製作中のアンプBA3886のスピーカー保護部作成に伴って電源部も変更することになった。今までは、単に電源が逆に接続された時の対処だけをしていたが、今度は、スピーカー保護部がアンプからオフセットが出ているのを検知したら、実際にアンプの電源を切る処理をするようにした。(→ 構成図) しばらく「あーでもない こーでもない」と回路や配置・配線を変更していたが、概ね落ち着いた感じなので、昨日組み立てた。やっぱり予想外のことがあって苦労し、疲れた。
準備
外部からの直流電源(以後、元電源)の配線の引き回しを改良し、スイッチと電源部間のコードを減らすことにした。具体的には、元電源が入力されたらすぐに電源スイッチに繋げるようにした(今までは、一旦電源基板に通していた)。その時、端子台を兼ねるために2回路(正とGND)繋いだらスペースが足りなくなって、ケースの角に設置する羽目になった。
スイッチの幅半分、高々5-7mmくらいだが、ベースがスイッチの未使用の1回路分に掛かって居た。褒められない配置である。
どうにも見苦しいので、その後、スピーカー端子の間に電源スイッチと元電源コードを移動した。電源コードが外れたり被覆が破れた場合に、スピーカーに電源電圧が掛かる可能性があるので止めていたのだが、車載などで振動がひどい訳ではないからそうなる可能性は少ないと考えて、実施した。
あと、安全装置に頼るのは良くない考えなのだが、スピーカー保護部を追加するので、万が一そうなっても大丈夫なはずだ。
そして、作業前は予想していなかったのだが、スイッチなどを移動したら、丁度すぐそばに電源部が来るので(→ 写真左側の宙に浮かんだコネクタの辺りが電源部)、電源コードを減らすだけでなく短くもできて、更に好都合になった。
更に、これは あくまでも「期待」の話だが、元電源に雑音が乗っているとして、以前は元電源の入力部が音の入力ジャックの近くにあったから、雑音が入力に入り込んでアンプで増幅される可能性があったが、今度はスピーカー端子の近くで、そこから逆流することはないから、少なくとも増幅はされなさそうだ。かといって、聞いて分かるレベルではないし(移動の前も後も、電源由来の雑音は聞こえない)、測って違いが分かるかも不明だ(まだ測定していない)。
それから、少し前に、アンプ内部で使うコードとコネクタを、コード付きXHコネクタ(4ピン)に統一することにした。以前も良さそうだと思って居たのだが、入手性に難がありそうで止めて居た。が、ある時、Amazonを検索していたら、ラジコンのリチウム電池の充電の時に使うコード(「バランスワイヤー」などというらしい。: 検索キーワード: "JST-XH", "LiPo", 「バランス」, 「プラグ」, 「ワイヤー」など)はXHコネクタが付いているうえに、ある程度の電流が流せるから丁度いいことに気付いた。しかも、ジャックとプラグが付いた延長コードも売っていて、僕には持って来いだ。
その時は、「バランスワイヤーで充電するのなら、大電流も全く問題ない」と考えていたが、それは誤りで、バランスワイヤーは複数セルの電池を充電する時に、セル間のバランスを取るために使われるようだ。そして、本当に充電するコードはすごく太いようだ。僕にすれば、なんとも恐ろしい世界である^^
バランスワイヤーは、物によってはコードの太さ(例: 22AWG)が明記されていて(あるいは、聞けば教えてくれる)、僕の必要な容量(約3.5A以上)が通せそうかどうかが分かるので、内部接続用に良いと考えた。
それで、接続の種類によってピン数を変えるとコード・コネクタの種類が増えて得策でないので、少し多目の4ピン(「3セル用」, "3S")で統一しようと考えた(あと、その時丁度4ピンのコードで手頃なものが見付かったこともある)。ただ、その時に気になったのが誤接続である。どれも同じコネクタだと必ず間違えるので、何とかしたかった。
それで、すべての種類のコネクタに使わないピンを1個以上設けて、ジャックの穴を埋め、対向するピンを抜く(切る)ことにした。穴は、とりあえずは、小型電子機器(= 楽天のポケットWiFi)の白い緩衝材を詰めるのが良さそうだ。もちろん、硬いものを挿し込んで接着するのもいい。
想定外だったのは、ピンを切るのが難しいことだった。コネクタの外側のカバーが邪魔でニッパーがピンの根本まで届かないのだ。それでも、少しずつ切って、詰め物に当たらないくらいにはできた。
この作業はもっと早くすることもできたが、考えが変わって配置を変えたら切ってしまったピンは復活できない(ジャックは抜けるので復活可能)ので、今まで延期していた。
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BA3886の電源スイッチを2回路使うようにしたら、設置スペースが足りなくなった。
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BA3886の電源コードと電源スイッチをSP端子の間に移した。
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コネクタの誤接続防止の工夫。種類ごとに異なる位置のピンを抜き、穴を埋める。
