次期アンプBA3886の中心部分は概ね出来ていて、毎日使っており、体感的(例: 気分的なものの気がするが、良く書いている、「初めて聞こえた音」が多い)には前のアンプよりずっといい印象だ。もちろん、特性も良さそうだ(まだ ちゃんと・気合を入れて比較していないので、確定していない)。
と言うものの、別件(DCサーボ基板: これについても追って書きたい)の問題の調査中に目にして気になった、偶発的な故障で電圧の高い直流(オフセット)が出力されてスピーカーを破損する事態(本当に起こるのかは不明w)を避けたいと思ったがために、予想以上に厄介な脇道に入り込んでしまって悪戦苦闘して居たが、今日、どうにかうまく行って ほっとしている。
(我ながら書き出しが長い。ここまでで疲れた・・・)
目指したスピーカー保護機能の方針・条件・理由とその実現案は、以下である。
- たまたま左右で符号が逆の直流が出力されても、ちゃんと検出・保護できること。
- 元々起こる可能性の低い事象に備える機能なので、可能な限り、「想定外」の事態を避ける。「片チャネルからしか直流が出ることはないだろう」などのような、都合のいい想定はしない。
- 左右チャネルは独立のアンプICを使っているが、何らかの問題(例: 製作の誤り)で同時に直流が出力されることはあるだろうし、正負の電源を使っているので、それらの符号が逆になる可能性は低くないと想像する。
- → 左右のオフセットを独立に検出し、どちらかが起こったらミュートする。
- 元々起こる可能性の低い事象に備える機能なので、可能な限り、「想定外」の事態を避ける。「片チャネルからしか直流が出ることはないだろう」などのような、都合のいい想定はしない。
- 可能な限り、音質を劣化させないこと。
- 滅多に起こらない事象に対応するために、通常使用時の性能を劣化させないのは当然のことである。
- → 例えば、オフセットを検出した時、スピーカー出力を切断する(スピーカーの経路に接点・スイッチを追加する)のでなく、アンプの電源を切ることでミュートする。
- もちろん、電源on/off時に雑音を出さないこと。
- 音質を劣化させないため、本保護機能ではアンプの電源を制御するが、そのために雑音が出るのは良しとしない(全くあり得ないことだ※)。上と同様、通常使用時の性能を劣化させては意味がない。
- → アンプIC LM3886には元々電源on/off時のミュート機能があるので、それを利用する。
- ※以前買った有名オーディオメーカーD社の定番アンプが、(何が原因かは不明だが)電源on/off時に「パチッ」という雑音を平気で出したので、ものすごくがっかりした。クソだと思ったので、即座に返品した。
- なるべく、自分で保守・修正・改良できる(理解可能な)構成であること。
- 「ただ組み立てただけで、中身は分かんなーい」だったら、何も考えずに既成品を買って安心している方がいい。いや、それだったら付けなくたっていいと思う。
- → 理解できる構成を選び、自分で構成や(一部の)回路を考えた。
(疲れているうえに酔って居るので、今はここまでとする。以下は書きたかったことのいくつか+α。)
- ブレッドボードでの試作が思ったより大変だった。
- ジャンパ線もミノムシクリップ付きコードもブレッドボードの面積も足りなかった・・・
- ブレッドボードは意外に載せられる部品数が少なく、仕舞いには、ツイスターみたいに配線に苦労するようになり、気付かずに線が抜けたりショートしたりして、作業効率を低下させた・・・
- ミノムシクリップ付きコードも経年劣化で接触不良になり、それに気付かずに動作がおかしくなって悩ませられた。駄目になるものが多く、仕舞いにはコード不足で実装・確認が満足にできなくなってしまった・・・
- 「デジタルじゃないから、そんなに使わないよ」と高をくくって、電源とGNDのないブレッドボードを選んだのも失敗だった。
