Archive for 5月, 2021

先日書いた、自作アンプBA3886からかどうかは分からないけど たまに「ポツポツ」という雑音が聞こえる件で、電解コンデンサの付け方が悪くて駄目になったのではないかと考え、丁度楽天モバイルのポイントが余っていたので、品数は少ないながらも、使えそうなのを見付けて買った。

まずはアンプ基板の電源平滑コンデンサとミュート用コンデンサの2種類を交換しようと思った。その他に、アンプ基板とサーボ基板を接続するコネクタが作る時の失敗で接触が怪しくなっていて、それも雑音の原因かも知れないので、一緒に注文して交換することにした。更に、サーボ基板の着脱を容易にするためのショートプラグも接触不良になって雑音の原因かも知れないので撤去することにした。ついでに、注文したコンデンサの余りでサーボ基板の電源平滑コンデンサも交換することにした。と、一気にいろいろなものを交換・撤去することになった。

コンデンサが届き、基板が込み入っていたので随分苦労して交換した。銅箔が厚く、穴が深く広いせいか半田の量が多くて、部品を外すのに使う半田吸い取り線(このアンプのために新たに買ったもの)がなくなってしまった。アンプの平滑コンデンサが大きいのと、今までのようにアンプIC LM3886(以下、3886)の押え板に干渉しないようにするため、アクロバティックな取り付け方にした。同様に、ミュート用コンデンサも押え板に当たらないように基板の裏面に付けた。

それから、何度も部品を着脱したためにGNDの銅箔が破れて居る箇所があったので、リード線で補接続した。他に、長くて余っていた内部接続コードを5cmくらい短かくした(まあ、自己満足とか気休めに過ぎないね)。

作業後は妙に音が変わった感じだった(悪い感じではなかったが、変化が大きいせいか、あとから考えると不自然な感じがした)。アンプの電源平滑コンデンサの容量を2倍にして、電源に余裕ができた効果かと思って居た。それに味を占めて、アンプから外したコンデンサ2個を元電源の入力に付けて※、消費電力の変化による電圧変動(があるとすれば)を緩和させようとした。

※そもそも、これが駄目な可能性があるから交換したのに、また使うのは矛盾している。が、見た目は大丈夫そうだったので、使うことにした。

というのは、3886は正電源に関しては電源変動抑制能力(PSRR)がすごくいいのだが、なぜか負電源には弱いので、なるべく変動を抑えたくなったからだ。アンプ基板には平滑コンデンサがあり、仮にDC-DCコンバータの変動対応能力が良いとしても、元電源の変動対応能力は不明なので、ここを安定させれば それなりの効果があると考えた。

そのコンデンサは、電源基板の下の空間になんとか押し込んだ(これもアクロバティックだ)。聴いてみたら、音が若干自然な感じになった気がした。ただ、例によって、特性を測って比べても変化はなかった。

 

それからだったか、余計なことが気になってしまった。

注文する時はコンデンサのメーカーなんて気にしなかったのだが、届いたものは初めて見るメーカー(J**O※)で、どういうところなのか ちょっと検索してみたら、「粗悪コンデンサ」の話しか出てこなかった。「運が良ければ2年持つかも」とか・・・ 会社も、インドだか中国だか、どこにあるのか良く分からない。きっと、類似名とか類似品を作る会社が乱立しているのではないか。

※本当に粗悪なのか分からないし、今はまともかも知れないので、明記はしない。

電解コンデンサは、劣化すると性能が低下する以外に液漏れすることがあるのだが、粗悪品では寿命が短いし、性能は最初から悪いかも知れないということが頭に浮かんで来た。途端に、アンプの音が不自然に感じ、耳閉感すら出て来た。まったく「げんきん」というのか・・・

仮に今は性能に問題がなくても、寿命が短かそうだし、気分が悪いまま使うのは嫌なので、秋月に日本メーカーのを注文し直した。※ そして、とりあえず、交換したばかりのサーボ基板のコンデンサを、外して余っていた日本のに交換した。すると、不自然に感じていたアンプの音がまた良くなった気がして耳閉感もなくなった(実際には、アンプ基板のコンデンサはまだ換えていないので、「気のせい」としかいいようがない)。

※秋月のいいところは、こういう「危ないもの」は ちゃんと日本メーカーを扱っているところだ(しかも高くない)。分かっている感じがして、安心感がある。そこらの店と違い、正体不明の安い部品をただ売っている訳ではない。

まあ、気のせいでも何でも、気に入らないまま使うのは良くないからいい。

それにしても、タダだからといって良く調べずに買うと もったいないね。

 

