Archive for December, 2022

意図していた訳じゃないのだが、近頃の稿がオーディオの話ばかりになって居るとおり、延々と続いている作業に、自分でも「何でこれを始めたんだったっけ?」と確認するくらいだ。大晦日の今日ですら いじって居たが、ようやく大丈夫そう、あるいは、許せる音になった(気がする※)。

※耳や身体の調子で聞こえる音の感じ(耳に合うかどうか)が変わるので、なかなか安心できない。

→ その後、大きな問題が起こっておらず、意外にも音も随分いい感じになったので、ひとまず大丈夫そうだ。 (1/3 7:58)

細かい話は あとで書きたいが、結局、オーディオ再生系のほとんど全部(ソフトもハードも)に手を入れた感じだ。全部作り直しとまでは行かないが、そういう部分もある。主なものを以下に示す。

以下で「感じ」のような表現が多いのは、今のところは特性のような値や理論が出せず、自分の印象・感想でしか良し悪しを表現できないためである。更に、おそらく僕の耳は過敏なようなので、それに合うことが音の良し悪しとして一般的かどうかは分からないこともある。

それから、オーディオで良く見る「数値で表せない音の良さ」のような言い方に近いが、そうではない。僕としては、適切な理論・測定方法が見つからない・実施できないだけで、何かしらの値で(定量的に)音の良し悪し(≒ 忠実度の高さ)が表せると考えている。

  • サウンドカード(ASUS Essence STX II)のDAC部
    • 出力のカップリング回路: オリジナルが駄目な感じ※なので、コンデンサの手前から出力を取り出して、外付けの暫定版(AltCC2a)を自作した。 → 耳閉感・音が聞こえにくくなる症状の防止に かなり効いた。
      • ※コンデンサの容量が220μFと大き過ぎるために、超低域(直流から30Hz辺りと推測している)の変動が出力されて耳閉感を引き起こしている感じ。
      • 使ったコンデンサ*の歪み特性が今ひとつ(とは言え、今は結構いい音になっている)なので、年明けに良さそうなもの(パナのECPU)を買って正式版を作りたい。
        • *以前買って気に入らずに死蔵していた、PARC Audioのフィルムコンデンサ 1μF
        • カップリング回路は実際にはHPFになっており、カットオフ周波数は後続の回路で変化することがあるが、参考までに単体と僕の環境(()内)での値は以下になる。 (→ グラフ: 振幅特性の比較)
          • オリジナル: 0.015Hz (0.030Hz)
          • 暫定版(AltCC2a): 8.0Hz (11Hz)
        • 細かくなるが、手持ちにWIMAのコンデンサ(MKS2?)も あって試したが、ものすごく音がひどかった(高音がギラつく感じ)ので止めた。
          • 1度だけでなく、数回試して いつもそうだった。どうしてかは分からないが、電源用で音を通しては いけないのかも知れない。
          • ↑書いたあとで調べたら、偽かも知れないものが出回っているようで(→ 参照)、マーキング(ロゴなし、天面に数字)や音の悪さが僕のと合う。。。 あとでもう少し調べたい。 (1/1 13:20)
            • ↑真偽・偽物については上のページと その関連ページ以外に情報がなかった。その情報が正しいにしても そうでないにしても、メーカーのロゴのないもの・音がおかしいもの(、あるいは、同一型番で数種類の音のもの)が正規品として出回っている(いた)時点で※、そのメーカーの信頼性はマイナスだ。
              • ※僕のは店で買ったのでなくキットに入っていたものなので、実際にはWIMAでない、色と形が良く似た偽物というオチも充分あり得る。
                • ↑キットの説明書を見たら、その1μFはWIMAとは書いてなく、しかも、どうでもいいところ(音は通らない)に使われていたので、本当に良く似たものだったのか(無指定で使われたものが あれだった? 「訳あり品」??)。それで音がひどかったのかな・・・ うむ。
            • いずれにしても、僕は あの音も色も懲り懲りで(それが正規品だったのなら なおさら!!)、使うにしても どうでもいい電源だけだ。 (1/1 20:35)
      • コンデンサの音を排除したいのでコンデンサなし(直結)も試したが、DACから直流(オフセット)や超低音が出るようで※、どうしても耳に合わなかった。
        • ※理論的には、I/Vのあとのバッファ(LPF)で打ち消されるはずだが、劣化のために どこかがアンバランスになっているのではないか。
      • (他もそうだが)この件については別途詳しく書きたい。
    • 出力切り替えリレー: 接点が音に良くない(という情報・定説がある)ので、試しにI/V変換部のあとの2個を排除した(直結した)。
      • 予想通り 特性は全く変わらなかったものの、確かに音が変わった(特に高域が少し良くなった)。
    • DACチップのデジタルフィルタ: なぜか、sharp(デフォルト, 遮断特性(傾き)が急)よりslow(傾きが緩やか)が音が良さそう(「slowでないと駄目」に近い)なことが分かった。 → 音のキツさが和らぐ以外に、sharpは音が悪く感じる。
      • それらの違いは超高域(ナイキスト周波数付近)だけだと思って居たが、実際にはそうでもない感じで、超低域にも影響があるのかも知れない(まだ良く分かっていない)。 (→ 参考グラフ: 右端の落ち方が違う)
      • サンプリング周波数44.1kHzのsharpが良くなさそうなのは分かるが、(理論的にはあり得ないのだが、)どうしてか96kHzのsharpも良くない感じだ。
  • JACK(Linuxのサウンドシステム): 上のDACのフィルタの関係でサンプリング周波数は44.1kHzでなく96kHzが良いので、変えた。
    • なぜか44.1kHzのslowより96kHzのslowのほうが音が良い印象だ。
      • 44.1kHzのslowはエイリアシング成分が漏れて超高域(20kHz付近)の音が劣化するが、僕には聞こえない帯域である。それ以外に何か違いがあるようだ。
    • 本当は44.1kHzの整数倍の88.2kHzが良いのだが、サウンドカードがサポートしていないので96kHzにした。
    • 無駄にアップサンプルしているが、急なフィルタは音に良くないのは確かで、その急な部分が44.1kHzでは可聴域ギリギリ(22kHz近く)だけど、96kHzなら聞こえないところ(48kHz近く)に移る点で音に良さそうだから、全くの無駄ではなさそうだ。
      • なお、更に周波数を上げて192kHzなどにすると、DACの歪みが増えるなどデメリットがあるので、96kHz辺りが良さそうだ。
  • 部屋の特性の補正用フィルタ: 一新(簡素化)した。 → 音のボヤけが結構減った感じ。
    • 左右を別の設定(補正値)にすると良くない気がしたので、同じにした
      • 左右別に細かく補正しても意味がなく、大体合わせればいいようだ。
      • 別にすると、左右で音が変わってしまう(位相差の影響が大きそう)弊害が大きい感じだ。
      • あと、そもそも、音に対する処理は なるべく少ないほうが良い。
    • 超低域をカットするフィルタを、パラメトリックイコライザでなく緩いHPFにした。
    • 以前書いた、DACの歪みの左右差を補償する処理(HD2C)を止めた。
      • この差が本当に起こっているのか(測定時にだけ起こっているのでは?)疑問なのと、補償処理によって低域と高域の振幅と位相特性が劣化し、かつ、左右でアンバランスになるためである。
      • そもそも、歪み率が充分小さいので、左右に差があっても大きな問題でないこともある。
        • が、いつか解決したい。
  • アンプ(BA3886, 自作(キットを改変)): サーボ基板が使い物にならないので撤去した。 → 耳閉感・音が聞こえにくくなる症状の防止に結構効いた感じ。
    • (耳閉感や動作が)どうも怪しくて いろいろ調べたら、設計(回路)が「なってない」感じで、付けても大した改善がなく(オフセットや超低域の低減能力が低い)、メリットよりもデメリットのほうが多そうなので外した。
      • まあ、良く分からず・考えず・テキトーな売り文句を信じて買った僕が悪い。: 微小なアンプの出力オフセット(数十mV)を補正するだけのために、出力に常に補正信号を加算するのは愚の骨頂でしかない。
      • これに ついては(も)いろいろ書きたいが、長くなるので別にしたい。