- それらだけでも、随分多くのジャンパ線を使った・・・
- 出来たものは盆栽? 前衛生花?www
- 案の定(作る前の心配が当たった)、電源でミュートする(オフセット発生時に、アンプの電源を切って音を停める)構想が うまく行かなかった。
- 電源onで盛大に「パチッ」とショック音が出(て、ショックを受けw)た。
- (オシロなどがないから、実際の状態が見られないので)想像だが、正負電源をリレーでonする場合、正負がonになる時間差(正負の線を別々の接点でon/offするため、どうしても時間差が生じる)やバウンス・チャタリング、それらの組み合わせでアンプICが発狂して本来のミュート機能が働かずに雑音が出るのではないか。
- だから、アンプの電源をリレーでonしないようにした。
- オフセット発生時のoffはリレーでするが、そもそも緊急で音を停める場合なので、その時に雑音が出ても仕方ない。
- その回避に随分手こずった。
- スピーカー保護IC μPC1237(以下、1237)の電源onミュートが余計なのだが、無効にできずに苦労した。
- データシートを見て、それを設定する(と書かれている)抵抗やコンデンサの値を調整して無効にしようしたら、まともに動かなくなった。
- あとで分かったのだが、それらの素子は電源onミュートだけでなく、他の幅広い機能に影響していた。
- データシートを見て、それを設定する(と書かれている)抵抗やコンデンサの値を調整して無効にしようしたら、まともに動かなくなった。
- それで、随分いろいろ考え・試して、僕なりの「スゴい手」を考えて実装した。
- (4/17 13:11) そのスゴい手を簡単に書くと、電源onミュートは1237のピン7のコンデンサが充電されるまで続くので、電源on直後からコンデンサへの電流を制限する抵抗(ピン7-8)をリレーでショートして急速充電※したあとに開放して抵抗を有効にするものだ。
- ※個人的には「プリチャージ」と呼んでいた。
- 1237の仕組み上、コンデンサを付けなくても抵抗を0Ωにしても本来のミュートをしなくなるので、少々強引だけど、こうすればいいと考えて、試したらちゃんと動いた。
- ただ、折角考えた手だが、追記したように電源onミュートを使うことにしたので、お蔵入りとなった。
- (4/17 13:11) そのスゴい手を簡単に書くと、電源onミュートは1237のピン7のコンデンサが充電されるまで続くので、電源on直後からコンデンサへの電流を制限する抵抗(ピン7-8)をリレーでショートして急速充電※したあとに開放して抵抗を有効にするものだ。
- スピーカー保護IC μPC1237(以下、1237)の電源onミュートが余計なのだが、無効にできずに苦労した。
- 電源onで盛大に「パチッ」とショック音が出(て、ショックを受けw)た。
- 1237は、きっと、熟練したアナログ技術者が開発したのだろう(「職人技」?)。なかなかすごいとは思うが、僕に言わせれば、モジュール化されておらず(各機能が分離していない)、何とも使いづらい
クソ残念なICだ。まあ、「前々世代の作」って感じかねえ・・・- 資料(データシート)も、英語版はいかにも日本語を直訳したもので全く分かりずらいうえに脈絡がない(何か端折って居る気がした)し、近頃見付かった原典らしい日本語版を見たら随分謎が解けたものの、「いかもに技術者が書いた」ような、何とも分かりづらいものだった。アナログの話なので分からないことも多かったが、それ以前の問題は多い。
- そもそも、データシートなのに必要な情報が載ってないってどうよ?
- 例えば、絶対最大定格で「最大電流」とか書いてあっても、内部抵抗が書いてなかったらどうやって制限すればいいのだろうか? 0Ωを想定するのだろうか? そもそも、この電流は正がICに入るのか出るのかすらも分からない。アナログのプロは分かるのだろうか?
