Archive for 7月, 2021

と、ベタな文句しか出て来ないジジイと成り果てて居るが、ディスプレイ輝度の自動調整システムのプロトタイプが動き出したので、ちょっとうれしい。

先日検討して注文した光センサ基板(正確にはPCF8591 AD/DA基板, "YL-40"。以下、「基板」などと書く)が、数日前に届いた。中国からだが、今回は意外に速く、1週間くらいで届いた(と思ったが、実際には注文から2週間近く掛かった。1週間というのは、発送されてからだった)。EMS(かどうかは不明だが、郵便扱い)だと速いことがあるのかも知れない。

例によって非常に簡素な梱包で、基板の入ったビニル袋が汚くて、以前の汚ねえピンジャックを思い出したが、中身の基板はピカピカだったので安心した。これなら全然問題ない。早速電源を繋いでみたら、ちゃんと電源ランプが点いたので更に安心した。

ただ、一つ謎がある。電源スイッチ(下記の暫定接続ケーブルと一緒に付けた)を切った状態でも電源ランプが薄く点くのである。おそらく、I2Cの信号線(DataとClock)の電圧がIC PCF8591経由で漏れている(一種の逆流)のだと思う。余り良くない気がするが、壊れることはなさそうだ。

それに気を良くして、暫定版の接続ケーブルを作って※PCのVGAコネクタに繋いだら、Linuxのi2cdetectコマンドで以下のように基板のアドレス(0x48)に表示が出て、I2Cデバイスとして認識できていることが分かった。

$ sudo i2cdetect -y 2
     0  1  2  3  4  5  6  7  8  9  a  b  c  d  e  f
00:          -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- 
10: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- 
20: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- 
30: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- 
40: -- -- -- -- -- -- -- -- 48 -- -- -- -- -- -- -- 
50: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- 
60: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- 
70: -- -- -- -- -- -- -- -- 

※当初は、容易に延長できることやケーブルの細さ・柔からさなどを考えて、電話用のモジュラーコードを使おうと思って居たのだが、システム構成を確定させ、ある程度「行ける」ことが分かってから そこら辺をちゃんとしようと考え、まずは手持ちの長い(約3m)バラ線4本を(切らずに)そのまま使った(切ったら端切れが出来てしまって、最後に無駄になるので)。

同様に、VGAコネクタ(これを用意するのには なかなかの苦労があった。 → 下の「おまけ1」を参照)に電源スイッチを組み込もうと思って、結構苦労して付けられるようにしたのだが、実際にはコネクタがPC背面の込み入ったところにあるためにスイッチが操作しにくいから あっさり却下して、基板側のコネクタに仮付けした。

次に、I2C経由で基板上のADCとDACを動かしてみたら、これもあっさりとできた。i2cget, i2cset, i2ctransferコマンドを使うことで、基板上のADC(光, 温度, ボリュームが繋がっている)の値が読め、DAC(LEDが繋がっている)にアナログ電圧の出力ができた。

中国製品は当たり外れが激しいというのが常識だが、今回は当たりだった。きっと、この基板は、どこかのちゃんとした人が設計したもの(メーカーの評価基板?)が回り回って手に入るようになったのだろう。で、ADCやDACとは言ってもしょぼい簡素なものなので*、部品を載せて半田付けするだけで調整なしで動くから、部品が壊れてなくて半田が付いている限り、ちゃんと動くのだろう。

*簡素とは言っても、これがあれば、サウンドカードではできなかった、直流電圧が入出力できるから、PCでできることが格段に増える、超優れものだ。

基板に書かれている"YL-40"という型番(写真左下)がポイントで、Amazonで検索した時に()その番号が見え、"PCF8591 YL-40"で検索したら、Raspberry Piなどで使っている人が多いことが分かり、その関係の資料や情報が結構あったので、これを買うことにした。

ちなみに、買ったのはAmazonでなく、残ったポイントを使うために楽天にした。Amazonより高くて約700円だったが、ポイント利用で150円くらいになった。PCF8591が載っていて、外観が希望のものと同じで、一応 基板に"YL-40"が見えるものを選んだ。ただ、それには何の保証もなく、一種の賭けではあった。

余談ではあるが、明らかに勝算がなく、失敗した時の損失なども検討せずに 大言壮語してむやみに賭けをする大馬鹿者が居るが、言語道断だ。今回は150円だったから安心して賭けられたw

なお、基板には説明書も回路図も何も付いていないので、上のような情報がないと使うことはできないだろう。謎の多い基板だが、情報が多い点で当たりだった。ただ、これを何も知らない一般の方が買って どうにかできるものとは思えず、Raspberry Piなどで使った経験者が書いたものを参考にして使っているのだろうが、最初の方はどうしたのかなど、興味深い謎は多いw

