横浜のみなとみらいホールにコンサートに行って来た。もう「最高!」としか言いようがない。今まで行ったコンサートで一番だ。演奏はロックそのもので、ものすごく乗れた。
それは「読売日本交響楽団 第89回みなとみらいホリデー名曲シリーズ」で、以下の内容だった。
- グリンカ 歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲 (1842)
- ラフマニノフ ピアノ協奏曲 第2番 (1901)
- ムソルグスキー (ラヴェル編) 組曲 「展覧会の絵」 (1922)
()内は初演の年。
- 指揮: オラリー・エルツ
- オーケストラ: 読売日本交響楽団
- ピアノ: アンナ・フェドロヴァ
「クラシックじゃないか、なに寝ぼけたこと言ってるんだ!」と思うかも知れませんが、いや、本気なんです。こればかりは、行かなきゃ分かりません。僕は、今日、このコンサートに行けて、本当に幸せです。数年間、寿命が延びました。
まずは演奏の感想から。
とにかく、フェドロヴァのラフマニノフが聴きたかったので、最初と最後の曲は付け合せ扱いで、まじめに聴く気がなかった。だが、最初の曲の演奏が始まってすぐ、それは間違いだったことに気付いた。 オケがキレキレなのだ。あんなにキレと乗りのいい演奏(もちろん、音は美しい)は、初めてのように思う。日本のオケだからとか、大嫌いな読売新聞と関係があるというだけで、聴いたこともないのに馬鹿にしていた僕は、本当に馬鹿だった。
この良さは、指揮者によるのかも知れない。彼は、かなり楽しそうに振っていた。そして、オケのメンバーも、気持ち良さそう、かつ、楽しそうに演奏していた。僕も気持ち良く、楽しく聴けた。
ラフマニノフでのフェドロヴァは、すごかった。先日買ったCDより、ずっと成長した感じだ。今まで聴いたこの曲のどのCDよりもいい演奏だった。彼女も気持ち良さそう、かつ、楽しそうに弾いていた。彼女のピアノは最高にロックだった。トゥッティでは全力でオケと張り合っていたし、弱奏部はとても綺麗だった。ミスタッチはほとんどなかった。良くあれだけ大量の音を弾き続けられるものだと思う。イントロだって、アルペジオじゃなかったのは、すごい。ちょっとした欠点は、強い音がわずかに汚い(力任せ的?)ことがあった程度だ。
彼女(まだ20代)のこれからがすごく楽しみだ! 彼女のラフマニノフのピアノ協奏曲3番も、是非生で聴きたい。彼女のコンサートやアルバムを待つのが、ちょっとした生き甲斐になりそうだ。
ラフマニノフで精魂使い果たしてしまって、展覧会の絵は、「(良くある曲だけど)帰るのはもったいないから、とりあえず居るだけ」と思っていたのだが、それが失礼なほど良かった。すべての楽器が良かったが、特に打楽器が良かった。最後の大音量の盛り上がりが最高にロックで、ものすごく気持ち良かった。
珍しいことに、ラフマニノフの後でピアノソロのアンコール(知らない曲)があったが、オケのはなかった。でも、オケのアンコールまでやったら、いつ終わるか(帰りの新幹線に間に合うか)ちょっと心配になっていたので、なくて正解だった。それにしても、あのラフマニノフの後で、良くあんな静かな曲が弾けるものだ。100m走の後に平均台をやるようなものだ。彼女の懐の広さには感心する。
そういえば、彼女の演奏を聴いて、昔好きになった(今も嫌いじゃない)、ジルベルシュテインというピアニストを思い出した。その人も若くデビューしていい演奏(やっぱり、ラフマニノフがパワフルで良かった)をしていたのに、近頃は聞かなくなってしまったのが残念だ。彼女はそうならないで、ずっと頑張ってほしい。
このコンサート、明日も同じ曲目でパルテノン多摩であるのだが、体力さえあれば行きたいと思った。が、まあ、当日券はなさそうだし(実は、最初は、料金が安かったので、パルテノン多摩の券を探していたのだが、いい席がなかったので今日の(S席: 7500円)にした)、今日以上の出来じゃなかったらがっかりするので、止めた。
