ある時、流し台の上の食器の水切りかご(以下、かご)とトレイが場所を取っていて、作業の邪魔になっていることに気付いた。もちろん料理はしないのだが、出来合いの物を温めるのに皿に載せるにしたって、サラダを皿に盛るにしたって、やりずらくて落としたりしてイライラする。かごの向きを90°回転させればいいのだが、水が流れるトレイのために、簡単には回転できない。

水切りトレイが邪魔だ!

かごを回転させるには、水が横(長辺方向)に流れるトレイかかごに変えればいいので探したのだが、手頃な価格で良さそうな物がなかった。そこで、時間はあるので、自分で何とかしようと思い立った。「樋」のようなものでトレイから出る水を受けて横に流して、流しに排水すればいいのだ。

ただ、そういう都合のいい物が世の中にあるとは思えなかった。せいぜい、電線をカバーするモールが使えそうな程度だが、どうも、水を流すには細そうなイメージがある。それで、何かいいものがあるか、ホームセンターに行ってみた。先日別件で行ったところは、近いけど碌なものがなかったので、ちょっと遠いところに行った。

そこはDQNや高齢者が集まるイメージ(あくまでも個人的な印象)があって、どうも車で行くのは気が進まないので、歩いて行った。が、かなり遠いうえに寒くて大変だった。驚くべきことに、そこは徒歩で行く人のことをほとんど考えていなくて、外にも駐車場にも歩道などなく、おまけに外の道は細く、車が脇ぎりぎりを通過するので、なかなか肝を冷やした。車でも徒歩でも余り行きたくないところだ。次は別の店を探そう。

店内をぶらぶら見たが、やっぱり、電線のモールくらいしかなかった。しかも、幅が1-2cmくらいで狭すぎる気がした。製品としてはサイズはいろいろあるようなのだが、置いてあるものは限られていた。それでも粘って探したら、偶然、なかなかいいものがあった。二重窓の枠に使うもののような、プラスチックの物だった。Hikariの「横カバー」(PTY3112)というもので、幅が3cmくらいあって水が充分流せそうだし、モールと違って余計なギザギザのようなものがなく、不思議なくらい、欲しかった物そのものだった。1mのものが約300円だった。それを裸のまま持ってぶらぶらと帰って来たw 帰りは夕方で、更に寒かった・・・

早速、プロトタイプを組み立ててみた。いくつか不満はあるものの、基本的にはうまく行った。トレイの水は、ちゃんと流しに排水された。

プロトタイプはありあわせの物(カゴの下の板: 組み立て式の台の板、脚: 照明のリモコンホルダー 3個、樋の台: 奈良土産の猪口)を使ったので、不安定だったり見栄えが悪いので、完成形(正式版)を作ることにした。100円ショップでトレイや樋を載せる台になる物を探して買って来た。トレイの台は、食器棚などに入れる「整理棚」(脚は外す)を、樋の台はステンレス製のカップホルダー(吸盤は外す)を使うことにした。いずれも、錆や腐食を防ぐため、鉄や木製は避けた。他に、樋の固定用にクッションゴムも買った。

どちらもかなり迷ったのだが、樋の台探しには特に苦労した。高さや角度の安定性はもちろん、目立たないものが良かったのだ。角度の安定性の点ではドアストッパーが良さそうだったが、プロトタイプの角度にぴったり合わないと無駄なので、その場で実物やプロトタイプの写真から(tan-1で)角度を計算したら、駄目そうなことが分かった。ただ、かなりテキトーに計算した(tan-1かcos-1か怪しいくらいだった)ので、妥当性は疑わしいw でも、カップホルダーは大きさや見た目が良さそうだったので、それにした。

余談: 妥当性は怪しいものの、どこに居ても、こういう計算をしようと思えばできてしまう(その気になればかなりの精度で)のは、本当に進歩していると思う。まあ、普通の人はゲームとかLINEとか動画を見るくらいしかしないと思うし、それでもいいけど、本当はすごい物なんだよ。

いやいや、角度の計算くらいは大昔から計算尺でできたねw

更に余談: よく、「社会に出たら三角関数なんて全然要らねぇ!」という方が居ますが、こんなに便利なんですよ! (でも、僕自身が怪しかったですがw)

耐腐食性という点で妥協したのは、かごの下に敷く板がプロトタイプのまま木製であることだ。この板なしで高さを稼げるものがなかなかなかったので、仕方ない。

驚くべきことに、プロトタイプの脚(照明のリモコンホルダー)と整理棚の棚部分の高さが全く同じだった。あらかじめ測ってはいたが、そこまで合うとは思っていなかった。樋の台も、予想どおり吸盤が使えなかった以外は問題なかった。組み立てたら、プロトタイプと同様、水はちゃんと流れ、作業場所も広くなった