それから、基板から取得した明るさの値からS170に設定する輝度を求めるための関係を調べるため、基板の光センサ(CdSセル)の特性を調べた。CdSセルの型番はもちろん分からず、データシートを参照できないためだ。基板はビニル袋に入れてS170の脚の上に設置した。ここだと机に向かった時に見えないのと、ディスプレイの熱が当たりにくいので良い。また、基板を垂直に近くして埃が溜まりにくくした。また、電源ランプが明る過ぎるので、テープを貼って隠した。

手元に光量(「照度」などいろいろあるが、正しい呼び方は不明)の分かる・設定できるライトなどないので、日光(カーテンも併用w)や部屋の照明(明るさが調整できる)を使い、基板から取得した明るさの値と、輝度が自動調整されるメインディスプレイ CX241のOSDに出る輝度と、それに合うサブディスプレイ S170の輝度を記録して、それらの関係を調べた。

足掛け2日くらい測って、関係が大体分かった。基板の明るさ値とS170の輝度(正確にはCX241の自動調整輝度に合う輝度)は2次曲線とか指数関数のような感じ(グラフの青線)だった。※ のだが、使ったLibreOffice Calcのそれらの近似では合わないので、とりあえず、イメージに近くなる3次の近似を使った。ただし、誤差や ばらつきの影響で、測定したデータを全部使うとまともな近似にならないので、「良さそうな」もの(イメージした曲線に乗っているもの)だけを選んで、その近似式を「作った」(近似式の実体は、グラフ上部の式か下記のコマンドの"be="以降を参照のこと)。

「なんだかなあ」だが、ちゃんとした使い方をすればできるのかも知れないし、自分で指数関数なりの近似式を求めればいいのだが、指数関数だと kAbx+C + D のように、底(A)や係数など(b, C, k, D)求めるべき項がいくつもあるし、そもそも底は何が適当なのか(e? 10? その他??)分からなかったのでパスしたw

※当初は、基板の明るさの値とS170の輝度の関係は単純な式(例: 直線)にはならないと思ったので、いくつかの測定値を用いて、LUT(変換テーブル)と線形補間にしようとしていた。が、線形補間が面倒なので、できれば単純な式にしたかった。それで測定を重ねてグラフを眺めたら、上のように指数関数的なことが分かった。

なお、CX241のOSDで表示される画面輝度(グラフの赤線)は遅延やバラつきがあるのか、今ひとつ基板の明るさ値との相関が悪かった。特に、基板の明るさ45-55辺りに対応する輝度に変化がないように思ったが、今見るとS170も同様の形状なので、基板の光センサ(CdS)の特性なのかも知れない。CdSについて調べた時に、前歴依存性というのが出て来たが、それだろうか? それとも、単にCX241の輝度調整特性(この辺りだけ、明るさへの追従が鈍い?)の問題だろうか?

試行錯誤の末にできたのが、この渾身の(怒涛かつ笑える)コマンドだ。たった(?)1行で、S170の輝度を、30秒ごとに、YL-40基板から取得した周囲の明るさに合わせて、CX241に合う明るさに自動調整する。

sudo sh -c 'proc_int=30; i2c_ch=2; yl40_addr=0x48; s170_hid=0; s170_FB=0x21; usbmc_cmd=~xxxxx/misc/usbmonctl/usbmonctl; sleep_t=0.2; while true do; date; d0=`i2ctransfer -y $i2c_ch w1@$yl40_addr 0 r1`; sleep $sleep_t; d=`i2ctransfer -y $i2c_ch w1@$yl40_addr 0 r1| sed -n "s/^0x//p" | tr a-f A-F`; echo "D0=$d" > /dev/null; di=`echo "ibase=16; $d"| bc`; echo "di=$di" > /dev/null; d2=`expr 255 - $di`; echo "L=$d2"; b_s170_e=`echo "be=0.0001972222 * $d2^3 - 0.009486435 * $d2^2 + 0.1930219 * $d2 + 13.56602; scale=0; bf10= (be*10)%10; if (bf10 >= 5) {bf= 0.5} else {bf= 0}; scale=3; be2= be - bf10/10; be2= be2 + bf; scale=1; be2/1.0" | bc -l`; b_s170=`$usbmc_cmd -g "F,$s170_FB" /dev/usb/hiddev$s170_hid | sed -nr "s/^([0-9]+) .+/\1/p"`; echo "Cur. S170 B=$b_s170"; echo "EB_S170=$b_s170_e"; b_s170_e_set=`echo "scale=0; $b_s170_e * 2 / 1.0" | bc -l`; echo "New S170 B=$b_s170_e_set"; $usbmc_cmd -s "F,$s170_FB=$b_s170_e_set" /dev/usb/hiddev$s170_hid; t0=`i2ctransfer -y $i2c_ch w1@$yl40_addr 1 r1`; sleep $sleep_t; t=`i2ctransfer -y $i2c_ch w1@$yl40_addr 1 r1 | sed -n "s/^0x//p" | tr a-f A-F`; ti=`echo "ibase=16; $t"| bc`; t=`expr 255 - $ti`; echo "T=$t"; echo; sleep $proc_int; done' |& tee -a ~/tmp/yl-40-lt-2021-07-30-1.log

