Archive for 11月, 2022

今のサウンドカードが危うい(怪しい)ため、本腰を入れて次期DAC候補を探し始めたが、以前同様 何も残らずに呆れて居る。

国内メーカーのもので手頃で いいものがないので、「中国の店でも止むなし」と 再度13の候補を挙げたが、希望の条件(仕様(碌に公開しないメーカーもある)や特性)を満たし、絶対に許せないポップ音が全くしないものは1機種しかなかった。

更に、その残った機種について詳しく調べていたら、ESSのDACチップの新たな問題が見つかって、再び候補が なくなった。

その問題は、奇数次の高調波歪みの大きさが出力の振幅に従って正弦波的に変動するというものだ。 (→ 参照: Archimago's Musings: "Hi-Res THD(+N) vs. Output Level Measurements (ESS "HyperStream" vs. AKM vs. TI/Burr-Brown). And a bonus R-2R!" (2022))

仮にそれらの高調波歪みが聞こえないレベルだとしても、(先日知った)hump問題同様 おかしな挙動をするものは嫌だし、ゴ○ブリのように他にも まだおかしなことが隠れていそうではないか。そもそも、こういう高調波の出方をすると、音楽を再生すると(振幅に合わせて)時間的に音の成分(組成)が変化するはずで、音が変質するのは避けられないと思う。

良く、「ESSの音」※と言われているのは、そういうところから来ているんじゃないかとすら疑う。

※実際の音は分からないが、ESSに比べてAKMは「地味」と書かれることが多いから、派手とか高音が強目に聞こえるのだろうか。

あと、この問題は もちろんデータシートには書かれていないし、普通に特性を測っただけでは発覚しないし、(humpと違って)外付け回路では回避できないから、以前知ったCirrus LogicのADCの超高域の雑音増大に似た、余りにもひどい落し穴に思える。

それで、(今までのところ)ESSよりは ずっとマトモに思えるAKMを使った機種で、限定的な場面(例: PCMとDSDの切り替え時)だけでポップ音がするものでもいいかと思い、ポップ音が出る条件を調べようとしたが、メーカーは「店に聞け」だし、中国の店はサポート不能(対話不可)※なことが分かって確かめられず、そんなことでは買ったあとで問題が起こってもどうしようもないから、再度「候補なし」となった。。。

※例: Ama.のマーケットプレイスで、具体的に場合を挙げてポップ音が するかしないか聞いたら、以下の返信(ママ)。自動翻訳?? (にしても、笑う要素が全くない。)

こんにちは、あなたの手紙をありがとう。私たちはあなたが言ったことについて話し、技術者に相談し、私たちに返信することは騒音にならないでしょう、ありがとう!

これは想像だが、仮に英語や中国語で書いても同じだと思う。いい加減な回答を繰り返して、時間を引き延ばされて自然消滅するだけだろう。実際、以前AliExp.では英語で やりとりしたが、店は証拠なしで こちらの主張を認めないだけで何もせず、AliExp.の強制裁定(?)まで待つしかなかった。

日本の会社が代理店になれば いいと思うが、(特に安い)DACなんて手間が掛かるうえに需要が小さくてメリットがないのか。

 

結局、今のサウンドカード(ASUS Essence STX II)が とても貴重なことを再認識した。これ以上壊れないように大切に使うのは当然だが、先に書いた変な歪みが出る問題を直したり延命的なことをするため、同じカードのジャンク的なものを買って(あるいは それを2枚買って)「ニコイチ」みたいにするのが いいのかも知れない。

他には、もう少し時間が経って、各製品がESSからAKMに戻る※のを待つことか(それでも中国の店の低レベルサポート問題はあるが・・・)。ただ、そういう フラフラする、言ってみれば音に無頓着なメーカーを信じていいかは大いに疑問である。

※元々AKMを使っていたのが、火災で品薄になってESSに換えたメーカー・製品が多い。

 

参考: DAC(・サウンドカード・オーディオインタフェース)に希望する条件と候補と落とした理由

多くの条件のうち、必須のものと理由を重要な順に挙げる。

  • Linux対応: 使えなかったらどうしようもない。
  • ポップ音がしない。: オーディオなので、ポップ音が したら話にならない。
    • 調べると ほとんどの製品で するようだが、みんな我慢しているのか、聞こえないのか、無頓着なのか、諦めているのか?
  • 3万円以内: 昔と違って、お金を ふんだんには使えない。
  • 特性(条件明記)を公開している。: 隠すのは嫌いだし、「音の良さと数値は関係ない」とかいう非科学的な姿勢は大嫌いだ。
  • 特性(測定結果)のグラフ(例: 周波数・振幅-THD+N)が公開されている(他者(例: Audio Science Review Forum, ASR)の測定でも可)。: ひどいものは耳閉感が起こることがあるので、グラフで確認したい。
    • 少し前に知ったが、ASRは製品を送れば無料で測定しれくれるようなので、自社でできないなら そうすればいいと思う(だから、ASRのレビューには中国メーカーの製品が多い)。
    • 多くのメーカーがそうすれば、ある程度客観的な比較手段になるではないか。
      • まあ、実際には自社で測定したけど公開したくない・客観的に比較されたくないのかも知れないな。知らんけど。
  • ESSとCirrus Logicのチップでない。: 問題があったり特性がひどいので。
    • ESSでもhumpがなければ良しとする。
      • その後、本文に書いた不可避な問題も発覚したので、ESSは全部却下になった。
  • THD+N, SNRまたはダイナミックレンジが僕の基準より良い。: 経験上、ある程度良い特性でないと音が悪く感じるし、耳閉感すら起こるので。
    • 人によって変わるし、絶対値に意味は ないから基準の値は書かないが、概ね今のサウンドカードの値である。
  • DACのフィルタが変えられる。: フィルタの特性によっては耳閉感が起こることがあるかも知れない(未確認)ので。
  • 外付けならUSB以外に光か同軸入力もある。: USBの音切れやジッタやPCからの雑音流入が気になるので、予備として。

候補を落とした理由(重要な順)で分類して列挙する。

  • DACチップがESS
    • TOPPING DX3 Pro+, E50, D10s; S.M.S.L. DO100, SU-6; MOTU M2; ASUS STRIX RAID PRO
  • ポップ音が出る、かつ、サポートが駄目
    • S.M.S.L. D-6, Sanskrit 10th MKII, 同MKIII; Sabaj A10d(旧版); TOPPING E30II
  • 特性(一部非公開, ひどい), USBのみ: Zoom UAC-2

ちなみに、最後まで残ったのはTOPPING DX3 Pro+だが、ESSの新たな問題が見付かったために落とした。

これの前の版(AKM)が良かったが、中古しかなく高いので諦めた。

上を改めて見ると、Zoom UAC-2の特性(ひどいと言っても、偏差は微小)に目を瞑れば可能性がありそうだが、結構古いし、(以前 用途が違うと書いた)音楽用だし、他の項目は どうだろうか・・・ (← 更に調べたら、音楽用のため、音を作っている(特性が悪いのは その影響)とのことなので、完全に却下となった。)