 

以上の成果として、耳のトラブル(耳閉感・音が聞こえにくくなる症状、音が悪く感じる現象、痛み)が起こりにくくなるとともに、随分音が良くなった感じだ。前者は確認継続中だが、音の良さは従来比2-3割増しくらいか。試した中には効果のないものや逆効果なものもあったが、上に書いたものは全部効果があった。

どういうふうに良くなったかというと、(毎度書いているが、)音がクリア・ストレートに聞こえる、以前は分からなかった繊細な部分が聞こえる(≒「情報量が増した」)、高音が良いといった感じである。

ただ、そういう感想は、音が悪くなっている場合(例: 歪みが増した)にも出るので難しい。その場合は、長く聴くと耳が痛くなったり、キツく感じたり、不自然な感じがして来るので分かる。

そして、CDなどには想像以上に さまざまな音が入って居るようだが、残念なことに長らく気付かず、こうして再生系を改良して初めて気付く。そういうことが今までに何度もあったことに驚くとともに、一体全体どのくらいの音が入っているのか考えると恐ろしいものがある。

ただ、いつも書くが、一つ明記したいのは、どれも音を「自分の好み」にするためでなく、スピーカーから出て来る音が自分の耳に合わなくて(例: 耳閉感が起こることがある)聴き続けられなくなるのを解消しようとして やっている。だから、音源(収録された演奏)の音は可能な限り そのまま出し(それが僕の「いい音」の定義)、音と一緒に出て来る(まだ明確にできていない)「耳に悪い要素」を減らす方向だ。

僕は、スピーカーから出すのは音源そのものだけにしたいと考えている。だから、音源の音が悪かったら悪いままで聴くより仕方ないと考える(あるいは、リマスターされるのを待つ)。

そういえば、以前、ダウンロードで買った曲の音が悪くて、自分でリマスターもどきをしたことがある。個人的には、明らかに音源の音がおかしいなら、再生系で音を変えるよりは音源自体を直すほうが ありかと思う。

それから、以前(サウンドカードを買った時)は問題なかったのに、どうして耳のトラブルが起こり出したかを考えると、サウンドカードの劣化、アンプを交換して特性が変わった(かなり向上した)こと(+余計なサーボがあったこと)、自分の耳の調子の変化(経年的なものと日々の時間的なもの)が絡み合っているのではないかという仮の結論になっている。が、まだ続きそうだ・・・

 

(1/3 7:58) 最初に追記したように、その後、耳の問題が ほとんど起こっていないので、現在の構成・設定で ひとまず大丈夫そうなことが分かった。そして、随分 紆余曲折して見付けた、耳閉感の原因の一つ(超低域の変動)が正しかったようで一安心だ。なお、耳の問題の原因は他にもあると推測しており、追って それらの確認を再開したい。

 

という訳で、まさに取って付けますが、来年も(こんな感じと思われますが、)よろしくお願いします。

 

(2023/1/1 7:52-12:19 加筆・修正, 写真・図を追加, 構成を改良; 13:20, 20:35 WIMAについて加筆; 1/3 7:58 現状で問題なさそうなことを追記)

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(オーディオ関係が続いて飽き飽きだけど、これは計測・測定関連の話なのでヨシッ!

ってこともないw)

 

数日前の夜、オーディオ関係で「サンプリング周波数」+αだったかで検索していたら「サンプリング定理の誤解とCD規格の大罪」という すごい題のページ(以下、ページのサイト名を略して「HKページ」とする)が見つかり、驚くことが書いてあった。ちょっと見ると もっともらしくて「えっ?」と思うのだが、どうにも信じがたいので追試(というのか?)して、それが正しくないことを示す。

おそらく、既に多くの方が同様なことを されていると思うが、興味があったので自分なりに考え・確かめた。そして、HKページにはコメントが書けないので、ここに書く。メールは敷居が高いし、ここに書くほうが自分の再勉強のメモになるので。

それに、そのページには公開日がないが、ページ中のWindowsの画面中のデバイス名やPCの機種などを見る限り2010年頃と想像され、おそらく書いた本人も忘れているだろうからコメントする必要はなさそうだ。

あと、僕の他の同様の稿と同じく、分かっている方には「当たり前のこと」で読むまでもないし、噛み砕いたつもりだけど専門用語や必要な基礎知識は それなりにあるので、一般の方には「チンプンカンプン」で、どっちにしても余り意味がないが、まあ、自分の記録になるし、「謎」の調べ方の参考にはなるかと思う。

ただ、僕も もうサンプリング定理を正しく覚えていないし、(例によって)改めて調べ直すのも億劫なため、理論よりも実践的に検証したので、不完全なことはあるだろう。

HKページの主な主張は以下である。

  • 楽音をサンプリングした場合、波形は完全には復元できない。
    • 復元できるのは周波数成分情報のみ。
  • サンプリング定理は正弦波を復元する保証はしていない。
  • (そのため・その例として) ナイキスト周波数に近い正弦波をサンプリングして出力すると、AM変調が掛かったような音になってしまう。
    • 例: サンプリング周波数が4kHzの時に1990Hzの正弦波をサンプリングすると、低周波の包絡線が現れる。
      • それを出力すると、「ピロピロ」という音になってしまう。