なお、問題の雑音は、直ったのか そもそもアンプからではなかったのか、今はしない「かも?」だ。たまに窓の詰物から似たような音がするので それだったのかも知れないが、方向や音の感じが違うから違う気もする(良く分からない)。もし直ったとすれば、一番怪しいのは、アンプとサーボ基板を繋ぐコネクタの不良、次はサーボ基板の着脱を容易にするためのショートプラグだったのではないかと思う。

 

PS. 楽天はやっぱりイマイチだ。物にはよるけど品揃えは良くないし、各店ごとに送料が掛かって(しかも高いことが多い)経済的でないし、店もAmazonのマーケットプレイスに負けず**なところが結構ある。ページも、作りが悪いのか、再描画がちらついて鬱陶しいとか、右側が見えないことがある(スクロールバーがない)とか、膨大にある小物に隠れて見えないとか、そんなのばっかりだ。そして、買うたびに忘れずに解除しないと山のように来るメルマガが大嫌いだ。

が、まあ、そもそもタダでない限り使う気がないので、どうでもいいことだ。さて、残った数百ポイントをどうするかな・・・

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昨日、たまに良くある、非圧縮・圧縮音源を当てるクイズの紹介を目にして、「どうせ当たらないから」とやる気はなかったのだが、それでも気になって、やってみたら・・・

やっぱり、全然当たらなかった。: 6問中1問しか当たらなかった。

各問は同じ曲の非圧縮版、MP3 330kbps版, 同128kbps版が並んでおり、どれが非圧縮かを当てるものだった。最初の曲から分からず、何度も繰り返し、高音の響きなどの微妙な差に着目して選んだら当たった。でも、それ以降は全部外れだった。妙なのは、ランダムに外れたのでなく、全部、最低品質の128kbpsを選んで不正解だったことだ。

だから、言い訳じみてはいるが、それぞれの違いは分かっていたけど、「非圧縮を選べ」と言われてもどれがそうかは分からず、自分が「いい音」だと思った、あるいは好みの音のものを選んでしまったのかも知れない。あるいは、聴き込むのは疲れるから、テキトーに選んだ可能性は高い。

あと、MP3の規格やエンコーダを作った人が頑張って、低ビットレートでも自然に聞こえるようになっていて、それで原音のアラが隠れたために非圧縮より良く聞こえた可能性は0ではない。かも知れないw

そして、330kbpsのを選ばなかったのは、中途半端で今ひとつと感じたのだろうか。

まあ、耳が悪いのは確かだ。

実際、昔の病気の関係で左右で低音の聞こえ方が違う(これは別の観点だがw)し、わがままなのか、少しでも変な音を聞かせると反抗して来る(耳閉感が出る)w

 

であれば、今頑張って音のいいアンプを作って居るのは「無駄では?」と言われそうだが、必ずしもそういうものでもない気はする。僕の目指す「音のいい」アンプは、「原音(再生する音源)をそのまま出す」もので、音源がMP3でも非圧縮でもそのまま出し、元の音の良し悪しがそのまま出て来ることを目指しているので、アンプで色が付いて音源の違いがなくなったりするのは良くない。

だからまあ、耳が悪くても音のいいアンプは意味がある。と、詭弁を弄する今日この頃(爆)

 

PS. それにしても、以前も書いたが、近頃すごく音が良く聞こえるのだが、だからと言って、それで作ったアンプがいいのか悪いのか分からなくなって来た。つまり、ものすごく出来が悪く、全部128kbpsのMP3みたいな音になっていても、僕はそれが「いい音だ」と思っているかも知れないではないか・・・

ただ、本文に書いたように、(そのアンプを使って再生して)どれが一番いいとは分からないながらも、音質の区別は出来た可能性があるから、全部クソ低品質な音で出ている訳ではなさそうだ。

まあ、最後は自分が気に入る音ならいいとは言えるが、客観的に音がいいのか悪いのかは分からない。それを補助するために測定はしているが、数値で音質をすべて示せることは全くなく、ほんの一部・可能性しか示せない。そして謎は多い。

だからと言って、「特性なんて関係ねぇ。耳がすべてだ!」みたいに、独自の理論などで突き進むのは ないと思う。どんな機器でも物理法則で動くので、基本的な原理を無視したら(客観的には)うまく行かないと思う。

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今は亡き、大好きな「変態可愛い」ポルテだが、切り替えが速いのでw、早くも「次」が見付かった。