ほかに、調べている途中でEVGA NU Audio Cardというサウンドカードが出て来て良さそうだったが、高過ぎる(6万円前後)ので却下した。

 

(15:47) 書いたあとで上限を5万円まで上げて再度探したが、やっぱり何も残らなかった・・・

一つ惜しかったのは、IK MultimediaのAXE I/O Soloというオーディオインタフェースだ。ギター用らしいので基本的に無理がありそうだが、DACとADCがCirrus Logicらしい(公式情報なし)のと、特性がもう少しなのと情報が少な過ぎるので却下(保留)にした。

(18:01) 実は、もう一つあることはある。Solid State LogicのSSL 2または2+だ。定評のあるオーディオインタフェースらしいが、残念ながら特性は今一つで、マイクでの測定に使っているFocusrite Scarlett Soloよりは良いけど今のサウンドカードより悪いので、交換しても気分が良くないのは明らかなのが惜しい。なので、今のが壊れて他になかったら買いたい。

(12/2 9:07) その後の調査・比較と妥協の末、以下が候補となった(欲しい順→良い逆順※)。

(※12/3 6:30 その後 特性を再確認していたら、AXEのTHD+Nの条件が他と異なっていて(A特性)良く見えて居たので、結局、「消去法的には」iD4が一番良くなったものの、取り立てて魅力的でない。。。)

当初の条件に反して全部 音楽制作用※だし(しかも、ギターなんて やらないのにギター用が多いしw)、DACはCirrus Logic、ADCはCirrusまたはESSだが、他にないので仕方ない。

※理由はあって、国内に店があって まともなサポートを受けられるのは この辺り(音楽やPA関係)だからだ。実際、問い合わせたら、(C国や個人経営と違って)普通にちゃんとした回答が来て感動したw

以前も書いたけど、そういうことなら、多少高くなっても代理店のような要素は必要だ。

もちろん、国内のオーディオメーカーもあるが、機種が少ないうえに希望する特性のものは高過ぎる。もちろん、今までの経験から個人経営の会社は論外だ。

おもしろいとか不思議なのは、国内の音楽やPA関係の製品(例: ヤマハ, TASCAM, Roland)の特性が良くないものばかりなことだ。きっと、やみくもに特性を追うよりも、実際に使ううえでの安定性とか耐久性を重視して居るのだろう。あと、もっとお金を出せば あるのかも知れない。

が! そもそも、今は何も困っていない(サウンドカードは綺麗な音を出している)ので 無理してすぐに買う必要がないことと、買ったもので耳閉感が起こったらどうするかという大問題を思い出し、まずは、耳閉感の原因を調べて それに掛からないものを探し、なければ対処(予防)方法を見付けることにした。

 

PS. 寿命(劣化)で買い替えと言えば、他にスマフォもあるのだが、果たしてどっちが優先なのか、結論が出ていない(出そうとしてない)w

まあスマフォは僕には単なる道具だが、DACは趣味のためのものだから、結論は明らかだ。

そう言えば、偶然か、「これ」というものがないことと目標価格は どちらも同じだw

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いつからだったか、PCのサウンドカード(ASUS Essence STX II, 以下ASUS)で収録した音の右の歪み(全高調波歪み率, THD)が左より大きいことに気付いていた。劣化だと思って放置していたのだが、先日 とあるDACを試用した時の測定で気になって、ちゃんと調べてみた。

すると、振幅(音量)が大きい(例: -10dBFS)場合に2次高調波が大きくなっており(例: 左チャネルの約3倍)、それでTHDが大きくなっている(例: 左チャネルの約2倍)ことが分かった。

問題の部位を探す。

原因として、サウンドカードのDACまたはADCの右チャネルの特性が劣化していると考え(最初は、以前壊して直した(+性能が悪いので嫌いなw)ADCだと思った)、右(出力)→右(入力), 同右→左, 同左→右のように たすき掛けで特性を測定・比較したところ、入力するチャネルに関わらず、右で出力した場合に歪みが大きいので、右のDAC部が劣化していることが分かった。

過去の測定データから 劣化が始まった時期を調べたら、どうやら2021年3月辺りのようだ。この頃に過大入力でADCの入力部のオペアンプを壊して直したが、それに関係あるのだろうか?: グラフでは、最後の正常だったデータ(上の青: L, 赤: R)では左右の差が小さいが、ADC修理後(黄緑, ベージュ)は左右に差ができ、その後差が出る帯域が広がって現在(下の青, 赤)に至る。

なお、不思議なことに雑音に左右差はない。ここに何かヒントがあるかも知れないと思ったが、DACから出力していないので なさそうだ。まあ、(雑音の多い)ADCに問題がない証拠では あろう。

DAC部の劣化する要素としては、以下の可能性がありそうだ。

  • DACチップ
  • 周辺のアナログ回路
    • I/V変換回路(DACの出力を電圧に変換する)
    • ライン出力バッファ(等倍アンプ: マニュアルにはLPFと書いてあるが、旧版ではバッファとなっている)
  • 電源回路(上の3つのそれぞれ)
    • 特に電解コンデンサ

DACチップの片チャネルだけおかしくなるということがあるのか、分からない(ただ、以前はオペアンプの半分だけ壊れたのであるかも知れない)。電源の電解コンデンサが劣化することは大いにあり得る。ただ、気軽には交換できない。

(11/28 10:47) DACチップPCM1795Aのピンを見ると、左右チャネルの出力用電源(VCC2L/R, AGND3L/R)が別になっているので、その右側用(バイパスコンデンサ?: 写真右側のぐるっとチップを取り囲んでいる金・銀色のうちの一つ・・・)が駄目なのかも知れない。

そこで、たまたまサウンドカードに交換用オペアンプ(LME49720)が添付されていたので、I/V変換回路と出力バッファのオペアンプを交換して試してみた。: まず、出力バッファのオペアンプ(1個)を換えてみたが、歪みに変化はなかった。次に、I/V変換回路(2個)の左右を入れ替えてみたが、これも変化はなかった。

すると、残りは、周辺回路の受動部品(コンデンサ・抵抗)か電源回路かDACとなる。どれも容易には交換できず、交換しても成功するとは限らないので、新しいサウンドカードや外付けDACに交換するのが良さそうだ。

とは言え、今までに書いて来たたように、なかなか「これ」という候補がないので、ソフト(信号処理)で暫定対処してみた。

暫定対処1: 振幅を下げる。

ます、振幅が大きい(約-16dBFS以上)場合に左チャネルより右チャネルの歪みが増すので、DACに入れる振幅を下げれば歪みは増えないと考えて、DACの前にアッテネータを入れてみた。試行錯誤したところ、アッテネータの減衰量が16dB以上なら歪みは増えないので、16dBにした

