Archive for March, 2019

先日から頑張っていたPQI Air Card II(以下、Air Card)は諦めた。いろいろ苦労して、さっきデジカメからPCに画像を取り込めるようにはなったのだが、その過程で、消費電力が大きいどころでない、致命的で解決できない問題に気付いたのだ。実使用時のように、Air Cardをデジカメに入れて、撮影・表示してPCから画像を取り込もうとして、気付いた。

Air Cardは中でLinuxが動いている。それが最大の(魅力であり、)欠陥だ。

Linuxは、Windowsと同様、起動が遅い。いくら頑張っても、一瞬では起動できない。スマフォのAndoridもLinuxベースだが、使っていない時にスリープしているだけで、基本的にはいつも動いているから、頻繁に画面をon/offしたって問題がない(そして、ご存知のように、本当に電源をon/offする時はすごく時間が掛かる)。

ところが、デジカメは全く違う。撮影時は、撮ったら電池を節約するために電源を小まめに切る。表示の時も同様だ。そのたびに、SDカードの中の可哀想なLinuxは(おそらく途中まで)起動しては、何の前触れもなくブチっと電源を切られる。Linuxは(Windows同様、)終了時にもちゃんとした手順を踏まないといけないから、そんなことを年中やっていたら、いつかはSDカードが壊れる(論理的、あるいは、物理的に)。だから、「すぐ壊れる」、「動かなくなった」というレビューが多いのかも知れない。

仮に、システムがうまくできていて、そんなことしても問題が生じないようになっていたって、僕は使う気になれない。撮影・表示のたびに中で「ブチブチ」しているのを想像するだけで、冷や汗が出そうだ。

これがもし、SDカードでなく、デジカメ本体の中で(Linuxである必要はないのだが)Linuxが動いていたら、まだマシだろう。スマフォのように、電源を切ったように見せかけてスリープとかスタンバイさせればいいのだ。あるいは、電源を切って一定のアイドル時間が経過したら本当に終了すようにし、その処理が完了するまでは電池で動かしておくなどだ。

デジカメにWi-Fiを後付けするという発想は良かったと思うが、(他のいろいろな失敗作と同様、)やり方が悪かった。安易なノリだけで進めてしまったとか、できたから売るという姿勢だったのかも知れない。元の開発キット(→ 片鱗が見える; 元にしていると思われる、KeyASICのWi-Fi SDカード Mcard)を見ると、まあ、普通に良くある物で、デジカメ用のWi-Fi SDのようなことはできるのだが、実際に製品化した時のことは余り考えていないことが想像できる。まあ、最初のコンセプトの時点ではそれでいいのだが、実際の使われ方をちゃんと考えて売り込まないと、絵に描いた餅にしかならないことの典型だ。何らかの製品はできるけど、(例によって、製品化を押し付けられた開発者が多大な苦労をしたって)使い物にならない物しかできないし、売れない。その結果がこのひどいレビューサマリーだ。

PQI Air Card IIのレビュー結果。。。

他にも以下のような問題があった。

  • 消費電力が大きい。
  • Air Card自体やPCにマウントするためのソフト(curlftpfs※)の動作の安定性が悪い。
    • Air Cardが起動しない(Wi-Fi接続しない)ことがある。
    • curlftpfsでマウント・アンマウントできないことがある。
    • curlftpfsを使うと、他のプロセスがハングすることがある。
  • Air Cardの起動が遅い(Wi-Fi接続できるまで30秒くらい掛かる)。

※curlftpfs(FTPサーバをPCにマウントするソフト)はAir Cardとは関係ないが、PCから画像を取り込むのに、Air Cardの改造を最小限にしようとしたために使用した。

消費電力には目をつぶっても※、2, 3番目のありさまでは、普通に気軽に使える状態(例: 先日構築したスマフォの画像の自動転送は、とてもいい感じに動くようになった。僕は、デジカメでもそれができるのを夢見ていた)には、まずならなそうだと思った。

別の投稿のPS3に書いたが、Linuxを動かしていなくても消費電力が大きいことが分かったので、これ以上減らせる可能性はほとんどない。(3/27 12:12追記)

という訳で、諦めた。

 

Air Card自体はおもしろい製品ではあるのだが、何か他に使えるかというと、残念ながらない。いわゆる"IoT"用途が思い付くが、センサなどの外部入力ができないし、基本機能も性能も悪く、拡張性もなく、小さ過ぎてハードの改造もできず、OSも凄まじく古いので、全くつぶしが効かない。これを普通に使えるようにするために苦労するんだったら、普通のラズベリーパイなどの方がずっといい。値段も安い。(いずれにしても、僕は趣味でそういうのをいじる気にはならないからパスだがw)

なお、FlashAirにも同様の問題はありそうだが、あちらはフラッシュメモリが内蔵で汎用SDカードでないから、ブチブチ対策ができそうだし、OSはLinuxではないかも知れないし、中にバックアップ電源が入っているかも知れないので、少しは安定しているのかも知れない。でも、僕はやっぱり使わないだろう。

という訳で、良くある、「コンセプトは良かったんだけどねぇ・・・」の典型だった。僕も、もう少しそもそものところから考えれば良かった。「あの小さい中でLinuxが動いている」ということだけで目がくらみ、「これはすごい!」と思考停止してしまった。まだまだ甘いね。

 

PS. 文句を言うばかりでなく、どうすればできるかを考えたら、ハードでWi-Fiやストレージ処理のほとんどを実現すればいいような気がする。今でも低レベルのWi-FiやSDカードの処理はハードでやっているが、Linuxじゃなくても(理想はOSなしで)簡単に使えるようなチップなら良さそうだ(ただ、低レベルの通信だけじゃなくて、各種プロトコルが要るから、結構難しい気はする。それでも、そういう製品はあるようだ)。

まあ、Air Card自体が(部品化されているという意味で)「ハード」と言えばそうなのだが、そう言うのであれば、「まったく出来が悪過ぎるハード」だとしか言いようがない。

それから、Wi-Fiのon/offスイッチは必須だ。スイッチがあれば、消費電力だけでなく、かなりの「ブチブチ対策」になる。それならLinuxでもまだ可能性がある。スイッチがある製品はez Shareだけだが、現実的な技術や費用でできることと実際の使い方を良く考えたのかも知れない。そこには感心する。

PS2. 「諦めた」とは書きつつも、例によってしつこくあがいてみたのだが、やっぱり、Air Cardはどうにもならない。一番の問題に対処すべく、電源on時にLinuxを起動しなくもできるようにしたいと思って四苦八苦したが、PCとAir CardのOSのバージョンが乖離し過ぎているためにいろいろな不整合が噴出して、前段階(基本的なプログラム(busybox)のコンパイル)すらままならなかった。

そもそも、ソフト的に選択できるようにしたとして、実際に(人が)Linuxを起動するかどうかを手軽に選択する手段がない。あの小ささでは電気的スイッチを付けるのは無理だ(ライトプロテクトスイッチは、実はどこにも繋がっていない)。せいぜい、「特定の画像を削除して」とかなら可能そうだが、それを実装するのも容易ではない(でも可能かもなぁ。でも疲れたなぁ・・・)。

※(3/27 12:14追記) 本文に追記したように、Linuxを動かしていなくても消費電力が大きいことが分かったので、この検討は意味がなかった。

(3/30 10:02追記) 興味があったのでその後も試してみた。まず、program.binは(更新専用のためか)u-bootのサブセットで、hushの機能(ifや&&など)が使えない。そのため、program.binの中のu-bootコマンド文字列をパッチして「特定の画像があったらLinuxを起動させない」ようにすることはできなかった。

次に、ある方が、GPLのために公開されていたAir CardまたはTranscend Wi-Fi SD Card(実体はKeyASICのKA2000)のソースプログラムなどを公開していたので、その中のu-bootを改造して使えるか試した。Ubuntu 12なら、Sourcery G++ Lite 2011-03-42 (ARM EABI)でコンパイルでき、u-boot.binを"program.bin"としてmicro SDに置くことで起動もできた。

ただし、公開されたソースと実機の構成が異なるのか、今ひとつうまく動作しなかった。例えば、u-bootのgoコマンドやSDや内蔵フラッシュからのファイル読み込み(fatload, sf loadコマンド)はうまく動作しないことが多かった。構成が違うためなのか私の使い方が悪いのかは不明である。外部に何も出力できないので状態の確認が難しいし、実機の詳細な情報がないので、調整のしようがない。