- それから、電源電圧は最大60Vとあるのに、電源ピン(ピン8)は最大8Vって どういうことだろう?? 全く、「教えてお爺さん」だよw
- こういう点では、NS社(今はTI)のLM3886のデータシートは神のレベルと言えようw(それでも分からないことが ちょっとあるが)。
- それにも関わらず代替品や「新作」がないのは、もう、こんなニッチな物は使われないのか(アンプICに組み込まれている?)、作れる人が居ないってことだろうか?
(4/17 13:06) 寝ると新しい考えや心配が浮かんで来る。今朝、電源on時のミュートを回避する機能の実現方法が今ひとつ「ちゃんとしてない」ことに気付いた。具体的にはリレーの使い方がマズい(メーカーの「べからず集」みたいなのに載っている)。昨日は、思いつくままプロトタイプ的に作って動いたが、そもそも安全性を高めるためのものを いい加減に作るのは良くない。
何が駄目だったというと、電源on時のミュートを回避するためにした、以下の二つである。
- ミュート用リレーを常時off(NC接点(電源offで閉じている接点)が繋がっている状態)で使おうとしていたが、接点を全然動かさないと、(まずないとは思うが)固着してミュートすべき時にできなくなる可能性がある。
- 電源on直後からアンプの電源をonにしておくためにそうした。
- ミュート用リレーの動作を反転させるため、プルアップした。直感的にまずそうだと思ったが、やっぱり良くなかった。コイルに常時弱い電流を流し続けるのは良くないとのことだ。
- 上記のようにミュート用リレーを常時offで使うため、ミュート時にリレーをonさせる必要があるので反転させた。
それで、早速対処を考えた。
まず、固着については、(苦労して回避するようにした)電源on時のミュートを復活させることにした。そうすれば、電源を入れるたびに動くから、固着する心配はない。動作音で正常性の確認もできる。
ただ、そうすると、リレーでアンプの電源をonするためにショック音が出るので、それを回避するため、起動時(電源off時から)はアンプの電源を強制的にonしておき(ミュート用リレーがoffにするのを無効にするため、並列にもう一個のリレーを繋ぎ、onで「上書き」する)、電源on時のミュートが終わった頃合いを見計らって上書きを止めてミュート用リレーに引き継ぐことを考えた。
なかなか大変そうだったが、何とかなりそうだ。ついにトランジスタを使うことにした。いろいろ調べて回路(1237のリレー出力の反転、リレーの遅延on)を作り、シミュレーションは うまく行った。更に、例によって「ちょっと試したく」なって、どこかに丁度いいトランジスタはないものかと血眼で探しw、運良く古いルータの電源部に付いていた2個※を引っ剥がして試したら、シミュレーションどおりに動いた。超簡単な回路とはいえ、トランジスタが使えるようになったなんて、我ながらすごい進歩だ^^
※チップ上面のコードで調べたら(→ 検索ベージ)、PMBT4401というもので、データシートによれば買おうと思って居た(日本では超定番の)2SC1815の代わりにできそうだったので、外して試すことにした。
- 古いルーターからトランジスタ2個とコンデンサを取った。
- 古いルーターのトランジスタで、スピーカー保護回路のリレーを動かしてみた。
トランジスタを使えば、リレーの動作を反転させるのに余計な電力を消費しないのも うれしい。これがちゃんと出来たら、逆転満塁ホームラン級ではないかw
この場合はリレーの動作を反転させる必要はないが、リレーを2個使うので、そのうち1個を常時offにして消費電力を抑えようと思っている。まあ、新しいリレーは1個150mWなので、無理して抑える必要はないのだが・・・ → この回路では安定性が重要なので、動作に問題がない限り反転せず、「普通」に したほうが得策な感じだ。 (4/17 17:13)
ただ、「ミノムシ不足」で機能全部は試せず歯がゆい思いをしているので、以前あるのを目にしたホームセンターにちょっと買いに行こうと思っている。でも、割高な気がするので、通販のほうがいいかな・・・
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結局、だるくて、他の部品と一緒に通販で買うことにした。届くまでは休憩だ。 (4/17 17:13)