目論見どおり、歪みの左右差はなくなった。が、何となく音が悪い気がした。16dBは約2.7ビットに相当するので、それなりに音は劣化しているはずだが、それ以前に気分が良くない(数値もそうだが、趣味なので これは重要だ)。それに、振幅が小さいため、全体としての歪み率は減らないし(元のグラフ対処後のグラフの左上の囲いの中のTHDの値を参照)、小さくしたものを再度アンプで大きくするのは とても馬鹿らしい。

再考

そこで、そもそもに戻って2次高調波が増える原因を調べたが、なかなか分からなかった。が「KAKUSAN真空管アンプ」の「2次歪みの打ち消し その1」という、おっ!と思わせるページがあった。このページは、(自作アンプの製作の際にも参考にした、)「私のアンプ設計マニュアル」の「真空管で発生する歪み(負帰還の予備知識)」を参考にされており、それを読んだら、2次高調波が増えるメカニズムが少し分かった気がした。

要するに、回路(アンプなど)の正負の特性が非対称になっているようだ。非対称になる原因は分からないが、やっぱり電源、特に電解コンデンサの劣化で正負電源の能力が非対称になっている、つまり、負荷の高い時にどちらかが電圧降下してしまうのではないかと想像する。

上は良くありそうな考えだが、良く考えると、PCの電源はそんなにヤワじゃないし、DACやオペアンプが そこまで電力を消費するとも思えない(とは言え、DACやオペアンプの周りに電解コンデンサが並んでいるところを見ると、やっぱり消費するのか)。それに、調べては居ないが、元々DACやオペアンプはPSRR(電源電圧変動除去比)が高そうではないか(でも、コンデンサを並べるってことは、それほどでもないのか)。

ASUS Essence STX IIのDACとI/V, バッファ(LPF)周辺

仮に電源でないとすれば、DACやオペアンプの劣化(損傷)なのだろうか?

(11/27 9:55) 上の他に、リレー(写真の白い長方形)の接点の劣化の可能性も ありそうだ(こういう症状になるかは不明)。

結局、電解コンデンサの交換に帰着して容易でないことに変わりはない。が、最初に挙げたページから「歪みを打ち消す」という発想に気付き、回路でなくソフトでやってみることにした。

暫定対処2: 歪みを補償(キャンセル)する。

つまり、右チャネルの信号をDACに出す直前に、DACで発生するであろう歪みを引いておけば、歪みが出なくなるのではないか。早速JACK(JACK rack)のモジュールを探すと、Harmonic generatorというのがあり、まさに2-10次までの高調波が加えられる。それで、波形(1kHzのスペクトラム)を見ながら、加える量(係数)を調整したところ、0.000035が良さそうで、見事に歪みが減った。予想に反して符号が正だった(引くのでなく足した)が、参照したページと逆の歪み方をしているのかと想像している。 (以後、HD2Cと呼ぶ)

その後、広い周波数帯域・振幅で調整して係数を0.000017とした。※ グラフ(再掲)で、右チャネルの歪みは下側の赤(補正前)からピンク(補正後)まで減り、左チャネル(下側の青)に近くなっている。

※補正係数に単位はなさそう(比)だが、歪み率の差に近いようだった。

なお、いいのか悪いのか、音(聴いた感じ)に特に変化はない模様だ。そもそも、歪みが多いと言っても絶対値は小さい(増えている場合で0.002%など)し、今まで聴いていて歪みが多くなっていることに気付かなかったのだから、その歪みが小さくなっても違いが分からなくて当然な気がする。※ 逆に、数値としては問題なくても、補正処理で音が何らかの劣化をすることや、時間経過でDACの劣化具合が変わって係数が合わなくなることが心配なので、しばらく様子を見たい。

※聞こえないからと言って放置する気には全くならない。それではラジオと一緒だ。: まず趣味(オーディオだけでなく、計測・測定も)だし、良くない状態を なかったことにして使い続けるのは嫌だ。

とは言え、僕は数値特性至上主義ではない。数値が良いだけで いい音は出ないのだろう。かと言って「耳・感性がすべて」などと言うのには大反対だし、似非・疑似科学なんて もっての他だ。もちろん、何の根拠もなく・提示せずに「音がいい」などと言うのは論外だ!

では何かと言うと、「腐った機器で いい音は出せない」だ。最低限クリアすることがある。例えば、特性のしきい値、実装の常識があるはずだ。「音がいい」とい言うのは それからだ。

あるいは、おいそれと物理法則を覆すことはできないってことだ。もし覆したなら、隠さず・誤魔化さずに論理的に説明して欲しい。

でも、そんなことより重要なのは、音の良さと演奏の良し悪しは全く関係ないことだ。どんな機器でも いい演奏を楽しみ、感動することはできる。

それに、そういう微小だけど広範囲な歪みは ちょっと聞いただけでは分からないけど、再生音の微細な ところや全体の雰囲気に影響を及ぼすかも知れないと思う(それは時間を掛けて検証しないと確認できない)。

 

ところで、こういう歪み低減方式は見たことがないが、アナログアンプのフィードフォワードみたいなものだろうか。そして、この方式なら、2次高調波に限らず幅広い高調波歪みが減らせ(補償・キャンセル)そうだが(実際、試した時は左チャネルより歪みが小さくなった)、採用しないのは何か理由がありそうだ。

そもそも、固定の小さくない歪みが出るのは回路がクソ駄目だからで、設計時や出荷前に直す・調整するだろうし、出荷後や稼働(再生)中にダイナミックに歪みをキャンセルするのは困難だからだろう。それでも、電源on直後とかの初期化時や無音時やマニュアルで補正係数を求めれば それなりに効果がありそうな気がするが、きっと余り良くないことがあるのだろう。

大体、自分で やっておいて なんだが、効果が すご過ぎて信用できないw

まあ、微細な歪みを測定できるADCは高いし、プロセッサを付けるのも面倒だし、それで雑音が増えるだろうから、手軽ではない。

今気付いたが、これは処理としてはイヤフォンやヘッドフォンのANCみたいなものだ。だから、そのうち出て来るかも知れないな。そういえば、デジタルアンプであった気がした。 (→ 例: DDFA: これはフィードフォワードでなく、普通のフィードバックのようだ。)

 

One more thing... (また思い付きだよ・・・w)

これとは別に、歪みの値や交換用オペアンプ(LME49720)を眺めていたら、例によって思い付いた。: 折角だから、現状のもの(I/V: MUSES8920, バッファ: MUSES8820)よりLME49720のほうが特性が良いなら交換したくなった。調べたら、MUSES8820は歪み率やスルーレートが他より悪いようなので、(標準をこれにした理由は 何かあるのだろうが、)LME49720に交換してみた。

ちなみに、「オペアンプの音」というのは余り信じてはいないし期待もしていないものの、音質比較のページもいくつか参考にした。 (→ 参照1, 参照2, 参照3, 参照4: これに一番「背中を押された」かも?^^)

