MusicBeeで、なるべくいい音で聴くためのヒントを書きます。初めての方は入門編をお読み下さい。

1. はじめに

ここで言う「いい音」とは、「CDなどに収録された音になるべく近い音をPCから出力する」という意味です。「迫力ある低音」などのように、「好みの音で再生する」という意味ではありません。

なお、PCから出力した信号はアンプやスピーカーを通るため、それらの調整も必要です。特に、部屋の状態や聴く場所によって音響特性が大きく変わるため、スピーカーから出た音の特性がスペックどおりであることはまずありません。部屋の音響特性の改良、スピーカーの置き場所・置き方の調整、マイク・スペアナとグライコを使った補正は重要です。実際のところ、MusicBeeの設定よりも、それらの方が音質に対する影響が大きいです。

2. 音質に関係する項目

MusicBeeでは、以下の項目が音質に関係しています。

  • ファイルフォーマット・非可逆圧縮の有無 (MP3, AAC, WAV, FLAC, 他)
  • 再生音量
  • リプレイゲインのON/OFF
  • イコライザ・DSPのON/OFF
  • 出力方式 (DirectSound, WASAPI, ASIO)
  • 32ビット出力
  • 再生バッファサイズ

以下ではそれらについて説明します。

3. ファイルフォーマット・非可逆圧縮の有無

一般的には、非可逆圧縮をすると音が悪くなります。そのため、可逆圧縮(ロスレス)のフォーマットを使う方がいいです。ただし、MP3やAACなどの非可逆圧縮フォーマットで配信された曲をロスレスに変換しても、音質は向上しません。

MusicBeeで使用可能なロスレスのフォーマットには以下があります。

  • WAV
  • FLAC
  • ALAC
  • WMA lossless
  • MPC
  • TAK

なお、非可逆圧縮を使う場合には、ビットレートを大きくした方が音が良くなるでしょう。ビットレートの大きな非可逆圧縮は、聴感上、可逆圧縮との区別が付かないように作られています。

ファイルフォーマットは、編集→設定→ファイルコンバータで各フォーマットごとの設定を、編集→設定→CDの取り込みで取り込み時に使うフォーマットの選択を行います。

4. 再生音量

音量を調整するために、音のデータに演算(除算)が行われます。それで音が劣化する可能性がありますので、MusicBeeのボリュームを最大にした方が、良い音になります。Windowsのボリュームも最大にした方がいいです。この場合、音量調整はDACやアンプやアクティブスピーカーで行います。

例外として、PCのデジタル出力をグライコにつないでいて、音量を上げる帯域がある場合には、PCから最大レベルの音を出すと歪みます。そのため、MusicBeeのボリュームを若干下げる必要があります。

なお、音量調整のための演算は、次に書いているイコライザやDSPに比べれば、音質劣化の度合いは少ないです(最低音量付近の、ごく小さな音がPCから出力されなくなるだけです。そして、それを聞き分けられる部屋は余りないでしょう)。

5. リプレイゲイン・イコライザ・DSPのON/OFF

音量と同様、リプレイゲインを調整するために、音のデータに演算が行われます。この時、大きな音がクリップして歪む可能性があります。いい音にするには、リプレイゲインをOFFにした方がいいです。

同様の理由で、イコライザ・DSPもOFFにした方がいいです。

なお、外部にグライコをつなぐ代わりに、MusicBeeのイコライザで音質の補正を行うことも可能ですが、左右の設定が独立でないので、余り推奨できません。

リプレイゲインをOFFにするには、コントロール→リプレイゲイン オフを選択して下さい。

イコライザ・DSPをOFFにするには、コントロール→イコライザとコントロール→DSP効果にチェックが入っていない状態にして下さい。

6. 出力方式

良く言われていますが、Windowsのミキサーを通すと音質が劣化するようです。そこで、出力方式はミキサーを通さないWASAPIやASIOにした方がいいでしょう。

出力方式は、編集→設定→プレーヤーの「出力」で設定します。

7. 32ビット出力

音のデータに演算を行っている場合、演算結果はデフォルト(16ビット?)の下限を下回る場合があります。そのため、32ビット出力にすると、音質の向上が期待できます。

32ビット出力にするには、編集→設定→プレーヤーの「32ビット出力を使用する」にチェックを入れます。

※WASAPIでは選択できませんが、光デジタル出力で確認したところ、少なくとも24ビットまでは出力されているようです。

8. 再生バッファサイズ

PCからの音が途切れることがあるような環境では、いい音での再生は望めません。そのため、本質的には再生バッファサイズは音質には関係ないのですが、一時的にPCの負荷が高くなって音切れしそうな時のため、再生バッファサイズを大きくした方がいいでしょう。

再生バッファサイズを大きくするには、編集→設定→プレーヤーの「バッファサイズを増やす」にチェックを入れます。

9. その他

以下の設定は音質向上には寄与しないか逆効果と思われるので、OFFにすべきでしょう。

  • リサンプル
  • 出力ビット数の制限
  • 5.1chにアップミックス

付録. 私の設定

参考までに、私の設定を書きます。

  • ファイルフォーマット: FLAC
  • 再生音量: 50-90%程度 (外部にグライコをつないでいるため)
  • リプレイゲイン: ON (アルバム・曲ごとの音量を統一したいので)
  • イコライザ・DSP: OFF
  • 出力方式: WASAPI
  • 32ビット出力: WASAPIなので対象外
  • 再生バッファサイズ: 増やしている

(2015/6/18 7:18 リプレイゲインの項に少し加筆, 10/18 15:12 MusicBee 2.5でも変更がないことを確認)

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8件のコメント

  1. 匿名希望:

    こんにちは。実は「はじめまして」ではないのですが、
    そこら辺の事情はうやむやにして頂きたいと思います。

    ここからが本題なのですが、
    MusicBeeに限らずReplayGain全体の問題だと思うのですが、
    管理人さんはReplayGainを全自動で入力していますか?