※「プロト」だというのを免罪符に、シェルスクリプトにすらしていないし、無駄な処理が多い。 → さすがに起動が面倒なのでスクリプトにした時に、無害だけど誤りも見付けた。 (← 修正した。: 8/1 11:14)

簡単に処理の内容・動作の説明を書く。

  1. 動作条件などを設定する。: proc_int=30; ..の箇所
  2. 以下を繰り返す。: while true ..の箇所
  3. 現在の日時を表示する。: date; の箇所
  4. ADCの光センサを読む。: d0=`i2ctransfer と d=`i2ctransfer .. di=`echo の箇所
    • 光センサのチャネル(AIN0)を読む。
    • i2ctransferコマンドを使い、読み出すチャネルを指定してから読む。
    • 変換時間の関係か、PCF8591のADCは前回変換した値が読み出されるため、少し(約0.2秒)間を開けて2回読んで現在の値を得る。
  5. 取得した値から明るさを求める。: d2=`expr 255 ..の箇所
    • 値は反転している(明るいほど小さい)ので、最大値(255)から引いて反転させる。
  6. 明るさの値を表示する。: echo "L=$d2"; の箇所
  7. 明るさから近似式でS170に設定する輝度を求める。: b_s170_e=`echo .. be2= be2 + ..の箇所
    • 設定する輝度は0.5単位なので丸める。
  8. 参考のため、S170の現在の輝度を取得する。: b_s170=`$usbmc_cmd ..の箇所
    • usbmonctlコマンドを使う。
  9. 現在の輝度を表示する。: echo "Cur. S170 B= ..の箇所
  10. 上で求めたS170に設定する輝度を表示する。: echo "EB_S170= ..の箇所
  11. MCCS(DDC/CI)でS170に設定する輝度の値に変換する。: b_s170_e_set=`echo "scale= ..の箇所
    • MCCSでの値は上の値を2倍した整数。
    • MCCSとは書いたが、実際にはS170(M170もCX241も)は準拠していなくて、Featureの番号が全然違う。
  12. S170に設定する輝度(変換後)を表示する。: echo "New S170 B= ..の箇所
  13. S170に輝度を設定する。: $usbmc_cmd -s ..の箇所
    • usbmonctlコマンドを使う。
    • S170の輝度はFeature 0x21で取得・設定可能。
      • また、バックライトの輝度(推定)はFeature 0xceで取得可能。
      • それらはM170では異なるし、CX241では不可。
  14. ついでにADCの温度センサを読む。: t0=`i2ctransfer -y .. ti=`echo "ibase=16 ..の箇所
    • 光センサと同様に、温度センサのチャネル(AIN1)を2回読み、値を反転させる。
  15. 温度センサの値を表示する。: echo "T=$t"; の箇所
  16. 約30秒待つ。: sleep $proc_int の箇所
  17. 4から繰り返す。: done の箇所

実行すると、以下のように、基板から取得した明るさ("L=")、現在のS170の輝度("Cur. S170 B=")、明るさから計算したS170に設定する輝度("New S170 B")を表示する。なお、"EB_S170="はS170のOSDで表示・設定する輝度(上の測定や近似式を求める時に使った値)、"T="は基板に載ったサーミスタからの値(温度に依存する: ついでに出しているだけで、輝度設定には無関係 → この値と室温の関係は「おまけ4」を参照)である。

Fri Jul 30 21:00:12 JST 2021
L=33
Cur. S170 B=32
EB_S170=16.5
New S170 B=33
T=48

これを昨日の午後から試していた。周囲が明るい場合にS170が少し明る目だったので使うデータを調整して近似式を改良したあとは、夕方近くも朝も概ね問題なく調整できて居たので、あとは(本当の)昼間も大丈夫なら、予想より楽に動いてしまったことになる。