また、このプラットフォームのu-bootのsleepコマンドは単なるビジーループなので、消費電力を減らすためには使えない(前の投稿のPS3や上記の「Linuxを動かしていなくても消費電力が大き」かったのはそのせいだろう)。クロックの周波数を下げるとか各デバイスやCPUを停めるなどの処理が要るが、実機の情報がないので困難だ。

他に可能性があるのは、program.binをうまく改造することかLinuxの起動の初期に停止させる(デバイスの初期化プログラムがちゃんとあるので、期待する処理ができる可能性はある)ことだが、前者は至難の技だし後者は余り好ましくない(Linuxは内蔵フラッシュから起動するので、起動を中断させても大きな問題は起こらなそうではあるが)うえにLinuxをビルドするのは大掛かりだ。

という訳で、私の希望どおりにAir Cardを改良・改造するのは、ほとんど不可能だと思う。

PS3. スイッチでWi-Fiのon/off可能なeZ Shareについて調べたが、一番の問題は専用アプリまたはブラウザからのアクセスしかできないことだ。それではLinuxから画像を取り込むのがなかなか面倒だ(ページのスクレーピング?)。あと、例によって、サポートがかなり心許ない。質問しようとしたのだが、webに書かれたメールアドレスはエラーで戻って来た。それで、Amazonに出している店(メーカーかその関連企業)に出したら結構アバウトな回答だった。例えば、消費電力を聞いているのにスイッチの使い方を答えて来たり、起動時間は「速い」という回答だったり・・・ この調子では、質問の答えが良くても実際は違うことがありそうだから、買って試すしかない※。けれど、上記のとおり、通信がしょぼいので止めた。

※再度消費電力について質問したら、回答は"Thank you!"だった。脳味噌あるのかな? 論外以下で却下だ。 (3/27 16:53)

あと、内部画像(→ , )を見ただけでの推測だが、Wi-Fiのon/offは本当にWi-Fiチップだけon/offしている(チップの電源制御端子(CHIP_PWD_L)をon/offしていると想像する)ようだ。それでも消費電力が小さければいいが、試してみないとなんとも言えない。

画像を見て今気付いたのだが、これはmicro SDを使っているけど、抜けないように(そうとは分からないように?)封入しているのか。道理でカードが汚れている訳だ。なかなかすごい・・・

(2/26 7:06 わずかに修正, 8:08 Mcardへのリンクを追加; 3/27 9:21 PS2, PS3を追記, 12:14 Linuxを動かしていない時も消費電力が大きい件を追記, 12:56 ez Shareのスイッチの件を追記, 17:48 題に追加; 3/30 10:02 PS2に追記)

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良く見るニュースサイトに、定期的に、随筆というのかクラシック音楽界の裏話みたいなのを書く指揮者が居る。その人が初めて出て来た頃は結構楽しみだったのだが、すぐに飽きて、近頃は読まないようになってしまった。どうも、文章がおもしろくないのだ。どうしてかは良く分からないのだが、やっぱり、音楽の人だから文章はそれほどでもないということなのだろうか。それで、昨日くらいから、なぜおもしろくないかの理由を考えたのだが、以下のようなことが大きいかと思う。

  1. 題が結構突飛で引き付けられるけど、中身は意外でも何でもなくてがっかりする。
  2. しかも、大体知っていることばかり。

2番目は、僕が音楽を好きで今までいろいろ調べて来たから仕方ないけど、1番目が良くない。例えば、今週のは、題は「クラシックオーケストラが、リハーサル終了時間を“絶対にオーバーしない”理由」で、「ほう、プロの団員たちは、きっと、『(終わったあとに)彼女・彼に会うからマジで1秒でも早く帰りたい』(キリッ)とか、家族との時間とか自分の遊びの予定、そして、(もちろん?)練習がぎっちり詰まっているんだろうか?」と思って読むと、実際には、組合の規則とかいう、ごくごく当たり前のことでがっかりした。毎回、こういう調子なのだ。

あと、前振りが長く、最後がイマイチだ。延々と背景とか関連とか周辺を書いた後に、本題が少ししかない。そのうえ、大抵最後に一言余計な段落があって、まさに「蛇足」なのだ。書くならもっとうまく溶け込ませてくれればいいのに。。。

そういえば、同じ音楽家でも、N響のオーボエの茂木という人の本を数冊読んだことがあるけど、おもしろかったし、いろいろなことが分かってためになった。だから、もちろんだけど、その人の文章力が大きいのだろう。あと、この人(指揮者)はすごく真面目なんだと思う。別の言葉で言えば、「毒がない」だろうか。

とは言え、「不真面目になれ」とか「毒を持て」などと言う訳にも行かないし、字面どおりの意味ではないので、どうしようもない。逆に、茂木の文章はいかにもおもしろおかしいのだけど、本人はすごく真面目な人だということが伝わって来た。それでもおもしろかった。

音楽で例えれば、この人の演奏は遠慮したい(聴いたことはないから嫌いとかは言えないが、聴くならもっと他に聴きたい人が居るという意味)が、茂木のはちょっと聴いてみたいってとこか・・・

音楽の話になってしまったので更に脱線するが、「真面目」という意味では、日本人を代表する指揮者、小澤も余り聴きたくない。なんというのか、聴いて楽しい想像ができないのである(実際には、全然そんなことはないと思うが)。ストイックさはすごく伝わって来るが、それがこっちにも辛さを感じさせるのかも知れない。

まあ、そういう僕だって、自分の文章が読んでおもしろいか、また読みたくなるかは分からないから、他山の石としたい。

と書いて締めよう。

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昨日絶賛したPQI Air Card II(以下、Air Card)。引き続き、デジカメ画像取り込みシステムの構築作業を続けていて、ふと思った。先日のLEDランプを測った時の治具で消費電力が測れるのではと。早速やってみたら、何とか測れた。

単体では無理なので、カードリーダー(I-O Data USB2-7inRW)に挿した状態で測定した。比較のため、カードなしの場合、Air Cardなしの場合(16GB micro SDをアダプタで使用)、Air CardのWi-Fi接続時と切断時(アイドル状態)を測定した。以下に結果を示す。なお、電流値は約1Ωの抵抗の両端の電圧をアナログテスターで測った。そのため、精度は低い。なお、カードのみやAir Card+SDカードの消費電力は、アダプタ込みの値からアダプタ単体の値を減算して求めた。また、電力は電圧を5Vとして計算した。

  • カードなし(アダプタ単体): 60mA (300mW)
  • SDカードのみ(Air Cardなし): 70mA (350mW) → SDカードのみ: 10mA (50mW)
  • Air Card
    • 起動直後: 120mA (600mW) → Air Card+SDカード: 60mA (300mW)
    • Wi-Fi on時(APに接続状態): 220mA (1.1W) → Air Card+SDカード: 160mA (800mW)
    • Wi-Fi off時: 160mA (800mW) → Air Card+SDカード: 100mA (500mW)

Air Cardの消費電力がかなり大きいことが分かり、愕然とした。Wi-Fiがonの時は仕方ないにしても、offにすれば減ると思い込んでいたので、offにしてもほとんど減らないのは想定外だった。そこで、何とか減らせないものかと試行錯誤した。

ほとんどは効果がなかったが、Wi-Fiの電力管理の設定で減らせた。具体的には、Air Cardにログインして以下のコマンドを実行する。

wl PM 2

"2"は"1"でも良い。2だと高速(状態変化に速く適応する)に電力を制御するようだ。この設定をしてもWi-Fi off時の消費電力は変わらないが、on時(APに接続)のアイドル時の電力が下がることが分かった。"2"の場合の測定結果を以下に示す。

  • Air Card (電力管理設定あり)
    • Wi-Fi on時(APに接続、アイドル状態)、Wi-Fi off時: 160mA (800mW) → Air Card+SDカード: 100mA (500mW)

つまり、Air Cardのアイドル時の消費電力は、Wi-Fiのon/offに関わらず約100mA (500mW)となる。どうにも信じ難いのだが、Wi-Fi部でなく基本部が電気を食っているようだ(あるいは、電力制御機能がなくて、Wi-Fiを"off"にしても電気は流れているのかも知れない)。そして、上記のとおり、SDカードのみだと10mA (50mW)なので、Air Cardを使うと消費電力が10倍になる計算で、更に愕然とした。ただ、調べたところでは、東芝のFlashAirはWi-Fiをoffにすると消費電力が小さくなるが、Air CardのWi-Fi off時の消費電力は大きいままだ。(3/25 4:44 訂正)