ダイハツのムーヴ キャンバス※とかいうのがなかなか目を引く。最初はなんかミーハーな形・色だと思ったが、何度か見ると、慣れるせいか、そこまでミーハーでもなく いい感じだ。他には、ミラ トコットとかいうのもシンプルかつ可愛い目でいい。ただ、こっちは余り見ない。いかにも普通なので、記憶に残らないのかも知れない。それらにはどちらもパステルカラーがあって、その印象が強いせいもあるかも知れない。

※今初めて知ったが、「ブ」でなく「ヴ」とは妙に凝っているな。

(5/28 8:21) いったい何にひかれるのか考えてみたら、ここら辺の車には、今ものすごく多い、(特にどこのメーカーとは書かないがw、どこでもそうなっている)形や装飾に すごく悪趣味なギラギラやカドばったところがなく、全体的にシンプルで丸くスムーズだからだろうと思った。

スズキは基本的に質実剛健なのだろう、今ひとつそういうのがないので、こういう分野ではダイハツ一択だ。スズキで唯一可愛い系のラパンは ちょっとやり過ぎ(あざとい?)で、好きでない。

(9/29 9:55) あとでホンダの存在を思い出した。確かに、N-ONEや名前の出て来ない電気自動車は可愛いが、なぜか、これを書いているときには全然出てこなかった。きっと、会社が好きじゃないからだろうw いや、好きな車はある(あった)けど、基本的には「何か嫌」だ。

でも、そういうのを いい歳したオッサンが乗っても合わないし、それに目をつぶって乗るにしても、馬力はともかく、ボディやサスがカッチリしていることが必須だから※、自分の選択肢としてはないのが残念だ。まあ、今はどうか知らないけど、男子高校生(しかも、野球部で丸刈りのヤツとか)が なぜか、キティのような可愛いイラストの筆箱を持つようなものかwww

※だから、もしトコットにスポーティーなのが出たら候補にはなる。キャンバスは背が高いし、不要なスライドドアなので、ちょっとなさそうだ。

 

PS. ポルテは本当に、オジさん・オバさん、爺さん・婆さんが乗っていることが多い。若いお嬢さん的な人も居て、そういうのは目を引くが、割り合いとしては中高齢者の半分以下ではなかろうか。やっぱり、安いから買ったのだろうか?

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落ち着いた」とは言え、完成までには細々とした作業が続く。それは、コンデンサの充電のグラフのように、永遠に"100%"にならないのに似ている。数年前に流行った「ロングテール」は良く意味を知らなかったけど、グラフの形から似たようなものだと思って居たが、調べたら微妙に違っていた。あっち(の論)は積分しているようなところが違う気がしたが、コンデンサの充電率ってのはあのグラフを積分したもののような気もするので、同じことかも知れない。

まあ、余計な話はここまでにしておく。昨日は、自作アンプBA3886の電源部などを少し改良した。

 

電源部のかさ上げ

電源部の脚に使ったボスが以前の台より少し低かったので、5mmくらいかさ上げした。実際には、持ち上げないほうがヒートシンクが外に出っ張らなくて見た目はいいのだが、そもそも、DC-DCコンバータ(以下、コンバータ)の放熱を良くするためにヒートシンクを外に出すことにしたので、邪魔にならない範囲で出す量を増やして放熱を良くしたいのだ。

かさ上げするのにいい物を検討し、ペットボトルのキャップを加工したものにした。切りやすく、それなりに丈夫なので便利だ。サイズも丁度いい。今回使うのは上の部分全部ではなく、その内側のパッキン的な円形の突起(これの高さが約5mmで丁度良い)までと、ちょっとニッチである。

そこを円型に切り抜き、コンバータの端子やコンバータとヒートシンクを固定している結束バンドが当たる部分を切って、うまくコンバータが載るようにした。それの中央部に穴を開け、ネジでボスに固定した。

例によって基板への固定は難しく、今回もハリ玉にした。ネジの頭に少し盛って、コンバータに付くようにした。が、やっぱり弱いので、側面をダクトテープで補強した。きっと、厚い(7mmくらい?)両面テープで貼り付けるとか(これは着脱が不便なので、余り良くない)、細いコード(基板の穴を通す)でコンバータをヒートシンクごと基板を縛ればいいのだろう。

→ いろいろ考えているうちに、良く家電のコードをまとめるのに使われている被覆付き針金を使うことを思いつき、うまく行った。面倒だし通らないから穴とか通さず、大雑把にヒートシンクとコンバータと基板の外周をぐるっとまわして縛り付けた。簡単だけど、一応針金なので、堅く縛れてぐらつかない。何度も着脱すると切れるだろうが、その時は交換すればいい。灯台下暗しだ。これの圧力で、気付かずに挟んで居た線の被覆が破れてショートとかいうことはないと思うが・・・w (5/30 9:12)

