Archive for 8月, 2023

先日、PCやサーバのバックアップに使って居るBackblaze B2から値上げ予定のメールが来た。ストレージ単価が20%も上がる(USD 0.005 → 0.006 /GB/月)ので、元々安いものの、こちらにはメリットがなく※、ただ値上げされた感じで、何とも気分が悪い。*

※例えば、「代わりに」毎月10-20GBくらい無料にしてくれたらうれしい。が、結構な損になるのだろうか?

*想像でしかないが、Backblazeは少し前に上場したために、コストが増大したとか売上や利益率を上げるように圧力を掛けられているのかも知れない。自分の経験からも、上場すると碌なことがない気がする。

そこで、(以前もやったが、)再び、無料の容量が比較的大きく、有料での単価の安いCloud (Object) Storage(バックアップに使って居るduplicacyで使えるもの)を探してみた。以下に それぞれの概要と印象を書く。また、実際に試したStorjについては その結果も書く。

  • × Storj: 比較的安いが、安定性、継続性、永続性の点で信用できない。
    • 無料: 25GB/月; 有料単価(storage): USD 0.004/GB/月
    • サイトに書かれている"Availability: 99.95%", "Endpoints: 20000+"は すごいように見えるが、良く考えると そうでもない。
      • 信頼性をうたうなら、Availabilityは99.99%以上要ると思うし、全世界で たった2万のノード(ストレージ提供者, 仮想通貨のマイナー相当?)しかないのは少ない。*
        • *いつまで続く(終わる)か不安がある。自分の周囲のストレージ(提供者)が居なくなったら、データが失われるのではないか。 → 継続性、永続性への疑念
    • なぜか、サイトに肝心な説明(「分散されたストレージ」とは具体的には何か)が明記されていない※のも腑に落ちない。(読み落とし?)
      • 結局、検索して調べると、Storjは仮想通貨のように、ストレージを提供してお金をもらう人たち(上述のマイナー相当?)に依存しているのではないか。だから、そういう人たちが「お金にならない」とか思って居なくなったら終わりだ。
        • 実際、以前は無料容量が100GB以上と多かったらしいのに今は随分減って居るのは、ストレージ(提供者)の確保が難しくなっているせいではないだろうか。
        • そういうことだと、環境に配慮していることもうたっているが、実際には環境に悪い気がする。: お金を稼ぐために、多少非効率でも容量や速度や帯域を大きくする人が多いのではないか?
      • ※僕は、最初はStorjのストレージ設備が全世界にあるように思い込んでしまったが、冷静に考えれば、それを安い料金で提供するのは無理だ。
    • duplicacyで使ってみて: 今一つ
      • デスクトップ(IPoE/DS-Lite接続)の場合、ネイティブプロトコルでは(DS-Liteの)IPv4のポートを使い尽くして*、バックアップがエラー(connect: no route to host)で止まった。※: エラー自体はduplicacyの実装の問題があるだろうが、このことで調べているうちに上の疑念が生じた。
        • *バックアップ中はPCから200以上のノード(周囲のストレージと思われる)に接続が起こる。PCやルータのリソースを使い尽くしてしまうことだけでも好ましいことではない。効率が悪いし、セキュリティ的にも どうかと思う。
          • あと、暗号化しているとは言え、自分のファイル(の断片)を周囲に撒き散らすのは、僕は受け入れられない。
          • その関係の保険なのか、規約に「個人情報、クレジットカード情報などを格納しない」のようなものがあったが、高い信頼性を うたう割には何に使うことを想定しているのか謎だ。
        • ※サーバはネイティブ?なIPv4/IPv6なので、ネイティブプロトコルでも問題なかった。
      • S3互換プロトコルならデスクトップでも大丈夫だったが、なぜか、バケットの情報(ファイル)がコンソールでは見えなかった。: S3の暗号化が違うためか?
        • 認証・暗号化に関しては、パスフレーズや認証キーなど種類が多くて(上記のようにプロトコル・アプリケーションごとに違う)、分かりにくく煩雑だった。
  • △- iDrive e2: 料金体系が悪い。恣意的?
    • 無料: 10GB/月; 有料単価(storage): USD 4/TB/月
    • 容量が1TB単位なので、今使って居るB2とGoogle Cloud Storage Archive (GCSA)を全部移すなら可だが、刻みが大き過ぎて高く付くし、単価はGCSAより高い。 → 以前は候補にしていたが、今一つな感じだ。
  • × IBM Cloud Object Storage: やっぱりIBM?: 無料は実用にならず、有料は高い。
    • 無料: 25GB/月; 有料単価(storage): USD 0.0237/GB/月
    • 無料容量は25GBだけど、無料でできる処理数が少なくて(例: Class A: 2000 → 一か月に2000ファイル(オブジェクト, ファイル)までしか作れない※)、実用にならない。
      • ※今のサーバのB2へのバックアップは約20GB, 約14000チャンク(オブジェクト)
    • 有料単価が高い。
  • その他: 信用できない・使えない印象。
    • × Scaleway: 不安が大きいので却下した。
      • 無料: 75GB
      • 評判が まちまちなので、先日騙されたOracleと同様に相手によって態度を変えているのだろうか。
      • 支払い方法(クレジットカード)を登録しないと使えないが、レビューを見ると、「使っていないのに課金されて返金されない」、「苦情を出しても課金され続けている」というのが結構多いので、登録を止めた。
      • また、上にも書いたが、Oracleのように、登録しても なぜか却下されて使えない(しかもデポジットが返金されない?)こともありそうで、イライラするのが嫌なこともあって止めた。
    • × Blomp (ファイルストレージ): 明らかに「うま過ぎる話」なので却下した。
      • 無料: 200GB
    • × Degoo (ファイルストレージ): うまい話ですらないので却下した。
      • 無料: 20GB
    • ×× TeraBox (ファイルストレージ): 無料では使い物にならないので却下した。
      • 無料: 1TBだが、20ファイルまでで話にならない。