全部間違いという訳ではないが、僕からすると、以下がおかしい。

  • 周波数成分情報しか復元できないというが、その「周波数成分情報」とは一体なんだろうか?
    • 例えば、振幅や位相は保存できないということ? じゃあ、デジタルデータには時間ごとの周波数とか角度しか記録されていない??: どこでそんな器用なことを?・・・
    • そもそも、「サンプリングした」デジタルデータというのは ある(一定)間隔で振幅(大きさ)を記録したものだから、少なくとも振幅は復元できるのではないか?
  • サンプリング定理は正弦波のことを述べているので、逆に正弦波しか保証していないんじゃなかったか? 上と同じく、正弦波でなく周波数だけを復元できるものは一体何?
    • 得体の知れない特殊な信号??
    • (余弦波(cos)とかいうオチはないよねw)

そして、HKページの、「サンプリングした波形」※に そのページの図のような低周波の包絡線が現れることと、出力すると「ピロピロ」という音になるのが、どうにも信じられなかった。

※Audacityで生成した正弦波をでSoundEngine Freeでリサンプルしたようだ。(どうして そんなことをしたのかは不明)

そもそも、すごく高い音が「ピロピロ」になるんだったらCDも何も聴けたものじゃないはずで、実際には そうなっていないのだから「論外も いいとこ」と思えるが、根拠・証拠なしに決めつけたり切り捨てたりするのは科学的でない。それこそ良く居る*マニアと同じことだ。

それで、HKページの主張する、正弦波が「ピロピロ」音(包絡線による音?)になる現象が起こるか実験して確かめたが、最初は起こらなかった。

(以下、「アップサンプリング」、「アップサンプル」はオーバーサンプリングと同じ。「リサンプル」はサンプリングレート変換、「リサンプラ」はサンプリングレート変換するもの、サンプリングレートコンバータ・SRCのこと。)

まず、HKページと同様の手順※を実行すると、確かに波形に包絡線ができた(→ データの波形: 一番上, 再生波形*)が、再生しても その包絡線に起因する(「ピロピロ」という)音は出なかった。スペクトラムにも包絡線(約1.4kHz)の山は見られなかった(あとで書くが、これには見落としがあった: 実は1.4kHz辺りと その高調波に小さい山があるが、微小なので取り込み時の雑音と思って無視した)。

※一般的なサンプリング周波数の44.1kHzと そのナイキスト周波数に近い正弦波(20.6kHz)を使った。

*書いたあとで波形を見たら なんか妙だ。: というのは、サンプルされた点はグラフ中の点だけなのに、なぜか正弦波の波形が表示されているのだ。想像だが、表示プログラム(REWのScope)が「うまくやっている」(少し前までの軌跡を残している?)のではないか?

こういうことは ちゃんとプログラムの資料を調べれば分かるだろうが、テキトーに使っている。良くないことだ。

次に、HKページにアップロードされている、音がおかしいというファイルをダウンロードしてAudacityで見ると、確かに包絡線が出た(→ データの波形: 下側)が、再生しても「ピロピロ」という音は出なかった。(→ 再生波形) スペクトラムにも包絡線らしき山は見当たらなかったが、実は包絡線の周波数の計算を誤って見落としていた。: 包絡線の周波数は10Hzで、山はあった。(→ 超低域のスペクトラム: 10Hzに山: これも最初はHKページでの取り込み時の雑音だと思い込んだ。) ただ、その音が出ても「ピロピロ」とは聞こえないはずだ。

更に、サウンドドライバ(サンプリング周波数: 96kHz)でのアップサンプリングの影響を避けるため、HKページの条件に近い45kHzの正弦波でも試したが、包絡線の成分は出なかった。アナログを経由しないと出ないかと思って試したが、それでも出なかった。

それで、念のためにブラウザ(Vivaldi)で音がおかしいファイルのリンクをクリックして再生したら、確かに「ピロピロ」という音が出た※(ただし、僕には「ピピピ」に聞こえる)。 それから、ダウンロードしたファイルを別のプレーヤーアプリ(例: Audacious)で再生したら、最初の一瞬だけ音が出て あとは無音だった。

※ブラウザによって動作が異なり、Chromeでは音がせず、Firefoxは再生せずにダウンロードダイアログが出る。

挙動の違いの原因を推測すると、そのファイルのサンプリングレートが4kHzと(現代のPC環境には)異常に低いためだろう。: ブラウザが内部でリサンプル(例: 4kHz → 44.1kHz)処理をしているとしたら、それがうまく働かないためではないか。

→ 僕の環境で性能の悪そうなリサンプラを探して試したら※、ようやく「ピロピロ」が再現した。残念なことに、再生波形をキャプチャしたデータはなく、スペクトラムだけしかない。

スペクトラムを見ると、音を「ピロピロ」にしているのは、基本波より50dB以上小さい(1/316以下)400Hzの高調波4本に思えるが、どうにも信じられない。高調波の数が多い分、効くのか。他に2kHz以上のエイリアシング成分も効いているのか。

※Audaciousで出力をJACKに、プラグインSample rate converterのリサンプル処理を"Skip/repeat samples"にし、HKページの問題のデータ(サンプリング周波数: 4kHz)を再生した。

一方、ダウンロードしたものをプレーヤーアプリで再生した場合は、サウンドドライバ(僕の環境ではPulseAudio)や再生するアプリのリサンプラが使われるのだが、信号の周波数(1.99kHz)がリサンプラのLPFのカットオフ周波数(2kHzの少し下)より高いために ほとんど全部カットされるのではないか。

ただ、リサンプラがアップサンプル前にLPFを掛けるのか、ちょっと自信がない。 → アップサンプル後にLPFを掛けるのかも知れない。いずれにしても、実際のリサンプル処理は良く分からない。

そして、最初にダウンロードしたファイルを正常に再生できたのは、Audacityに取り込んだ時に「うまく」アップサンプルされてしまったためと想像する。再度試したら、どうも、Audacityのプロジェクトのサンプリングレートが4kHzなら小さい音※で再生できる(ただし、「ピロピロ」でなく普通の音)が、それ以外(例: 44.1kHz)では音が出なかった。

※音が小さくなるのは、Audacityは上記同様にアップサンプル前にLPFを掛けているが、そのカットオフ周波数が高目なために「少し」通ったためだと推測している。

つまり、「ピロピロ」という音は実際にはないのだ。それは再生時のリサンプル処理が良くなくて発生したのではないか。つまり、実験(手順・方法)の誤りだ。よって、最初から問題はなかった。