結構うまく行った。ペットボトルキャップの台は低いせいか、斜め上からだと隠れてほとんど見えない。カバーを付けると、ヒートシンクが若干高くなって、(気分的には)放熱が良くなった感じだ。その他に、ヒートシンクが高くなってランプ(LED)との間隔が広くなったので、ランプが見える範囲が広くなったという予想外のメリットがあった。

 

ピンジャックの交換

次に、懸案のピンジャックを交換をした。今までのは、取り付け台がプラスチックだったせいもあるが、ネジが1個のせいもあってうまく固定できず、緩みやすかった。それを2連(固定はネジでない)のものにしようとしたら、汚なくて論外なものが届いたので止めて、別のものを注文した。それはネジ(外側がナットの形状になっている)やワッシャが多いので、ちゃんと固定できそうだった。が、それも僕には今ひとつな物だった。

付ける場所が平面でないせいかナットがうまく嵌らず、手探りで力を掛けて締めていたら、片チャネルが斜めだったようで、気付いたらネジ山がなくなってしまって居た・・・ 仕方ないので、偶然手元にあった、少し小さ目なのか、ちょっとキツいものを無理して使った。何度か嵌めていたら、なぜか通るようになった。元々同じサイズだったのか、インチとミリで微妙に差があったのを無理して広げたのかは不明だ。

なんとか付いて、ここまでで満足しておけば良かったものの、ジャックを良く見たら、GND端子板の接触方法が今ひとつなことに気付いた。※ 本体と端子がナット経由で接触しているだけ(本体のネジ→ナットの側面→端子板)なのだ。なんか気に入らないので、端子を本体に半田付けした。本体はなかなか半田が乗らない(だから、金メッキではなさそうだ)ので、時間を掛けたら何とか付いた。ところが、、、熱で中央部の絶縁体が縮んでしまって、プラグが挿さらなくなってしまった。熱で溶けないかと気になっては居たが、縮むことがあるものだな・・・

※別件で検索していたら、似たようなこと(ただし、もっとちゃんとしている)を考えられた方が居て、やっぱりGNDを本体に半田付けしていた。(→ 参照: 下のほうの「【RCA端子を考える】」: このサイトは今までにも良く参照している) この方は高周波的に考えられているが、ネジでGNDを繋ぐのは駄目だっていう直感は当たっていたようだ。

それにしても、上のページで紹介されているシンプルなピンジャックは まさに「こういうのが欲しかったんだよ」なのだが、一体、どこで手に入るものか・・・ (5/30 7:21)

キリやヤスリで穴を広げたが、中の端子に傷が付いて耐久性が心配になったので、使うのは諦めた。それで、仕方ないので、元のピンジャックを使うことにした。新しいピンジャックのワッシャをケースに接着して(写真では1枚だが、実際には表側にも付けた)、固定しやすくしてみた。ひとまず付いたが、まだ固定の具合は分からない。接着できたかすらも不明だ。確かめるために力を掛けると剥がれそうで、怖い。ジャックの間が随分広いのは気に入らないが、こうしないとワッシャをケースに固定できる面積が狭くて弱くなるので、仕方ない。普段は見ないから良しとする。あと、ここから空気が入って、アンプの冷却にいいかも知れない(希望)。

ちなみに、元々のプラの台は新しいのを付けようとして穴を広げようとしたら割れてしまったので、使えなかった。: 「いつもpoint of no return人生」であるwww

それから、さっき失敗したにも関わらず、このジャックもGND端子を半田付けした。こちらは絶縁体は無事だった。やっぱり、秋月のは安くてもそれなりに質がいい(思わぬことが起こりにくい)のではないか。駄目になった新しいのは楽天で買ったが、「高級」と書いてある割にはメッキの質が今ひとつ(光っては居るが、表面が荒い。半田の乗りが悪かったので、本当に金かも怪しい)だったり、GND端子板が鉄製だったりして(実用上は鉄でもいいけど、「高級」と名乗るなら鉄はないと思う)、(期待はして居なかったものの)結構がっかりした。

新しいピンジャックのレビューに今回のことを書いたが、その店は「レビュー歓迎」のように書いているにも関わらず、今のところ音沙汰なしなので、「うむ。なるほど」と思って居る。

端子板を半田付けと言えば、スピーカー端子も同様の構造なのだが、こちらはネジ2個で端子板を挟んでいるから少しは良さそうだと思って、保留している(実は、面倒なのが一番大きいw)。あと、スピーカーは入力よりは電圧・電流が大きいので、導通の問題も起こりにくそうに思うが、実際には常用出力はmWオーダーなので、それほど大きくなさそうだ。