(3/25 4:44) SiSO-LABによれば、FlashAir単体の消費電力は以下のとおりだったので、Air CardのWi-Fi off時の消費電力はFlashAirの5倍程度と、特に大きい。

Wi-Fi on時: 622mW, Wi-Fi off時: 104mW

普通のLinuxだと、CPUやSDカードなどのクロック周波数を下げて消費電力を減らせる可能性があるのだが、Air Cardにはそのようなコマンドはない。また、poweroffのような、システムを停めるコマンドもない(別の製品(Flucard)のpoweroffコマンドを試したが、効果はなかった)。

ただ、カメラ本体の消費電力が大きい場合には、SDカード部の消費電力が増えてもそれほど影響がない可能性があるので、カメラ(IXY Digital 3000IS)の消費電力を調べてみた。CIPAの測定値と連続再生時間は以下のとおりである。

画面表示時: 280枚, 再生時間: 6時間
バッテリ: NB-5L: 3.7V, 1120(1050)mAh, 3.9Wh

それで、CIPAの測定方法から、撮影時のおおよその連続使用時間を求めて平均消費電力を推定しようとした。CIPAの測定方法の概略は、以下のとおりである。

  • 30s間隔で撮影
  • 2回に1回フラッシュ
  • 10枚ごとに電源off, on

そこで、平均撮影間隔を1.5枚/分とすると、280枚では3.1時間なので、平均消費電力は

3.9Wh/3.1h= 1.25W

となる。Air Cardのアイドル時の消費電力は上記のとおり0.5Wなので、約40%の増加(撮影可能枚数は40%減)となり、やっぱり大きい。なお、再生時の消費電力は3.9Wh/6h= 650mWなので、Air Cardによってほぼ倍増する(再生可能時間は1/2)計算になる。

これでは使う意味がない気がして来た。無理をしてでも消費電力を下げるには、例えば、micro SDをアダプタでカメラに入れて撮影し、家に戻ってPCに画像を転送する時だけAir Cardに挿し直すことだが、手間が増えて何がいいのか分からない。ケーブルがないことだけがメリットだが、カードを挿し替えるくらいならカードリーダーを使う方がいい。。。

作業を続けるべきか迷う(やる気は結構下がったw)が、とりあえず作って、ひととおり使って、電池がどのくらい持つのか確かめてみたい。

 

PS. 一つ、Air Cardが使える可能性があるのは、カードリーダーの動作時の消費電力が大きい場合だ。カードを挿していない時の消費電力は上記のように低いけれど、カードを挿して動かすと増える可能性がある。その時にはAir Card+SDカード(カードのみも)の消費電力が相対的に減るので、Air Cardによる消費電力の増加は少なくなる。これを調べるにはSDカードの端子を引き出さなければいけないので、無理だ。本当に使ってみるしかない。

いやいや、良く考えると、SDカードのみの場合の消費電力も小さいから、カードが挿さっていなくてもカードリーダーは動いているようだ。そして、仮にSDカードの消費電力が0Wだったとしても、カードリーダー単体の消費電力が50mW増えて、Air Cardがその分減って450mWになる程度だ。「詰んだ」ってやつかな。。。

PS2. もう一つの可能性は、Air CardのLinuxのカスタマイズ部分を解読して改造することだ。Linuxが起動するまでは消費電力が低いようなので、その逆に、Wi-Fiを使わなくなったらLinuxが起動する前の状態に戻せばいい。はずだが、かなり面倒なうえに、それで消費電力が減らせるかどうかは不明だ。そもそも、僕はAir Cardで遊びたい訳ではない(おもしろかったのは確かだが、機能が貧弱過ぎるので、余りおもしろくない)ので、FlashAirに乗り換えるほうがいい。 (3/25 9:31)

PS3. Linuxが起動しなければ(各種デバイスが動かないから)消費電力が低いのかどうか確かめてみた。別の投稿のPS2にも書いたように、Air Card用のプログラムをコンパイルすることすら困難だったので、ブートローダ(u-boot)ファームウェア更新プログラム(program.bin)を改造した。Air Cardの更新ファームウェアのZIPを展開したうち※のprogram.binというファイルがブートローダ更新プログラムである。その中に書かれたスクリプト(u-bootのサブセット?)でファームの更新とLinuxの起動を行っているようなので、u-bootの終了や長時間のスリープに置き換えて、Linuxを起動させないようにした。具体的には、以下のようにして改造した。

sed -e 's/bootcmd=run set_bootargs; run bootf/bootcmd=sleep 123456; sleep 234567/g' -e 's/fatload mmc/exit; /g' program.bin > /tmp/program.bin

※PQI Air Card IIのファームウェアファイルの内容(推測)は以下のとおり。

    • program.bin: ブートローダ(u-boot) ファームウェア更新プログラム
    • mtd_jffs2.bin: /mnt/mtdのファイルシステムの内容
    • Image3: Linuxカーネル
    • initramfs3.gz: Linuxのルートファイルシステム(/)の内容
    • autoload.tbl: (ない場合もある)不明。読み込むファイル一覧?

試すには、改造したprogram.binと残りのファームをmicro SDに書き込んで電源を入れてしばらく待てば良い(元に戻すには、本来のファームをmicro SDに書き込んで電源を入れてしばらく待てば良い)。

残念ながら、結果は駄目だった。Air CardのAPはできていないので、確実にLinuxは起動していないのだが、消費電力は減っておらず、上記のアイドル時の消費電力と同じ100mA (500mW)だった。

結局、そもそもAir Card自体が何もしなくても消費電力が大きいようだ。ここから減らそうとしたら、電源管理モジュールの機能を使ってシステム(ハード)の動作を停止させる必要がありそうだが、そういう機能があるのか不明だし、この状態ではWi-Fiモジュールは動作していないことが確実なので、それ以外の消費が大きいということなので、まず減らないだろう。

という訳で、Air Cardが日の目を見ることはなさそうだ。

(3/25 4:44 FlashAirの消費電力を訂正; 8:56 題に追加、加筆・修正; 3/27 12:07 PS3を追加; 3/29 13:36 program.binの内容を訂正)

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デジカメの画像転送のWi-Fi化を密かに進めていて、先日、Wi-Fi内蔵SDカード(PQI Air Card II)を注文した。ヨドバシにはなくて、Amazon(マーケットプレイス)で約1800円だった。今日、それが届いた。予定より3日も早く、その時点で逆に一抹の不安すら生じた(ちなみに、自作の郵便チェックプログラムで、「配達済み」という情報で気付いた)。届いた物を見たら真っ平らな封筒で、「もしかして普通のSDカード? 騙された?」と、更に不安になった。

でも、開けてみたら、ちゃんと本物だった。元々のパッケージが薄かったのだ。まあ、某林檎社(だけじゃないけど)のように、手の込んだ美しい箱なんて要らないからw、こういうのでいいのだ。それでもまだ半信半疑で、あらかじめ考えておいた動作確認手順を進めたら、全部OKだった。添付のmicro SDカードだって、ちゃんと16GBあった。そして、肝心のWi-Fiの動作も問題なく、ちゃんとスマフォ(ブラウザ)から接続できた

すごいっす!

何もトラブルがなかった(せいぜい、説明書が本体の下に隠れていて危うく捨てるところだったのと、文字が細か過ぎて読む気にならなかったことと、FTPサーバのコマンドへの応答がちょっとおかしかっただけだ)。こんなの久し振りではないだろうか(いや、売り物なら当たり前なんだけどね・・・)w 気を良くして応用に進み、事前に調べておいたページ(→ )を参考にして、初期状態ではWi-Fiの親機(AP)になるのを、起動したらすぐに子機モードに切り替えてAPに接続するようにしてみたら、魔法のようにちゃんと動いた。

Incredible!