個人的には、本当に音が変わるとすれば、オペアンプのチップを換えることで特性が変わる以外に、それで微妙に回路の挙動が変わるために、特にダイナミックな特性や消費電力の変動特性が変わるためではないかと思う。そして、僕は その変化があることが良いとは思えない。特性の違いによる変化は あるべきだが、それ以外の変化は想定外の事象だと思う。

特性は全く変わらなかった※ものの、(気のせいや耳の調子の関係やプラシボ効果だとは思うが、)音は変わった。: 高音が少し強い感じで、音が軽目になった気がする。これもしばらく様子を見たい。

※ADCやサウンドカード(実装)の限界で 違いが測定できなかった可能性もある。

 

本題に戻るが、LME49720に交換しても特性(歪みの左右差も)が変わらなかったということは、少なくとも出力バッファ回路、特に電源関係の劣化は問題なさそうだ。もし劣化しているなら、オペアンプの交換で消費電力が微妙に変わって歪みの出方が変わるはずだと思うからだ。

 

その後 (11/28 9:32)

例によって、とりあえず対処出来ただけで安心することなく、(飽きずに)再挑戦、見直しなどをしていた。疲れたので簡単に書く。

  1. 再度、歪み増大の原因(箇所)の究明とハード的な対処の試行をしたが、成功せず。
    1. 問題の起こるライン出力とヘッドフォン出力の歪みを比べてみた。 → ヘッドフォン出力の歪みは大きいものの、左右の歪みの差がなかった。 (→ グラフ: 濃色: ライン出力, 淡色: ヘッドフォン出力)
      • ヘッドフォンアンプへ信号が分岐される、I/Vのあとのリレーの接点、バッファ、もう一個のリレー、コンデンサが悪そう。 (信号経路は下の接続図を参照)
        • だが、ヘッドフォン出力は左右ともに2次高調波が大きい(歪みは ほとんど2次)ので、違うのかも知れない。
        • が、ここにヒントがありそう。
    2. 基板を見てDACから出力までの回路を推定した
      • DACからライン出力までの接続は以下である。部品番号は基板の写真を参照のこと。
        • ライン出力 ← RL2 ← C3/4 ← バッファ (A3) ← RL1-1/2 ← I/V (A1/2) ← DAC
          • A1/2: I/V用オペアンプ (2個: LR)
            • 1個ずつ、左右それぞれの正負を処理する。
          • A3: バッファ(LPF)用オペアンプ
          • RL1-1/2: ライン出力とヘッドフォン出力切り替えのリレー(2個: LR)
          • RL2: ライン出力ミュート用リレー?
          • C3/4: 出力のカップリングコンデンサ(2個: LR)
    3. 出力のカップリングコンデンサの劣化の可能性を考えてスキップしてみた(コンデンサ(C3)の手前から出力を出した)が、効果なし。
      • まあ、電源でなく信号だし、それほど熱くなるとは思えないので、劣化している可能性は低い。
        • しかも、片チャネルだけどいうのは余りなさそうだ。
    4. リレーの接点の劣化の可能性を考えて、I/Vのあとの1個(右用: RL1-1)をスキップしてみたが、効果なし。
      • まあ、寿命になるほど使っていないと思う。
    5. カップリングコンデンサとリレー(2個)をスキップしてみた(リレー(右用: RL1-1, RL2)とコンデンサ(C3)を短絡させた)が、効果なし。
      • 出力端子に並列に抵抗※があるのを忘れていて、最初のコンデンサのスキップでは不充分だったかも知れないと思って試した。
        • 論理的に考えてもシミュレーションでも影響がないのは分かっていたが、試した。
        • ※アナログテスターのため、抵抗値が50Ωか50kΩか判然としなかった。が、もし50Ωだったら、小さくてオペアンプが過負荷になっている可能性もある。
          • が、そんなに小さい抵抗を付けるほど常識がないとは思えないし、左では問題が起こらないのには合わない。
    6. → やっぱり「手に負えない」 → DACを買う必要がある。 → 細かい条件の検討を開始した。
  2. 上の変更を元に戻す時に、再度オペアンプを交換してみた。
    • 思い付き・直感(毎度懲りないw)でやったのだが、その後、PCM1792Aのデータシートの外付けアナログ回路の推奨オペアンプの説明("APPLICATION CIRCUIT"の"I/V Section", "Differential Section")を参考にLME49720とMUSES8920の特性を比較したら、(後付けの論理ではあるが)悪くなさそうなことが分かった。
      • I/V: LME49720
        • TIのデータシートによれば、バンド幅, セトリング時間, スルーレートが重要そう。
        • → バンド幅が広いため これで良さそうだ。また、低歪み・低雑音でもあるので、これを前に入れるほうが良さそうだ。
      • バッファ: MUSES8920
        • 同、低雑音が重要そう。
        • → 測定方法によるが、こちらも低雑音な感じなので良さそうだ。
    • 特性を測ったら、全域で わずかに右の歪みが下がったが、なぜか左は変わらななった。 → この辺り(DACからI/Vの辺り?)が歪みの問題に関係ありそう。
    • また、右チャネルの歪みキャンセル処理(HD2C)後の歪みが より左に近くなった
    • ちょっと聴いてみると、LME49720をバッファにした時より良い感じ(馴染める、耳閉感が起こらなそう)と右の高域がクリア(だけどキツくない)になった感じだが、まあ、気のせいや体調の関係だろう。
      • ただ、好みの音ではある。
      • 全体としてはオリジナル(I/V: MUSES8920, バッファ: MUSES8820)に近い。
  3. HD2C(DACに出す前に高調波を加えて歪みをキャンセルする方法)の副作用などが見付かった。
    • 高調波を加えるために振幅が大きくなって、DACでオーバーフローする可能性がある。
      • → たまたま、部屋の特性補正のためのフィルタの前に(念のため)1dB下げている(約0.89倍)ので、問題は起こらないことが分かった。
    • 低域の位相が少し進む(50Hzで約8°)。
      • 気にはなるが、部屋の特性補正のためのフィルタでは もっと変わるので、大きな問題ではない(止むなし)とした。
    • 低域の振幅がわずかに下がる(20Hzで0.5dB程度)。: 高調波を加えるために使ったHarmonic generatorのため。
      • 微小な差なので問題はない。
    • どれも致命的な問題ではないが、調子に乗って「全部の高調波を減らして歪み0にしそう!」なんてやったら ひどいことになってそうだ。(上に書いたように、)「(余計でもそうでなくても)処理は増やさないほうが良い」という直感は正しかった。
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はじめに、このレビューはSoundFortの技術の方が回答拒否した、ユーザーによる測定結果に基づいているので、彼らは読まない・無視するだろうから、歯に衣着せずに書く(だから、気を遣う必要がなくて却ってありがたい)。

僕が されたことへのお返しに、SoundFortによる いかなる反論にも「回答を差し控える」。「ユーザーによる勝手な測定結果は見ない」なら、到底マトモな反論はできないだろう。「測定結果は見てないし、証拠も出さないけど、それは違う」とか言うの? まあ、勝手に言えば?