かなり広くなった。

なお、水量は思ったより少なくて、樋の幅は今(3cm)の1/2(1.5cm)から2/3(2cm)程度で充分そうだが※、買い直すほどでもないので良しとした(水量とそれに必要な樋のサイズは、計算で求められただろうし、それもおもしろいと思うが、その時は考え付かなかった)。

※水量と樋の形状(幅)については、狭い方がいいのか広い方がいいのか不明だ。狭ければ水が集まるので、重くなって流れやすい気がするが、壁や底と接する面積が増えるので、摩擦による抵抗が増える気がする。樋の幅が広いと、水は広がって底にくっついてしまって流れにくそうだ。流す物質と流量に対して最適な形状があるのだろうが、僕の全くの専門外の流体力学の話だろうか。

という訳で

一件落着。

ではないw

まだ気に入らないことがあった。樋の固定である。樋はクッションゴムで台に貼付していたのだが、粘着材で貼り付いているだけなので、力を掛けると剥がれそうなのだ。それで、強力に固定するため、結束バンドを巻いてみた。が、失敗だった。結束バンドが台にうまく止まらないのと、力を掛けると樋が変形してしまうのと、それらに対処して強く固定したら、樋が斜めなために台の脚が片方浮いてしまったのだ。仕方ないので、強力な固定は諦めた。ただ、樋を載せる部分に結束バンドを巻いて、そのうえに両面テープを貼って、クッションゴムよりは強く固定できるようにした。

とりあえずは全く問題ないのだが、まだ気に入らないことがある。樋が前面にあるので、間違えて触ったりすると、微妙なセッティングが狂って水漏れの原因になるのが嫌だ。脆弱なのだ。

それで、今朝だったか、ちょっとしたことを思いついた。樋をトレイの後ろ(手前でなく壁側)に通すのだ。しかし、そのままでは水が流しには流れない。というのは、流しの開口部と壁の間に距離(水栓の出ている部分)があるからだ。それを何とかするには、樋を90°手前に曲げる必要がある。

Amazonを探すとそういう部品はあった。90°曲がったモールや蛇腹のものだ。蛇腹のものは良さそうだったが、これ以上出費したくないのと、蛇腹は水が溜まるのと、すべての部品を水漏れなく繋げるのは難しい(おそらく、樋も買い直しになる)ので、買うのは止めた。

代わりに、余った樋が結構長いので、それを加工してみることにした。元々余っているので、失敗しても問題はない。樋の材質は塩ビで、調べたら約100℃前後が融点なので、ドライヤーやお湯で曲げられそうなことが分かった。最初はドライヤーを使うつもりだったが、どうもうまく行かない気がしたので、お湯にした。鍋で沸かしていたところ、樋が長いためにお湯に漬けられないことに気付いて、薬缶の水蒸気で加熱することにした。

始めは力加減が分からなかったが、慣れると簡単に曲げられて、上下(台からの傾きを水平にする)は結構綺麗に曲がった。が、手前に(水を流しに導く)曲げたら醜くなってしまった。曲げた余りをうまく処理しないと、90°曲げるのは無理なようだ。きっとコツがあって、プロだと綺麗にできるのだろう・・・ (あるいは、こんな無茶はしない??) が、まあ、幸い樋は破損していないから水は流せるので、曲げの角度は不十分ではあるが、試してみることにした。

すると、「それなりに」うまく行った。大きな問題は、曲げた部分の内側の壁が低くなってしまって、水量が多い時に漏れるのと、そこに凹みがあって水が溜まることだ(実害はないのだが、どうも気になる)。前者は、壁の曲がりを修正したり、置き方を調整して対処した。後者は、数年前に買って余っていたパテで埋めてみた。パテは古いので表面が乾いていたが、中の部分は使えた。結構うまく埋められて、溜まる水はかなり少なくなった。他に、樋の置き方をレコードプレーヤーのトーンアームのように少し斜めにして(先を手前に引いて)、水が流しに直接流れるようにした(→ 水を流すテストの動画)。

とりあえず完成?

という訳で、

とりあえずできた!

パテの耐久性など気になることはあるし、「その後」がありそうな気がすごくするがw、しばらく様子を見て、水漏れなどの問題があったら対処することにする。

 

そして、この水の流し方はちょっとしたピタゴラスイッチではなかろうか?

