帰省しても暇なものだから、YouTubeで音楽を聴いて(一部は聴き比べて)いた。聴いたのは、モーツァルト(ピアノ協奏曲、ピアノ・ソナタ)、ラフマニノフ(ピアノ協奏曲)、ゴールドベルク変奏曲、ショパンを少しといったところ。
そうしたら、いいと思うアーティストや演奏が結構見つかって、揃えたいアルバムも多くなりそうで、なかなか大変だ。以下に曲ごとに短い感想を書く。
ラフマニノフ ピアノ協奏曲 3番
- ソコロフ: オケは遅過ぎだが、ピアノは速い。最後のタイミングが合わなくて残念。
- カツァリス: 若い頃の演奏。ショパン弾きの彼のラフマニノフは珍しく、興味が出て、買おうかと思っていたが、やっぱり今一つかな。
- ブロンフマン, ゲルギエフ (昔、NHKで放送されたもの): やっぱり彼は最高。
ラフマニノフ ピアノ協奏曲 2番
モーツァルト ピアノ協奏曲 20番 K. 466
- ピリス: 完璧。
モーツァルト ピアノ協奏曲 21番 K. 467
- バレンボイム: 美しい。ただ、1楽章のカデンツァと3楽章の音が切れ気味なのが、ちょっと惜しい。(リンクは違うかも)
モーツァルト ピアノ協奏曲 25番 K. 503
- フレイ (David Fray): 期待の若者! すごい。乗りがいい。(下に続きを書く) 指揮者との打ち合わせ風景では、ピアノを弾いたりフレーズを口ずさみながらお互いに解釈を話し合っていて、興味深かったし楽しそうだった。そういうのを、一度やってみたい。(まあ、自分の仕事で言えば、プログラムをどんなふうに作るか、プロトタイプを動かしたり、ちょっと変えたりしながら打ち合わせるみたいなものかも知れないな)
モーツァルト ピアノ協奏曲 26番 K. 537
- ロバート・レビン, ホグウッド: 古楽器での演奏。ピアノフォルテは意外に大きな音が出るようだ。ただ、中高音はギターや琴のようで、ちょっとヒステリック。あと、滑らかさはやっぱりピアノに負ける。でも、これが当時の音だったのだろう。古楽器オケの音はいい。2楽章の解釈(フレージング?)は、今ひとつ好みでなかった。
モーツァルト ピアノ協奏曲 27番 K. 595
- ピリス, ピノック (1回目): 少しだけ切っていたところがあって、違和感があったが、やっぱり良かった(本当に2回目と同じ演奏だったか定かでないが、検索ではこれのようだ)。
- ピリス (2回目。1回目の翌日に気付かず聴いた): 正統派でいい。映像で分かったのだが、この曲はフルートが活躍していた。(雑談を下に書く)
モーツァルト ピアノソナタ 15番 K.545
- リヒテル: 結構良かった。(リンクは違うかも)
モーツァルト ピアノソナタ 14番 K. 457
- リヒテル: いいけど、少し荒いところがあった。
ショパン ピアノ協奏曲 2番
- ピリス, ピノック: ピアノはいいが、オケが少しわざとらしい。ピリスは若い頃の方がいいかも知れないと思った(が、上に書いたK. 466やK. 595は良かったから、今はどちらも聴きたい)。
- ツィマーマン: ピアノもオケも音はいいが、強弱・抑揚・テンポの変化の付け方が大げさな感じで、好みではない。
ショパン 「別れの曲」
- 近藤由貴: (ショパン好きの方には申し訳ないが、口直し程度に聴いた) 知らない方だが、意外にいい。今改めて聴くと、少し弱いかも知れない。身体の動きはちょっと大げさかも。
バッハ ゴールドベルク変奏曲
- Jozsef Eotvos (アコースティックギター): この曲では変わり種を探した。なかなかいいのがなかったが、これは良かった。全曲が聴きたい。
- Mark Klett (エレキギター): エレキギターはいい加減なのが多かったが、これはそうでもなく、楽しくて良かった。
- Duo Lego (エレキギター, ベース): まあまあ。
- バレンボイム: 2回目の装飾がちょっと違う(好みでない)。
- ペライア: 音が綺麗。
- グールド: やっぱり、一番しっくり来た。ビデオ版はCD(レコード)とちょっと違う。わずかに画と音がズレてるかも。
一覧を書いて、意外にすごい量を聴いていたのに気付いた。フルに聴かなかったものもあるが、余程暇だったようだ。
上の中で、アルバムが欲しくなったのは、以下のピアニストだ。
- フレイ
- ピリス (初期と近年)
- リヒテル
それぞれ、モーツァルトのピアノ曲、特に協奏曲はあるだけ欲しいから、なかなか大変だ。
フレイについての続き:
大げさかも知れないが、彼はグールドの再来のような気がした。実際、演奏している姿は似ている。演奏を見・聴いていて楽しい。演奏者(特に彼と指揮者)も楽しそうだった。
その前に聴いたホグウッドのとは正反対の全く現代的な音で、それはおそらくモーツァルトは想定していなかっただろうが、彼が聴いたら、きっと、「すごい音だ!」と目を輝かせて喜ぶのではないかと思った(ホグウッドには悪いが、古楽器の方は(聞き飽きているから)あくびをしそうだ)。
ピリスのモーツァルト ピアノ協奏曲 27番についての雑談:
フルートの、金髪・ショートヘアの若い女性の表情が神妙かつもの憂げで、ちょっと艶めかしかった。それにしては身体の動きが大きかった(このオケは他の人もそうだった)のが、何となく目を引いた。後ろの人(ホルン)のシャツの襟が彼女の頭上に見えることがあって、猫耳のようだった(例: 中央付近の上)。
それにしても、この曲は心が洗われる。
余談:
- 通信データ量は、一日1GB前後だった。月ごと3GBのプランに変えた甲斐があった。前月からの繰り越しもあったので、余裕だった。
- インターネットラジオは、データ量は食わないのだが、好きな曲を聴けないのと、再生が始まるまでが長かったりして、今一つだった。
- 正月のせいなのか、午後に音切れが多発した。
- こたつに手を入れると指が乾くのか、iPhoneの指紋認証が通らないことが多かった。
- 母は、ピアノ曲を聴くと、いつも、「良く指が動くねえ。左右別々で、あんなに速く。音符も全部覚えていて」などと感心する。確かにそれはそうなのだが、僕が「それは当然で、それ以上のもの、表現が重要なんだよ」などと言ってもすぐに忘却されて、次回は振り出しに戻ってしまう。
(17:58 若干加筆・修正)
Haru: 2017年1月3日 18:01
あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
年末年始、本当に多くの演奏を聴かれましたね。ただただ凄いの一言です!
