近頃は、彼女の名前の日本語表記は、「マリア・ジョアン・ピレシュ」が正しいことになったようだ。決まったのなら、なるべく正しい名前で呼びたいが、慣れもあって、なかなか難しい。年配の方が、周波数を"Hz"でなく、「サイクル」と呼ぶ気持ちが分かった。
それはともかく、正月にYouTubeで彼女のピアノ協奏曲を聴いてから、結構好きになってしまったようで、気付いたらCDボックスを3種も買っていた。初めてモーツァルトのピアノソナタ全集を聴いた時は好きじゃなかったのに、偉い変わりようだ。そして、昨夜、それら(ジルベルシュテインと菓子折り、いや、カシオーリも含めて)が一気に届いた。
今回買ったのは以下である。3組目(HMVでキャンセルされたもの)は、通常のアルバムが5組、セットになっていた。
- モーツァルト: ピアノ協奏曲集 (1978, エラート)
- モーツァルト: ピアノソナタ集 (1989-1991, DG)
- DGでの協奏曲全集 (1993-2012, DG)
- ショパン: ピアノ協奏曲 第1, 2番 (1998, 1994)
- モーツァルト: ピアノ協奏曲 第14番, 第26番 「戴冠式」 (1993)
- モーツァルト: ピアノ協奏曲 第17, 21番 (1995)
- モーツァルト: ピアノ協奏曲 第23番、シューマン:ピアノ協奏曲 (2007, 2000)
- モーツァルト: ピアノ協奏曲 第27, 20番 (2012)
取り込みながら何曲か聴いたので、その感想を書こうと思ったのだが、PCに取り込んだだけで疲れてしまったので、後にする。さすがに、3組16枚を取り込むのは疲れる。約6時間掛かった。途中に昼食や散歩の時間があったから正味4.5時間くらいだが、一仕事だった。
それというのも、それぞれのCDが高速に取り込めて、CD情報が正確にCDDBに入っていればいいのだが、全然そうでないからだ。取り込みに30分くらい掛かるものがあるから時間が掛かるし、情報が間違っていたり不足していることがほとんどなので、1枚・1曲ごとに修正が必要だ。
そういう手間があるし、収納もかさばるので、MP3(ダウンロード版)にしたかったのだが、例のデッカ事件があったので止めた。要は、ダウンロード版をマスタリングする人が音楽を分かってない(ことがある)からだ。今回のDGはデッカ事件の張本人のユニバーサルグループだし、エラートだって、ワーナーグループだから期待できない(実際、ここもジャズとクラシックの制作が同じ"Warner Classic & Jazz"だ。西洋でも、こういう十把一絡げ的な扱いが許されるのか!?)。
次に、今日聴いた曲を列挙する。
- モーツァルト ピアノ協奏曲 第20番 (1978)
- モーツァルト ピアノ協奏曲 第27番 (1978)
- モーツァルト ピアノ協奏曲 第23番 (1978)
- モーツァルト ピアノ協奏曲 第21番 (1978)
- モーツァルト ピアノ協奏曲 第26番 (1978)
- (ショパン ピアノ協奏曲 第2番 (1994))
僕は、モーツァルトは、選べるのなら、短調のピアノ協奏曲から聴く。その次は27番だ。そこらへんを聴けば、その人が分かるような気がするのだ。それで気に入ったら、23番を聴く。だから、今日もまず、20, 24番を聴きたかった。が、なぜか、彼女は24番のアルバムを出していない。苦手なのか嫌いなのか。
実は、モーツァルトの21番辺りで感覚が麻痺してしまったので、ショパンで気分を変えようと思ったのだが、疲れ果てていたようで、前奏部でピアノが出る前に止(や)めてしまった。
一言感想を書けば、今日聴いた、彼女が若い頃のモーツァルトは素晴らしい。「最高に好き」とは言えないけど、かなりいい。「馴染み」と言える。ゼルキンや内田と比較し得ると思う。ただ、23番だけは、やっぱりポリーニとベームのが最高だ。
あと一つ。彼女の音はパラパラしているようだ。あえて滑らかにし過ぎず、すごく短い無音を入れているようだ。基本的には小気味良いし、切り過ぎてブチブチしている訳ではないから、大抵はいいと思うのだが、モーツァルトの23番(特に第3楽章)には(僕のイメージ的には)ちょっと合わない気がした。ただ、今考えると、意識的にそうして切っているのだから、かなり技術力が高いのだろうと思う。
最後になるが、モーツァルトの20番の第2楽章の冒頭は、凄過ぎて寒気がした。そして、中盤でなぜか涙が出た。単なる疲れのせいかも知れないが、今までそんなことはなかったので、全く不思議だった。ただ、次以降はもうない気がする。
(21:07 わずかに修正)
PS. そんなわけで、本来今日やろうとしていたことは何一つできず、すべて延期した。。。(18:35)
PS2. ピアノ協奏曲の印象についてであるが、外れることは多いものの、前奏を聴くと、ピアノの演奏も大体その方向になっていて、全体の印象を想像できることがある。だから、最初の1-2分で、ピアノが出る前でも、「これはすごい!」とか思うことがある。でも、聴き進めると、段々アラみたいなのが出てくることがある。そのアラが少ないのが、本当に凄い演奏なのだろう。
そういう意味では、全体の進め方を決める指揮者は重要なのだろうし、ソリストもその指揮者の意見とぶつかり合いながら、自分の表現をしようとしているのだろう。アラは、それがうまく行かなかった時なのかも知れない。(21:24)
Haru: 2017年1月29日 20:38
1日中CDを聴きっぱなしは絶対にできると思います。でも、1日の中でモーツァルトのコンチェルトを5つ聴かれたとは!…。私にはとてもできません。れんと様には申し訳ないけど、私には3つ目の協奏曲から感覚が麻痺してみんな同じに聴こえてくると思います。
しかし同じことをするなら、やっぱり短調から聴くと思います。
PiuLento: 2017年1月29日 20:55
●ははは。麻痺するのは僕だけじゃなくて、安心しました^^ 聞き流すならいくらでも行ける(でも、さすすがに全部同じ系統は無理かも)のですが、結構ちゃんと聴いたので、限界がありましたね。
やっぱりHaruさんも短調からでしたか。そういうところも似ていますね!
あと、今日は休むつもりでもあったのですが、そうは問屋(Amazon?)が卸してくれませんでした^^