組み立て
(いやと言うほど変更と確認を繰り返したw)配置・配線図に従って、たった十個程度の部品を置いて配線するだけの「簡単なお仕事」のはずだったが、予想どおり そうは行かなかったw さまざまな想定外のことがあった。まず、電解コンデンサとリセッタブルヒューズ(ポリスイッチ)を半田付けしたあとにヒートシンクに干渉することに気付いて、取り付け方を調整した。ポリスイッチは想定していたが(→ 配置図)、作る時にはすっかり忘れて居たしw、電解コンデンサなんてノーマークだった。
それから、基板にコードを繋ぐ位置も実物の他の部品との関係で調整した。更に、DC-DCコンバータ(以下、DCコンバータ)のピン配置が反対(上下逆に見ていた)だったので、急遽それに対応した配線にした。実は、そのほうが電源の配線が短くなって良かったというオチがあった。
他には、配線図は上から見た図(top view)だが、実際には基板の裏で配線するため左右が逆になるので、それを忘れて(頭が混乱して)接続を誤ることもあった。あらかじめ下から見て(bottom view)描いておけばいいのだろうか? それはそれで、描く時に間違えそうだ。今はきっと、ボタン一発で切り替え表示してくれるツールがありそうだが、僕はドローツールで部品や配線を一つずつ手描きするいう竹槍戦法なので できない(爆)。
ちなみに、配線チェックなども紙を使わずに行った。図をコピーし、チェックした線や部品を削除して行った。最後に何も残らなければOKだ。印刷して赤ペンでマークしたほうが楽だとは思ったが、いつ確定するとも知れなかったし、実際、今回のようにその場での変更があるから、もう紙ベースでなく済ませるほうが良さそうだ。
ただ、個人的な話だが、老眼のため、基板の作業をする時に外した眼鏡を画面を見る時には掛けなくてはならず、結構煩雑な問題がある。
そこら辺を除けば、まあ、つつがなく出来上がった。僕にとっては かなり意欲的な立体配置にしたが、概ね意図したように組めた。
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BA3886の新電源基板の製作中、電解コンデンサ(丸)とポリスイッチ(平たいベージュ)がヒートシンクに干渉するので、少し斜めにした。
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BA3886の新電源基板(下)とDC-DCコンバータ(中)とヒートシンク(上)の配置: 横から見たところ。: 右のベージュがポリスイッチ。
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電源基板・電源部が概ねできた。
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電源基板の裏面
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なぜか、電源ランプが赤い(緑が弱くなった)ので調整した。
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ミュート状態表示ランプの色(赤)は問題ない。
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作業中の机: いつもながら雑然・・・ (「これでいいんだ!」なんてことは全く言わない。)
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机上に移して。カバーも概ねOK。
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電源基板と色調整後の電源ランプ: ランプが実際の色に近くなるように撮影した。
動作確認・調整
結論としては、電源を入れたら、煙も臭いも出ず、爆発も炎上もせずw、ちゃんと動いた。が、ちょっとおかしいことがあった。電源ランプが赤くて、最初はミュートしている(= 異常動作している)のかと思った。
なお、電源部はスピーカー保護部がなくても動くようにしており、その場合はスピーカー保護部と接続するコードのコネクタのピンをショートすれば良い。そのピンを抜くとミュートする(アンプの電源がoffになる)。
そして、ミュート状態にした時は問題なく赤かった。
良く調べたら、動作は正常なのだがランプの色だけがおかしいことが分かった。なぜか、ランプに使った2色LEDの緑が弱かった。配線をチェックしたら正しかったので、ひとまず、LEDの電流制限抵抗を調整して色をオレンジに直した。が、微妙にブレッドボードでの試作と違って赤っぽくなってしまったのが気に入らなかった。
とは言え、昨夜は疲れたので、ひとまずはそれで我慢することにし、机上に置いて音を出して問題なかった(もちろん、その前にスピーカー端子のオフセットの有無やテストスピーカーで起動時のショック音の有無はチェックして問題なかった)。
LEDの色の再調整・キャップの固定
昨夜は ほどほどで諦めたが、やっぱり、色が変わったのは気に入らないし、LEDが壊れていたり配線などに問題があったら嫌なので、今朝、再確認と再調整をした。