ちなみに、普通に使っていて設定されたS170の輝度の範囲は15-23%程度で、カーテンを開けて明るくすると40%くらいになった。また、CX241が自動設定する輝度には下限があるようで、夜 照明を消しても15%程度だった。

まあ、それから「ちゃんと」作る訳で、そうすると途端に面倒なことがいろいろ出て来るので、いつものように誰かに「あとは頼んだ」と言いたいところだw

参考資料

主に以下が役に立った。

 

おまけ1: VGAコネクタの5Vピンを「何とか」した話

以前も書いたように、EIZOのディスプレイに添付のVGAケーブルには5Vのピン(ピン9)がないので、この用途には使えないことが分かった。が、VGAケーブルもコネクタも安くない。大体500円くらいする。中古屋も見たが、新品はやっぱりそのくらいだったし、ジャンク品ですら300円くらいだったので馬鹿らしくなった。テキトーな中古VGAケーブルなんて高くても100円くらいで買えると思ったが、今は世知辛いのか・・・

何とかならないものかとコネクタを眺めていたら、180°回転させればピン9が「できる」気がした。調べたら、180°回転させた状態でも、GNDやI2Cに使うピンも大丈夫そうだった。

早速工作した。それまでに、何とかしてピン9を追加できないかと思い、すごく苦労してコネクタをモールドから取り出して居たので、そのコネクタをシェルから外し、D形状の上部左右の角を削り、180°回転させてもシェルに入るようにした。更に、回転させたために中段の左端のピン(元のピン6)が余るので切った。どうにかできたものをPCに挿したら、見事に5Vが出た。

回転させたことで嵌ったのは、基板へのコードを繋ぐ時に中段のピンの番号を1つずらしていたために、最初は電源が出なかったことだ。上述の切ったピンに相当する「幻のピン6」を考慮していなかったためである。

それから少し綺麗にして、とりあえず完成となった。

なお、本文に書いたように、コネクタに電源スイッチを内蔵させたくて、モールドの一部を切ってスイッチを嵌め込めるようにもしたが、使いにくいので却下した。まあ、いくら苦労したって、「駄目なものは駄目」と捨てる勇気は重要だ。

おまけ2: モジュラージャックを「何とか」した話

当初は電話線でVGAコネクタと基板を繋ぐことを考えていたので、モジュラージャック2個が必要だった。これは100円ショップで延長アダプタを買えば安いが、暇に飽かせて何とかした。

手持ちに電話用の3分岐のアダプタがあったので、それを「イッコニ化」wした(2個のジャックに分割した)。3分岐のために、丁度、2個のジャックからの線が使えるので良かった。ケースを切断し、少し綺麗にしVGAコネクタに接着できるようにして完成となった。

これはまだ却下ではない。最終的に電話線で繋ぐ場合には生きる。が、何となく、そこまでする必要はなく、もっとテキトーに(例: 今のバラ線を少し綺麗にする。USBケーブルの線だけ使う。VGA側のジャックはなし)繋いでも充分な気がしている。

おまけ3: M170の光センサ基板を単体で動かした話

寿命になったサブディスプレイ M170は、光センサ辺りが壊れたと思って居たが、実際には生きていた。ちょっと試してみたら、明るさに従った電圧が出るのを確認した。

接続コード(FFC)は6芯だが、2本ずつGND、電源、出力になっていた。電源は何Vか分からなかったが、基板にツェナーダイオードが載っていたので、多少高くても壊れないだろうと思って5Vを入れたら、ちゃんと動いた。: テスターで測ったら、明るさに比例した電圧が出て、光センサ(フォトダイオード)を塞いだ場合はほぼ0Vが、ライトで照らすとほぼ5Vが出た。

あの回路はフォトダイオードがLDOの電圧調整らしきピンに繋がっていて何とも謎なのだが、そういう使い方があるのか、実際にはLDOでない(I-V変換や温度補償素子?)のか。

光センサ基板が届く前は これを使おうと思って居たが、基板のセンサ(CdSセル)が結構使えそうだし、こちらだと温度特性が不明だしシステムのサイズが大きくなってしまうので、ひとまずは保留とした。

 

おまけ4: YL-40基板の温度センサ(サーミスタ)を試した。

輝度調整コマンド(その後、スクリプトにした)で ついでに表示していた温度センサ(サーミスタ)の値と その時の室温をグラフにしてみたら、測っている時からそんな気がしていたが、今ひとつ相関が悪い。