 

という訳で、今回もB2から脱却することはできず、値上げされても使い続けるしかないという結論となった。B2が一枚上手だったようだ。: つまり、彼らは上のようなライバルの状況を把握しており、多少値上げしても優位に居続けられる・移る人は少ないことを理解して強気になっているのではないか。

あと、現状の僕のB2の料金は2か月でUSD 1程度なので、検討すること自体も割に合わないのだが、興味があるし世の中の流れを知るのも重要なので、比較・検討した。

 

PS. Storjについての疑問 (8/29 14:41)

Storjの うたう高信頼性(下に抜粋・引用)が疑わしいので、少し考えた。なお、Storjの仕組みについては ほとんど知らないので、あくまでも推測である。

Durability: 11 Nines, Availability: 99.95%, Encryption: AES-256 GCM

信頼性(耐久性・可用性)について

本文に書いたように、Storjはストレージの提供者(仮想通貨・暗号資産のマイナー相当?)のストレージに分散してデータを保存していると推測する。

すると、データを書き込む時にはStorjのサーバで分割して どの提供者(おそらく複数)に書き込むかを決め、書き込んだデータを取り出す時は、Storjのサーバから書き込んだ時の分割情報(またはそれへのポインタ: 分散して保存されているかも知れない)を取得するだろう。

とすると、信頼性を決めるのはStorjのサーバと(多くの)ストレージ提供者のストレージになる。: 前者の信頼性を高めることは可能だが、"Durability: 11 Nines"と言うほど確保できているのか疑問がある。Storjのサーバが全部消失したら全部のデータが失われるだろうが、どこまで強く・多重化・冗長化しているのだろうか。

次に、提供者のストレージの信頼性が確保・担保されているとは思えないので、ストレージ自体・単体の信頼性は かなり低いと想像できる。冗長化することで補っていると想像するが、それには限りがある。低い信頼性の掛け算で更に低くなった信頼性を冗長化で どこまで("11 Nines, 99.95%"?)高められるか疑問がある。