はい論破。

 

では終われないw

というのは、不思議なことがあるのだ。: 確かに、その主張どおりに波形に包絡線が現れて いかにも変調されているように見えるのに、スペクトラムには包絡線の周波数に山が出ず(上述のように、実際には小さく出ていた)、再生した音も正常だったことだ。それで、どうしてそうなるのかを考えた。

この時点で、僕はHKページの作者と同様な誤解をしていた。それは、最初に書いたように、サンプリング定理を正しく覚えていないためだった・・・

この問題は、確か 学生の頃にも、取り込んだ波形を見て不思議に思い いろいろ調べたり実験して納得した気がするが、すっかり忘れてしまった・・・

それで、試しに包絡線のあるデータ(20kHzの正弦波(サンプリング周波数: 44.1kHz) → グラフ: 上)を一旦アナログにし※、高いサンプリングレート(約4倍, 96kHz)で取り込んだら包絡線が少なくなって「まあまあ まとも」な波形になった(→ グラフ: 下)ので、サンプリング定理では「そういうもの」で、デジタルデータがおかしく見えても、アナログに変換すれば ちゃんとした波形になると理解した。(が、あとで気付いたが、実際には、スペクトラムには小さいものの、おそらく包絡線の成分が4kHzに出ている。詳しくは後述する。)

※試しては いないが、アナログにしなくても、高い周波数にアップサンプルすれば同じ結果になりそうだ。

そして、その後の検討と試行により、包絡線の問題は(おそらく)解決した。 (以下、理論派の方には耐えられないだろうが、フーリエ変換とDFTを同様のものとして扱っている。)

  • デジタルデータに包絡線が現れるのは問題ない。: そういうものなのだ。(単なる「見た目」の問題?? が、上を見るとそうでもなく、「仕方ないことで、実用上は問題ない」という辺りか。)
  • アナログ信号として出力する時にsinc関数(現実にはLPF)を適用すれば、本来の周波数の「ちゃんとした正弦波」になる。
    • sinc関数(LPF)は複雑なので、いくつかのサンプルの移動平均と考えても大きな間違いではない(LPFの多くは係数付きの移動平均だ)。
    • (今は簡単に実験できないが、)そのまま出したら きっと駄目だろう(それが「ピロピロ」?)。
  • 包絡線を持つ信号(デジタルデータ)のスペクトラム(振幅)を見ても、包絡線の周波数に成分がないのは錯覚で、出ている。が、どうしてか予想外に小さい。 (← sinc関数(現実にはLPF)を適用しているため?)
    • だから、包絡線の音は聞こえないのだろう。
  • 更に調べたところでは、AM変調(この場合は過変調に相当すると考えた)やDSBのように、スペクトラムでは基本波の両脇に包絡線の帯域幅の広がりが出るはずだが、実データを見ると ほとんど出ないのが謎。
    • AMなどのアナログ信号処理とデジタル信号処理の違い? そんなことない?
    • 最初は、以下のように誤った理解をしたが、そうではない。: フーリエ変換して振幅を求める時に絶対値または自乗されるので、同じ周波数成分の正負の信号は打ち消し合わない。
      • すごく大雑把に言うと、重畳されている包絡線の信号は正負で同じ振幅なので、フーリエ変換して振幅を求めると打ち消し合って なくなる。
        • 現実には、ナイキスト周波数付近では正負の成分は1サンプルずれているが、振幅は概ね同じなので、概ね打ち消し合う。
      • 普通のスペクトラムでなく、実部と虚部を出せば包絡線の周波数に山ができるのだと想像する。
    • ※変調関係で参考にした資料: 資料1, 資料2, 資料3, 資料4, 資料5, 資料6
      • 余談だが、学生時代にサボっていたせいか、こんなに難しいことを学んだ記憶がない・・・

 

それから、HKページの主張にも正しいことがある。: サンプリング定理(実際にはフーリエ変換だったか)は正弦波のことしか言っていないので、元のアナログ信号と全く同じ波形は再現できないことだ。それは、アナログで元の信号の高周波成分ををLPFでカットするのと同様なことで、デジタルではサンプリング周波数で決まる上限の周波数(ナイキスト周波数)までしか表せないから、仕方ない。

また、更に うろ覚えだが、信号のタイミング(位相)も完全には再現できないのではないか。というのは、ナイキスト周波数に近い領域では たった2つ+αのサンプル(点)で信号の1周期を表すことになり、1周期未満の微妙な時間のズレは表現できないからだ。 ← これは正しくない。位相も保存できる。というのは、フーリエ変換すると実部と虚部ができ、そこから振幅と位相が求められるが、ナイキスト周波数近くの位相は正しくないという話は聞いたことがないからだ。

直感的な理解は、ナイキスト周波数近くの正弦波で、頂点がサンプリング時刻から少しずれている場合には、隣り合った2つのサンプル(点)で表され(→ 参考: 波形※)、それでズレ・位相が表現できることだ。もし、頂点がサンプリング時刻ぴったりなら、1サンプルで表され、位相は0か180°だ。

※画面を見ていると、この点が波形上で動くのが おもしろかった。そして、それがHKページの問題が再現しないことに関係しているのかと思った。

だから、HKページの主張の「波形は完全には復元できない」は正しく、正弦波の集まりでしか復元できない。

例えば、ナイキスト周波数近くの矩形波や三角波の形は崩れる(未確認)。

あと、これと関連した良く見る誤解は、通常とハイレゾオーディオのグラフの波形を比較して、サンプリング周波数や分解能(ビット数)が低い・粗い(少ない)とギザギザになってしまうという主張・宣伝だ。上と同様に、デジタルで見るからギザギザな訳で、アナログにする時にsinc関数(LPF)を掛ければ滑らかになる(滑らかさは そのフィルタがどのくらい良いかに掛かっている)。ただ、値のないところは繋げているだけなので、周波数も分解能も高い・細かいほうが元の信号を忠実に再現できる(可能性が高い)ことは確かだ。

だからと言って、細ければ音がいいとは限らない! 細かい区切りが変動したり、それらに いい加減な値を入れたら いい音どころはないし、前の稿に書いたように、勝手に作った隙間や細かくして折角できた広い空間にゴミを詰め込む会社がある。

そして、「ギザギザだから変な音・悪い音」とは限らない。実際、上に出した、包絡線が出ている、いかにも変な音がしそうな外見のデータの音は全く変じゃない。

例: 変な見た目(上) → 実際の波形

 

理解し切れていない・調べ切れていない点があって若干消化不良だが、とりあえずは(当然のことながら)サンプリング定理に大きな問題は ないことが分かり、HKページの主張の大半は正しくないことが分かった。