YL-40の温度センサの値と室温

何となくリニアには見えるが、ばらつきが多い。ディスプレイの近くなので、その熱の影響があるのかも知れない。あと、サーミスタは電源ランプ(LED)のすぐ隣なので(ランプはCdSにも近いし、この配置は ひどい)、LEDの熱に影響されているのかも知れない。

まあ、これには期待して居なかったし、もう少し様子を見たり試してみたい。 (8/1 11:03)

 

PS. 気付いたら、前回の投稿から結構日が経っていた。何をしていたか記憶がないことはないが(とは言え、すぐには思い出せない)、意外に空いた。そうやってブログは廃れて行くのかも知れない・・・

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オリンピックとかの競技会で、みんなが突然日本や地元の選手を応援し出す気持ちが分からない。高校野球とかも同様だ。いつもは いがみ合っている、そうでなくとも、他人には無関心な はずなのに、突如一致団結するのが不自然だ。他の国も同様なのだろうか?

それに、それぞれの競技で勝った人のことを あらかじめ知っていたのかも疑問だ。僕なんて、「柔道で金メダルを獲った」とか言われたって、そんな人なんて初耳だし、(もちろん努力は したであろうが、)どこがすごいとも分からない。

もしかして、誰でもいいから、自分に近い(気がする)人が勝てばうれしいのか? 随分能天気だし、対象の人に失礼な気がするが、良く分からない人にでも応援されればうれしいのか(まあ、確かにそれはあるか)・・・ アイドルみたいなものか?

僕には組織、団体、会社などからは裏切られた思い出しかないので、「同じ所属だから応援する」なんて行動は全くする気が起こらない。帰属意識が全くない。せいぜい、すごいことをした人の出身や所属をあとで知って、自分に近かったら「へえ」と思う程度だ。だから、(世間で良くありそうな)あらかじめ、利害関係がありそうな人の出身などを調べて近寄ることなんて全くない。「同郷のよしみ」なんてないし、期待することもない。逆に、詰まらない政治家みたいで大嫌いだ。

だから、(前にも書いたかも知れないけど、)僕は今はたまたま出身県に住んではいるけど、地元だから愛着がある訳ではなく、適度に田舎で暮らすのが楽だからだ。他にいいところがあれば、いつだって移りたい気では居る(ただ、近頃は体力が落ちて来て、なかなかすぐには実行できないことはある)。

(興味がないからまずないけど)スポーツで感心・応援することがあるとすれば、せいぜい、N連勝とかN回連続金メダルとか、初めての技を生み出したとか、初登頂などの絶対的な偉業だ。それはどこの人でも関係ないし、スポーツ以外でも同じで、例えば音楽のコンクールで日本人が優勝したって何も感慨はない。出身にどんな意味があるのか(「毎回、必ず誰かが優勝あるいは最上位になる」と思っている)。たまたま低レベルでも優勝してしまったかも知れないから※、聴かなきゃ分からないではないか。

そんなことをしてたら、日本人は日本の演奏者しか応援できないことになってしまい、まあ、各自の良さはあるだろうが、音楽はそもそもグローバルなものなのに自分から限定するなんて全く馬鹿らしいではないか。

※偉そうに書いたが、僕には演奏の絶対的な良さは判断できない。せいぜい、自分の好みかどうかしか分からない。

 

そして話はかなり飛ぶが、上の考えを発展させると、

国内での順位とか地縁血縁なんて下らない。そうやってフェアかつシビアな競争をなくしてしまった、あるいは、島国をいいことにぬるま湯に浸かってしまったことが、日本をガラパゴス化、中抜き社会化させてしまって、今の衰退の原因になってしまったのだ。

と思った。

 

PS. 前の稿にも書いたように、オリンピックには全然興味ないし、それどころか止めて欲しかったくらいだけど、ちょっと閑話休題だったところにネタができたのはありがたいw

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全く大それた題だが、芸術論も文化論も勉強していない素人が東京2020オリンピックの開会式の報道を見て思ったことを書く。入場行進が印象的だったので(他については、さまざまな情報が細切れで全体像が良く分からないこともある)、特にそれについて書く。

なお、僕はそもそもスポーツ・運動には全く興味がないどころか、昔から嫌な思いばかりして来てストレスを感じるし※、この情勢でオリンピックを開くことにも反対だが、行われて仕舞ったものに対して、せめて自分の興味のある面から感想を書きたいと思った。

※この点については、近頃は「多様性」とか声高に言われているにも関わらず、「スポーツは人に勇気を与える」だのなんだのと分かったようなことを言われると、全く「んな訳ねえだろ!」としか思いようがない。僕に言わせればスポハラだ。