ユーザーによる測定結果に取り合わないのは良くあることだが、音や技術だのに拘っていると豪語している割には随分いい加減で都合がいい。最初に心配したとおり、(個人のキットや個人が興している会社に多いが、)俺様とか独善とか偉そうな、自分を崇めない人からの意見を無視・排除する態度が大嫌いだ。

下らない製品に付き合うのが馬鹿らしいので、詳しくは書かないことにし、とりあえず、レビューの体裁には しておく。

(11/28 19:44) その後、試用機を返送して到着したはずなのに連絡はなく、レビューキャンペーンとかいうのに申し込んだのに受理通知も もらえるはずだったギフトの通知もなく、騙された感じだ。キャンペーンのページには「自社は いくら悪く書いてもいい」みたいなことが書いてあったけど、実際にはそんなことはなく、(最初に予想したのだが、)都合の悪いレビューは無視して なかったことにするのだろう(だから いいレビューしか載ってない?)。

送信しても自動返信メールが来ない謎システムは、こういうところに役立てているのかと思ってしまう。

まあ、キャンペーンでもらえるはずだったAmazonギフト2千円を宛てるつもりだった試用機の返送料は、ここに会社としての体をなしてないことが分かったことの勉強料だと思って諦める。本当に馬鹿らしいが、良く考えずに軽い気持ちで応募した僕がアフォだった。

***

SoundFort DS-200が無料で試用させてもらえるので、次期DACの検討を兼ねて評価した。あらかじめ書くが、全部「おま環」で良い。どうせ証拠なしに否定されるんだから。

結論: × (1/5): 何も良いことがない。

音質: × (1/5)

最初は高音が はっきり出るようになった(強目になった)と思ったが、実際には不自然な音だった。しばらく聴いていたら耳閉感が起こったし、段々、音が悪く、あるいは、不自然に感じるようになった。

測定結果を送らずとも、仮に彼らに「耳閉感が出る」と送っても、「各自の環境・体調などに依存するので分からない云々」で済まされるのは火を見るより明らかだ。が、現にDS-200で聴くと耳閉感が出て、元のサウンドカード(ASUS Essence STX II、以下ASUS)に戻すと治るので、(測定するまでもなく)DS-200は明らかに音が悪い。

使い勝手: × (2/5)

話にならない。ACアダプタの電源を切ったら、次に電源を入れる時はアダプタをonにして更に電源ボタンを押さなければonにならないなんて、使いにく過ぎる。なぜ、わざわざ電子スイッチにしたのか理解不能だ。※ 無駄もいいところだ。機械スイッチのほうが百万倍良い。不便でしょうがないので、輪ゴムなどで対処した。

※ACアダプタは常時onで? 発火とか絶対にない? 保証できる?? それなら大したものだ。

電源on/off時には小さいがポップ音が出る。あらかじめ読んでいた気がするが、まあ、「オーディオ機器」としては お粗末な限りだ。

ちなみに、今のサウンドカード(ASUS)は そんな雑音は全然出ない。当然のことだ。

期待していなかったが、DACのフィルタも変えられない。「デジタルフィルターのチューニングにより」とか書いてあるが、何をチューニングしたというのか、是非教えて欲しい。当然ながら、外付けデジタルフィルタの訳はない(もしそうなら、仰々しく書くはずだ)。単にPCM1795のデフォルトのsharp(fast) roll-offのままじゃないか(実際、こちらの質問にsharpかfastと答えていた)。

特性の測定・評価結果: × (1/5)

振幅位相歪みは問題ないが、僕にすれば、さまざまな雑音(ノイズ)が ひどい。少なくとも以下の4種類の雑音があり、多くはレベル(音量)は小さいものの、上述の耳閉感を引き起こしているように推測する。

  • [常に] 34-35kHz: 消費電力に依存して周波数が変わるので、電源からでは? 調べても分からなかったが、ACアダプタのスイッチング周波数?
  • [常に] 100Hz-1kHz辺りの広目の雑音(時間とともに周波数が上がる): これも電源からでは?
  • [同軸接続時] 100Hz-10kHzまでの広い範囲の雑音: 何かは分からないが、余りにもひどい。
  • [USB接続時] 8kHzの高調波(振幅が大きい): USBのフレームノイズでは? (→ 参照: "4.3 USB frame and packet noise")

きっと、上の全部を合わせても仕様のSN比は満たしているのだろうが、僕から見れば ものすごく お粗末だ。まさか、「聞こえなければ問題ない」とは言わないとは思うが、もしそうだったら ラジオの修理レベルだよ?

ユーザの測定結果は門前払いだし、聞こえはしないものの、聴いた感じが「なんか変」と言ったとしても、「こっちでは再現しない」、「環境依存」、「個人差」、「気のせい」などど言われて門前払いされるだろうから、ラジオと同じレベルの対応となって泣き寝入りするしかない。

そういう対応なら、そもそも32ビットも24ビットも何百kHzもDSDも全く要らなくて、CDレベルでお釣りが来るから、製品の存在意義がないよ?

だが、オーディオ機器は、本来、そういう とても微妙な感覚が対象の製品のはずなのに門前払いでは、大問題だし存在意義がない。

結局、「いい音だ」、「素晴らしい」とかいう褒め言葉しか聞きたくない・見たくない、この界隈に良く居る 技術者面したオ○ニー野郎なんだろうか?

雑音について

雑音は同軸接続(グラフ: ベージュ)が一番ひどかった。USB(グラフ: 青)も8kHzの高調波の鋭いピークが多くて良くないし、光(グラフ: ピンク)もUSBも同軸に負けずに広範囲な山があった。結局、どうしても雑音は避けられないようだ。いくらレベルが低いとは言え(いや、USBの雑音は決してレベルが低くない)、これは許容できない。というのは、雑音の嵐と呼ばれるPCに挿しているサウンドカード(グラフ: 灰)に完全に負けているからだ。

「ピュア&クリーンな電源回路」とかデジタルとアナログの基板を分けて「アナログ/デジタル回路間の干渉を大幅に抑制する」とか書いてあるが、効果が見えない。単にスペースの都合で分けたのはないのか。電源とUSBの雑音がアナログ出力に盛大に出ているからクリーンじゃないし、アナログ・デジタルが分離されているようには見えない。

(11/25 20:02) 試す前に、一体DACのチップは どちらに載っているかと思ったが、サイトの写真を良く見ても分からなかった。デジタル基板だろうとは思ったが、では、それに繋がるI/V変換部はアナログ基板に載っているのだろうか? そんなの論外だろうからデジタル基板とすれば、やっぱり分離できていない。じゃあ、I/Vはアナログ基板に載せて そこまで線を伸ばしているのかも知れないが、さすがに ありえな過ぎる。

だから、「デジ・アナ基板分離」はキャッチフレーズで、単にスペースの問題か ただ分けたかったからそうしたと見る。無意味も いいところ。この製品には そういうのが多いな。

「雑音なんて おま環だから分からない」と言われてもいいが、いつも それで済ませて平気な顔をするなら、余りにも対応範囲の狭い、自分のところだけでしかちゃんと動かないものではないか? それなら、まず自分の環境と それでの測定結果を示して、「これ以外は知らん」と書けばいいのに。

そもそも、「他は分からない・知らない・見識がないからコメントできない」(このやり方は政治家に多いね)程度の、要するに何も分からない人が、良くオーディオ「製品」を作って売れるものだと思う。

買うか買わないか: 当然、買わない!