配線は問題なかったが、不思議なことに、ブレッドボードで使っていたLEDも、電源基板経由(DCコンバータは同じ物を使っている)で使うと微妙に色が変わった。
それで、今のLEDが故障・不良かも知れないので、とりあえず、色に問題のなかったブレッドボードで使ってい居たものに交換してみることにした。元のLEDを外す時に、ピンの間隔(2.54mmでなく2mm)の関係で、赤と緑のピンが随分近くなって居たことに気付いた。大体0.5mmくらいだろうか。これが原因ではないかも知れないが、ここに詰まった物(コードの細いヒゲ)を通して電流が流れて色が変わった可能性もある。
なお、ブレッドボードのはリード線で脚を長くしていて穴に入るから、脚の間隔の問題は起こらない。
交換しても、やっぱり色は直らなかった。今度は白っぽくなった。赤が弱くなったようだ。仕方ないので、再度抵抗を調整した。ただ、目が慣れてしまったのか、昨夜の色も悪くないと感じるようになり、調整してもその色にしかならないので、やっぱり諦めた。
最初は個体のばらつきかと思ったが、そうでもないようだ。推測だが、このLEDは微弱電流(現状では赤は0.5mA, 緑は0.05mAで光らせている: 単位は間違えていないが・・・)での明るさ(電流-光量特性)のばらつきが大きくなり、抵抗(基板や試すごとに違う物を使っている)値の誤差(300kΩのような大きい抵抗だと、精度が1%だと数kΩも異なる)の影響も大きくなり、更に目の感度特性も影響して、色の違いを感じるのではないだろうか。
なんか、音に似ている。いつも似たようなことで困っているな・・・
ただ、今度は桃色っぽいオレンジになって(わずかに赤の深みが増した気がする)、(それまでの「アイロンのネオンのオレンジ」よりも)結構好きだ^^ ただ、上にも書いたように錯覚で、実は元々色は変わっていないのかも知れない。写真で比べると、元(写真右上)とはわずかに違うが、撮影条件による違いかも知れない。
こういうのも音に似ているな・・・ こんなことに引っ掛かってるから、なかなか進まないのだw
とりあえず、ランプの色は好みの色になった(気がする)と丸く収めて、スピーカー保護部を作るまで、机上に置いて音楽を聴いて試している。電源フィルタの上の不格好で無駄な端子もガワの大きな電源ランプもブレッドボードもなくなって、大分すっきりした。
今はスピーカー保護部はない状態である。無理に付けることはできるが、間違ってコードに触ると大変なことになるので、一旦外した。
その後、LEDの散光用キャップをちゃんとした。最初に作ったのは少し低かったので、2.5mmくらい高目に切って(1パック4個入りなので やり直せた)ハリ玉で固定した。
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BA3886: 電源ランプのLEDの赤のピン(左)が緑(中央)に近かった(半田除去後)。: これが赤っぽかった原因? (LEDが顔に見える?www)
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新しい電源基板の電源ランプのLEDの色が赤っぽいので、ブレッドボードで使っていたものと交換してみた。
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電源ランプの色を再調整してアンプに取り付けた。
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元と再調整前後の電源ランプの色比較: 上: 左: 再調整後, 右: 元: 微妙に違う。下: 左: 再調整後, 右: 再調整前: 結局、ほとんど同じ??
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電源ランプを再調整したアンプを机上に。スピーカー保護機能はお休み中。
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BA3886の電源ランプの散光キャップの高さを調整した。2.5mmくらい切った。右は以前のもの(5mmくらい切った)。
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調整した散光キャップをハリ玉で固定して出来上がり。
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現状のBA3886のスピーカー保護部と電源部の回路図: 右側の”Power mod.”ができた。
さて、本題のスピーカー保護基板の組み立ては明日かな。でも予想以上に疲れたから、少し休むのもいい感じだ。まあ、先は長く、疲れながらも遅くても、一歩一歩進んでは居る(はずだ)。
あと、近頃は全然ソフトをやっていないが、たまにはソフトを忘れるのもいい感じだ。でも、ソフトもハードも(おもしろいけど)面倒ってことは変わらないwww
忘れていると、ソフトで思わぬトラブルが勃発したりしてパニくりそうだから、なかなか気が休まらないw