暗号化について

AES-256 GCMという暗号化をしているようだが、計算速度がどんどん増している現状で、絶対に解読できないとは思えない。悪意を持ったストレージ提供者が解読してユーザのデータ(の一部)を悪用できる可能性はないのか、疑問がある。 この場合、元のデータの生成元は分かっているし、いくらでも時間や手間が掛けられるだろうから、結構危うい気がする。その他に、Storjの仕組みに問題(バグ)があって、容易に解けるようになって居たとかいうこともあるかも知れない。

データを分割する時に、データの順序をブロック内でなくブロック間で入れ換えて居る(「スクランブル」している。: 例: ファイルの先頭ブロックの一部を後ろのほうのブロックの中間辺りに配置するようなことをファイル全体で行う)なら かなり強そうだが、結構手間が掛かりそうなので どうだろうか?

とは言え、実際には多くのユーザは更に自分で暗号化するだろうから、解読するのは容易ではないだろう。また、暗号資産の強度の議論とほとんど同じことだろうから、今の時点では問題ないのだろう。

 

(16:23 少し加筆・修正、構成を修正; 8/29 Storjのduplicacyでのエラーを追記; 8/29 14:41 PS. Storjについての疑問を追加)

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先日検討した、最も「入る」(と考えられる)ゴミ箱の最初の版が出来た。いつものように段ボールを使い、長方形より多くのゴミが「入る」という点で8角形のものを作った。※ 僕にしては随分うまく行ったが、客観的には「夏休みの工作かな?」レベルであろう。

※前回の検討から、一番入るのは円(円柱)だが、作るのが困難なので8角形(8角柱)にした。8角形は、正方形(立方体)に近い長方形(直方体)の各辺の中央で折れば作れるので、比較的容易だと考えた。

見た目は どうであれ、自分なりに最適な形状を検討して実現できたのは、喜ばしいことだ。しかも、ちゃんと実用できる(耐久性は要観察だが)。

作りながら・出来てから、サッカーボール*や長岡鉄男マトリックススピーカー※を連想したが、前者は5+6角形, 後者は6角形(台形+長方形)のようだ。

*脇道に逸れるが、6角形だけでも敷き詰められるはずなのに、5角形も使うのはなぜだろうか?: デザイン的なもの? 縫製のしやすさ?

※再び脇道に逸れるが、8角形は平行な面が出来るので、スピーカーの箱には良くなさそうだ。

 

以下、細かい話などを書く。

苦労・工夫したこと

  • 本体: 上述のように、直方体(断面は ほぼ正方形)の段ボール箱の各短辺(上下底以外の面)を半分に折って ほぼ正8角形にした。
    • なので、(僕には)正6角形を作るのは無理である。細長い6角形ならできるが、面積が小さくなるので意味がない。
    • 6角形よりは容易だとは言え、8角形の角は直角でないので、正確に合わせるのは難しい。そこで、底板にも使った別の段ボールの大きさが丁度良かったので、その辺や段ボールの筋に8角形の直角になる4辺を合わせて整形した
    • また、引越しなどでの運搬を考慮して、今回は剥がせる両面テープを使って段ボールを貼り合わせた。
      • そうすれば、運搬時に剥がして分解できる※と考えた。が、実際には、底を外せば畳めるので、本体に関しては接着が良かった。 → もし剥がれたら接着する。
        • ※運送業者に注意するように言えば良いが、(無駄に)かさばるため、重い物を入れて両方を壊される可能性が高いので、それを防ぎたい。
      • 今気付いたが、そもそも、「剥がせる」両面テープと言っても紙に使った場合は綺麗には剥がれない(紙が剥がれる)だろうし、剥がせないタイプでも容易に剥がれるから意味がなかった。。。
      • 事前にマジックテープ(面ファスナー)も検討したが、意外に高いのと すぐには手に入らないのと、紙だと外す時にテープが剥がれる気がしたので止めた。
    • 作ってから開口部の周の強度が心配になったので、外に折り曲げた部分の切れ目に紙片をボンドで貼って繋げて補強した
  • 底: 別の段ボール箱に本体を載せ、本体の形に合わせて切って作り内側から嵌めて(見た目の良さで そうした)貼った。
    • このゴミ箱は中に物を入れたまま持ち上げて運ぶことは想定していないため、そのような簡単な固定にした。
  • ゴミ袋の固定: 普通のゴミ箱のように、上辺の縁に引っ掛けて折って固定したかった。が、段ボールが若干大きかったため、最初に作ったものは本質的に無理があった。
    • そこで本体を少し小さくした。ゴミ袋のサイズ(幅65cm)に合わせ、接合部分で約3cmずつ縮めた。
      • そのため、わずかに正8角形ではなくなり、底を外しても平らに畳めなくなった。が、面積は問題ないので良しとした。
  • : 見た目だけのものなので特に考えがなかったが、別の段ボール箱を開いたもののサイズが概ね合ったので、本体の形状に近く切って付けた。
  • その他
    • 辺や角が多い(8角形は四角形の2倍!)ので、全般的に手間が掛かった。
      • そのため、テープなども余計に使った気がする(そんなことはない?)。
      • また、角が直角でないため、ただでさえ工作が苦手なのと相まって、形が微妙に歪んだ
      • こういうことが、建築などで普通の四角形の柱が使われる理由の一つかも知れない。
    • 前回作ったプロト(四角形)と比べると、予想通り若干大きい(遠近法のため、写真ではプロトのほうが大きく見える)が、設置には問題ない。
      • ただ、個人の感想だが、見た目は こっちのほうが良い感じだ。シュッとしているとか、(形が)ちょっと おしゃれな感じがする。
      • まあ、形よりは、(ムカつく)パンダの絵などが見えなくて無地であることが大きいかもw
      • なお、蓋を付けた途端に、トイレの蓋みたいな感じで今一つになってしまう・・・

