単に僕の見識が浅かったということなのだろうけど、昨日、ちょっとしたきっかけで、「エッシェンバッハ(Christoph Eschenbach)もなかなかいい」と思った。そのきっかけというのは、母がモーツァルトのピアノソナタについて、「内田光子は少し違う」と言ったことだ。以前にもメールで書いて来て、これで2回目だから、結構強く感じだようだ。

背景・経緯を書くと、去年、食事の時に音楽の話になって、「聴きたければ(余るほどある)クラシックのCDを貸そうか」と言ったら、「じゃあ」ということになって、数枚送ったのだ。その中に内田の1枚があった。貸す時は、内田にこだわりがあったのではなく、話の中に日本人ピアニスト(例: 中村紘子)の話が出て、僕が中村よりは内田の方がいいと言ったので、そうした。実際には、外国人でもっといい・好きな人は居るが、とりあえず、日本人の例として選んだ。以前にも書いたように、近頃は、内田はその癖・個性がちょっとわざとらしく感じるので、昔ほど好きではなくなっている。

そんな内田の癖や個性を母が分かったとは思えない。というのは、そもそも、さまざまなモーツァルトの曲を聴いた訳でもないのに、癖や個性が分かる訳がないからだ。「どの曲のどこ」とも言っていないから、おそらく、母特有の思い込み(例: 本能的に、この曲・フレーズは(脳内の)「こういうもの」だと思う: 良く考えると、僕もそういうところはあるw)のようなものだとは思うが、まあ、試しに別の人のほぼ同じ曲目を探して貸すことにした。

ちなみに、貸した内田のCD(1984-1986)の曲目は、K.333, K.545, K.475, K.457, K.397だった。この一連はポピュラーなようで、手持ちにほとんど同じ曲目の井上直幸のCDがあった。一方、腐るほどあると思っていたモーツァルトのピアノソナタのCDがそれほどなかったのが意外だった。持っていたのは、エッシェンバッハ、グールド、ピレシュ(2種)、井上、内田だけだった(それでも多いかw)。本当は、ゼルキンとかペライアとかが良さそうで、そこらをイメージしていたのだが、ないものは仕方ない。良く考えると、僕はピアノは好きだけど、ソナタよりもピアノ協奏曲が大好きなので、そっちが多い(調べたら、重複もあるだろうが、30組くらいあった)。それはともかく、手持ちを比較して選ぶことにした。主にK.333で比べた。

一番最初に思い浮かんだのはピレシュの新しい方(1989)だったが、聴いたらどうも気に入らなかった。第1楽章ではわずかに細いところがあって、それが物足りない感じだった。あと、跳ねる感じや、さらっと通してしまうところが好きになれなかった。

ピレシュの古い方(1974)は、同じ人のせいか、やっぱり音が細くてさらっとしていたが、意外に(一般的には)いい感じではあった。あと、当然ではあるが、どことなく若さが出ている感じだった。個人的には、1989年のよりこちらが好みだ。

井上(1999)も癖があったり、わずかに気に入らないところはあるものの、なかなかいい感じだった。これにしようかと思ったのだが、同じ日本人ではおもしろくないので、余りにも特徴がない(と思い込んでいて)最初から対象外にしていたエッシェンバッハの(-1971)も試すことにした(もちろん、グールドは聴くまでもなく対象外だったw)。

すると、意外に悪くなかった。K.333の第1楽章の出だしには少し違和感があったが、全体的に素直(オーソドックス)な感じで、曲の最後が良かった。ただ、少し速目ではあった。K.475も、パワーやダイナミックさがあって良かった。 演奏には関係ない細かいことだが、この曲と次のK.457との間隔が長いのが惜しかった(この2曲は組のように扱われていて、普通はK.475のあとですぐにK.457が始まるようになっている)。