コメント

敢えて言おう、「腰抜け」と! 悔しいなら、自分たちの雑音の測定結果のグラフを一個でも出せ! どうせ「環境依存」で逃げるだろうが。

 

PS. 僕の環境とか聴いた曲と印象などの記録はあるから、聞かれれば いくらでも書く。ただ、誰にも聞かれてないのに、大きな意味のないものを ご丁寧に書くのは馬鹿らしいので省略した。それ以外にも、書こうと思って居たことは いろいろあるが、省いた。

PS2. 例によって思い付きで することには碌なことがなく、苦労する意味のないものを試してしまったが、一つだけ収穫があった。これの雑音のおかげで耳閉感の原因(の一つ?)が掴めたかも知れないのだ。かなり小さくて、あるいは、可聴域外で聞こえない雑音でも、耳閉感を起こすことがあるのではないかと推測している。その原因の雑音を生成する方法を考えて、試行・調査している(ただ、耳にキツいので余りやりたくない)。

PS3. あ、もう一個収穫があった。: JACKを今までちゃんと動かなかった、44.1kHz以上の96kとか192kHzで ちゃんと動かす方法・設定が確立できたことや、同じくJACKでUSBのDACを ちゃんと動かせるようになったのは大変な収穫だ。結構苦労したが、ありがたいw

前者のおかげで、自作アンプBA3886の超高域(20k-50kHz)の動作に問題がないことを確認できて、安心した。ありがたい ありがたい ありがたい。

 

(11/23 19:00 加筆)

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(なぜか分からないが、オーディオネタは長くなるようだ。)

以前書いたように、僕のPCのサウンドカード(ASUS Essence STX II)が経年劣化で怪しくなって来ている(まあ、PC全体がそうだが)。すぐに壊れることはないだろうが、趣味や暇つぶしを兼ねて次の候補を考えている。

以前から書いているように、次期PCは(来年辺りには いろいろ出て来そうだと期待している)ARMデスクトップにしたいし※、まともなサウンドカードは絶滅しつつあるので、次は外付けDACになるだろうと考えている。すると、その心臓や脳とも言えるDACチップは何が良いかを考える必要がある。

※ARMのPCでもPCIeカードは使えるだろうが、ドライバが対応しているか怪しいため、内蔵カードは避けたほうが良さそうだ。

とは言え、チップだけで音や性能は全く決まらず、フィルタ※や周辺の回路が重要だ。

※近頃実感したが、チップのデジタルフィルタは本当に重要そうだ。

が、僕としては、元々性能の低いものや問題を はらんだチップは選びたくないし、趣味なので、気分的に嫌なメーカー・製品は選びたくない。そういう観点で現在主流のDACメーカーを検討すると、以下のようになる(概ね、心情的に好ましい順)。

  • △+ TI: いいものは元BBのPCM179xシリーズに限るが、古いため採用製品が絶滅している。
    • あと、詳細なアナログ性能を出しているものの、THDチート※が分かって気分的に嫌(「信じてたのに・・・」的)になった。(けど、どこも やってるみたいだ・・・)
  • △ AKM: 詳細なアナログ性能が非公開なので、気分的に嫌
  • × ESS: 詳細なアナログ性能非公開で気分的に嫌だし、"IMD hump"問題*は解決していないようだし、それに対処した製品が分からない。
    • 今もチップにその問題の原因があるなら、どうやって製品を選べばいいのか? ("No IMD hump"とか書いて欲しい! (けど偽かも知れない・・・))
  • ×× Cirrus Logic(オリジナルか旧CS?): 駄目なもの(「安物」)しかない(個人的印象)。
    • Focusrite Scarlett SoloのCodec(CS4272)はひどいし(Scarlettも ひどい)、今のサウンドカードのADC(CS5381)もひどい。 (→ PS2を参照のこと。)

※今のサウンドカードのDAC PCM1792Aのデータシートで、歪み(THD+N)が小さくなる条件(すべてのサンプリングレートで測定上限20kHz)で測定されている。

書いたあとで確認したら、ESSも20kHzでTIより更に簡単にしか書いてなかったので、TIはまだマトモなのかも知れない。なお、AKMは歪みなどのグラフはないものの、20または40(一部80)kHzだし数値が比較的多くてマトモな部類だ。

オーディオ機器の特性では40kHzや80kHzの帯域での値を良く見るから、そこらが標準なのだろう。ただ、回路の出来の評価・比較基準としては妥当だが、聞こえもしないところまで測る意味があるのかとも思う(まあ、「ハイレゾ」を うたう場合は必要そうだ)。

*ESSのDACチップを採用している製品の歪み(IMD)特性で、中間辺りの振幅の領域の歪みが増える(歪みグラフの線が盛り上がって見える)問題。周辺回路を うまく設計・実装しないと解決できないようだ。 (→ 参照1(2022): 最初の投稿の右のグラフ, 参照2 (2019): 投稿の最初のグラフ, 参照3(2019): まとめスレッドに投稿された解決・対処方法(なかなか面倒))

いつものように、「これ!」というメーカー候補すらなくなってしまったが、消去法(+同国のよしみ?)でAKMだろうか※と思っている。次点はTI(ただし、元BBの製品に限る)だ。

※PS2に書いたように、Cirrusと違ってAKMのADCはマトモなことが分かったのも印象が良い。DACとADCは違うが、企業体質は期待できる。

それから、前回いくつか挙げた候補は ほとんど却下となった。というのは、まず、(上述のように)ESSのチップは駄目だし、中国などの海外製品で国内に代理店がないものは、故障などの対応が面倒だから駄目だ。いちいち中国まで発送してられない(お金も時間も掛かる)。それ以前に、問い合わせても話が通らない可能性も高い。

今までの経験から、日本語にしても英語にしても、ちゃんと書いても ちゃんと読まない、読んでも分からない振りをしたり、時間稼ぎをして自然消滅させるフシがある。マトモなところもあるが、とても少ない。

更に、オーディオ用DACでなく、音楽収録用(PC用)オーディオインタフェースも余り期待できなさそうなので却下した。何と言うか、「良い音」(忠実度の高い音)にするための細かい工夫とかとか鑑賞用途には無頓着に思える。ScarlettやBehringer(イコライザ)は まさにそれだった。