としか言いようがない。Amazonのレビューは全く散々で買う気が失せるのだが、みんなアフォなのか。。。※ あるいは他社の工作員?? しかも、このカードを(デジカメでなく)カードリーダーに挿すとWi-Fiが動かないことがあるらしいが、幸運なことに、それもちゃんと動いた(でも、動かないのはなんかおかしいと思う)。そのおかげで、たった半日で作業が大分進み、危ういところは通過した感じだ。最初は「次の段階で」と思っていた自動取り込みもすぐにできそうな雰囲気だ。

※文句を書いた人の(不)名誉のために書くと、「ただデジカメに挿せば、何の苦労もなく目をつぶっていても画像が転送される」なんて思ってるから駄目なんだよ! 世の中そんな甘い訳ないじゃん。Wi-Fiなんて、ただでさえいろいろんことがあるのだから、それがデジカメの中のSDに入ったら、まともに動くことだけでも僥倖だと思わなくちゃ。とは言え、メーカーはいかにも簡単に使えるように宣伝していたようだから仕方ない(し、そんなことだから売れなくて生産終了なんだろう)が・・・

今の段階では耐久性は分からないけど、機能については全く問題ない。真面目に生きてれば(いやいや)、たまにはいいことあるもんだねw

今回はこの感動だけを書くことにして、作業の中身・詳細については追って書く予定である。

 

PS. あとで、忘れずにAmazonのレビューに書こう。今のままではPQIが可哀想過ぎるよ。

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ケーブル追放計画の一つ、スマフォの充電を無線にしようと、AmzonでQiという規格の製品を探した。散々探して候補を決めたのだが、やっぱり止めた。以下のような問題があることに気付いたからだ。

  • (気軽に)充電しながら使えない。
  • パッドも持って行かないと、出先で(気軽に)充電できない。

というのは、僕のスマフォ(AQUOS sense lite)は無線充電に対応してないので、本体に、レシーバーという電気を受けるアンテナに相当する部品を貼ってUSB端子に接続するのだが、スマフォケースを使っている場合、そのUSBコネクタを簡単には外せない(スマフォをケースから取り出す必要がある)ので、気軽には通常の充電には切り替えられないのだ。

充電しながら使うのは、プログラムの作成やデバッグ時、あるいは、連続して音楽を聴く時に必要だし、出先でも充電したい。パッドという送信機に相当するものも持参すれば充電はできるが、さすがに大掛かりだし、散歩とかちょっとした外出の時は無理だ。

更に、レシーバーには碌な安心できる製品がない。部品的な扱いのせいか、パッドと違い、名前の知られたメーカーのものは皆無で、どれを見ても、「使えない」・「すぐ壊れた」・「すごく熱くなる」・「厚い」とかいうクレームが多い。電力を扱うものだから、安心できるものが欲しい。

という訳で、充電ケーブルが1本残ることになった。次のスマフォの時には、是非、無線充電対応のものを考えよう。

PS. USB type-Cコネクタを極小なスペースで分岐できような部品、あるいは、そういうレシーバがあればいいのだが、さすがに探してもなかったし、実現するにはかなりの無理があるだろう。

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以前、デジカメの電池が寿命になったので、交換したのだが、その頃から減りが速くなった気がして、「もしかして偽物?」と疑っていた(それが心配だったので、Amazonでなくヨドバシで買ったのだ)。

それで、今日また電池がなくなったので、撮影した枚数を調べて、電池の減りが本当に速いのか確認してみた。前回充電した日は正確には不明なのだが、日記によれば3/15に充電した可能性があり(その日にも、「減りが速い」と書いてあった)、それから今日までに約278枚撮影していた。

一方、カメラ(IXY Digital 3000IS)の仕様によれば、撮影可能枚数は約280枚(液晶モニター表示時)なので、驚くべきことに仕様通りで問題はなさそうだ。しかも、動画も何本か撮ったので、実際には仕様より持ちがいいのかも知れない。

余りにもぴったりでにわかには信じられないので、次回の充電時にも再度確認してみるが、減りが速く感じたのは、頻繁に撮影したからのようだ(今回は水切りトレイに樋を付ける件で特に多かった)。おそらく、カメラを買った時より撮影のペースが上がっているのに自分では気付かないので、そう感じたのだろう。偽物と疑って悪かった。

それにしても、たった5日で300枚近く撮影していたなんて、驚きだ。これでは、オンラインバックアップの容量増加が想定外に増えるのではないかと、ちょっと心配だ。

 

話は逸れるが、カメラ(デジカメ)の電池の持ちは問題ないことが分かったのだが、デジカメはどうも不便だ。

スマフォなら、デジカメと違って、充電中は画像を転送できない(しかも、充電時間が長い)なんてことないし(SDを抜いてPCで読めばいいが、それも面倒だ)、(自作のプログラムを使えば)ケーブル接続なんて不要で自動でPCに画像を転送できるし、撮影位置が記録できるし(投稿する時は注意が要るが)、時刻が常に正しいので、メモにはこっちの方がずっと便利だ。コンデジが凋落したのも分かる気がする。ただ、やっぱり画質が違うので、ちゃんとした撮影にはデジカメの方がいい気がする。

そこで、ちょっと思い付いて、(メモ写真ではあるが、)今日撮った同様の構図の写真(電池がなくなる前後のため)で、デジカメ(IXY Digital 3000IS)とスマフォ(AQUOS sense lite)の画質を比較してみた。

全体を見た印象は、デジカメの方がシャープかつ自然(このバランスが絶妙だと思う)で好みだ。何となく、「おっとりしているけど、素直で性格がいい」雰囲気だ。色はスマフォの方が自然に見えるが、実物より少し赤い感じがする(実際には、色はホワイトバランスで調整できる)。

等倍(縮小せずに切り抜いたもの)を見ると、デジカメは細かいところが若干ボケている気がするが、自然な滑らかさを感じる(例: 右側の樋の壁の影の濃さの段階)。一方、スマフォは細かいところ(例: パテに付いた指紋)は出ているものの、何となく荒っぽい(「雑」の意味)感じがする。ただ、そもそも画素数が異なる(スマフォはデジカメの1.25倍(1辺の画素数))ので、デジカメの細部が甘いのは仕方ないのかも知れない。

デジカメのほうが階調(色の濃淡)が自然な気がしたので、ヒストグラムを見てみたら、やっぱりデジカメのほうが分布が良さそうだ(本当にいいのかは不明)。スマフォは明るい領域が飽和している(デジカメでも、屋外などではスマフォのように飽和する)。ただ、これはカメラのせいではなく、構図が若干違っているせいかも知れない。ただ、右側の光の反射のせいかと思って、そこを除いても同様に飽和していたので、カメラの性能・仕様が大きそうだ。

まあ、僕のスマフォのカメラは全然いいものではないから、今の、画質をウリにしているスマフォなら本当にデジカメが不要なのかも知れない。が、「ちゃんとした写真」にはやっぱりデジカメを使いたくなる(「だって撮像素子のサイズが全然違うじゃないか」云々)のは、古い人間の証拠なのだろうか?w それはともかく、メモにはスマフォで充分なことは確かだ。しかも、断然便利だ。

それでも今回のようなメモでもスマフォでなくデジカメを使う(無意識に選ぶ)大きな理由は、スマフォのカメラはたまに失敗するからだ。なぜか、どうしてもピントが合わないことがある。合っているマークや音は出るのだが、別のところに合っていてあとでがっかりする。嫌なのは、その場で気付いて撮り直しても駄目なことが多いことだ。あとは、光学ズームができないことと、撮影条件の調整(例: 露出補正、測光方式の変更)が面倒なことだ。やればできるだろうけど、タッチパネルは面倒臭いうえに調整が難しい(スライダーを指で動かして"+0.7eV"とか、できそうにもない。指で設定したって値の再現性はないし、値を合わせていたら、時間ばかり掛かるうえに指が麻痺してしまうw)。結局、「本物のカメラ」でないことが大きい。

だから、僕は、その場にデジカメがあるのであれば(トータルでは不便だけど)デジカメを使う。外出時などで持っていない時だけ、スマフォを使うことが多い(デジカメはいいけど、物が増えるし重いから、常には持ち歩きたくない)。

最後に本題に関連する話に戻るが、以前ちょっと思い付いた(今もやりたいと思っている)、ケーブルのスパゲッティ地獄から脱出するため(今は、ケーブルがとにかく目障りでしょうがない。例えばこれだけでも嫌だっ!)に、Wi-Fiでデジカメの画像をPCに(自動)転送するようにしたら、ただでさえ速くなった電池の減りが更に速くなって論外かと思っていたが、今回の結果を見る限り、やってもいいかも知れない。例によって、始めたらしばらくは試行錯誤で大変なので、「ピタゴラスイッチ」の疲れを取るために少し間を開けたい気もするが、気分的には、物(Wi-Fi内蔵SDカード)を注文したくてウズウズしている・・・

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ある時、流し台の上の食器の水切りかご(以下、かご)とトレイが場所を取っていて、作業の邪魔になっていることに気付いた。もちろん料理はしないのだが、出来合いの物を温めるのに皿に載せるにしたって、サラダを皿に盛るにしたって、やりずらくて落としたりしてイライラする。かごの向きを90°回転させればいいのだが、水が流れるトレイのために、簡単には回転できない。

水切りトレイが邪魔だ!

