的には、HPFのカットオフ周波数を下げると低域が大きくなるはずだが、部屋の特性やフィルタ間・スピーカー間の相互作用(位相?)が関係しているのだろうか。

*この辺り以下の超低音が耳に問題を起こすと考えて、下げようとしている。

偶然だとは思うが、聴感(耳の問題の起こりにくさ)も考慮して65Hzにしたのが合っていた。また、まとめに書いたように、これで低音が増すと感じなかったのは実際にそうだったので、それなりに耳が正しいのかも知れない。

スピーカー(+部屋)の音の特性を測定した。: 灰, 青, 赤: 前回(2022/12/15, カットオフ周波数: 80Hz); 緑, 薄青, ピンク: 今回(同65Hz) (それぞれの線はL+R, L, Rの順)

 

(4/24 9:04) 昨日、HPFのカットオフ周波数でも「チキンレース」をしたw 別件(再開した耳の問題の原因調査)の途中で、ちょっと思い付いた。カットオフを下げると低域が増すかも知れない(→ 比較グラフ)以外に、補正フィルタによる低域の位相の変化(→ 位相のグラフの最高と最低の差)を減らすことができることが分かったからだ。位相の変化を減らすと音が良くなる根拠はないが、そういう気がするではないか。

カットオフ周波数を20-80Hzで変えて50Hz以上での位相の変化量を比較したところ、60Hz辺りで最小になるようで、この点でも、元々の設定の(、耳で決めた)65Hzは正しかったようだ。

が、「少しくらい下げて(低域を増して)も大丈夫なんじゃね?」という悪魔の囁きが聞こえて、カットオフを50, 55, 57.5Hzで聴いて試した。: 確かに低域が増して聞こえたが、50Hzにした場合はブーミーに聞こえることがあった。だから、部屋の特性(共鳴)で、超低域を多く出すと増強されてしまうのかも知れない。

更に、超低域が増強されるためか、いずれでも耳が駄目だった(例: 軽い唾飲み時の違和感、少し耳が聞こえにくくなった)ので却下して、元の65Hzに戻した。

なかなか敏感・過敏だ。でも、耳に再現性があることが確認できた。そして、今回も思い付きは失敗した。。。

 

付録: 代替カップリング回路(AltCC)評価用アダプタについて

この作業の初期に、ASUSのカップリング回路の代わりを試行錯誤する(主にコンデンサを取り替えて試す)ために、2種類のアダプタを作った。1つは普通の大きいコンデンサ用(#1)、もう1つはチップコンデンサ用(#2)である。以下に簡単に説明する。

#1: このアンプを作る時に買ったものの使わなかったスピーカー保護回路の基板と部品(ターミナル)を流用した。: カップリング回路を構成するコンデンサや抵抗をコード用のターミナルにネジ止めするようにした。

なお、基板のパターンや穴の都合でコンデンサ用のターミナルを付けられる場所に制約があり、入出力の左右が逆になった。

#2: チップコンデンサは小さい(1-2mm角)ため容易に取り替えられない※ので、試すコンデンサを基板に半田付けし*、それぞれに入力を繋ぐためのピン(ポスト)を立てておき、入力用コードに付けたジャックを試したいコンデンサに対応するピンに挿すことでコンデンサを選択できるようにした。 (→ 写真: 上側)

※チップにリード線を半田付けして脚を付けることで、普通のコンデンサ同様に交換することも考えたが、脚からチップに力が掛かって破損する可能性があったので止めた。

*1種類(PMLCAP)は あとから付けたのだが、なぜか間違って裏面に付けてしまった。 (→ 写真: 左寄り上下の4つの紫・銀色の四角)

それぞれのコンデンサは2個ずつ実装されているので、入力用コードを2本のピンに繋ぐことで2倍の容量で試すことができる。また、少し工夫して2個のコンデンサを直列接続にすれば、1/2の容量で試すことができる。

なお、基板に半田付けした場合、いずれかのコンデンサを正式に使う時に再利用できない※が、基板ごと使うつもりで居た。

※半田付けしたものを基板から剥がすと熱で破損する可能性が高いので、無理だ。

以下に写真や回路図を示す。

使ってみて分かったのは、これらは確かに便利でミノムシクリップなどよりはずっと安定だが、(半田付けに比べると)ターミナルやポスト・ジャックの接触が今一つなせいか、雑音が入りやすかった。また、#1は何度もコンデンサをターミナルに(キツく)付け外しして力が掛かったせいか、最後には右チャネルが断線してしまった。