帰りの新幹線で、バブルの頃のように、コンサート三昧の生活が復活するような予感がして来たが、どうかな。実際には、聴くとがっかりすることがあるからな。。。
以下、余談。
- 行きに乗ろうと思っていたバスが、バス停に行ったらなくなっていて(時刻表に書いてなくて)、炎天下、駅まで歩くハメになって汗だくになった。疲労と怒り! その時はアプリの情報が古いと思ったのだが、後でwebを調べたら、その時刻のはやっぱりあることになっていて、バス停の記載が抜けていたのかも知れない。やっぱりバスは気が抜けない。。。
- 炎天下歩いたせいで、鼻の頭が赤くなってしまった。
- 新幹線の隣の席に居た学生らしい女性2人が、良く喋っていた。不整脈とかパニック障害とか、健康になりたいとか、お母さんが料理を作ってくれないとか、妙なことも言っていた。
- 2人は福島の人らしく、「関西だと大丈夫だけど、宇都宮とか東京に行くと『なまってる』と言われるのが辛い」とか言っていたw あと、地下鉄の路線図を紙に印刷して持っていたのは、懐かしかった。僕も昔は首っ引きだったなあ。
- やっぱり、東京は何もかも懐かしい。そして、横浜も。横浜はプライベートでは二十年振りだろうか。随分変わったなあ… 昔は駅にあんな地下道なんてなかったよな。
- 品川駅で、右側の電車(横須賀線)は、意外なことにボタンでドアを開けるようになっていた。都会なのに。
- 今日はメガネを運転用に替えたので、彼女の演奏風景が良く見えた。が、前の女性の座高が妙に高かったので、主に右目でしか見えなかった。席が左右どちらかだったら良かったのに…
- 大変乗りが良かったので、身体を動かしたかったが、当然ながらできないのが、とても残念だった。指揮者とか演奏者は結構動いてるんだけどな。
- ステージに近い席だったので、ピアノの音をフェードアウトさせて消す直前の、ダンパーが弦に接触する時の微妙な音(「シャーン」という感じ)が聞こえて、ちょっと感動した。でも、本当はその音は出しちゃいけないんだけど。
- 今日の席(前から9列目、左右の中央付近)はかなり良かった。もう少し後ろでも良いかも知れない。
- スタインウェイの音は独特だ。いい音だと思うが、決して素直ではないと思う。
- 大きいホールなので、トイレや帰る時の行列がひどかったのだけが難点だった。
- 会員なのか、年配の方が多かった。
- 良く居るんだが、演奏中にパンフを見る人は何も分かってないと思う。パンフ読むより、演奏を聴いた方がずっといいのに! 余程退屈なのかも知れない。だったら、来なきゃいいのに!!
- 帰り道、ビル(クイーンズスクエア)の中で迷って、みなとみらい駅に行くつもりが、桜木町駅に行ってしまった。でも、JRだから丁度良かった。
- 東京駅で夕食にした。行きに駅まで歩くことになったため、スケジュールがキツくなって、ろくに昼食を食べられなかったので、かなりお腹が空いていた。でも、改札内には「牛タン利久」程度しか食べたい店がなかった。混んでいて、30分近く待った。
- 「食べ比べ定食」というのにしたが、2500円くらいで、とても高かった。あの店でこの値段は、ボッたくりじゃないのか? Suicaで払ったら、残高が数百円になってしまった。
- 牛タンで肉が厚いのは、一般的にはいいのだろうが、僕は薄い方が好きだ。新幹線の時刻が近かったたので急いで食べたせいもあって、余りおいしく感じなかった。2種類のどっちがいい肉だったか不明。片方は結構硬く、もう片方は柔らかかったが、店内が寒かったのですぐ冷えて、どっちも同じようになってしまった。
- 帰宅して、彼女の同じ曲のCDを聴いたのだが、今日のコンサートの方が10倍以上いい感じだったので、途中で止めた。
- 先日、宇都宮で聴いたラフマニノフの同じ曲と比べるのは余りにも酷なので、比べるまでもないことだけを書いておくことにする。世の中は広くて厳しい。。。
- みなとみらいホール
- 真ん中にパフォーマンスの人
- がらさんとは方向が違うようだ
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