かごを回転させるには、水が横(長辺方向)に流れるトレイかかごに変えればいいので探したのだが、手頃な価格で良さそうな物がなかった。そこで、時間はあるので、自分で何とかしようと思い立った。「樋」のようなものでトレイから出る水を受けて横に流して、流しに排水すればいいのだ。

ただ、そういう都合のいい物が世の中にあるとは思えなかった。せいぜい、電線をカバーするモールが使えそうな程度だが、どうも、水を流すには細そうなイメージがある。それで、何かいいものがあるか、ホームセンターに行ってみた。先日別件で行ったところは、近いけど碌なものがなかったので、ちょっと遠いところに行った。

そこはDQNや高齢者が集まるイメージ(あくまでも個人的な印象)があって、どうも車で行くのは気が進まないので、歩いて行った。が、かなり遠いうえに寒くて大変だった。驚くべきことに、そこは徒歩で行く人のことをほとんど考えていなくて、外にも駐車場にも歩道などなく、おまけに外の道は細く、車が脇ぎりぎりを通過するので、なかなか肝を冷やした。車でも徒歩でも余り行きたくないところだ。次は別の店を探そう。

店内をぶらぶら見たが、やっぱり、電線のモールくらいしかなかった。しかも、幅が1-2cmくらいで狭すぎる気がした。製品としてはサイズはいろいろあるようなのだが、置いてあるものは限られていた。それでも粘って探したら、偶然、なかなかいいものがあった。二重窓の枠に使うもののような、プラスチックの物だった。Hikariの「横カバー」(PTY3112)というもので、幅が3cmくらいあって水が充分流せそうだし、モールと違って余計なギザギザのようなものがなく、不思議なくらい、欲しかった物そのものだった。1mのものが約300円だった。それを裸のまま持ってぶらぶらと帰って来たw 帰りは夕方で、更に寒かった・・・

早速、プロトタイプを組み立ててみた。いくつか不満はあるものの、基本的にはうまく行った。トレイの水は、ちゃんと流しに排水された。

プロトタイプはありあわせの物(カゴの下の板: 組み立て式の台の板、脚: 照明のリモコンホルダー 3個、樋の台: 奈良土産の猪口)を使ったので、不安定だったり見栄えが悪いので、完成形(正式版)を作ることにした。100円ショップでトレイや樋を載せる台になる物を探して買って来た。トレイの台は、食器棚などに入れる「整理棚」(脚は外す)を、樋の台はステンレス製のカップホルダー(吸盤は外す)を使うことにした。いずれも、錆や腐食を防ぐため、鉄や木製は避けた。他に、樋の固定用にクッションゴムも買った。

どちらもかなり迷ったのだが、樋の台探しには特に苦労した。高さや角度の安定性はもちろん、目立たないものが良かったのだ。角度の安定性の点ではドアストッパーが良さそうだったが、プロトタイプの角度にぴったり合わないと無駄なので、その場で実物やプロトタイプの写真から(tan-1で)角度を計算したら、駄目そうなことが分かった。ただ、かなりテキトーに計算した(tan-1かcos-1か怪しいくらいだった)ので、妥当性は疑わしいw でも、カップホルダーは大きさや見た目が良さそうだったので、それにした。

余談: 妥当性は怪しいものの、どこに居ても、こういう計算をしようと思えばできてしまう(その気になればかなりの精度で)のは、本当に進歩していると思う。まあ、普通の人はゲームとかLINEとか動画を見るくらいしかしないと思うし、それでもいいけど、本当はすごい物なんだよ。

いやいや、角度の計算くらいは大昔から計算尺でできたねw

更に余談: よく、「社会に出たら三角関数なんて全然要らねぇ!」という方が居ますが、こんなに便利なんですよ! (でも、僕自身が怪しかったですがw)

耐腐食性という点で妥協したのは、かごの下に敷く板がプロトタイプのまま木製であることだ。この板なしで高さを稼げるものがなかなかなかったので、仕方ない。

驚くべきことに、プロトタイプの脚(照明のリモコンホルダー)と整理棚の棚部分の高さが全く同じだった。あらかじめ測ってはいたが、そこまで合うとは思っていなかった。樋の台も、予想どおり吸盤が使えなかった以外は問題なかった。組み立てたら、プロトタイプと同様、水はちゃんと流れ、作業場所も広くなった

かなり広くなった。

なお、水量は思ったより少なくて、樋の幅は今(3cm)の1/2(1.5cm)から2/3(2cm)程度で充分そうだが※、買い直すほどでもないので良しとした(水量とそれに必要な樋のサイズは、計算で求められただろうし、それもおもしろいと思うが、その時は考え付かなかった)。

※水量と樋の形状(幅)については、狭い方がいいのか広い方がいいのか不明だ。狭ければ水が集まるので、重くなって流れやすい気がするが、壁や底と接する面積が増えるので、摩擦による抵抗が増える気がする。樋の幅が広いと、水は広がって底にくっついてしまって流れにくそうだ。流す物質と流量に対して最適な形状があるのだろうが、僕の全くの専門外の流体力学の話だろうか。

という訳で

一件落着。

ではないw

まだ気に入らないことがあった。樋の固定である。樋はクッションゴムで台に貼付していたのだが、粘着材で貼り付いているだけなので、力を掛けると剥がれそうなのだ。それで、強力に固定するため、結束バンドを巻いてみた。が、失敗だった。結束バンドが台にうまく止まらないのと、力を掛けると樋が変形してしまうのと、それらに対処して強く固定したら、樋が斜めなために台の脚が片方浮いてしまったのだ。仕方ないので、強力な固定は諦めた。ただ、樋を載せる部分に結束バンドを巻いて、そのうえに両面テープを貼って、クッションゴムよりは強く固定できるようにした。

とりあえずは全く問題ないのだが、まだ気に入らないことがある。樋が前面にあるので、間違えて触ったりすると、微妙なセッティングが狂って水漏れの原因になるのが嫌だ。脆弱なのだ。

それで、今朝だったか、ちょっとしたことを思いついた。樋をトレイの後ろ(手前でなく壁側)に通すのだ。しかし、そのままでは水が流しには流れない。というのは、流しの開口部と壁の間に距離(水栓の出ている部分)があるからだ。それを何とかするには、樋を90°手前に曲げる必要がある。

Amazonを探すとそういう部品はあった。90°曲がったモールや蛇腹のものだ。蛇腹のものは良さそうだったが、これ以上出費したくないのと、蛇腹は水が溜まるのと、すべての部品を水漏れなく繋げるのは難しい(おそらく、樋も買い直しになる)ので、買うのは止めた。

代わりに、余った樋が結構長いので、それを加工してみることにした。元々余っているので、失敗しても問題はない。樋の材質は塩ビで、調べたら約100℃前後が融点なので、ドライヤーやお湯で曲げられそうなことが分かった。最初はドライヤーを使うつもりだったが、どうもうまく行かない気がしたので、お湯にした。鍋で沸かしていたところ、樋が長いためにお湯に漬けられないことに気付いて、薬缶の水蒸気で加熱することにした。

始めは力加減が分からなかったが、慣れると簡単に曲げられて、上下(台からの傾きを水平にする)は結構綺麗に曲がった。が、手前に(水を流しに導く)曲げたら醜くなってしまった。曲げた余りをうまく処理しないと、90°曲げるのは無理なようだ。きっとコツがあって、プロだと綺麗にできるのだろう・・・ (あるいは、こんな無茶はしない??) が、まあ、幸い樋は破損していないから水は流せるので、曲げの角度は不十分ではあるが、試してみることにした。

すると、「それなりに」うまく行った。大きな問題は、曲げた部分の内側の壁が低くなってしまって、水量が多い時に漏れるのと、そこに凹みがあって水が溜まることだ(実害はないのだが、どうも気になる)。前者は、壁の曲がりを修正したり、置き方を調整して対処した。後者は、数年前に買って余っていたパテで埋めてみた。パテは古いので表面が乾いていたが、中の部分は使えた。結構うまく埋められて、溜まる水はかなり少なくなった。他に、樋の置き方をレコードプレーヤーのトーンアームのように少し斜めにして(先を手前に引いて)、水が流しに直接流れるようにした(→ 水を流すテストの動画)。

とりあえず完成?