それでは何に頓着しているのか、僕には良く分からない。: 堅牢性? Scarlettは駄目だったが。ものすごく微細は音はどうでも良くて、演奏(素材)が きちんと収録できれば良い? (スタジオ用途でなくデモ収録用ってこと?) だから再生性能は二の次? 演奏者や制作者にとっての使いやすさ? あとは、忠実性を追うよりもメーカーごとの音を出しているのか。

強引に車に例えれば、オーディオマニアが目指すものはスポーツカーやロールスロイスで、音楽用機器メーカーが出しているのはプロボックスとかハイエースみたいなことなのかも知れない。どっちが上とか良い悪いじゃなくて、目指すものが違うのだろう。

そして僕はスイフトスポーツみたいな「丁度いい」のが欲しいのだが、なかなかないとwww

あと、制作側が そういうものを使ってるのに、聴くほうだけ妙に細かくなる意味があるのかという疑問はあるが、実際には制作側が気付かない細部が聞こえて、(意図や本質でないにしろ)それが おもしろいかも知れないではないか。

そうだ! そもそも、演奏者や制作者が録る・作った音が「原音」なので、それがどんなに駄目な音でも、本人たちが"OK"なら どうしたって「駄目」になりようがないということを思い出した。厳しい。だから、Scarlettなどは、あれに満足して使う人が居る限り それでいいのだ。

言ってみれば、その「悪い流れ」がリマスターなのかも知れない。まあ、良い(例: 綺麗、迫力ある)音で聴けるのはいいけど、それでいいのかと思う。それは「原音」ではないのではないか?

もちろん、リミックスや再録なんて僕には論外だ。

だから、音楽用機器をオーディオに使うのは合わない。

そしてDACのwishlistは空になってしまった。が、そもそも、DAC+アンプ+スピーカーと別々に揃えるよりはデジタルアクティブスピーカー(DAC・アンプ内蔵スピーカー)のほうが良さそうだ。それならPCが何になっても使い続けられるし、アンプも要らなくなるし、セットとして整合が取れていてトータルでは音が良いはずだ。

実は、そういう合理的・論理的なことを最初に考えたのはでなく、たまたま、BBCの方のツイートのスタジオでの写真の背景に良さそうなスピーカー(おそらくDynaudio BM Compact mkII)が写っていて、それがアクティブだったという、ミーハーさだw

ただ、高いうえに音が僕に合うかは かなり不明(単体より調整・交換不可)なので、そう簡単には行けない。あと、一体型PCのような不便さはありそうだ。なので、これはPCもアンプもスピーカーも駄目になった時の話になるだろう。

あと、個人的な事情として、特性が良いだけでなく、音が耳に合う(例: 耳閉感を起こさない)必要があるが、そういう製品を探すのは不可能に近い。

 

いろいろ考え・選んでいるうちに、(今のアンプのように)DAC基板(Terra-BerryDAC 3)が見付かり、おもしろそう・良さそうな気がして いろいろ検討したが、概ね却下だ。: 音質にこだわっているように書いている割には、メーカーも他者も特性(グラフどころか値も)を全く公開していない。※ 結局、ターゲットやユーザー層が違うのかと思う。あと、問い合わせ対応も微妙だ。

※メーカーは測定していないのか、測定したけど出せないのか。どっちにしても論外だ。

測定して良い値が出たら出さない理由はないし、測定せずに「上級DAC」として出しているなら、それはもう・・・ 「音の良さは数値では表わせない」とか言うのは正しいが、製品が正しく作れたことのエビデンスとか客が判断するための参考値は必要だ。

(11/21 18:15) 一週間近く掛かって問い合わせへの回答がようやく来たが、ほとんど「話にならない」ので却下した。というのは、測定結果は一切出さず、「音質向上」をうたっていることの「聴感上の影響は不明」なのでは、一体何を信じればいいのだろうか? 一体、これの音質は いいのか悪いのか? 僕には全く分からない。まあ、信じる人が買って満足するものなのだろう。。。

そもそも、Raspberry Pi用のためPCから使うのが面倒で、USBからI2Sに変換する基板(Combo384)が要って直接的でないし、問題が起こる可能性が増えるのが嫌だ。それから、僕はUSB接続にも懐疑的だ。

 

その後 気付いたら、別の製品(SoundFort DS-200)の試用を申し込んで、いろいろ試して居るw※ これは今のサウンドカードのDACの系列のPCM1795を使っているので、(失礼な書き方だが、)他に何もなくなった時には頼りになりそうだ。

※やっぱり いろいろあって、試行錯誤している。

SoundFort DS-200を試用中。

今試す必要があるほど切羽詰まっていないが、無料で試せるのはありがたい。レビューを公開するとAmaギフト(2千円)がもらえることもある。評価結果は別の稿に書く予定だ。 → 書いた。全くの徒労だった・・・ (11/22 22:25)

 

PS. (本文には直接関係ないが、調べていて思ったこと) Audio Science Reviewのレビュー記事についての文句と感謝

ASUS Essence STX IIのレビューで、ASIOドライバの設定で16ビット出力しか選べないから それで測定して特性が悪くなって、「ひどい」("The Asus STX II despite looking otherwise, has a number of serious engineering problems.")とか「推奨しない」("my strong advice remains to spend your money on external DACs.")と書いているが、あとから16ビットでない設定ができて、まともな性能が出ることが分かっても(スレッドのあとのほうに書いてある)、本文・結論を訂正・修正しないのが すごくひどい。みんな誤解する。

ちょっと考えれば、16ビット出力では特性が悪くなるのは当たり前なのに、基本が分かっていないようだ。24ビット対応をうたうサウンドカードなのに、16ビットしか設定できないのは おかしいと思わないのだろうか? (ウマシカじゃね?? まるで この現場猫だよ!)

メーカーに聞くとか、(表示がおかしくて できないように見えていた)ASIOではできなくてもWASAPIはできるかも知れないから、(ASIOに こだわらずに)試せば良かったではないか。

それなのにそのレビュアーは大抵偉そうな口調で書いて居るので、信用できない部分がある。

とはいえ、いろいろな製品の測定結果は(上のようなことに注意して使う分には)とても有用で、今回のDAC選びの参考にしているから、そこには感謝する。

 

PS2. ASUS Essence STX IIのADC(CS5381)が ひどい

試用しているSoundFort DS-200の特性を測る時に、どうせならと思って、高いサンプリングレート(例: 96kHz, 192kHz)で測ったら、超高域(50kHz以上)の歪み・雑音がすごく大きくなった。※ DS-200そのDAC(PCM1795)が駄目なのかと思ったが、いろいろ調べたらそうではなく、サウンドカードのADC(CS5381)が駄目だった。

※実際には、雑音の量は最高-90dBFS(最大値の約1/3万)と絶対的には ものすごく大きい訳ではない(CDの2倍程度)。が、通常は-120dBFS(同約1/100万)程度なので、落差(約32倍)がひどい。

なお、DACも高いサンプリングレートで歪みが増大する(192kHzで約3倍)ことが分かったが、ADCほど ひどくない。それは他社製品も同様な傾向のようだ。

これに関連して、AKMのDAC(AK4493S)はDSDモードの場合には歪みはサンプリングレートには関係ないようで、理由は分からないが、PCMをDSDに変換して入れるのも良さそうだと思った。ただ、DSDに変換する時に何か問題が起こるかも知れない。

CS5381は、192kHz(Quad-speed mode)では、50kHz辺り以上の歪み(正確には雑音)が増大するのだ。※ しかも、データシートには40kHz帯域での歪み率(THD+N)しか書いてないので、使うまで分からない。TI(BB)以上のチートだ。

※調べた先の記述(→ : グラフの上の文章)によれば、ADCのノイズシェイピングのために雑音が増大するようだ。そうだとしたら、仕様では最大サンプリングレートは216kHzだから100kHzくらいまでは「使える」と思うのに、50kHz以上が使えなかったら詐欺だ。だいたい、それは まともにノイズシェイピングできてないのではないか???