製作中などの写真

 

確認・検討など(サイズ, 容積, 断面積, 強度)

  • サイズ, 容積
    • 幅(内側): 約38cm (上述のように、作る時にサイズを小さくしたため、約39cmと約38cmが2つずつある。), 深さ: 約47cm → 容積: 約58l (ゴミ袋: 45l)
      • 容積がゴミ袋より随分大きいが、ゴミ袋の測定条件が不明(例: 縛る部分をどうしている?)なのと、このゴミ箱が若干大きい(角の部分が効いている?)からだろうか。
    • 辺の長さ: 約16cm (上と同じ理由で約17cmと約15cmが4本ずつあるので平均した。) → 断面積: 約0.12m2
  • 円などとの断面積の比較
    • 前回と同様にゴミ袋の幅をwとした時、8角形の辺の長さは2w/8 → w= 1とした時、辺の長さは2/8= 1/4 → 面積は0.31 (参照1, 参照2): 前回計算した円(0.32)に近い。
    • 参考: 6角形の場合、辺の長さは2w/6 → 2/6= 1/3 → 面積は0.29で、少し小さい。
  • 強度
    • 柱状のもので強い形状を調べたが、6角形あるいは円形の情報が多かった。
      • 構造材などでハニカムが強い話は見付かったが、実際の建築に使うには(現状では)余りメリットがないという情報もあった。 (→ 参照)
      • また、柱として使う場合は強いという情報があったが、今回と異なり、上から圧力を掛けた場合である。
    • 8角形は上からの圧力には強い情報はあったが(ただ、なぜか6角形より弱い実験結果もあった)、隙間なく配置できないため※、ハニカムのような構造は なかった。
      • ※前回は気付かなかったが、8角形は隙間なく配置できないので、6角形が最密だそうだ。
    • いずれにしても、主に柱の圧縮や曲げに関する強度の検討が中心で、今回のように中に物を入れた時の(柱の表面の膨らみ・縮み方向の圧力に対する)強度に関する情報は見付からなかった。
    • ただ、炭酸飲料の缶やPETボトルは、強度を稼ぐために素直な円柱にしているという情報があった。: 円は角(凸凹)がないために圧力が均等に掛かるから強いということだった。 (→ 参照) → 8角形は長方形よりは円に近いので、強そうな気はする。
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気付いたら前回から1か月も経っていた・・・ 億劫で本格的な着手は先週だったが、やっぱり手間が掛かって長引いた。約千個のJoplinのノート(画像などを含めたデータ量は約1GB)をZimに移した。