という訳で、

とりあえずできた!

パテの耐久性など気になることはあるし、「その後」がありそうな気がすごくするがw、しばらく様子を見て、水漏れなどの問題があったら対処することにする。

 

そして、この水の流し方はちょっとしたピタゴラスイッチではなかろうか?

(3/19 11:25) さっそく改良した。

実際に使ってみたら、結構トレイの下の板に水が掛かるので、やっぱり木は良くないことに気付いた。それで、朝から代わりの板を探し、試行錯誤の後、引き出しの天板を使うことにした(引き出しは改造しているので、天板はなくてもいい)。ただ、板の大きさが若干小さくてトレイの脚と板が干渉するので、トレイを持ち上げる脚を追加することにした。

はじめは、トレイの脚に余計な部分(内側に斜めに伸びているところ)があるから干渉するので、その部分を切ろうとしたのだが、切る部分が大きくて余りにも大変なので止めた。が、それで良かった。実は、前後で脚の高さは異なっていて、それで傾斜が付いて水が流れるので、切って板に密着させたら水が流れなくなってしまい、全くの無駄な作業になるところだった。

脚(特に奥側)もさまざまな物を試した。DVD・CDのケース、SSDのスペーサー、デパートなどで大きな箱に付けてくれる取っ手、PCのチップ冷却フィンなどを試したが、結局、コーヒーのアルミ缶の蓋(手前側)とホッピーの王冠(奥側)にした。高さの違うものを前後に使うことで、トレイの脚を使わなくても傾斜するようにした。

ひとまず完成!

と思ってコーヒーを飲んでいたら、気付いてしまった。王冠は錆びる可能性があることに。ちょっとがっかりしたが、その前に試したチップ用冷却フィンが丁度王冠と同じくらいの高さなので、それに交換した。フィンは横長でトレイか板が曲面のせいか、浮き気味で点接触になっている(最初はそれで止めた)ようだが、何十kgもある物を載せる訳ではないから、まあ大丈夫だろう。

ようやく完成?

これで腐食の心配はなさそうだ。それから脚や板がズレにくくなるように両面テープで固定した。木の板は大きくて手前に張り出していたのだが、それがなくなってすっきりした。さらに、まったくの偶然だが、台の構成要素の色が白と灰に統一できたので、見た目もそれほど悪くない(かな?)。

これで本当に、

(ひとまず)完成だ!

そして、この階層構造を見て気付いた。ピタゴラスイッチは昔の地球になっていたw

 

(3/21 7:19) その後、細かい調整を行って完成とした。以下に、それらの内容を示す。

  • トレイの排水口の左側に水が溜まりやすいが、完全には対処できず。
    • トレイの傾きが少ないためと思い、奥の脚(ヒートシンク)を外し、手前側の脚(缶の蓋)をEVAスポンジで約2mm高くしたが、完全には解消できなかった。
      • 別の原因(排水口付近に横長の柱があった)でトレイの傾きが想定より小さくなっていて、排水口付近に水が溜まり気味だったので、これはそのままにした。 → 傾きが少し急な気がするし、排水口付近に水が溜まるのは解消されないので、止めた。 (3/22 10:16)
    • 水平器アプリで調べたら、流しの開口部の縁が少し高くなっているため、トレイが1°前後左右方向に傾いているために水が溜まることが分かった。縁周辺以外では水平なので、流し自体の工作に起因するもので仕方ないと思う。
  • 樋のカーブ部の凹みを埋めたパテの部分に水が溜まるので、なだらかな傾きになるように形状を調整した
    • ついでにカーブ内側の壁も高くした。
    • 耐久性が心配ではある。

 

(19:38 若干、加筆・修正; 20:07 写真の配置を調整; 3/19 11:25 改良を追記, 16:08 買って来た物の画像を追加, 17:11 誤字を修正; 3/21 7:19 その後の調整を追記)

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大分春らしくなったので、またドライブに行きたくなった。例によって行き先は迷ったが、県内のみかも山公園か、群馬の多々良沼公園が残った。他には、大田原城跡や八溝県民休養公園や道の駅 きたかわべや道の駅 めぬまなども候補だった。みかも山公園も良さそうだったが、有名なカタクリには少し早いので、今まで余り行ったことのない所ということで多々良沼公園にした。

10:30頃出発し、12時頃着いた(実は、そこは本物の多々良沼公園ではなく、ガバ沼の近くだったようだ)。道は混んでいたし、疲れと空腹で今ひとつの気分だった。

途中、コンビニから出る時になぜかクラクションを鳴らされて、意味が分からなかった。片側2車線で、左車線の車が遠かったので、右車線から来た車に注意してゆっくり出たら、誰かに鳴らされた。音の感じ(純正じゃなかった)から、右車線の後ろから来たワンボックスが鳴らしたようだが、なぜだろう? その前の車が妙に遅かったから? − と思っていたのだが、さっき理由が分かった気がする。鳴らしたらしいワンボックスは最初に遠く左車線に居た車(その時は軽とか普通車に見えた)で、僕がのこのこ左に出て行ったので右車線に移ったものの、前の車(高齢者らしかった)が遅くて追い越せずにイライラして鳴らしたのだろう。そうだったら申し訳なかったが、そのワンボックスは遠かったし遅そうに見えたのだ。まあ、お互いに運が悪かったんだろう。。。

冷たい物が飲みたかったのだが、その公園にあった自販機の飲み物はホットコーヒー以外は全部売り切れという寂しいありさまだったので、とりあえず、自販機を探して出た。少し走って7-11にたどり着いた。この辺りは道が複雑な感じだ。あと、群馬も栃木同様、運転は荒い感じだ。

昼食に7-11のコールスローサラダと冷しラーメン(牛骨醤油)を車内で食べた。ラーメンは麺は今ひとつだが、冷えたスープが意外においしかった。珍しいことに、7-11の冷たい麺はそれしか残ってなかった。自販機といい、暑かったせいだろうか?

造園業者の若い人(十代の顔だった)が、トラックの助手席で大きなカップ焼きそばを食べていた。今は僕も昼は外に出るのが億劫なことがあって、そういう時はカップ麺などで済ませているので、気持ちが分かる。

この頃から急に曇って来て、雨も降り出した。ただ、食べたら気分が盛り返して来たので、とりあえず本物の公園に行ってから帰ることにした。少し走ったらその公園らしきものがあったのだが、うっかり通過してしまった。引き返そうと思っていたら、うまい具合に別の駐車場があった。そこは、漁協がやっているらしい休憩所釣り場があるところだった。

桟橋がぐるっと伸びていておもしろいのだが、釣り客以外は立ち入り禁止だった。まあ、僕はこういうのが怖い(いかにも板が腐っていて、抜けそうではないか・・・)ので、禁止でなくても入らなかったとは思うが。風のせいか外はすごく寒かったので、休憩所で飲んだホットコーヒーがおいしかった。置いてあった案内の紙を見たら、公園の方に白鳥が居るらしかった(思い違いで、実際には公園の反対側(ガバ沼)だったようだ。しかも、時間・時期的に見るのが難しそうだった)ので、ちょっと歩いてみることにした。

公園は広々としており、なかなか気持ち良かった。ウッドチップの散歩道がいい感じだった(ただ、全部がそうではなかった)。この頃にはまた日が出て来て暖かく(暑く)なった。少しだが、大きな野鳥も居た。池で獲物を捕るところも見られた。白鳥かも知れない白い鳥も遠くに居た。