作業で意外に苦労させられたのは、ピンコードの芯線の絶縁体が溶けやすくて、すぐに駄目になる(芯線が表に浮き出てしまう)ことだ。左右で微妙に違い、確か左(白)が弱い。ほぼ毎回そうだ。たまたま昔から使っていた(、そして今は何の思い入れもない)ソニー製のピンコードを流用しているのだが、こういうところも気に入らない。 (僕の半田付けが下手ってことは大いにあるがwww)

 

アッテネータの改良

昨日は最後にアッテネータの化粧直しをした。今までは、抵抗添え木をしてビニル袋に入れていたが、いかにも弱い(実際、作った直後に壊れたので添え木を付けた)ので、ケースに入れた。

前回書いた雑音は、アッテネータが壊れたせいかとも思ったが、そうではないようだ。

ケースは半田の入っていたプラのものにした。それまでに比べて、まあ簡単な作業だった。各チャネルの抵抗を熱収縮チューブで保護し、更にダクトテープで巻いて、結束バンドでコードの抜け止めをしてケースに入れた

ケースに入れたせいか、出力側のコードが短くてケースが邪魔になるように感じるが、まあ、これも普段は見ないし頻繁にいじるものでもないから良しとする。

それぞれの作業はちょっとしたものだが、失敗したりして一日掛かりになった。アンプの外見は間違い探しのように変わらないが、その影ではいろいろ地道な作業をしているのであった。

 

(-17:02 加筆・修正など)

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近頃、電源部の設置を正式なものにしたり電源コードを換えて、自作アンプBA3886は急激に完成に近付いた。良くある曲線でいえば、傾きがなだらかな領域に入った感じだ。

 

電源部をちゃんとした。

電源コードはXHコネクタ(ジャック)付きコードにした※。暫定的に使っていたPCのペリフェラルコネクタ(4ピン)は汎用的でいいのだが、意外に耐久性が悪くて接触不良になったためだ。コードをスイッチの端子に半田付けしても良かったが、中で受けるコネクタ(プラグ)付きコードをスイッチに繋げた。こうすることで、元電源接続用のコードを改造しなくて済むから信頼性が向上し、抜き差し回数が多くてコネクタが駄目になったらコードごと交換すれば良いので手間が省ける。それから、動作確認などの時には、スイッチを飛ばして直接DC-DCコンバータに接続することもできる。

※電源コードは少し長目にしたかったので、京商のラジコン用の30cmのものにした。太さが22AWGとのことなので、ちょうどよかった。楽天モバイルのポイントがなかったら手持ちの短いコードで自作するところだったが、ここは信頼性と耐久性を期待して奮発したw

これに関連して、元電源に以前使っていたSAYAのアンプ(SP192AB改)のACアダプタを使うので、そっちの出力もXHコネクタ(ジャック)にした。そのため、(もうないだろうが)SP192AB改を使う時のために変換ケーブル(1)を作った。更に、他の4ピンコネクタが出力の電源を使う時(主に動作確認)のためにも変換ケーブル(2)を作った。

電源部の設置方法は さまざまな検討をしたのだが、最終的には、「ボス」という ネジ穴のない所に貼って支柱にする部品を脚にして、それに基板をネジ止めし、その上にDC-DCコンバータとヒートシンクを載せることにした。見た感じは、大昔の喫茶店のテーブル型ゲーム機や阪神・淡路大震災で倒れた高架の高速道路、それから、アニメ「アラレちゃん」に出て来るニコチャン大王を連想して心許ない感じだが、それほど高くないせいか足(ベースに貼る部分)が広いせいか、容易には倒れない感じだ。実際に設置する場合は、両面テープでベースに貼るから ずっと安定するだろう。

なお、DC-DCコンバータはハリ玉で基板に(ここは もうちょっと強くしたいが、難しい: ダクトテープで補強かな)、ヒートシンクは結束バンドでDC-DCコンバータに、それぞれ固定した。これで、ダクトテープでの仮止めが排除できるはずだ。既に、外から見える部分にはダクトテープはない

 

音がいい(気がする)