茶化すのは良くないが、HKページの中身は題の「サンプリング定理の誤解」だったから、その点は間違っていなかった。

 

そして、僕の喉に引っ掛かった小骨的なものをクリアできた。

 

PS. HKのページの下のほうを見ると いろいろな計測器が出て来るが、そういう ちゃんとしたものを使われていた方が、デジタル信号処理の基本を理解されていないのは随分妙だ。ただ、他にもそういう方を結構見るので、アナログの経験が長い方はそうなのだろうか? もしかして、アナログとデジタルは似たようなものと考えている? そう決め付けることはしないが、そんな傾向があるのかも知れないと思った。

(12/23 10:56) 勝手なイメージだが(「そんなことないわボケ!」と言われても仕方ない)、アナログの方は時間軸・波形で考えることが多そうだし、オシロのような時間軸の測定器(しかもコンピュータベースでない)を好んで使っていそうだ。

他には、長い経験に自分の勝手な思い込みが根拠なく裏打ちされてしまって、考えが誤っている可能性に思い至らないことがあるのかも知れない。

HKページで その例を一つ挙げれば、直線補間が最良のように思われていることだ。各自の好みは良いけど、そういうところから本文に書いた間違いが始まっているようだ。実際、HKページの一番上のグラフの赤線は直線補間だろう。

やっぱり、技術者だったら、常に疑う・確認する、証拠に基づく態度を忘れてはいけないな。

 


以下は、HKページのリサンプラが不充分なことに気付く前に書いたものだが、メモとして残す。

[下書き1: 注: ページの筆者は一旦アナログにして取り込んだ訳でなく、単にリサンプルしただけのようだ。]

どうしてなのかを推測したら、HKページの実験方法が誤っているからのように思えた。というのは、いくつか妙なことがあるのだ。

  • サンプリング周波数44.1kHzで作った正弦波(1.99kHz)をサンプリング周波数4kHzで取り込んでいる。
    • 再生は44.1kHzなのか、4kHzなのか? → 44.1kHzと考える。
    • 僕なら、サンプリング周波数44.1kHzで21kHzくらいの正弦波を作って再生し、同じサンプリング周波数で取り込む(実際、そうして実験して再現できなかった)。
  • それを4kHzで取り込むとして、そんな低いサンプリング周波数が可能なデバイスはあるのか?
    • HKページの画像中の"YAMAHA AC-XG"から、デバイスはYMF753(AC'97)らしきことが分かり、ドライバ(AC-XG WDM)のデータシートには可能なサンプリング周波数は8k-48kHzとあるので、4kHzでのサンプリングは無理そうだ。

だから、実際には どういうサンプリング周波数で取り込まれたかは分からないが、正しくない周波数で取り込んだために音がおかしくなったのではないか。また、その変な周波数がリサンプルされて更に音がおかしくなったことも推測される。

HKページの著者は音がおかしいファイルを再生すると、「ピロピロ」という音が出ると書いているので、再生系がおかしいのだろうか。サポートされないサンプリング周波数4kHzのファイルを無理に再生しているために音がおかしいのか。

ちなみに、僕の環境では、必ず再生系が対応するサンプリング周波数にリサンプルされるために問題ないのだろう。

[下書き2: 注: この文章には大きな問題はないが、「ピロピロ」音が ないことが分かる前に書いたものなので、使わずに残った。]

いろいろ試した結果、HKページの測定方法が誤っていたために誤解し、それに基づいて書いたのが大きいだろうという結論になった。

が、あとで分かるが、それ以上に、デジタルデータを出力する時にsinc関数(現実にはLPF)を適用することを考慮していないのが大きかった。

 

(12/23 5:12 わずかに加筆・修正)

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近頃はオーディオネタばかりで自分でも飽き・疲れているものの、他にもまだ耳閉感の原因調査やDACの2次歪みやフィルタや特性補正フィルタの調整関連、次期DACの話など書きたいことが溜まっている。が、それらの検証・確定に時間が掛かって居るので、別の手軽なものを書く。 (それでも なんか長いよw)

 

昨夜、どうしてだったかは定かでないが※、再生中の音楽(グールドの「ゴルトベルク」(1981))のスペクトラムを見てみたら15kHzに山があった。FMのパイロット信号*のようなものだ。以前も気付いたのだが、同じアルバムでも、トラックによって あるものとないものがある。想像だが、このアルバムはビデオ作品も同時に制作されているので、音をビデオの処理系に通すと付いてしまうのではないか。@

※耳閉感の原因調査の一環だったか、DACや補正フィルタの設定変更の効果の確認だったか。

*今まで15kHzだと思っていたが、実は19kHzだった。

@調べると、ディスプレイの水平同期周波数は15kHzとかなので、それが混じる??

それから、そのアルバムはソニーなのでSBM(Super Bit Mapping)との関係が気になり、以前から謎だった その仕組みを調べたら、分かりやすく書かれたページ(FIDELIX 「アナログ約60dB、デジタル90dB以上というDレンジは比較不可(その2)」*)があった(ページの下のほう)。技術的に正確ではない理解だろうが、要するに、振幅の分解能をCD(16ビット)以上に細かくするため、音を高周波(ただし、CDなので22kHz以下)でPWMしているようだ。音を濁すことで、何ともおぞましい・・・

それにセコい! ギリギリ可聴域※のたった10kHz未満の帯域をケチって音質向上を目指すなんて・・・ 僕からすれば、いくら聞こえにくいと言っても、本来・メインの帯域を別の用途に使ったら音質低下になると思う。

※自分たちで可聴域に合わせてCDの仕様を20kHzまでと決めたのに、勝手に狭くしていいの?? まさに御都合主義ではないか。

あと、PWMみたいに振幅を変えるにしたって、どうせ「一番下のビットは微小で聴覚への影響はほとんどないから変動させても問題ない」とかいう論理なんだろうが、自分たちで必要だと思って決めた16ビットを狭めてどうするよ??

全くの想像だが、MQAも同様のことがあるのではないか?