以下、調べて見付かった、他者による測定結果と それらに一致する僕の結果を示す。

他者の測定結果の出典(Refs)

    1. John Atkinson: ASUS Xonar Essence ST/STX soundcards Measurements, stereophile (2010)
    2. Frex: DIY Analog-to-Digital Converter project.Audio measurements tool, diyAudio (2010)
      1. https://www.diyaudio.com/community/attachments/aa5381_noisefloor_192khz_0dbfs-pdf.164627/
      2. https://www.diyaudio.com/community/attachments/eadcakm_noisefloor_192khz_0dbfs-pdf.164632/

余談: 良く読んでいないが、出典2の方は以前にAKMのADCで良い雑音特性を得ているのに、なぜわざわざCirrusで作っているのだろうか。他の特性がいい? 安いから? 国? 物好き? なんでもいいけど、こんなクソな特性じゃ、まともなオーディオ測定ツールは できなかっただろうに・・・

結局、今のサウンドカードに音を入れる場合はサンプリングレートは96kHzまでしか「使えない」ので、それで測定している。そもそも そこらを使うことは滅多にないが、48kHz以上の領域が測定できず、なんだか騙された気分だ。

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ちょっとした工夫が うまく行くように思えたけど、意外な落とし穴があることは多い。

1. ハリ玉+ひっつき虫 → 使いやすく

壁などにコードを留める(貼る)時に ひっつき虫などを使っていたが、今まで使った以下の3種類のどれも一長一短だった(本来はポスターなど用なので、コードで うまく行かなくても仕方ない)。

  • ハリ玉: 硬いので しっかり固定できるが、硬過ぎて壁に くっ付かないことがある。色はベージュ系で目立たなくて良い。
    • 一度付いたら まず剥がれないので、ツンデレ系?
  • ブルタック: 柔らかくて付けやすいが、暑い時は剥がれやすい※。水色なので少し目立つ。
    • ※正確には、コードの張力や重さのために、コードがブルタックを破って浮き出る感じ。
    • ポスターなどを貼るのには一番良いと思う。
  • ひっつき虫: 白なのはいいが、柔らか過ぎる(ブルタック以上)ので、暖かいと剥がれやすい。

そこで先日考え付いたのが、ハリ玉と ひっつき虫を混ぜることだ。ハリ玉の硬さと ひっつき虫の柔らかさが混ざって丁度良くなるのではないかと思った。やってみたら、なかなか うまく行った。ひっつき虫は かなり少なくていいようで、体積比で5:1とか そこら辺で良さそうだ。

が、混ぜるのに結構力が要り(陶芸のように、硬い粘土を こねるような感じ)、時間も掛かる(なるべく均一にするため)ので、準備が面倒という欠点があった。あと、時間が経過したらどうなるかは分からない。硬くなって剥がれたり、逆に剥がれなくなったり、変質して壁を汚すことがないとは言えない。

ひっつき虫(左)とハリ玉(右)を混ぜて、柔らかく くっつきやすく、かつ、強くした。

2. 即席単4→単3アダプタ

今朝気付いたら掛け時計が停まっていて、たまたま単3電池がなかったので、以前の単3→単1アダプタが うまく行ったのを思い出して単4の充電池※で代用しようとした。

※電池収納箱の中に1本だけあったので、是非使いたかった。以前「どうして?」と思った半端な電池は、こういう1本使いの機器のために生まれるのかも知れない(あとは3本か)。

以前のように、単4電池に何かを巻いて(今回は薄い発泡スチロールのシートを使った)太さを調整し、底に導体(巻いた網線を使った)を付けて長さを調整すればいいのだが、長さの違い(3-5mmくらい?)を埋めるのが意外に難しく、今回は一度、接触不良になった。

電池ホルダーのバネが弱いと なりやすそうだ。また、アダプタが太過ぎるとホルダーの中で適切に動かずに接触不良が起こりやすそうだ。網線でなく硬い金属を使えば いいかも知れないが、ちゃんと接触(導通)させるのは難しい。

柔らかい、金や銀なら いいかも知れないw

それから、今回のように電池ホルダーに蓋がなくてバネが弱い場合、太さや長さが合って居ないと外れて落ちる可能性もある。それで、念のためにマスキングテープで止めた

あと、アダプタとは直接関係ないが、充電池の1.2Vでは動かない(推奨されていない)場合がある。: 今回は電波時計に使ったのだが、電源電圧の下限が1.3Vで、説明書には電圧が低くて動かない可能性があるので避けるよう書いてあった。※ 実際には動いたが、上の接触の件もあり、ずっと大丈夫かは分からない。

※上限(1.7V)もあり、ニッケル系一次電池は初期電圧が高いから非推奨と、なかなか注文の多いムーブメントである。

3. AndroidのFirefoxブラウザでの位置取得

以前書いたように、Androidで「位置情報の精度を改善」を有効にしていない場合、ブラウザで位置が取れるのはFirefoxだけになってしまった。それでFirefoxを使っていたのだが、気付いたら取得した位置が変わっていなかった。どうやら、キャッシュの利用期限(maximumAge)を無限に設定すると常に古い位置しか取れないようだ。

そこで、キャッシュの利用期限とタイムアウト(timeout)を適切に設定したら(例: キャッシュ: 1時間, タイムアウト: 2秒)、ちゃんと位置が更新されるようになった。

ただ、今度は設定したキャッシュの利用期限に関係なく、取得のたびに位置が更新されるようなので(常に取得時刻が更新される)、毎回GPSが動くのだとしたら、電池消費が多くなるのかも知れない。

一見矛盾している、「位置が欲しいけど、頻繁に更新したくない」の意図は、「何か(例: 写真撮影, GPSロガー)のついでに測定した位置があれば(キャッシュされていれば)欲しい」である。

 

いかがでしたか?  (← 良くある「裏技集」の最後に出て来そうw) じゃなくって、

という訳で、世の中 それほど甘くないという3つの例であった。

 

(11/16 5:24, 6:10 少し加筆・修正, 8:58 写真を追加, 10:18 少し補足)

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