だから、本来は毎回コンデンサを半田付けして試すのが一番良いが、何度も繰り返すとコンデンサも基板も駄目になってしまうから、難しいところだ。

他に、良くあることだが、入出力のコードも切れやすかった。コードが動きにくいようにベースに固定して居たが、それでも半田付けした部分が折れてしまう。試行用なので そこら辺にあったテキトーなコードを使ったのだが、硬かったのが良くなかった。硬いコードは大嫌いだ。

 

おまけ

作業で思ったこと

  • 今まで ない方が・なくても良いと思って居た、パワーアンプの前のプリアンプとかバッファアンプの必要性が分かった気がする。
    • パワーアンプの入力にボリュームやカップリングコンデンサ(CC)がある場合、音源(DACなど)の出力の構成(例: カップリングコンデンサ)によっては周波数特性(特に低域)が変わることがあるため。
    • → バッファ(プリ)アンプのあとにボリュームやCCを付ければ影響がなくなりそう。
      • ただ、バッファの入力を どうするかが問題かも。: DC? 入力抵抗は なしじゃないと無意味?

 

今回の改良関係の費用

  • 約8500円 (通販4回)
    • 送料抜き: 約7200円
      • 実際に使った分: 約2000円※
      • ※コンデンサを「取っ替え引っ替え」、買っても使わなかったりしたため、効率は30%未満と悪い。

 

正式版カップリング回路アダプタの変遷

本文に書いたように、一旦出来てからクロストークの問題が発覚したため、配置などを試行錯誤した。その過程の写真を載せる。

いつものように、作業中と終了後の作業机の比較

ボツ(未使用)写真集

 

(4/11 6:10 ASUSの改造内容の回路図のPCM1792Aの出力-I/Vを修正, 少し修正・加筆; 7:58 おまけのレイアウトを修正, 若干加筆; 11:40 アンプ(入力部を含む)の回路図を追加, 回路図をPNG形式に変更, その他の作業などを追加・加筆, 写真を追加, レイアウトを改良; 12:25 少し補足; 13:44 ボツ写真を追加; 15:12 入力のコードの通し方やクロストークの変化の経緯を調べた結果、その他を追記; 4/12 8:20 ボツ写真を追加, 作った時との特性の比較を追加; 4/12 12:26 代替カップリング回路(AltCC)評価用アダプタについてを追加, 13:24 正式版カップリング回路アダプタの変遷を追加。とりあえず、この稿も完成。; 4/12 18:12-21:07 少し加筆・修正他; 4/13 11:16 聞こえ方が違う例に「夢先案内人」を追加; 4/15 13:24 ボツ写真を追加; 4/18 15:45 スピーカーの特性の測定結果を追加)

  •  0
  •  2
Keys: , , , , , , , , , , , , , ,

2件のコメント

  1. wataru@example.com:

    ごぶさたです。
    usb dac熱が再燃しています、
    最近買ったlet's noteが24bit/48kHzで今一つな、です。
    昔のlet's note/thinkpadは何気に24bit/192kHzのdacが入ってました。
    旭化成のと、realtekのALC5686が入ったusb dacで遊んでます。旭化成は、fiioのM5というポータブルプレイやのdacモードで、android機のaxon7という旭化成内臓dacのにlineageOS入れて使っています。reltekのは、2,000円弱ながら思ったより音が自分好みだったりです。
    pcでsoxで音源ファイルをアップコンバートで24kbit/192kHzにあげてファイル保存(wav,flac)して、dacに投げています。pcだとMPC-BE、androidだとusb audio player pro(UAPP)を使ってOSのリサンプリングを回避しています。今どきのdacはda変換時にオーバーサンプリングしているとのこと、ハイレートで投げると、オーバーサンプリングの影響が少ない感じがしています。

    •  0
    •  1
  2. PiuLento (れんと):

    ●お久しぶりです。

    近頃のノートは、物によるのでしょうが、意外にDACが貧弱なんですね。気にする人は自分で外付けしろって考えなんでしょうかね。

    ALC5686もFiio M5もAXON 7も知らなかったです。

    ご存知のとおり、DACはアナログ回路の作りで音が変わりますので、スペックや値段に関係なく、好みに合う音は ありそうです。

    AndroidのOSを換えておられるとは、以前同様すごいですね^^ 僕は、なかなか勇気と やる気が出ません。

    そうですね、今のDACは中でオーバーサンプリングしてますね。その時に望ましくない挙動をするものがあるらしく(しかも止められない)、使い方が難しいとかいうのを読んだことがあります。高いサンプリングレートだと、その影響が軽くなるのかも知れませんね。

    •  0
    •  0

コメントを書く

名前    

メール 

URL