それから、ゲームも同様に好きじゃないのに、(本題に書くように、)さも国民音楽であるかのように使われてしまったのも、やっぱり多様性への配慮がなってなくて納得できないが、スポーツよりは許せる。

あと、頻繁に勃発していた、制作者だのの過去の言動とそれに対する処分については、以前から書いているように作とは無関係だし、そもそも、彼らの作がいいか悪いかの問題が先なので、それ以上は何も言わない。

 

「日本が世界に誇るもの」としてゲーム、アニメ、漫画の作品・素材・手法を用いたのだろうが、それらは文化だとは思うが芸術ではない※と思うので、適切だったとは思わない。かと言って、他のものに比べて劣っているというつもりはない。適材適所・TPOの問題だと思う。それらは確かに現代の日本の文化ではあろうけど世界に通用するかは別で、「ガラパゴス化物」の一種ではないだろうか。だから、軽薄なものになったように思う。

観てないから分からないが、開会式全体を通すと、某「押し売り放送協会」の多くのTV番組、あるいは一日をとおした編成と似たような印象だったのではないかと想像する。であれば、多くの日本人が喜んだ(らしい)のも理解できる。

※ゲーム音楽は確かに広義の芸術と言え、その証拠にコンサートも行われているようだが、元々は特定の用途向けに作られたもので通常の音楽より普遍性が小さいので、やはり、正統的な芸術というのには無理があると思う。

一方、「オリンピックの開会式は単なるお祭り・馬鹿騒ぎだから おもしろければ・(誰かに・内輪で?)受ければ良く、芸術的な素晴らしさや感動は不要だ」という考えで作ったのなら、全く何も問題ない。客観的な評価に従うだけだ。

でも、特に音楽が好きな者にとっては、イギリス(ロンドン2012)・ロシア(ソチ2014, 冬季)には随分負けた気がする(どちらも報道を見ただけの推測で、閉会式も含む)。

 

PS. 細かい話だけど、ソチの閉会式でラフマニノフのピアノ協奏曲 第2番が演奏された(それだけでなく、開閉会式では他にも有名な曲が多かったようだ)というのは、今でも うらやましいし、まあ あと千年経っても勝てないだろうと思う。

PS2. 以前書いたが、市松模様の目がチカチカする ひどいデザインのマスコット2体は なぜか出て来ないようだ(商品などにだけ使われるのだろうか?)。目がチカチカしないのは いいけど、余りにも整合性がないというか無駄だし、だったら最初から出さなければ こっちもイライラしなくて済んだのにと思う。

PS3. その後、ゲーム好きの人でも必ずしもあの行進でのゲーム音楽の使用を気に入って居る訳ではないことが分かった。(→ 参照) ゲームの文脈から切り離されてしまった・都合良く使われたという主張だ。この記事には反論が多いから、そういう考えは少数派なのだろうが、結局、「安易に使った感」は拭い切れないというところか。 (21:22)

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数日前に、サブディスプレイEIZO M170の光センサ基板を外に出して本体の熱の影響を排除すれば正常に輝度調整ができるか試したら、なぜかうまく行かなかった。センサが外でも中でも、同じように電源onからしばらくは画面が暗かった。更に、基板をドライヤーで温めても光を当てても受光部を塞いで暗くしても、画面の明るさは変わらなかった。ということは、光センサ関連が壊れて働いていないのだと考えた。

なお、M170のOSDに出る輝度(自動調整時は調整された値が表示される)を見ていたら、昼間は輝度が少し上がっていたのでセンサが動いていると思って居たのだが、単に本体の熱でセンサやアンプの出力が少し大きくなったのを明るくなったとみなして輝度が上がっていたのではないか。

そして、それに気付くまでは(結構前から?)、光センサが働いていないにも関わらず、画面が明るくなってからは問題なく使えていた(輝度がちゃんと自動調整されているように思い込んで居た)ので、結局、自動輝度調整機能はなくてもいいんじゃまいかと疑い出した。

それを確かめるため、(画面が駄目になっているうえに光センサが動かないM170を使い続ける必要は全くないので、)サブディスプレイを予備のS170(自動輝度調整なし)に換えて試してみた。※ すると、予想どおりというか残念ながら、ほとんど問題なかった。輝度が固定なので、メインディスプレイに合わせた辺り以外では明るさに差が出るが、ほとんど気にならないレベルだった。それで、光センサが壊れたM170でも問題なく使えていたようだ。

※換えたあと、輝度以外に色の違いも気になった。慣れていたのかM170では気にならなかったのだが、メインディスプレイとの色の違いが気になったので、少し調整してみた。が、(当然ながら)完全には合わず、合う色もあれば合わない色もあった。全体的には少し青っぽい(その割には赤っぽくもある)感じで、もう少し調整しても良さそうだ。

