近い将来の機械(人工知能)化社会では、人は人工知能に命令されるようになるのではないか。
昔と違って、人工知能は考えられるようになって来ている。新しいことも学習できる。となると、頭脳労働だって人工知能がやれるのではないか。その方が、素早く正確な判断ができる。設計だって間違いは少ないだろう。ズルもしないはずだ。
一方、人型ロボットはなかなか実用化できないだろうから、一番最後の「実物」を扱うのは、しばらくは人間がやらざるを得ない。
それから、新しいことを学習できると言っても、コンセプトやアイデアを生み出すことなどは、当面は、人間の方がやる必要があるだろう。
そういうことから、世の中は段階的に人工知能化していくと思う。
中間段階
最初は、人間が考えたアイデアの詳細な設計と実現を人工知能や機械が実施し、実物を扱う(あるいは人間相手の)場合には人間が行う。こうなると、僕の仕事(プログラムの設計や実装やテストなど)は自分でする必要がなくなるから、人工知能に指示するだけになるのかも知れない。
最終段階
その次の段階は、アイデアも人工知能が出し、人間が下請けになる。もちろん、政治も人工知能が行う。人間は単純作業だけすることになる。
本当の最終段階
ロボットが完全に発達したら、すべてを機械が行えるので、人間のすることはなくなる。
各段階の支配の構造
中間段階
人間 → 人工知能 → 人間
最終段階
人工知能 → 人間
本当の最終段階
人工知能
本当の最終段階になったら、人間は機械に養われて、働かなくても済むようになるのだろうか? あるいは、人間は居なくなるのか?
(21:06 加筆、21:58 若干修正)
PS. これが正しいなら、少し前に書いた、「考えない人は危機感を持つべきだ」というのは、実は間違っていて、しばらくは単純作業する人は必要だから安泰だということになる。むしろ、危機感を持つべきなのは、僕らのように、将来、人工知能と張り合わなければならない職種の人間だろう。
PS2. 既に政府は似たような世の中を試算しているようだ。そして、2ちゃんねるでは、いろいろ議論されている。なので、このエントリはまだ詰めが足りないが、公開する。
PS3. プログラム開発の自動化について、思ったことを書く。
プログラム開発の自動化は、今までずっと研究されて来たが、今一つ実用レベルに達していないと思う。でも、これからはもっと実用的になるのではないだろうか。
今までに作られたさまざまなプログラムを読み込んで学習し(さまざまなエミュレータがあるのだから、いろいろな機種用のプログラムを実行するのはたやすい。そして、動かしてみて、そのプログラムの「意味」を理解するのも可能になるだろう。強力な処理能力があれば、総当たり的にプログラムの操作とその結果を得ることが可能だから)、それらを組み合わすことができれば、新たなプログラムは自動で作れると思う。今までに作られたことがないほど新しくて、自動で作れないプログラムなんて、滅多にないと思う。
その場合、仕様を専用の言語で書いたりせず、コンピュータに普通の言葉で指示し(例: 「iPodみたいな感じで、音楽ファイルを再生する」)、不明な点は逐次聞いて来る、デモ版を出して来て、人間がフィードバックをする、の繰り返しでできるようになるのではないか。あと、仕様については、顧客の提示した要求のドキュメントがあるのなら、それをそのまま入れることだって可能になるはずだ。
ポイントは、強力な処理能力と膨大な量のデータ(=知識)だと思う。ただ、人間が相手をするので、短い時間で完成できるようにするのは難しいかも知れない。が、将来的には、人間が相手をしなくても済むようになるのではないか。
という訳で、僕らプログラム開発者は、しばらくはコンピュータの相手として食い繋げるかも知れない。でも、それは素人でもできるようになるから、やっぱり駄目かも知れない。(20:47)