*FIDELIXの技術情報のページは大変ためになった。一部を除いて僕と指向や考え方が合っている(もちろん、レベルは あちらのほうがずっと高い)ので、頷きながら読んだ。

なかなか おもしろかったのは、オーディオ(・ステレオ)は音が悪くなるほどBGMになってしまうという記述だ。

なお、僕はBGM向きのシステムを否定しない。そもそも各自の好みの問題だし、システムには それぞれの用途がある。それに、音の悪いBGMなんて なかなか耐えられないから、ある程度の質は必要だ。

だから、真意は、音の良さを突き詰めると真剣に聴かざるを得なくなって、それはBGMには向かないということなのだろう。

というのは、僕のシステムはBGMに向かないのだ。: 作業しながら だらだら聴くのは なんか難しい(大抵、作業・思考の邪魔になって停める)し、ちゃんと聴くと短時間(例えば、ポップ音楽なら数曲、クラシックだと1楽章)で満足してしまって、休憩したり寝て残りは翌日に回したりすることが結構あるのだ。

そもそも体力が落ちているとか、音が悪くて疲れるせいなのかも知れないが、音が良くて聴き込んでしまうからかも知れないと想像していたのだ。(同様なことは以前にも書いた。) だから、自画自賛的に言えば、僕の今のシステムは音が良いほうなのかも知れない。

もう一個、疲れる原因として、演奏の音質の良し悪しが分かってしまうことがある。BGMで音の悪いものが流れて来ると、疲れたり嫌になってしまうのだ。

 

それから おもろくなって、いろいろな録音演奏(CDなどの、電子的に収録されて配布された演奏、要するに生演奏以外)を調べてみたら、以下のような種類の雑音などがあった。

  • クソお粗末なノイズシェイピングらしき雑音 (約15kHz以上で増大する)
    • SBMなどの「高音質化」処理の弊害だろう。
    • 元々の素材の関係(テープや機材が古いなど)で、本当の雑音の場合もあるかも。 (→ これがそうかも: 5k-13kHzくらいまでの山はテープのヒス、それ以上はノイズシェイピング?)
    • デジタルTVでもあったが、収録・制作にそういう機材が使われている?
    • 手持ちのオーディオインタフェースScarlett SoloのCirrus LogicのコーデックのDAC(30kHz以上に同様な雑音: グラフの緑)がマトモに見える・・・
  • 露骨な高域カット: 15kHzなど
    • スペクトラムが不自然な形状の場合もあり。
    • ダウンロード販売版にあった。 → 実はCDと同じ音ではなく、ダウンロード購入するのは得策ではなさそうだ。
      • 買うなら、デモ版で確認したほうが良い。
        • が、デモ版が何を元にしているのか不明なので、分からなさそう・・・
    • なぜか、同じ演奏の配信版(Spoitfy)には ないことがある。
  • 15kHzの山: ビデオ系?
    • VHS Hi-Fiを経由したものにもあり。: 上に書いたようにTVの水平同期周波数が混じっているようだ。
      • Hi-Fiビデオはビデオの回転ヘッドで録音・再生しているため、ヘッド切り替えの雑音だろうか。
        • 当時、そういうのがある(から駄目だ)と聞いた(けど聞こえないので無視した)覚えがある。
    • SBMと書かれたCDでも、上のノイズシェイピングではなく15kHzに山のあるものがあった。
  • 16kHz近くの山: MDソフト? CD-Rレコーダ?
    • 検索してもMDにそういう規格は見つからないし、あるMDレコーダの仕様では周波数特性は20kHzまでとなっているので、このソフト固有のものかダビングに使ったCD-Rレコーダ(一瞬、PCでないものを持っていたことがある)か、その時の再生に使ったMDプレーヤのものだろうか。
      • そう言えば、このソフトには元になったTV番組の名前(「百恵復活」(1992))が付いているので、その関係と思えなくもないが、単なるベスト盤だから違うだろう。

今回調べた限りでは(以下同)、当然ながら、レコードカセットテープを取り込んだものには なかった。カセットテープはFMから録音するとパイロット信号が入りそうだが、上に書いたように19kHzなので、まず録音されない(当時の機材はラジカセだったし、律儀にMPXフィルタ(付いていたら)を入れていたかも知れない)。

以下に、今回測定した、演奏の冒頭の一部のスペクトラムを載せる。縦軸は振幅(音量)、横軸は周波数、赤線はピーク、黒線はリアルタイム値である。 (ポイントは どのグラフも右端だけだし、赤と黒の片方でいいのに、手抜きをして見せ方が悪いのは御容赦。それぞれの曲名などは記録しているが、特に意味がないので ほとんどを省略した。)

レーベルでの傾向としては、大変大雑把な言い方だが、レコード時代は海外のものを(手を掛けず)なるべくそのまま出していたように見受けられた、日本のワーナー系はノイズシェイピングのような雑音がなくて(余計なことをしてなくて)良さそうだった(ただし、現在の海外の本家ワーナーは そうでもなく、雑音のあるものがあった)。

ただ、メディアへの記録は素直でも、音作りでは「海苔弁」のものがあったりするから、必ずしも音がいい訳ではない。

一方、SBMを出しているように、ソニー系は(レコード時代もそうだったが、)余計なもの満載感が強い。※ そして、いかにも古風で自然派と思われたデッカにも雑音があった(そういえば、以前、繋がった楽章をフェードout/inして切ってしまった曲をダウンロードで売られたから、近頃は駄目になってしまったのかも知れない)。なお、グラモフォンは いかにも素直・実直そうなので調べていない。が、近頃はいろいろ頑張ってしまっているから どうだか。

※レコード時代に余計なことをしていたと言えば東芝EMI(今は もうないのか・・・)も気になるところだが、測っていない。余計なことの被害(?)を受けていたビートルズの手持ちは(その余計を嫌って)輸入盤(CD, EMIまたはCapitol)のみなので そっちしか見なかったが、問題はなかった。

 

音の良し悪しについては、上のような雑音やパイロット信号などの有無と その演奏の音が良く聞こえるかの相関は余りない。要するに、僕のこれまでの印象とも合うが、上のような雑音があろうがなかろうが、音の良し悪しには関係ない。

例えば、今回測って驚いたのだが、異常なスペクトラムの演奏(ルガンスキーのラフマニノフのピアノ協奏曲 第2番 (2005))を、今まで全く問題なく聴いていたのだ。

だから、確かにそこらは僕には聞こえない領域なのだろうけど、聞こえなくても感じる気がする(耳閉感の原因の一つかと考えて調査中)ので、そういう余計なものは嫌だ。

実際、何か分からないけど音が悪い感じ、聴くのが嫌な感じがしていたもの(ミヒャエル・ポンティ: 「ラフマニノフ:ピアノ曲集」(2010))には、高域に雑音があった。その雑音が音の悪さの原因とは限らないが、可能性はある。

結局、人は自由に「どこの周波数まで聴く」という設定は できないので、現代の録音演奏を聴くには、例えば僕のように15kHz以上が聞こえないほうが幸せそうだ。

なお、そういう周波数には聞いて分かる音は入っていない(聞こえないので想像w)。電子楽器を除けば、シンバルとか いかにも高い音も、基本波は数kHzだ。

 