、
ご紹介いただいたフレイが気になって、YouTubeでモーツァルトではなくてバッハのコンチェルトの最初の方を聴きましたが、気に入りそうです。バタバタしているので、夜じっくり聴きたいと思います。
リヒテルのラフコン第2番は、グラモフォンからのヴィスロツキ+ワルシャワフィルとの演奏はお聴きになられましたか?
ザンデルリング盤とヴィスロツキ盤を聴き比べるのも面白いですよ。
そして、リヒテルとレオンスカヤとの連弾のモーツァルトソナタ盤があるのです。特にグリーグが編曲したk545のソナタをれんと様がお聴きになったらどんな感想を持たれるか興味があります。
PiuLento: 2017年1月3日 18:11
●おめでとうございます! こちらこそ、よろしくお願いします。
ははは、やっぱり大量ですよね。どうしてか良く分からないけど、好きなんですね。母は、音の洪水に飽きて(呆れてた)たかも知れません^^
フレイのバッハは聴いてないのですが、気になるところです。ただ、僕はバッハのコンチェルトは余り馴染みがない(グールドのを「持っている」程度です)ので、ちょっと心配です。
リヒテルのラフコン第2番(グラモフォン盤)は、確か、妹からのプレゼントで届く予定のものだったと思います。楽しみです。やっぱり、長い経歴だけあって、いろいろあるのですね。聴き比べは楽しいので、あとで探してみます。
へえ、グリーグ編曲のK545なんてあるんですか! どんな感じなのかちょっと想像できないですが、探して聴いてみたいです。なんか、陽の光が冷えてそうな予感がしますが、気のせいですか?^^ あるいは、ドラマティックになっているのかな。そういうのを想像して聴くのも楽しみです。まずは、これを聴いてみます。
ご紹介、ありがとうございました。
PiuLento: 2017年1月3日 18:21
●ごめんなさい。グリーグ編曲のK545は、僕には合いません。
原曲のものすごい透明感が損なわれてしまっていて、申し訳ないのですが、第2ピアノがいつも邪魔に感じてしまいます。
第1楽章の3分ちょっとまでしか聴けませんでした。。。
きっと、僕とHaruさんの好みの違いの最大部分なのかも知れません。まあ、こういうこともありますよね。
PiuLento: 2017年1月3日 19:10
●フレイのバッハの鍵盤協奏曲のドキュメンタリーの1/3まで観ました。彼が大好きになりそうです。
馴染みのない曲を難なく聴かせました。多分、彼のピアノの音が大好きなんだと思います。あと、ドキュメンタリーの出来がすごく良くて、ひき込まれます。彼の考える音楽をみんなに伝えて、そういう演奏を作っていくさまは、どこか痛快な印象すら受けます。
ただ、余りにもグールドのように描かれているのが気になります。監督が同じだからにしても、似すぎです。ピアノの椅子までグールドっぽいのは、どうなんだろうと思いました。
でも、彼には大いに期待したいです。
Haru: 2017年1月3日 21:15
フレイのバッハは明日聴くことにして、先にコメントを。
やっぱり、グリーグの編曲はお好きじゃないと思っていましたよ。私もそうです。40数年ぶりにk545を弾き直ししていますが、さらにその気持ちが強くなりました。先程のコメント欄に感想を書かなかったのは、このアレンジのご感想をお聞きしたかったからです。グリーグの綺麗すぎる響きがゆえにモーツァルトの無駄のないシンプルな美しさが埋もれて、違和感を持ちました。余計な装飾はいらないのですね。
今回は結果は同じでしたが、曲の見解が違ってもごめんなさいは無用です。前も書いた通り、そこが面白いのですよ。
お正月早々、こちらこそごめんなさいです。
リヒテルのラフコンはヴィスロツキ盤のほうを愛聴しております。
PiuLento: 2017年1月3日 21:59
●そうでしたか! まったくおもしろいですね。
リヒテルのヴィスロツキ盤、探してみます。