時間と手間は掛かったけど大したことはしておらず、移行スクリプトの作成・既存スクリプトへの機能追加・デバッグ・動作確認程度だ。以下に概要を書く。

ニッチな作業で普遍性がないうえに(手間の関係で)概要しか書けないので他の方の参考には ならないが、自分の整理として書く(詳細が知りたい方はコメントで質問されたい)。

Joplin→Zimへの移行処理

  1. Joplin→Zimの変換 (xfr-jop2zim.sh)
    1. 指定したJoplinのノート/ノートブック中のノートに対して次を行う。
    2. 対象のノートがZimに変換済みでない場合、そのノートをZimに変換する。
  2. Joplinのリソース(画像など)のZimへの取り込み (att-jop-rsrc.sh)
    1. 指定したZimのノート/ディレクトリ中のノートに対して次を行う。
    2. 対象のノートがJoplinのリソースを参照している場合、そのノート中のJoplinのリソースをZimのリソース(添付ファイル)にする。

1, 2どちらの処理用のスクリプトも これっきり使わない(はずの)ものだが、半ば無駄に高機能化した。例えば、Joplinのリソースを参照しているZimのノートの一覧を出す機能や、ノートブック内の全ノートだけでなく、子ノートブックに対しても再帰的に処理する機能などがある。

そうやって苦労したにも関わらず、もう、処理が2段階だったこと(スクリプトが2個あったこと)を忘れて居た・・・ (まあ、「これっきり使わないもの」ってのは そういうものだ。)

新たにプログラム(スクリプト)を作るのが面倒だし、誤りが多くなりそうなので、既存のもの(機能追加した)を流用・組み合わせた。

書いたあとで気付いたが、上の処理は「流用・組み合わせた」と書いたように、どちらも今まで または前回出来ていたもので、今回は それらを組み合わせただけだ。では何に苦労したかと思い起こすと、ノートの中には特殊なパターンがあって、想定する動作にならない場合があることと、多くのノートに対して 漏れなく2段階の処理をする(しかも結果の確認と処理の修正もする)という純粋な手間だった。

例えば、そもそもJoplinでもZimでも「エクスポート」するだけではリソースのファイルはコピーされず、そのままスマフォに送っても画像などが表示できないことがあるのでコピーし、ノート内のリソースの指定を そのコピーしたものに書き換える。その処理で、リソースの指定(≒ ディレクトリ)には いろいろな種類があり、それらを完全に把握して対応するのが難しいために上記の「特殊なパターン」が多発した。

