昨夜帰宅したら、覚えのないAmazonからの荷物が届いていた。が、すぐに思い出した。妹が誕生日のプレゼントに送ってくれたCDだった。
余談: 本当は、リヒテルのラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の入っているCDをお願いしたのだが、それにこの曲も入っていたので、(僕がこの曲も好きなのだろうと)気を利かせてくれて、それぞれが入った別々の2枚を頼んでくれたようで、その片方が届いたのだ。
出だしのオケ(カラヤン指揮、ウイーンフィル)がいい。リヒテルのピアノもいい。音に風格とか重さがあって、しかも綺麗だ。やっぱり、カラヤンとリヒテルの組み合わせのせいだろうか。まだ届かないラフマニノフの期待も高まる。
実は、(妹には内緒だが、)僕は冒頭のピアノがどうしてもコミカルに聴こえてしまう(好きな方には申し訳ないです)ので、この曲は余り好きでないのだが、これはちゃんと聴けた。冒頭さえクリアすれば、あとはいいと思う。が、今聴くと、第1楽章はちょっと長い気がする。まあ、これは作曲者の問題で、リヒテルには関係ない。
演奏には関係ないけど、冒頭のピアノがコミカルに聴こえる件について書きたい。昨夜寝る時に、その理由を考えたのだが、余りにも「いかにも巨匠的」だからだと思う。別の言い方をするなら、大衆受けを狙い過ぎたというのか。実際にはそれ程難しくない(弾けないので本当のところは分かりません)のに、すごそうに聞こえるからではないか。
それから、昔観たTVドラマ(確か、「少女に何が起ったか」)で、辰巳琢郎(今日調べるまで風間杜夫と思い込んでいた)が、コンサートでこの曲を弾いているシーンがあったのだが、それが「いかにも」(おそらく、音と演技が合っていなかったとか、和音で平行移動する腕の動きが何か変だった)で、コミカルに感じたせいもあると思う(実はDVDを持っているので、観れば確認できるのだが、ビデオは余り好きじゃないので、しない)。
そして、検索していて気付いたのだが、僕がピアノを好きになったきっかけは、このドラマにもあった気がする。小泉今日子が石立鉄男に「薄汚えシンデレラ!」と呼ばれたり、賀来千香子(あの頃は新人だった彼女も、もう50代半ばなのか・・・)たちにいじめられながらも、くじけずにピアノを熱心に練習したり、最初の頃は、北海道の寒村で紙の鍵盤で練習していたとか、かなり強烈だった。最後の方に出て来たベートーヴェンの「熱情」はこれで知った気がするが、パワフルな曲で印象深かった。他にも、このドラマで知った曲はあるように思う。原因は他にもいろいろあるが、一つはやっぱりこれだろう。
なお、古い録音だけど音は良かった。ダイナミックレンジが大きくて、小さい音は音量を上げないと聞こえにくいくらいだ(「聞こえにくくて、なんで音がいいのだ?」という本質的な話はあるが、非圧縮原理主義者とか理系人間とかオーディオマニア的にはそうなのである)。
演奏とは関係ないことが多くなったが、ちょっと前(Haruさんに教えて頂いた時)までは余り親しみを感じていなかったリヒテルが、好きになって来た。
Haru maro goro: 2016年12月24日 07:43
この盤は大好きです。
カラヤンの指揮の協奏曲は、全部とは言えないけど、どことなくカラヤン主導で進められていくように感じられるのは私のうがった見方かもしれません。帝王はソリストにとって絶対的な存在だからでしょうか。ついついアバドや小澤征爾さん等のサポートの演奏を選んでしまいます。でも、リヒテルとのこの盤は「がっぷり四つ」どころか寧ろリヒテルのペースにカラヤンがしっかりサポートしているように聴こえて、そこが面白く感じます。
とても録音が悪いのですがリヒテルの「ソフィア・リサイタル」の展覧会の絵の演奏、機会があればオススメです。
PiuLento: 2016年12月24日 09:09
●やっぱり、好みが近いですね!
おっしゃるとおり、カラヤンは、大抵のソリストは敵わない、雲上の存在だったのではないでしょうか。聞いた話では、ビデオ収録もすごく凝るとか、写真の構図も指定したとか。。。
僕は、彼はとにかくすごいということは聞いていましたが、クラシックを聴き始めた頃、「カラヤンて有名だよな」と思って、たまたま選んだモーツァルトのレクイエムを聴いた時に、いいと思いました。
僕もアバドは好きです。彼とゼルキンのモーツァルトのピアノ協奏曲は、どれも一番好きです。それらも、聴き始めた頃に、今と違って特に情報もなしに、店頭で迷った末に選んだのです。「アバドって聞いたことあるな」程度だったでしょうか^^ インスピレーションだったのかも知れませんね。
でも、残念ながら、小澤はなぜか苦手なのです。自分でも理由が分からないのです。
展覧会の絵って、すごい演奏は鳥肌が立ちそうですが、これもメモしましたので、あとで聴いてみたいです。
Haru maro goro: 2016年12月24日 10:48
一見好みが似ているようで、実を言うと結構違うところが面白いですね! 誰もがいいと思うものもあれば、好みが別れるところもあり、それは全部正解だという事。表現は無限にあって、自分の好みのものを選択できるところが音楽のいいところですね。
昨日、youtubeでムターのバルトークのヴァイオリン協奏曲を聴いていました。サポートが小澤さんでした。好みは別にして、サポートがやっぱり上手だと思いました。
PiuLento: 2016年12月24日 17:53
●本当にそうですね。こうやってお互いの好みの違いを知るのはおもしろいですし、知らなかったことを教えてもらえるのも、いいですね。そして、音楽の世界は広いですね!
なるほど。小澤は世界で認められているだけあって、懐が広い感じですね。何枚か持ってはいるので、再挑戦してみます。でも、なんで苦手なんだろう??