いろいろ見られて満足したし、充分歩いたので、帰ることにした。この頃、なぜか、ショパンのポロネーズが頭に浮かんだ(彼の曲は、ピアノ協奏曲以外はほとんど聴かないのに)。後で調べたら、「英雄ポロネーズ」(ポロネーズ 第6番)だった。これの出だしは派手で、そのせいか、いつもは聴くことがないのに、なぜか浮かんだ(なお、浮かんだのは出だしでなく、その後のメインの部分だった)。

帰宅後、手持ちやSpotifyで聴き比べたら、ルービンシュタインの(ライブ、初出年は未確認)が一番好みに合っていて、彼以外(例: アシュケナージ、ポリーニ、アルゲリッチ)は、なぜか余りピンと来なかった。ただ、Rafał Blechaczの(2010)の音は実にクリアで良かった(やっぱり、ルービンシュタインの迫力には及ばなかったが)。

以前から、ルービンシュタインのショパンがSpotifyのDaily mixで掛かるたびに「いいなあ」とひかれていたので、彼のショパンには何か特別なものがあるのかも知れない。

帰路は行きよりずっと混んでいた。特に、小山市の前後がキツかった。そっちに向かったのは失敗だった。ただ、行きと同じ道はおもしろくなかったし、293号で葛生を通るとセメントの埃まみれになって嫌だから、なかなか道がない。素直にナビの言う通りに50号と4号バイパスを通る(50号を通らず、バイパスでない4号を通って失敗した)か、行きの道を戻れば良かったのかも知れない。

宇都宮市に入った頃、タイヤをハの字(「鬼キャン」)にしている馬鹿の実物をおそらく初めて見た。タイヤを傾け過ぎているせいか、タイヤの底面がバイクのように丸くなっていて、それでもいいと思っているところがアホ丸出しだと思った。趣味だから別にいいけど(危険ではあるが)、本当の鬼キャンは四角いタイヤの角を使うものではないのか? 見せるだけでなく、走りこむと丸くなってしまうのか?

今回も、何年も住んでいるというのに、宇都宮市内の道は家の近くの散歩している辺りに行くまで、どこをどう通っているのか全然分からなかった。そのせいで、途中でちょっと早く右折して変な道に入ってしまった。

家の近くは危険なのでゆっくり走っていたら、軽が後ろにぴったり着けて来て鬱陶しかった。小物ほど煽ったり無茶するから嫌だ。とはいえ、途中で中型トラックや営業のワンボックスもぴったり着けて来たし、逆に、行きに黒のレクサスやレジェンド(アコード?)が予想外に丁寧に走っていて感心したから、車でなく運転者が小物ということなのだろう。それなら当然だ。

小物といえば、行きに最小・最安のアウディが煽って来たり・左右にうろちょろして意気がっていたのが笑えたw

帰りは県内でも雨が降ったり止んだりしていた。春のせいか?

18時頃、何とか無事に帰宅した。いつも同様、予想以上に長く乗って、とても疲れた。8時間近くも出ていたというのに距離は200kmにもならなかったので、ガソリンは余り減らなかった。散歩を90分近くしていたのは大きいのだろう。

今回は休日かつ出るのが遅かったため、道が混んでいたうえに変な車が結構居て、それほど気持ち良くは走れなかった。ただ、平日の朝は通勤の渋滞に巻き込まれる可能性があるし、そもそも、行く気になる日と調子がいい日、更に、天気のいい日がなかなか合わないので、気分良くドライブをするのは意外に難しい。

約146km、7.5時間。
IXY Digital 3000ISで撮影。

 

PS. 先日、Operaから切り替えたFirefoxが実は駄目だった。埋め込み動画を切ったはずなのに、なぜかダウンロードしたようで、起動し(て自動的に前回のページ(このブログ)が表示され)ただけでモバイルデータを3MBも消費した。しかも、そのせいか、表示がすごく遅かった。がっかりして、ドライブの気分をスポイルさせられたので、その場でOperaに戻し、帰宅したら速攻でFirefoxを削除した。

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昨日だったか、車関係のまとめサイトで「【悲報】中国で製造されたアウディの車から有毒物質 白血病など健康被害が続出」という記事(→ 元の記事)を読んで驚いた。その記事では、車に瀝青が使われているために健康被害が出ていると書いてあった。

なぜ驚いたかと言うと、僕のPCケースは防振・防音性を高めるために、内側に瀝青のシートを貼付しているのだ。有害なのなら、至急剥がさなければならない。何年も前から軽い咳が出て治らない(原因不明)のは、このせいかとも思った。それで、まずは瀝青(= アスファルト)の有害性について調べた。

瀝青は、国際化学物質安全性カード(ICSC)の「アスファルト (ICSC番号: 0612)」に載っている。以下に主要な項目を転載する。

  • 一次災害/急性症状: 咳、息切れ。
  • 長期または反復暴露の影響: この物質のフューム※は人に対して発がん性を示す可能性がある。
  • 予防: 身体への暴露: あらゆる接触を避ける!
  • 暴露の経路: 体内への吸収経路: フュームの吸入。
  • 吸入の危険性: 20℃ではほとんど気化しない。しかし、拡散あるいは加熱すると浮遊粒子が急速に有害濃度に達することがある。
  • 許容濃度: (記載内容を見ても危険性が判断できないので省略)
  • 沸点: > 300℃

※フューム(fume): 融解した物質が酸化などの化学反応や揮発によって核となり,気体状大気汚染物質が凝縮してエーロゾルとなったもの。 ミスト(mist)、もやのこと。 (コトバンクの表記を若干修正して転載)

IARC発がん性リスクでは、瀝青(Bitumens, occupational exposure to oxidized bitumens and their emissions during roofing))※は「グループ2A(ヒトに対する発癌性がおそらくある (Probably Carcinogenic)、化学物質、混合物、環境)」だ。

※英語の定義は酸化物に長時間接している場合や屋根からの放散のようだが、和訳がないのでそのまま載せた。また、グループ2Bと3にも瀝青は挙げられているが、違いは良く分からない。

確かに瀝青は発がん性物質(正確には発がんのリスクがある物質)で、接触を避ける必要があるようだが、僕の見解は「大きな問題なし。対処は保留」である。というのは、ICSCにあるように、問題になるのは吸入した場合だが、沸点が非常に高いことを見て分かるように、常温ではほとんど気化しないし、気化するほどの高温にもならないし、機械的に接触する動く物(例: ファン)のようなものはないから、(削れて)拡散することもないからだ。可能性があるとすれば、作業時の蓋の開閉やHDDなどの微妙な振動で擦れて削れて粉末が放出されることだが、余り大きな影響はなさそうだ。

それから、ある記事(書き方がミスリーディングで、危険なように見えるが実際には違う)にあったのだが、カリフォルニアの先住民族がしていたように、飲料水を瀝青で覆った容器に入れておいても健康上の問題になるほど溶け出さなかったという結果もあるから、瀝青は充分に安定だと考えられる(水に溶けないなら、常温の空気にはもっと溶けないだろうという論理)。

また、IARCによれば、瀝青と同じグループ2Aには赤肉や紫外線A,B,Cやディーゼルエンジンの排気ガスのように、瀝青以上に日常的に接している物質があり、本当に発がんのリスクを減らすなら、そっちを何とかする方が先※だろう。それ以上に、グループ1のアルコール飲料や加工肉を飲食していたら、瀝青のことなど気にしてもしょうがないはずだ。

※実は、ここには論理の飛躍がある。危険が発現する瀝青の濃度・量と肉や紫外線や排気ガスの濃度・量を比較しなければ、どちらを減らすべきかは分からない。(が、どう考えても後者の方が接する量が多いので、可能性が高そうだ)

余談: (ストレスによる)発がん性、いや、健康被害という点では、「(日本の)満員電車に乗って通勤する」とか「日本企業に勤める」とか「(今の)日本で暮らす」というのはかなり危険だと思うのだが、幸い(幸か不幸か?)、IARCには載っていなかったw

実は、その防振シート(これだったか、その中身だったか)を買ってケースに貼る時(十年近く前)に、見た目や手触りや臭いがどうも変(危険な感じ)で、材質が「瀝青」と見慣れないものだったから、調べてみて「問題ない」という結論になったはずだ。そもそも、瀝青(= アスファルト)は道路の舗装に使われているので、もしすごく有害な(少ない量でも被害が出る)のなら、世界中で健康被害が出るはずだが、そんなことはない(実際には出ているけど、誰も関連付けていない・影響が大き過ぎるので隠されている可能性はあるが、そこは分かりようがない・・・)。