それらの概要を以下に示す(以前にも書いた気がするが、変更もあるので再度書く)。

移行処理で使って居る処理の概要

  1. Joplin(MD) → Zimにエクスポート (jop2zim.sh): 元々使っていたものを若干修正した。
    • 基本的にはJoplinのMDをpandocでZimのフォーマットに変換すれば良いが、pandocだけでは うまく行かないので、以下のようにした。
      1. Joplinからノート(MD)を取得
        • Joplinでエクスポートされるものは不便なので、cliのcatでノートを取得している。
      2. 前処理
        • Zimに変換後では無理な処理をする。
        • Joplinのノートブック→Zimのディレクトリ変換, ノート・ノートブック中の特殊文字の対応, リソースディレクトリ, リソース(画像など)指定, 書式(改行他)の修正・調整, pandocの誤り対応
      3. MD→Zim変換 (pandocを使用)
      4. 後処理
        • 書式(改行, 見出しの下線他)の修正・調整, 僕が変更したZimタグへの対応
      5. 追加情報ファイルの作成
        • Joplinのノート・ノートブック情報, エクスポートした日時, 自動エクスポート(Zim→MD)の可否※などを格納する。
          • ※例えばMDはスマフォに送るので全部のノートを変換する必要はなく(全部送るとデータ量が増大する以外に、同期が頻繁になって電池消費が増える)、その選択に使って居る。
            • 今回は、全部を自動エクスポート不可にし、スマフォに送るものだけ設定変更することにした。
      6. Joplinのノートにエクスポート済みのタグを付ける。 (処理の繰り返しを防ぐため)
    • 備考
      • リソースはJoplinのディレクトリにあるものを参照する。
      • Joplinのcliが不便なので、sqlite3でJoplinのDBにアクセスしてノートやノートブックの情報を取得している。
  2. Joplinのリソース(画像など)をZimのリソースにする。 (zim2md.sh -AJI)
    • 下のZim→MDの処理と共通部分が多いので、機能追加した。処理内容は下を参照のこと。
  3. Zim → MDにエクスポート(主にスマフォでの閲覧用)時にZimのリソースをMDのリソースにする。 (zim2md.sh): 元々Zim→Joplinにエクスポートするスクリプト(zim2jop.sh)だったものを改造・機能追加した。
    • MD変換はZimのMDエクスポート機能だけでは うまく行かないので、以下のようにした。
      1. 追加情報ファイル(上述)のサポート
        • 例: 自動エクスポート不可の場合は処理しない。
      2. Zimのノートを一時ノートにコピーして前処理
        • MD変換後では無理な処理をする。
        • MD書式(水平線, 箇条書きのインデント, 引用, コードブロックなど)の修正・調整
        • リソース(画像など)の抽出・存在チェックも行う。
      3. Zimで一時ノートをMDにエクスポート
      4. MDを後処理
        • ノートの題の復元(追加), リソース指定(ディレクトリ)の修正
      5. MD(またはZim)にZim・Joplinのリソースをコピー
        • MDと同じディレクトリにリソースディレクトリを作ってコピーする。
        • Zimの埋め込みリソース(MDの"[alt](URL)"(画像でないもの, 先頭の!なし)に対応するもの)はPC内の任意のファイルが指定されるので、MDにコピーするサイズを制限している。
          • 全くコピーしないことも考えたが、多少でもスマフォで見られれば便利と考えた。
      6. MD(またはZimのノート)内のリソース指定(パス)を書き換え
        • Joplinのリソース
        • Zimのリソース

その他の作業

  • (延々と)準備・検討・確認, プログラム作成・修正, 動作確認, デバッグ・・・
  • ノートの記述、ファイル名、ディレクトリ構造などの修正・調整(修正できない/面倒な/1回しか起こらず、以降も使わない場合)
    • 手抜きだが、もう使わないプログラムを手間を掛けて直すのは馬鹿らしいので。
  • Zim内のJoplinのリソース(sym-linkで参照)の無効化 (何らかの手違いで参照されたらエラーで分かるように)
  • MD内のJoplinのリソースの削除(不要になったので)

その他

  • 元々Evernoteだったノートは、変換を繰り返した(Evernote→Joplin→Zim)ためにフォーマット(特に改行、水平線、箇条書き)が ひどいことになっているが、文章は損なわれていないはずなので、良しとした。
    • 途中でDropbox Paperを使ったり、LinuxではNixnoteを使っていたこともあって、かなり ひどいものがある。下の画像抜けは その関係があるかも知れない。
  • Evernoteから移行したものでは画像が なくなっていることが結構あり、自分で処理したとは言え、汎用性のないフォーマット・サービスは良くないと思った。
  • スクリプト(特にzim2md.sh)は場当たり的な修正が多くなってしまい、肥大化・複雑化して自分でも全容・詳細が把握できなくなってしまったが、作り直すのは大変なので仕方ない? (どこかの銀行みたいだ・・・)
    • 「*すれば(手軽に)できそうだ」みたいな始め方が悪かったのは認めるが、そうでもないと始まらなかった。
  • 当然ながら、もうJoplinのDB(約170MB)を変更しなくなったので、自動バックアップでのデータ量が減った。変更があると100MB以上(PC全体での量、以下同)だったのが、数十MB(50MB以下の場合も多い)になった。
  • 今後、Zimから他に移る可能性があるかも知れないが、その時は汎用的なMDに変換できるので楽そうだ(実際には やっぱり大変だろうw)。
  • 上で「MDは汎用的」と書いたが、実際には いろいろな種類(流派)があるうえに機能が今ひとつだ。例えば、上・下付きの書式が統一されていない(というか、ない!)。外にも少し(ものすごくではない: 逆に、ものすごい機能はある)凝ったことをしようとすると、非互換かHTMLや外部機能に頼る羽目になって、「何考えてるんだ?」と思う。それが僕がZimを使って居る理由の一つだ。
    • まあ、ZimはZimで欠点(問題点/不具合)は いろいろある・・・ が、機能面では僕には最適・必要充分に近い。