    私は全自動で入力していたのですが、
    アルバムごとの音量のばらつきが逆に気になってしまいました。
    なので、手動でアルバムゲインを微調整しようと思ったのですが、
    なかなか上手く揃える事が出来ずにいます。

    アルバムゲインを揃える為に、
    外部ソフト等の併用も視野に入れて何か良い方法はありませんか?
    私の考えでは、「波形を見る」しか思い付かないのですが、
    管理人さんはどのような方法を用いてアルバムゲインを、
    良い感じに揃えているのか教えて頂けないでしょうか?

    お時間に余裕がある際で構いませんので、
    ご対応のほどよろしくお願い致します。

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  2. れんと:

    ●こんにちは。

    僕は、今はMusicBeeは使っていないですが、当時も今も、アルバムゲインもトラックゲインも自動設定のままにしています。もちろん不満がない訳ではなく、再生ゲインの不適切さ(大き過ぎ・小さ過ぎ)を感じることがあります。ただ、仕方ない(再生ゲインを使うのはシャフルの時なので、聴き流してしまってどれが駄目だったか分からなくなる)ので、そのままにしています。

    対処として考えられるのは、他のソフトで設定してみること、聴いた感じで微調整すること(この時、書かれているように、波形を見るとヒントになりそうです)くらいです。僕がやりたいと思っているのは後者です。ただ、アルバムの場合は曲数が多いので、全部の波形を見ると結構な手間になりそうですので、最も大きく(小さく)聞こえる曲で合わせて全体に適用するのが良さそうです。

    それから、僕の話になりますが、今はアルバムゲインは使わないことにしています。というのは、複数のアルバムをシャフルなどで連続して再生することはないので、アルバムを掛けるたびに、(最初の曲で)自分でアンプの音量を調整するのでいいと思うからです。音質の面でもその方がいいです。別のソフト(gmusicbrowser)ですが、トラックゲインを掛けると結構波形がおかしくなったことがあり、それがアルバムゲインを止めるきっかけになりました。

    以上、ご参考になれば幸いです。

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  3. れんと:

    ●おせっかいかも知れませんが、実際の調整は以下のようにすると良さそうです。

    1. 一番おかしい(大きく・小さく聞こえる)曲を再生し、他と合うように音量を調整する。波形を見て、最大値や平均値などの差を調べても良い。
    2. その調整量をdBに変換して、再生ゲインに加算する。

    なお、MusicBeeのボリュームのスケールが不明(「対数」にはできますが、詳細が不明)なので、正確な調整量を求めるなら、曲の編集の設定の音量調整のほうが良いです。他には、MusicBeeのイコライザのプリアンプは、直接dBで調整できます。

    調整量をdBに変換するのには式を使いますが、便利なサイトがあります。以前使ったサイトは https://tomari.org/main/java/db.html です。上部中央の「電圧・音圧等の倍率」に音量の倍率を入れて「計算」を押すと、左にdB値が出ます。その値を再生ゲインに加算または減算します。

    例えば、1.1倍にしたなら、再生ゲインに0.83dBを加えます(再生ゲインがどちらの方向に処理するのか不明なので、もしかしたら引くのかも知れません)。

    なお、音量の調整量がdBなら、この変換は不要です。

    ただ、再生ゲインは最大値と違って聴感的な値なので、これでもまだ合わないことが多いと思います。その場合は、更に微調整が要ります。

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  4. 匿名希望:

    おはようございます。
    詳細な説明をして頂きありがとうございます。
    一つだけお聞きしたいことがあるのですが、
    「波形を見るためのソフト」はどのような物があるのでしょうか?
    波形を見る必要性は感じていたのですが、
    実際にどのようなソフトを使うのかは分からずにいました。
    お時間に余裕がある際で構いませんので、
    引き続きご対応宜しくお願い致します。

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  5. れんと:

    ●波形を見るには、オーディオ編集ソフトなどを使います。私はAudacityというのを使っています。Windows版もあります。ただ、操作は分かりやすくないかも知れません。

    あとは、SoundEngine Freeは私がWindowsを使っていた頃は有名でした。

    他に、使ったことはないですが、spwaveというのが機能的に良さそうです。http://www-ie.meijo-u.ac.jp/labs/rj001/spLibs/spwave/ja/about/main.html

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  6. れんと:

    ●厳しいことを言いますが、検索すれば簡単にいくらでも出てくるようなことは、質問されない方がいいでしょう。ご自分の努力の足りなさが露呈しますよ。知識がないのは仕方ないですが、努力が足りないのはちょっと困ります。

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  7. 匿名希望:

    ご対応ありがとうございます。

    私の言動に問題がありました。
    失礼な事をしてしまい申し訳ございません。
    不快に思われてしまったのであれば本当にすみませんでした。

    私より管理人さんの方が年上だと存じていますが、
    その分人生経験が管理人さんの方が豊富であると認識しています。
    私には管理人さんのような知識がなく経験値も低いものですから、
    今回のような愚かな行動に出てしまったのだと思います。

    最後になりますが、不快にさせてしまい申し訳ありませんでした。

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  8. れんと:

    ●考えてみましたら、僕も、良く調べずに詳しい方に気軽に聞いてしまうことがあります。書き過ぎました。

    アルバムゲインがうまく調整できるといいですね。

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