発端となった記事の原因の可能性としては、訴えた人や記者が瀝青とコールタール(IARCではグループ1(ヒトに対する発癌性が認められる (Carcinogenic)、化学物質、混合物、環境); ICSC)を混同※しているとか、実際には別の有害物質が使われているとか、単なる言い掛かりやデマだろうかと思う。

※記事中の「瀝青からはベンゼン、ベンゾピランなどの発がん性物質を放出する」というところは、コールタールとの混同を伺わせる(僕の調べた限りでは、瀝青にはベンゼンの類は含まれてないので(→ 参照))。

そして、上に「論理の飛躍」と書いたような、良くある「猛毒、*は食べてはいけない」とかいうセンセーショナルな記事を思い出した。そういう記事は、たいてい、危険になる使用量をぼかしているか、明記してもそれと日常生活で摂る量との関係をぼかしている。通常の使用量では全く問題ないのに、動物に大量に使用したら害が出たことをもって、普通に食べるだけでも「危険」と言っていることが多い。この論法で行けば水も有害なのだが、そこはどうなのだろうか? (確かに、浄水器とか水素水だの電子水なんてのはあるが、これはそれとは次元が違う。「水そのものの大量摂取が有害」という話なので、そういうもので無害化するのは無理だ)

結局、僕はその記事はデマだと結論付けたが、こういうのを真に受ける人も結構居るからなかなか難しい。今回は(まだ?)それほど大きく広まっていないが、こういうのが「*は危険、使用停止を!」ブームとか不買運動とか、いわゆる風評被害になるのかも知れない。ただ、だからと言って、危険と騒がれている物・安全性が疑わしい物がすべて問題ないとも思えない。震災で放出された放射性物質も豊洲市場の残留物や黒い粉塵の問題も、本当に危険なのかそうでないのかは、自分で調べてみないと分からない(し、危険だとしたってどうしようもない)。

更に、たとえ安全だとしても、必ずしも「安心」にならないところも難しい。後者は、簡単に言えば気分の問題なので、自分で納得するしかない。そして、不安を感じ続けることで本当に健康被害が生じる可能性もあるから、「気のせいです。はい、クレーマーは帰った帰った」と無碍にもできない。

実際、僕も、昨日まではなるべく早くPCケースの瀝青を除去しようと思っていたくらいだし、今でも、「大きな問題なし」と結論付けたにも関わらず、(優先度は低いものの、)除去したい気分はある。というのは、防振・防音の効果に疑問がある(元々そんなにうるさくないから不要なのでは? / 貼っていれば少しは効いているのでは= 気分の問題)ので、わずかにでも危険性があるなら、なくてもいいと思う(これも気分の問題)からだ。ただ、当時、かなり念入りに貼ったので、剥がすのはかなり面倒そうだから、実際にはやらないと思う。

結局、安心の問題を解消するには、まずは、危険性に関する正確な情報を出し、客観的に問題がないのであれば、丁寧に説明して※納得してもらうしかないと思う。

※ここで大きな問題なのは、ゴマカシが入る余地が大いにあることだ。説明する側も聞く方も専門的知識がない上に、説明する方は大抵恣意的で、言葉・文言自体は正しいので嘘とは分からない嘘を言っていることが多いし、「丁寧に説明する」と言っただけでそうしたつもりになるおめでたい輩が居る。そのうえ、聞く方にも問題があって、懐疑的なうえに単純明快に1/0(「安全かそうでないか」)に帰着させようとするから、話がまともな方向に進まない。

最後に、個人的な意見だが、いろいろ納得できないことは多いにしろ、諦めることも重要だと思う。もし、すべての健康被害のリスクを避けたいなら、文明から切り離された人里離れたところに一人で暮らすとかしかなさそうだが、それだって、熊や虎や蛇などの野生動物に襲われたり、自然の毒(毒草、毒キノコ、普通の野菜に含まれる毒成分など)で被害を受けるリスクはあるし、それ以外にも紫外線からは逃げられないだろうし(洞窟の中で??)、そもそもそういうところでまともに暮らせるかは疑問だし、それで生き長らえる意味はあるのかと思う(いや、病気や怪我になっても診療してもらえないから、却って寿命は短くなるだろう)。

逆に、身の回りにいろいろなリスクはあるにせよ、それがあってもなくても、いつどのような原因でどうなるか分からないのだと割り切って、精神的なイライラを減らしたい。でも、誤魔化されたり無知なために理不尽に被害を受けるのは嫌だから、こういうふうに、ちゃんと調べたり考えたりはしたい。

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先日、母がモーツァルトの曲を聴いてみたい※というので、CD-Rに焼いた。手持ちのは仕舞ってあるだけなので、最初は実物を貸そうと思っていたのだが、手荒に扱われると嫌だし、母にしたって気軽に扱える方が良さそうだからとバックアップした。

※「聴いてみたい」と言ったって、音楽の話題になった時に、僕が「CDがいっぱいあるから貸そうか」と言ったからで、あとで帰省したら、送った時の袋に入ったまま放置されているのを見てがっかりするような気がするので、(送料だサイズだで)結構苦労して梱包している時に「僕は何を無駄なことをしているんだ」と思った。が、万に一つでも聴かれる可能性も捨てきれない。が、例え聴かれたとしても、感想は例によって「すごいね。良く指が動くね。楽譜見ないで良く弾けるね」程度なので、やっぱり労には合わないだろう。とはいえ、それでも聴いてもらうのは悪いことではない。もしかしたら、母がモーツァルトの良さに目覚める可能性も0ではないから・・・

ちなみに、モーツァルトや(どうしてか、)日本人の有名なピアニストの話題が発端だったので、以下の曲の入っているアルバムにした。予想では、アイネ・クライネが(一番ポピュラーなので、)一番受ける気がしている。僕としては、もちろんK. 488を推すのだがw

    • 内田: ピアノ・ソナタ集 (K. 333, 545など) (1984-1986)
    • ポリーニ: ピアノ協奏曲 第23番 (K. 488) (1976)
    • ベーム: アイネ・クライネ・ナハトムジーク (1977)

一応、焼いたものが(ちゃんと「普通のCD」になっているか不安があるので)再生できることを確認しようとしたのだが、いざとなると、なかなかいいプレーヤーがない(そもそも、「今、PCでCDを再生する人なんて居るのかっ?」てくらいだw)。CDプレーヤーなんて随分昔から持ってないし、手持ちのラジカセではCDは再生できないし、Linuxに標準で入っていたSMPlayerはバッファリング中は再生が停まるから曲間が余計に開くし、MediaPlayerは動画専用のようだし、(全く問題ないだろうと思っていた)VLCはなぜか音が途切れることがある。参照用とか予備で入れているClementineは、いつもながらイマイチだった(もう消そうかな)。そして、いつも使っているgmusicbrowserではCDは再生できない。

前回別件で焼いた時は、MPlayerとカーナビのオーディオで試した覚えがあるが、さすがに車は面倒だ。そこで、検索していくつかのアプリを試してみた。以下にその一覧と評価(CD再生に関してのみ)を書く。

  • △ DeaDbeef: 開始する時に頭が飛ぶことあり。
  • △ Audacious: UI・操作が若干煩雑。
  • △- Quod Libet: UIがイマイチ。ジャンプが簡単にできない。
  • × Aqualung: 2ウインドウで煩雑。UIがイマイチで使いにくい。CDが高速で回転してうるさい。
  • △- Banshee: 古い(2011)。ジャンプがイマイチ。
  • × Rhythmbox: 大掛かり。CDがCDDBに見つからないと、いちいちメッセージを出して鬱陶しい。再生が手軽でない(いちいちキューに追加する必要あり)。
  • × Exaile, JuK, Kaffeine, Amarok, Musique: 駄目・論外 (まともに動かない・すごく使いにくいなど)

結局、AudaciousかDeaDbeefが良さそうなので、Audaciousで確認し、その二つを残した。でも、次はいつ使うことか? (万が一、母が「別の曲も聴きたい」と言って来たら喜んで焼くが、まずないだろうな・・・ ただ、文中に2回出て来た「1万分の1」を合わせると、確か1億分の1だから、宝くじに当たるようなものだw)

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