昨日は、数時間ごとに、S170の画面の明るさがメインディスプレイ(CX241)に合うように調整して輝度を記録した。メインディスプレイは自動調整でその時の輝度が出るので、それも記録した。その結果、輝度の変化は それほど大きくなく、最大(78cd/m2)と最小(50cd/m2)の比は約1.6倍だった。また、S170とCX241の輝度の比(それぞれの単位は異なるが、ひとまず、単なる数として比を計算した)も大きく変わらず、3.1-3.3くらい(明るい時は比が小さくなる)だった。なお、僕はかなり暗目に(ほぼ下限で)使っているようで、夜、照明を消してもCX241の輝度は最小値(50cd/m2)のまま変わらなかった。

使っている輝度のレンジが狭いうえに、周囲の明るさが変わってもCX241とS170の輝度の違いは大きく変わらないので、M170が調光できていなくても違和感がなかったのだろう。

今日は、S170を昨日調べた輝度の最大値と最小値の中間(20%)に固定して試しているが、今のところ、明るさの違いはあるが気にならない

ということは、作ろうとしていたディスプレイの輝度の自動調整システムは(僕には)なくても問題ないということだ。

なんということだw

まあ、光センサ基板は注文したし(安かったし)、その基板は他のセンサにもいろいろ使えそうだから、届いたら、(なるべく手間を掛けず・追加コストを抑えて)簡易なシステムを作ってみようとは思うが、ちょっと拍子抜けした。でも、作る前に分かって良かったよ。

それから、S170にはスピーカーがなくてコンパクトなので、机がすっきりしたのは良かった。以前からM170の両脇のスピーカーが邪魔で2、(ブチ切りたいくらい)なんとかしたかったのだ^^

 

PS. その後、M170の輝度調整機能の異常の原因について調べて、ちょっとしたことが分かった。 (7/22 9:40)

S170を含む、一部のEIZOの液晶ディスプレイにはバックライトの輝度を測るセンサーが付いていて(パネルの裏に穴が開いている: 参照)、電源on直後の暗さなどを補正する。一方、M170にも穴はあるもののセンサーは付いていないようなので(S170と違ってカタログに記載がないし、穴の上に基板の切れ目があるので、測光しているとは思えない)、想像だが、本体の温度(周囲光センサーを使って推測している?)で補正しているのではないか。

バックライトの輝度センサーの存在を知った時は、M170にS170のパネルを付けた場合、穴とセンサーの位置を合わせればうまく動くのではと期待したが、上記のようにセンサーはないようなので、無理だと分かった。

(7/28 12:09) その後、M170から部品を取ろうと分解したら、バックライトの輝度センサーが見付かった。上の時は写真で調べたのだが、パネル背面の穴の位置を誤解していた。なお、周囲の明るさセンサー基板を単体で動かしたら、正常に動作した。

だから、いつからか、それらのセンサー・回路が壊れて、電源on直後の暗さ(その他に周囲の明るさへの追従も)が補正できなくなったのだろう。良く考えるとS170のパネルに交換してからおかしくなった気がするので、その時にセンサー・回路が壊れたか、内部設定がおかしくなったのではないだろうか。後者についてはOSDのメニューでリセットしても直らなかったので、工場出荷状態に戻す手順があればいいが、分からない。

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僕は、音楽は好きだけど、演劇(特に中小規模)もなかなか好きだ。ただ、僕の中の「劇ブーム」が一段落してから いろいろあったせいか(そういえば、ピアノを習い出したのは劇のあとだった)、何十年も離れてしまって居た。それが、近頃妙な切っ掛け(後述)で ぶり返しつつある。

乗り切れずにフェードアウトする可能性が なきにしもあらずではあるが、今は ちょっとおもしろくなっている。

 

今回は、そんな近頃 ふと思い付いたことを書きたい。音楽(主にクラシック)と演劇(主に小劇場)の人の雰囲気・行動の違いである。これはあくまでも僕の想像で、決め付けとか「こうあるべきだ」というものではない。もちろん、どちらがいいとか言うつもりもない。そもそもどっちも好きなので、「そういうことを想像して楽しんでいる」というのが正しい。