そして、

聞こえない(聞こえにくい)から、カットしたりゴミを突っ込んだりしても問題ない(キリ)*

*全く別件だけど、Scarlettの会社フォーカスライトに30kHz以上で雑音が出る件が何とかならないか問い合わせたら、本当に「聞こえないから問題ではない」という返事が来た。まあ、そういう意識の低いところの製品を買ったのが間違いだったな。

「聞こえない」とは言うが、帯域としては超音波だから、レベルにもよるけど、気軽に出していいとは思えない。ユーザーの中には不調を訴える人もいるのではないか(僕はそうだ)。他には、アンプやスピーカーを壊す可能性も0ではない。

仕様では出力の周波数帯域は20Hz-20kHzだそうで、その外の音は出ないかと思うと そうではないのも問題だろう。

って態度で いいのかと思う。上げ底・ステルス値上げや食品添加物や放射性廃棄物みたいなものだ。そして、そういう態度は、聞こえないはずの帯域にまで音(や雑音※)を入れて出すハイレゾと相反しており、技術者・制作者・販売者の欺瞞を感じる。

※読んだだけだが、SACDの超高域(30kHz以上)にはノイズシェイピングの雑音が大量に入って居るものがあるそうだ。 (→ 参照: 「DSD64の問題」)

(15k or)20kHz以上は聞こえるんだか聞こえないんだか はっきりしろ!

 

PS. 上のグラフを見ていると、今までの試行錯誤(メーカーの うたい文句にコロッと騙された?)を思い出す。: 「(レコード・)カセットよりVHS Hi-Fiのほうが断然音がいい」と思い(込んで)それで録音・再生していたり、(一応良く検討はしたけど)確かな根拠もなく、「これからはCDでなくMD(市販ソフト)だ」と思って数枚買ってみたり、「(カセットでなく)CD-Rに録音しよう」と思って買ったが すぐに捨て、近頃は「CDよりもダウンロード版だ」と思って買ったが、上のようにCDとは質が違うものがある。

と、今になってみると全部失敗だったよwww まあ、それもおもしろいことだ。あと、ずっと一貫しているのは、レコード・カセット(ラジオも)、更に言えば、アナログや物理メディアは嫌だってことだろうか。どういう気持ちかと言えば、壊れやすい、音質が確保しにくい・劣化しやすいもの(もちろん、面倒なものも!)は嫌なんだと思う。その点ではダウンロード版が最高だが、現実は・・・

PS2. レコード時代の日本のレコード会社の「余計なお世話」について: 本文で触れたので、どういうことだったかの例を示す。

東芝EMI: 僕の場合はビートルズだったが、どうしてかは分からないが、海外のアーティストを無理して完璧に日本化して売っていた感が強い。今となっては寒過ぎる邦題(例: "This boy"を「こいつ」)とか、単語(翻訳?)にしても"where"を「ホエア」(何だい、貝かよと思うわ)と書いたり。。。ジャケットだって、シングルは全部(オリジナルは それぞれ別だった)国内のダサいデザインに統一されて居たし、LPも下手なツギハギとかボカシ(オリジナル盤の番号をアナログでボカして消し、その下とかに国内の番号を付けていた)までして国内盤にしていたのは すごく気に入らなかった。

他に、解散後に再発した初期(Appleができる前に出たもの)のレコードのジャケットや帯や紙にAplleのロゴを付けていたのは、時代を遡るみたいなミスマッチさがあった。

そんな訳で、東芝EMIのビートルズ作品には「余計なことすんな!!!」の印象しかない。

ソニー系: 東芝EMIと同じくらいに「余計なことすんな!」だった。例えばピンク・フロイドの"The Wall"の紙の内袋に歌詞が手書き風に書いてあるのだが(→ 参照)、その国内化に必要な部分(確か、権利関係とかメーカー名だった)を、それに似せようとはしているけど下手くそで「なんかおかしい」(子どもが真似た感じ)文字を書いていたのにはムカついた。

一方、ワーナー系は そういう無駄な手間は掛けずに「ほとんどスルー」的で気持ち良かった。でも、やっぱり、あの無駄な「帯」はあった・・・

さすがに そんな下らない手間を掛けられて高く売られても いいことは全くない(役に立ったのは日本語の説明文くらいか)ので、一通り揃えた(懲りた)あとは輸入盤に切り替えた。

とは言え、当時は情報が少なくて、Capitolも阿漕なことをしていたのを知らずに買った輸入盤("Rubber soul")の曲目がオリジナルと違うことに気付いて、大変がっかりしたこともあった。

だから僕は、今、「紙ジャケを完全復刻、国内盤の(復刻)帯付き」とかいうCDを見ると溜息しか出ない。そんなものをありがたがる奴が居るのか? なぜ??????????

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大嫌いな、時代の徒花的有名人風に書けば「DACのオペアンプを交換する人、みんな馬鹿です」だが、そうは言わないw

DACなどのオペアンプを換えると音が変わると言われているが、僕は否定的だ。確かに、僕もDACのオペアンプを交換したら※音が変わった気がするが、それが良い・正しいことだとは思わない。むしろ、変わるのは何かが おかしいからだとすら思って居た。

※当然ながら音を好みにするためでなく*、回路を より正しい・好ましい動作にして、DACを より良い特性(≒ 無色透明、無味無臭)にしようと思ってである。

*その背景には、「DAC(アンプも)に固有の音・主張があってはならない」という考えがある。

先日、別件(サウンドカードの歪みに左右差がある)を何とかしたくて調べていたら、音が変わる原因の一つであろうものが分かった。 ― 交換したオペアンプの仕様・特性と、そもそもの回路設計時に想定したオペアンプの仕様・特性の差によるのではないだろうか?