という訳で、エッシェンバッハのを貸すことにした。1枚にはまとまっていないので、内田と同じ曲を抜き出してCD-Rに焼くことにする。

母の感想が楽しみだ。きっと、(この演奏も自分の思い込みとは違うので)「人によって違うねえ」とかだろうと想像するw ただ、上に書いたように、エッシェンバッハはいかにも素直な・良くあるパターンの演奏(でも、僕としても物足りなくはない)なので、「やっぱりこっちがいいねえ」という可能性もありそうだ。

それにしても、今までエッシェンバッハを軽んじていたのはもったいなかった。これからSpotifyでいろいろ試してみたい。 → と思って調べたら、モーツァルトの曲は、手持ちのソナタ集の他にはピアノ協奏曲が少ししかなくて、がっかりした。モーツァルトは余り得意でなかったのだろうか。 → Wikipediaを見たら、本人は元々指揮者志望だったようで、すぐに転向してしまったようだ。もったいないが仕方ない。でも、なんか、野球で言えば最初から監督を目指すみたいで、余り共感できない。

今、ちょっと不思議なのは、なぜ、彼のモーツァルト ピアノソナタ集を持っているかだ。エッシェンバッハは昔から知っていた気はするが、CDを買ったのは2002年で、結構遅い。どうして彼のを買おうと思ったのだろうか? どうも、前から別のCD(日本盤で彼の写真が載っていた気がする)を持っていて、そこから思い付いた気がするのだが、なぜかそのCDが出て来ない。これも誰かに貸して返ってこないのだろうか? → 分かった! ピアノを独学で始めようとした時に「バイエル」の模範演奏のCD(1979)を書ったのだが、その演奏者が彼だったのだ。

(7/11 18:42追記) 今日、別のCDを探していて本当の理由が分かった。すっかり忘れていたが、実は彼の別のモーツァルト ピアノソナタのCD(有名な曲が入っているもの)を持っていて、おそらく僕がクラシックを始めた頃にそれを買って、その記憶があって、ソナタ集を買ったのだろう。ただ、そのCD中の曲は後で買ったソナタ集に含まれるからPCに取り込んでいなくて、気付かなかったようだ。

(7/11 18:55追記) その後、Spotifyにあった彼のモーツァルトのピアノ協奏曲 第9, 19, 21, 23, 27番を試したが、なかなかグッとは来なかった。一番良かったのは第21番で、「まったく問題ない。」という感想だった。次は第19番で、第1楽章は以下のような感想だった。

出だしはいい感じ。 ピアノもいい。曲に合った可愛い弾き方だし、音もいい。ポリーニ・ベームよりいいかも。 ただ、やっぱり音質は良くない。 が、中盤の少し手前や後半の短音連続がポロポロした感じ(滑らかでない)で良くない。

第23番の第1楽章はちょっと滑らかさが足りなくて、今ひとつだった。 第2楽章は「結構ひどい。深みがないのか。」という感想だった。第3楽章は今ひとつで、セコセコしている感じだった。それから、母に貸すピアノソナタを再度聴いたら、どうも今ひとつな気がしたのだが、全く駄目な訳ではなく、既にCD-Rを焼いてしまったので、そのまま貸すことにする。

 

ちなみに、ついでに母にはもう1枚貸そうと思っていて、以下が候補になった。

  • ラフマニノフ ピアノ協奏曲 第2, 3番
  • ショパンの有名な曲集
  • ゴルトベルク変奏曲
  • 無伴奏チェロ
  • 「展覧会の絵」 (オリジナルのピアノ版)

やっぱり僕の趣味に走りがちだが、とりあえず、一番受けが良さそうなショパンかと思ったが、やっぱりゴルトベルクにしようかと思っているw あと、ラフマニノフだと、「(フィギュアの)真央ちゃんの曲だ」とか言って喜びそうな気はするが、それだけでは意味がないので、今回は見送る。

本人に「バッハとショパンはどっちが?」と聞いたら、やっぱりショパンを希望して来たので、そうする。

 

PS. 上に載せた感想は、聴きながら、開発(停滞)中のMlhiに直接書き、今検索して取り出した。早速実用できて、いい感じだ。「近頃聴いたもの」とかコメント中のキーワードで検索できるので、手前味噌ながら、なかなか便利だ。

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