 

PS. 以前からのTODOが一つ消化できた。が、次にはゴミ箱タイヤ交換PC・サーバのOSなどの更新が控えている。そう言えばスマフォの交換(買い替え)もあったな。依然として どれも面倒だw

PS2. 本文に書いた「特殊なパターン」に苦労したことで思ったが、僕でさえ そういうことを想定して少しずつ試しに処理して確認・修正しながら進めたのに、ある国の何とかカードの保険証は一気に国全体で始めてしまい、案の定、問題が多発している。「(いいシステムなので)問題は ないと思う(分からん)が、何かあったら現場で頑張れ」のスタンスかと思われるが、そういうのはプロとして恥ずかしい限りだ。まあ、大層な名前や肩書だけど、頭でっかち・口ばっかりでプロじゃないんだろう。

詭弁的な言い訳に、「発生率は極小なので、大きな問題ではない」とかいう、いかにも納得しそうなものがあるが、そういうレアな問題にもシステムの正当性・安全性に疑問を生じさせたり危険性を示すものがある可能性があるので、軽視してはいけない。

そういうことを考慮しない発言をすること、更に、その状況でも なぜか(どういう論理か不明だが)「安心」させて「数」を増やそうと企むことが、指揮者・発注者として失格というか、「無知無能は すっこんでろ!」だ。

そういう連中を弁護する意見に「トラブル0を求めるのは日本人の悪い癖」のようなものがあるが、それとは違う。トラブルを0にすること(無理だ)が目的とか重要なのでなく、起こったトラブルの原因を調べて、例えばシステムに予期せぬ問題がないか調べる・確かめることが重要なのだ。その結果、起こったトラブルが予期されたものであれば仕方ないし、安心できる。

言い換えれば、「問題は必ず起こるが、「だから問題ない」と言ったり、なかったことにするのは間違っている。」だ。

(8/22 4:59 加筆, 6:53 PS2を追加)

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昨日に引き続き頭の体操。基本的に数学などは苦手だが、馬鹿馬鹿しいことを真面目に考えるのは好きだw

 

結構前から、ゴミ袋が一杯になって収集に出そうとしてゴミ箱から出すと、まだ余裕があることに気付いていた。仕方ないので、一旦その袋を出して次の回まで別の場所に置いておき、実際に出す時に それまでの分を追加していた。が、どうも面倒だし汚いし、置き場所が もったいない。それで、どうしてそうなるかを考えたら、どうも、ゴミ箱の形が悪い気がして来た。

元々、今のゴミ箱は底に行くに従って狭まるのと、底部に蓋開閉用の出っ張りがあるので、そのせいかと思ったが、それ以上に、そもそもの形(主に断面)が関係しているのではないかと考えた。つまり、同じ袋でも断面の形によって入る量(体積)が違うのではないかと。

それで、もしそうなら、どういうゴミ箱の形ならゴミ袋に最大に詰められる(「入る」)のか考えてみた。この時、正確に考えるのは難しいので、以下の前提とした。

  • ゴミ袋の周(4辺の長さの和)はゴミ箱の形状に関わらず一定。
  • ゴミ袋はゴミ箱に密着する(ゴミ箱の形と同じになる)。
  • ゴミ袋をゴミ箱に入れた時の深さはゴミ箱の形状に関わらず一定(ゴミ箱が充分深い場合)。
    • 少し怪しいが、とりあえず成り立つとする。