音に関しては、概ね修正版(ダイオードを除去した)サーボ基板を使い出してから全く問題ない。耳閉感や圧迫感は、回路の影響もあったかも知れないが、耳の調子や疲労によるものが大きかったようだ。それどころか、近頃は、なぜか音が随分良く感じる。(別の時にも何度も書いているので信憑性が低いが、)今まで気付かなかった細かい音(高音も低音も)が聞こえたり、今まで聞こえていた音でも新たな成分に気付いたりするので※、原音(録音された音)が かなりクリアに再生されている印象だ。いかにもオーディオ的な表現をするなら、「(今まで掛かっていた)もやのようなものがなくなって、見通しが良くなった」感じだ。

妙なのは、今まで(以前のアンプを使っていた時)は、その「もや」に気付かず、ことあるごとに「いい音」に感じていたことだ。いかに僕の耳の信用できないことか・・・

※近頃印象が変わった演奏は数多いが、例えば"We are the world" (1985)は驚くほど違って聞こえる。数日前のことだったが、イントロからして違って聞こえて、別バージョンかと思うほどだ(再び掛かった今日も同じ印象)。全く謎だ。

もう一つの例は、(今試しに聴いている)ELTの"Every Best Single+3" (1999)の曲だ(例: "Dear My Friend")。どれも音が詰め込まれて過ぎていて(「海苔」状態, いわゆる「うるさい」演奏w)耳にキツいのだが、今は、キツいながらも詰め込まれた音を分解できる度合いが高まった感じだ。それに、そんな強烈な音がストレートに聞こえて来るにも関わらず、意外と耳が痛くならないのが不思議だ。

そういう点では、(ELTかどうかは不明だが、以前ちょっと聞いた気がするのだが、)ミキシングやマスタリングするの人は、(言われているように)家庭用やポータブルの低音質の機器を意識していた訳ではなく、やっぱりスタジオの普通に音がすごくいい機器を前提に音を作っていた気がする。

その理由はまだ分からないし、気のせいかも知れないが、僕が常用する音量(= 微小出力)での歪みの少なさ※が関係ありそうだ。常用音量での歪みを以前のアンプ(SP192AB改)と比較したところ、例えば1kHzではBA3886の約4倍だった。

測定例: ボリュームが12時辺り(推定出力: 約8mW)での1kHzの歪み率(THD)と歪み量

    • BA3886: 0.014%, -103dBFS
    • SP192AB改: 0.058%, -90dBFS
      • ゲインが小さいため、同じ音量になるようにボリュームを上げた。

※歪みの少なさは、BA3886というよりも、使用しているアンプIC LM3886によるところが大きい。データシートのグラフでも、1kHzのTHDは10mWでは約0.035%である。BA3886の値が小さいのは、歪みを測定している帯域が狭いことと、ゲインを10に下げている(標準は23など)ためかと推測している。

なお、SP192ABは改造(内蔵ボリュームと初段アンプをバイパス)で特性が悪化した可能性が考えられたので、歪みの小さくなるであろう、マニュアルの出力-歪み率グラフの範囲内の約500mWで測定したところ、悪くない値(0.0087%@1kHz)となったので、改造は歪みには関係ない可能性が高い。

つまり、SP192ABは微小出力での歪みが大きいことが分かった。推測だが、終段はAB級アンプではあるものの、動作の繋がり(というのか?)が今ひとつなために微小振幅での歪みが大きくなっているのではないか。あるいは、AB級といえども微小振幅では特性が悪いのか。※

※AB級の動作を調べてみたら、微小振幅では正負のトランジスタの出力を合算するようだ。だから、それらの出力の振幅のバランスやタイミングが今ひとつ「合っていない」と歪みが増えるように思う。

あと、回路例ではトランジスタのバイアスを増やすためにダイオードが使われており(→ : "Pre-biasing with Diodes")、実際にSP192ABでも見たが、今までの経験から、その非線形性が歪みを増やすような気がする(確証はない)。

書いたあとで見付かったページ: 「トランジスタ式ミニワッターPart2設計詳説」によれば、上のダイオードについて、

ここで使用するダイオードの順電圧と2個の出力段トランジスタのベース~エミッタ間電圧が奇跡的にフィットしていないと、アイドリング電流が多すぎたり少なすぎたりします。 (中略) 0.01V以下のオーダーの追い込みをしなければならないので、半導体メーカー発表の大雑把なpdfデータは使えません。

とあり、ダイオードによってトランジスタのバイアスの量が変わり、特性が左右されるように思える。SP192ABは製品なので、その辺りの選定・設計はちゃんとしていると思うが、どこかで(最初から?= 当たり外れ?)「奇跡的なフィット」が狂ってしまったのかも知れない。

そういう意味では、(片チャネル辺り)トランジスタ2個(種類が異なる)とダイオード2個それそれの個体差の積算は結構大きいだろうから、単に部品を付けるだけでなく、1台ごとに測定・調整が要るのではないだろうか。