特に、DACでオペアンプ交換される箇所の一つのI/V変換部(DACチップの直後にあり、チップの出す電流を電圧に変換する回路)はオペアンプの特性に敏感なようで、(DACチップにもよるだろうが)下手なものを使ってはいけない。 (→ 参照1: 「I/V変換回路の考察」, 参照2: 「6. 雑音に関する考察」)

僕は ほとんどPCM1792Aしか使っていないので、以下はPCM179X系の話になるが、他でも同様だろうと思う。また、アナログ回路(いや、ハード全般か)は初心者も いいところで まだ完全には理解できていないため、おかしい点があるかも知れない。

DACのI/V変換部のオペアンプにはフィードバック抵抗と並列にコンデンサが入っている。このコンデンサはオペアンプが超高域で発振しないように(超高域での)ゲインを下げる※ものだ。

DACとI/V部の回路の例 (from Walt Kester: "DAC Interface Fundamentals" (2009))

その容量CFは以下の式で求められる。 (→ 参照, 記号は上の図に合わせた)

CF= sqrt(CI/(2π RF fu))

CI: オペアンプの-(負)入力側の容量 (上の図のCDAC+CIN)
RF: オペアンプのフィードバック抵抗
fu: オペアンプのGB積(GBWP)

※直感的には、コンデンサは周波数が高くなると抵抗値が下がるので、超高域では並列の抵抗(本来のフィードバック抵抗)とコンデンサを合成した抵抗値が小さくなって、オペアンプの負入力に電流が多く入る*ことでゲインが下がると理解している。

*シミュレータでフィードバックの電流が増加するのを確認した。

が、一方で、広帯域オペアンプはゲイン1で使うと発振するものが多いのに、危ないところでゲインを下げていいのかという疑問が未解決だ(これはアンプ制作の時から謎だ)。

そして、オペアンプ交換に際して それ以外(回路)の条件が変わらないとすれば、フィードバックコンデンサに必要な容量CFはオペアンプのGB積で決まる。逆に書けば、オペアンプのGB積に合わせてフィードバックコンデンサの容量を調整する必要がある。

フィードバック抵抗を換えて調整することも可能だが、I/V変換特性が変わるから本末転倒だ。

ここで、ユーザがオペアンプを好みのものに交換するとどうなるかというと、そのGB積は当然ながら設計時に想定したものとは異なるだろうから、コンデンサに必要な容量が変わるはずだ。が、コンデンサを換えることは不可能だ(実際には可能だが、ソケットなんてないし、交換している人を見たことがない)。

すると、悪い場合にはオペアンプが発振することになる。そうでなくても、詳しい条件は分からないが、リンギング(オーバー・アンダーシュート)が起こることがある。すると 波形が変わる※ので、「オペアンプを換えたら音が変わった」(実は変質している)となるそれが良いことでない(少なくとも原音と異なる)のは明らかだ。

※余談だが、DACやアンプの製作時にオシロで波形を見て確認しているようなページを良く見るが、本当に確認になっているのかと思う。というのは、今のDACの分解能は20ビット前後(→ 約120dB, 最小と最大の比は1:10万)にもなり、オシロで普通に表示するだけでは最小値付近の微細な変化が見えるとは思えないのだ。

上の例だと矩形波のオーバー・アンダーシュートだが、画面を見て「矩形波が綺麗に出ている」などと満足しては いけないのではないか。そもそも、正弦波だったら わずかな歪みすら分かるかどうか(プロは分かる?)・・・

もちろん、交換しても問題なく動く場合は多い(メーカー推奨(?)のオペアンプは そうだろう)。そういうのは、元のCFの容量で ちゃんと動くような特性・仕様なのだろう。が、本来のCF(からもたらされるゲイン低減特性)とは違うので、やっぱり(文字どおり多少)音が変わるだろう。

なお、関係する仕様・特性はGB積だけではない。他には、入力インピーダンスの違いでI/V変換特性が変わりそうだし、スルーレートや雑音特性は大いに効いて来る(最初のほうの参照1, 2を参照)。歪みも効きそうに思う。あと、上の式のオペアンプの負入力側の容量も変わるだろう。

だから僕の意見は、

オペアンプを換えて音が変わるのは本来のことではない。良いことでもない。

である。

 

もちろん、(僕の指向とは全く逆だが、)オーディオ機器を楽器のように考えて、積極的に音を作る行き方もある。それは「あり」だ。上の話は忘れて良いw

ただ、余計な話だけど、そうするにしても、他人の主観的な感想・評判に頼って交換してみて、やっぱり主観で「良くなった」、「悪くなった」を繰り返すのは、論理的でないとか効率が悪いとか無駄な気がしないでもないが、趣味なので とやかく言わない。

仮に僕がそうするとしたら、まず、測定などで好みの音の「正体」を見付け、それに合う機器を探し、改良することになるだろう。

ただ、(別件ではあるが、)DAC探しをしていると、どうしてか、測定・計測のような客観的な値に依らない・公開/公表しないオーディオ屋が多くて理解できない。製品の仕様に特性の実測値を書かないで平気な顔だ。一体、そういう人たちはマトモな技術者なのか大変疑問だ。そして、そういうのばかりだと、上の「(自分の好みの音の正体)に合う機器を探」すのが 困難になる。

そういうところから買う人は、どこの誰かも知らない人が作った「音がいい」というモノを、どうやって信じるのだろうか? そして、その「良い」と宣う音が自分に合うか、どうやって分かるのだろうか???

でも、趣味なので、どんなやり方をしても、いくら回り道しても、非効率な やり方をしても全く問題はない。それはそれでいい。僕もそういうところはある。

話は変わるが、車でも きっと同様で、タイヤやエンジンなどを換えて乗り心地や「走り」が変わったというのに似ている。僕にしてみれば、やっぱり設計時のもの(純正)の性能が最も「正しい」し、変わるのは何かが違う(正しくない)からだと考える。

とは言え、純正タイヤは高いとか、オールシーズンがないとかの仕方ない制約で別のものにせざるを得ないことはあるし、変化を楽しむこともあるだろうし、ものすごく気に入ったエンジンもあるだろうw あと、たまに、標準の状態が使いにくいから変えることもある。

 

結局、何でも正しい状態のままにするのが正しいとも限らないし、どうするのも各自の自由だ。けど、何が正しい(本来の)状態なのかを考え、自分が何をしているかを把握するのは重要だと思う。

 

PS. 今気付いたが、オーディオなどで「数値(特性・実測値)は音の良さに関係ない」みたいなことを言う人は随分虫がいい。普段は散々科学技術に頼っておきながら、肝心なところで それをないことにして、自説を述べているだけなのだ。オーディオ機器だったら、どんなに少なく見積もっても8割は物理工学に依存しているはずだが、それはいいのか? 2割の理論を変えて ちゃんと整合するのが不思議だ。「従来の科学技術の不備なところ」を実現しているとしても、その基礎は科学に則る必要はある。

この、都合良く科学に頼る輩は本当に嫌いだ。他人の主張を一見科学的・論理的な物言い(政治家のように、それ自体は正しい(が、コンテキストとしてはズレている)ので、まともに対応しようとすると疲れ果てる)で撥ね付けて、体よく対話や議論を拒否するからだ。

それであれば、病気になっても医師に頼らずに民間療法とかで治して欲しいし、「いかにも音が良さそう」なのでなく、一見しても理解不能な、異世界の技術に則った、本当に訳の分からないオーディオ機器を出して欲しいわ。

 

と、オーディオになると なぜか話が長いよwww

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