それを以下に列挙する。

  • 音楽: (どちらかと言えば)メンタル派。時に繊細過ぎるかも?
    • 楽器が必要(歌を除く)
    • 基本的にアドリブや変更はない。
    • 知らない人とは会わなそうだし、SNSなどは余りしなさそう。 → ちょっと遠い
    • 酒は飲むが煙草は吸わなそう。
  • 演劇: (どちらかと言えば)肉体派。「生(生身の身体)の迫力・気合いで勝負する」的。
    • 身体一つからOK(僕はそういうシンプルな劇が好きだが、実際はそうも行かないようだ)
    • ハプニング対応・アドリブや、回ごとに(あるいはその回の雰囲気で)細かい変更が結構ありそう。
    • 生(F2F)やSNSなどで同業者や一般人との交流が活発そう。 → 親しみやすい
    • 酒も煙草も行きそうw

二つに分けはしたが、それらが全く分断されている訳ではなく、演劇の人はロック系音楽の人に近そうな感じだし、音楽(クラシック)の一部の人、例えばピアニストYuja Wangは体育会系の雰囲気で演劇人に近そうだ。

 

そして、今なかなか気になっている劇団 地蔵中毒※は いかにも「破天荒な乗り」で期待させる(まだ作を観ていない)小劇場系で、公演を紹介する対談の配信を観たら、主宰の方は(以下は全部失礼な表現です。済みません)外見は「いかにも危なそう」なのに、考えや行動が意外にしっかりしていて(例: 時代に合わないネタは控える、コロナなどへの配慮がきちんとしている、ITを活用している)感心した。もちろん、配信に出られていた方々の 、僕にとってはものすごく久し振りの劇の話(それ以外もいろいろあったw)が結構熱かったので、カンゲキした^^

※どうしてかは分からない(忘れた)が、暇つぶしに見ていたツイッター(だと思うが、ニュースかも知れない)に出た前回(2021/春)の公演のチラシの独特な世界にひかれたあとに、近頃出た今回の公演の案内の題「無教訓意味なし演劇vol.14『母さんが夜なべをしてJavaScript組んでくれた』」で俄然夢中になってしまったw

「無教訓意味なし」に関しては、常々 劇(音楽も)はそういうのがいい・そうあるべきと思って居るし、「母さんが夜なべをして組んでくれたJavaScript」は一体どういう出来でどんな動きをするのか*、是非見たいと思った。(いやこれ、想像するだけでご飯十杯は行けるよw)

*その後、残念ながら件の母さんのJavaScriptは、音楽のアルバムのジャケットみたいなもので劇には出て来ない可能性が高そうなことが分かったが、もしかしたら何かあるかもと期待はしている。

ただ、実際の公演を観て(配信で観る予定)果たして、彼らの乗りに僕がついて行けるか かなり心配はあるが、無理だった時は仕方ない。

その後、劇団の主宰の思わぬひどさが発覚して、配信は観ないことにした。当事者の片方の方の言い分だけで判断しては いけないけど、やっぱり、「見た目」はある程度中身を反映しているのか。なんとも驚いたし、すごくがっかりした。 (7/21 5:35)

僕はいつも、「作品(の良し悪し)と作者の性格・言動は別だ」と書いているが、それでも今回は観ない。この公演の良し悪しは主宰の言動とは関係ない可能性はあるが、その前に観ない。主宰に拒否感が生じたので、観ることができない。評論家でないので、苦痛を押して観るものでもない。評価する以前の問題だ。 (7/21 9:23)

(7/23 5:46) 上の件、その後の経過に大変幻滅した。クソなので それについては書かない。まあ、最初に気になった、原作(すごく有名な古典)を読まずに演ずるのに問題を感じず恥じない人(主宰でなく、問題を暴露した人)だけあるかも知れない。※ 初めに原作を読まないなら、一体何をしているのだろうと思ってしまう。音楽だったら楽譜を読まずに演奏する、ソフトなら仕様書を読まずに(リーダーなりに言われるままに)作るのと同じことだ。それを平気な顔して「それでも ちゃんとできたから問題ない」などと公言するのと同じことだ。お前は一体何を演じ・作ったのか?

※しかも、その人だけでなく、今回の公演では出演者のほとんどがそうなんだから(上に挙げた対談で確認できる)、信じられないほど、あきれる未満のレベルの低さだ。

これは作り手の言動・性格などでは全くなく、作品の作り方そのものの問題で、全く看過できない。

とにかく、いろいろがっかりした。あと、そういうことに最初に気付けなかった(目をつぶった)僕も馬鹿だった。

 

PS. 明日(てっきり今日と思って居たw)は彼らの"JavaScript"の初演なので、それに何とか間に合ったw

PS2. このブログには「演劇」のカテゴリがないのだが、僕の中では劇と「映画・TV」とは全然違うので、そこには入れていない。ついでに書くと、僕の中では、オペラやミュージカルも劇とは枠が違う。

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