この点では、アンプICなら、ICごとの個体差はあるものの、同じウエハーに出来た部品の特性は揃っているだろうし、メーカー基準に収まっているはずだから安心だ。 (後付けの論理)

なお、今まで見た範囲では、歪みの量は(どういう訳か)出力を変えても余り変わらないので、出力を上げると(分母が大きくなるため)歪み率が下がる。もちろん、出力の上限に近づく・超えると歪みは増えるから、主に出力が小さくなる方向での話である。

結局、それは、出力-歪み率のグラフ(→ : 一番上のグラフ)で良く見る、左から右に掛けて直線的に下がる部分のことだと気付いた。だから、普通・典型的なアンプでは歪みの量は出力に余り依存しなさそうだが、変なアンプではそうとも限らないだろう。

本稿の「歪みが少ない」などは、特に「量」と書いてない限り、歪み率を指す。

話が逸れるが、SP192ABには感心したこともある。歪みが全帯域でほぼ一定なことと、中高域の残留雑音が小さい(BA3886より約6dB小さい(= 約半分))ことだ。前者はいいのか悪いのかは不明だが、どういう理屈でそうなっているのか興味を持った。後者は、推測だが、電源フィルタの性能がいいためではないかと思っている。なんともうらやましい(そのフィルタを移植したい気分になった)が、-130dBFS以下という全く聞こえない領域の話なので、まあ、「気分の問題」である。

いずれにしても、僕に必要なのは、微小出力で音のいいアンプであることを確信した。上の「約8mW」というのは どうも値が小さい気はするが(それでも1W未満であることは確かだ)、市販製品のスペックに書かれているような、最大出力(概ね数十W)での歪み率なんて何の参考にもならない。今では、特性のグラフが書かれていることすら まずないので、結局、「能書き」と勘(や口コミや提灯記事?)で選ぶしかなく、であれば、今回のように自分で良く部品を調べ・選んで作るほうが、「当たる」確率が高そうだ。

歪みについては、(上に書いた、)歪みの量は出力にあまり関係なく、ほぼ一定という仮説が正しいなら、最大出力での歪み率から小出力時の値を推定することもできそうだ。 → 概ね、大出力で歪み率がいい(普通な)ものは、小出力での歪み率は大きくなるのだろう。だから、最大出力が小さくて歪み率が低いものがいいのは確かだ。

書いたあとで見付かったのだが、Benchmark社のページ: 「技術資料:パワーアンプの「ファースト・ワット(最初の1W)」に関するABX評価テスト」では、「スピーカーを0.01Wで駆動すると」と書いてあり、通常再生の出力として10mWは妥当な値であることを確認した。

また、「0.01W出力時の歪み成分は1Wの時の歪み成分と実質的には同等と言えます。」とあるし、ページ一番下のグラフ「アンプのTHD+N測定データ」もそのようになっている(注: このグラフの縦軸は率(%)でなく量(dB))ので、上の「歪みの量は出力にあまり関係ない」仮説も合っていそうだ。

ただ、そのページの「AB級アンプ」の回路図はB級のようなのでちょっとおかしいが、ここでは概念を説明しているので良しとする。また、AB級でも実はクロスオーバー歪みが出る気がしている。

 

余談: 上のページの下の文には大賛成だし、もしアンプを買うならBenchmarkがいいような気がして来たが(ステマじゃないよ)、きっと、「お高いんでしょ」だろうなw (← ステレオパワーアンプが約40万円と、よくある馬鹿高な製品より ずっとリーズナブルではある。)

皮肉なことに、アンプの性能指標としては、最大電力時のTHD+N(全高調波歪み+ノイズ)を最重要視する傾向があります。しかし、残念なことに、この高出力時のスペックは、「最初の1W」以下でのパーフォーマンスとは直接関係がありません。

 

スピーカー保護基板が完結(希望)

それから、スピーカー保護基板作成後に気になって居た、配線誤りによるショートの可能性については、起こり得る問題のリスクや配線(部品配置)に起因する問題の有無を検討してから写真や目視で確認した。

リスクの検討では、どこかの配線がショートした場合に起こり得る問題(例: センス入力に電源電圧が出る、センス入力がショートする)は独立(例: 複数のショートでそれらの問題がなくなることはまずない)なので、配線ミスでどこかがショートしていたら、(論理的には)何かしら動作が異常になるはずだけど それはなかったので、現時点では配線には問題ないことが分かったが、潜在的に将来問題が起こるリスクのある配線の有無が分からないので、配線の検討もした。

