好きな曲を何種類も、気に入る演奏が見つかるまで探す。例え見つかっても、更に「上」を期待して探す。そうしているうちに、確かに、(自分にとって)いい演奏が見つかるのだが、たまに、以前聴いた(自分の中では最高とか基準になっている)演奏に近いからその曲もいいと思うことがある。それは、「普通にいい」とか「違和感がない」とか「安心して聴ける」いう感想になるのだが、果たしてそれでいいのかという疑問が生じる。

もちろん、安心して聴けるどころか、「別次元」と言えるような(その場合、全く安心などできない)、すごい演奏はあり、日々それを探しているのだが、それは今は考えないことにする。

例えば、昨夜と今朝聴いた、Howard Shelleyという人のラフマニノフのピアノ協奏曲 第2,3番 (1990)は良かった。自然に聴け、第3番は「見事」のレベルだった。更に、モーツァルトのピアノ協奏曲 第13,24,21,22番 (1994-1995)も良く、ついでに、好みでないからいつもは聴かないラフマニノフのパガニーニ狂詩曲 (1990)も試したのだが、普通に良かった。

以前、会社でだったか、彼のモーツァルトのピアノ協奏曲 第20,23番を聴いて余りいい印象を受けなかったのだが、再度聴く必要がありそうだ。調べたら、経験も定評もある人のようで、イギリスの勲章(OBE)をもらっているほどだから、いいと思うのは当然なのだろう。

余談が長くなったが、要は、「安心して聴ける」というのはいいのか? それは何なのか? ということだ。まず、安心というのだから、自分の中のその曲のイメージに近いということだと思うのだが、その自分の「イメージ」は正しいのだろうか? 正しいかどうかを考えるには、何が正しい演奏かを定義するところから始めなければいけなさそうだ。

おそらく、作曲家の意図に忠実な演奏や、多くの人が「いい」と言うのが、客観的に「正しい」演奏なのだろう。それにしたって、作曲家自身ですら、多くの人にいいと感じさせるとは言えない演奏をすることがあるし(例: ラフマニノフ)、人の感性は時代と共に変化するし、ポップ音楽と同様に、クラシック音楽だって、「曲」でなく「演奏」に良さを求める人は多くない(多くの人は、演奏は関係なく、曲がいいと思うだろう)から、普遍的な基準はなさそうだ。

きっと、音大とかで勉強したり、専門書を読めば分かるのだろうが、そこまでの気力も実力もないので、今は想像や推測・推論の域である。が、単なる空想止まりではなく、論理的に考えようとはしている。

それでも、まあ、(予備知識なしで)自分がいいと思った演奏が、世間(例: クラシック愛好家の世界)の評で「良い」とされていれば(例えば、今回の場合、Shelleyは勲章をもらうほど良い演奏をした・すると考えられる)、自分の印象は正しい可能性が高そうだし、自分のその曲へのイメージも正しい可能性が高そうだ。

余談だが、僕は常に正しいイメージを持てる訳ではない。昨日の朝は「フィガロの結婚」の序曲が聴きたくなって、とりあえず、有名な演奏を聴いたのだが、カラヤン、アバド、ジュリーニのいずれも気に入らず、ベームで妥協できた。

僕は、この曲は軽さだけではないと思っていたのだが、最初の3者はどれも軽過ぎるように聴こえた。だが、それは誤りだったようだ。喜劇の序曲だから本当に軽いのか、演奏の意図を理解できなかったのか、いずれかである。

では、僕はそれぞれの曲の楽譜を読んだりして勉強した訳ではないのだが、いつの間にか曲の本質を習得していたのだろうか? それは違う。おそらく、人間の本能的な「好み」をベースとしたものが、自分のイメージになっているのだと思う。

例えば、料理は、いろいろな食材を調理して作られるが、そもそも、多くの人が好きな料理(の種類, 例: カレー)はあるし、その料理でも、ごく一般的な調理方法によるもの(例: 家庭料理のカレー)が好まれるということはあるだろう。

もう一つの例としては、猫は多くの人に好まれるが、多くの人に好まれる猫の種類(例: 茶トラ)はあるだろうし、多くの人に好まれる性格の個々の猫(例: 人懐こい野良)が居る。でも、愛好家は、ツンデレの黒猫を好んだりもする。

そして、音楽でも、多くの人に好まれる曲はあり(例: 「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」)、そういう曲を普通に(例: BGMとして)演奏すれば、大抵は「いい曲だね」と言われるが、愛好家は、自分の好きな演奏者(例: ベーム)によるガチな演奏でないと物足りないだろう(そもそも、アイネ・クライネが好きかどうかも怪しい)。

ところで、モーツァルトのように、作曲してから何百年も経った今でも好かれる曲を作った人たちは偉大だと思うし、どうしてそれが可能なのか、全く不思議だ。やはり、人間の本能に訴える何かを掴んでいたのだろうかと思う。

(ここまでで書きたいことを書き尽くしてしまったので、今は未完で終わります。)

 

PS. まあ、一般論としては(多くの方にとっては)、「*のピアノはー」とか「※の指揮がー」なんて御託を並べずに(好き嫌いせずに)、いろいろな曲をジャンルに関係なく幅広く聴いて、いい曲・好きな曲を探す方が楽しい気がするw

(10/16 20:39 わずかに修正)

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