(3/19 11:25) さっそく改良した。

実際に使ってみたら、結構トレイの下の板に水が掛かるので、やっぱり木は良くないことに気付いた。それで、朝から代わりの板を探し、試行錯誤の後、引き出しの天板を使うことにした(引き出しは改造しているので、天板はなくてもいい)。ただ、板の大きさが若干小さくてトレイの脚と板が干渉するので、トレイを持ち上げる脚を追加することにした。

はじめは、トレイの脚に余計な部分(内側に斜めに伸びているところ)があるから干渉するので、その部分を切ろうとしたのだが、切る部分が大きくて余りにも大変なので止めた。が、それで良かった。実は、前後で脚の高さは異なっていて、それで傾斜が付いて水が流れるので、切って板に密着させたら水が流れなくなってしまい、全くの無駄な作業になるところだった。

脚(特に奥側)もさまざまな物を試した。DVD・CDのケース、SSDのスペーサー、デパートなどで大きな箱に付けてくれる取っ手、PCのチップ冷却フィンなどを試したが、結局、コーヒーのアルミ缶の蓋(手前側)とホッピーの王冠(奥側)にした。高さの違うものを前後に使うことで、トレイの脚を使わなくても傾斜するようにした。

ひとまず完成!

と思ってコーヒーを飲んでいたら、気付いてしまった。王冠は錆びる可能性があることに。ちょっとがっかりしたが、その前に試したチップ用冷却フィンが丁度王冠と同じくらいの高さなので、それに交換した。フィンは横長でトレイか板が曲面のせいか、浮き気味で点接触になっている(最初はそれで止めた)ようだが、何十kgもある物を載せる訳ではないから、まあ大丈夫だろう。

ようやく完成?

これで腐食の心配はなさそうだ。それから脚や板がズレにくくなるように両面テープで固定した。木の板は大きくて手前に張り出していたのだが、それがなくなってすっきりした。さらに、まったくの偶然だが、台の構成要素の色が白と灰に統一できたので、見た目もそれほど悪くない(かな?)。

これで本当に、

(ひとまず)完成だ!

そして、この階層構造を見て気付いた。ピタゴラスイッチは昔の地球になっていたw

 

(3/21 7:19) その後、細かい調整を行って完成とした。以下に、それらの内容を示す。

  • トレイの排水口の左側に水が溜まりやすいが、完全には対処できず。
    • トレイの傾きが少ないためと思い、奥の脚(ヒートシンク)を外し、手前側の脚(缶の蓋)をEVAスポンジで約2mm高くしたが、完全には解消できなかった。
      • 別の原因(排水口付近に横長の柱があった)でトレイの傾きが想定より小さくなっていて、排水口付近に水が溜まり気味だったので、これはそのままにした。 → 傾きが少し急な気がするし、排水口付近に水が溜まるのは解消されないので、止めた。 (3/22 10:16)
    • 水平器アプリで調べたら、流しの開口部の縁が少し高くなっているため、トレイが1°前後左右方向に傾いているために水が溜まることが分かった。縁周辺以外では水平なので、流し自体の工作に起因するもので仕方ないと思う。
  • 樋のカーブ部の凹みを埋めたパテの部分に水が溜まるので、なだらかな傾きになるように形状を調整した
    • ついでにカーブ内側の壁も高くした。
    • 耐久性が心配ではある。

 

(19:38 若干、加筆・修正; 20:07 写真の配置を調整; 3/19 11:25 改良を追記, 16:08 買って来た物の画像を追加, 17:11 誤字を修正; 3/21 7:19 その後の調整を追記)

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2件のコメント

  1. naoki:

    「ではないw」にウケました。

    面白い!
    そこまでやるかって感じですw

    確かに始めの状態は、カゴがスペース取ってましたね。改良してかなり変わって、スッキリですね。

    最後の樋を左右方向に曲げるところ、僕だったらどう意識するか考えてみました。

    すでに試されていたら読み飛ばして頂ければと思います。なにかのパイプの曲げ加工を思い出したんですが、外側が伸ばされて薄いんですよね。実は内側も薄くて、アウトもインも伸ばしながら曲げてるように見えます。

    ただこんなことが上手く出来るようになってどうすると言うか(職人さんは別)、もうパテで良いわけですがw

    動画も拝見しました。水の流れる音までしますw

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  2. れんと:

    ●受けて下さって、ありがとうございますw

    そう、すっきりしました。あとは木の板を何とかしたいですね(オイオイ)。

    なるほど、伸ばすんですか。なかなか奥が深いですよね。こういうのは本当に苦手なので、職人さんに弟子入りしたいです(いや、してもすぐに逃げ出しますがw)。

    何回も改良しましたので、動画も何度も撮ってます。デジカメですが、意外に音もちゃんと入りますね。自分で撮ったのに、その音で誤解して、「あれ、なんで水が写ってないの?」と慌てました。樋に来るまで時間差があったんですねw

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