配線の検討で見付かった、本質的にリスクの高い配線(センス入力(スピーカー出力)と電源が隣同士になっていた)を修正し、写真の確認では電源の繋がった脚の半田に、隣のGNDに近くなっているヒゲが見付かったので、改善した。目視で気になったところも改善した。

 

そして、a few more things・・・w

以上のようなところで、BA3886の残件が大分・急速に減った。が、例によっていくつかの謎や問題(かも知れないこと)がある。最後を除き、調査中・対処方法検討中である。

  • 使う元電源によって、雑音はもちろん、歪みすら変わる。
    • 歪みの違いは電源の性能(例: 容量、負荷変動への追従速度)によるのかと推測している。
      • → 下に追記のページにより、追従速度が重要そうだ。
    • 今のところ、手持ちのうちでは、SAYAのACアダプタが一番いい。それから、以前は歪みが多過ぎて駄目だと思って居たデスクトップPC(今使っているもの)の電源(Scythe)も、実は歪みの点ではSAYA同様であることが分かった(以前は同じPCのサウンドカードで測定していたため、相互作用のようなもので歪みが多く出ていたようだ)。
      • ただ、SAYAより雑音が多い(といっても、例えば-100dBFS台のような、耳には聞こえない微小レベルでの差)ため、積極的に使う理由はないが、SAYAのアダプタが壊れた時には使えそうだ。
    • 上に追記したBenchmark社の別のページ「技術資料:「スイッチング電源はノイズまみれ」というオーディオの迷信」(このページの内容も大変興味深い)に、以下のようにあるので(太字は私が付けた)、電源と歪みは関係があることが分かった。

AHB2には、パワーアンプにしては珍しく、レギュレーターを装備した安定化電源を使用しています。レギュレーターは、THDの低減に役立ちます。当社の知る限り、AHB2よりもTHDが低いパワーアンプは存在しません。繰り返しますが、これは主にスイッチング電源の使用によるものです。

    • 余談: 上に挙げたようなBenchmark社のページを読むと、僕のBA3886での指向(例: 小出力重視、(デジタルでない)AB級アンプ、スイッチング電源、信号系にリレーは使わない)が正しいことが分かって、なかなか いい気分である^^
      • あと、AHB2の電源がアンプ基板の上25mmにあるってのも、本当に偶然ながらBA3886の配置(アンプ基板の斜め上40mm?)に似ていておもしろい。
      • それにしても、AHB2は低ゲイン指向で、最低では9.2dB(約2.9倍)が可能というのを見ると、そういうのが欲しかっただけに、LM3886(最低ゲインは10倍)でも出来たらと つくづく思う。
  • たまにスピーカーから小さい雑音(例: 「ポツッ」)がする。原因不明だし、本当にスピーカーからかも不明。無音の時しか分からない。
    • 昨夜、サーボ基板のオペアンプ(以前、片方を180°回転させて取り付けて過熱させたことがあるので、それによる不調を疑った)の左右を交換したら、しばらく出なかったが、今日の夕方に出た。だから、オペアンプは問題なさそうだ。ただ、今日はどっちから出たか分からないので、まだオペアンプが悪い可能性もある。
    • 雑音の音が、昔のアンプが寿命(おそらく、電解コンデンサが劣化した)になった時に似ているので、電解コンデンサを交換する予定である。今のコンデンサはもちろん新しいが、取り付け・設置に問題があって、脚に余計な力が掛かって不調になった可能性を疑っている。
    • あとは、アンプでなくPCのサウンドカード(の電解コンデンサ: もしあれば)が寿命になった可能性があるので、左右チャネルを入れ替えて雑音が出るチャネルが変わるかを見ている。
      • この場合は対処が難しい。
  • 上のスピーカー保護基板の改善後に動作確認をしたところ、不思議なことに、今回配線を修正したチャネル(左)の、1Hzの正弦波をオフセットとして検出する振幅が基板製作直後に比べて1dB高くなっていた。
    • おそらく温度(室温)変化によるものだろう。あと、(全く考えづらいが)今回の配線の修正でわずかに(数mm)線が長くなったので、それが効いているのだろうか?  それから、オペアンプ周りの抵抗の誤差のばらつきが温度上昇で広がったのだろうか。
    • あるいは、上記のオペアンプの左右の交換が効いているのか?
    • → ミュートしきい値で1dB(約1.1倍)くらいの差は問題ないので、この差が別の問題に起因するものでない限り対処しない。

 

PS. 本稿は3月下旬にタネを書いたのだが、その後、何度もどんでん返しがあって、2か月経った今、ようやく公開となった。

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