すると、体積= 断面積 x 深さなので、断面積が最大になる形状のゴミ箱が一番「入る」と考えられるので、その形状を考える。

ゴミ袋のサイズを幅w x 深さhとして、一般的な形のゴミ箱の断面積を比較する。

※参考: 実際のゴミ袋(45l)のサイズ: 65 x 80cm → 可能な円周: 約130cm → 半径: 約20.7cm (直径: 約41cm), 正方形の場合の1辺: 約32.5cm

    • 断面積(r: 半径): S1= π r2
    • ゴミ袋のサイズと断面積の関係: S1= w2
      • 2πr= 2w → r= w/π → S1= π (w/π)2= w2
    • 参考:
      • 45lゴミ袋での断面積: 約1320cm2
      • 製品のサイズの例: 直径 43cm x 深さ: 47cm → 面積: 約1450cm2, 体積: 約68l (外寸なので大きい?)
  • 正方形
    • 断面積(L: 1辺の長さ): S2= L2
    • ゴミ袋のサイズと断面積の関係: S2= w2/4
      • 4L= 2w → L= w/2 → S2= (w/2)2= w2/4
    • 参考:
      • 45lゴミ袋での断面積: 約1056cm2
      • 製品のサイズの例(手頃なものは ほとんどない): 32cm角 x 深さ: 63cm → 面積: 約1024cm2, 体積: 約64l
        • 33cm角とすると、約1090cm2
        • 35cm角とすると、約1200cm2 (ゴミ袋のサイズから不可能)
  • 長方形
    • 断面積(L1, L2: それぞれ短・長辺の長さ): S3= L1 L2
    • アスペクト比(長辺/短辺)をRとすると、L2= R L1 → S3= R L12
    • ゴミ袋のサイズと断面積の関係: S3= R (w/(1+R))2
      • 2(L1(1+R))= 2w → L1= w/(1+R) → S3= L1 L2= (w/(1+R))(R w/(1+R)) = R (w/(1+R))2
      • 例: R= 1.5の場合、S3= 1.5 (w/(1+1.5))2= w2/(6.25/1.5)= w2/4.2
    • 参考:
      • 45lゴミ袋での断面積(R= 1.5の時): 約1014cm2
      • 現状のゴミ箱: R=約1.5 → S3= 1.5 L12
        • サイズ(内寸): 約25 x 38cm x 深さ: 53cm → 面積: 約950cm2, 体積: 約50l

※楕円も気になるが、そういう製品は ないので省略する。

それぞれの形状の断面積を比較すると、以下になる。

以下で、w: ゴミ箱の幅, R: 長方形のアスペクト比(長辺/短辺)である。参考のため、w= 1(単位長さ), 長方形のRをいくつかの値とした時の断面積も書く。

  • 円: w2
    • w= 1の時の断面積: 0.32
  • 正方形: w2/4: π≒ 3.14なので、円より小さい。
    • w= 1の時の断面積: 0.25
  • 長方形: R (w/(1+R))2: 複雑だが、R>1なので、正方形(左でR= 1とした場合)より小さそう。
    • w= 1, R= 1.25の時の断面積: 0.25
    • w= 1, R= 1.5の時の断面積: 0.24
    • w= 1, R= 2の時の断面積: 0.22

結局、円が最も断面積が大きいので、

同じ深さのゴミ箱であれば、断面が円のものが最も「入る」。

という結論になる。

最初に思ったことだが、直感的に、ゴミ袋の自然な形(収集に出す時の形)が球に近いので、それに近い円筒が良いのではないか。

更に、実際には、角型の箱だと四隅に物(ゴミ)が詰まりにくい感じなので、その点でも円筒が最適と推測する。

 

なお、製品を探すと、どういう訳か(部屋に置いた時の空間効率や見た目?)、実際には、長方形のゴミ箱が最も多く、次は円(主に屋外用)、正方形は ほとんどなかった。

なお、ゴミ袋ホルダー(箱なし)が最も効率が良さそうだが、見た目や強度の点で問題があるので採用できない。

ゴミ袋のためにゴミ箱を買い換えるのは馬鹿らしい気もする(ゴミ箱は意外に安くない)が、もし買うなら、円か正方形に近い長方形のものを探すことにした。

ただ、上の参考断面積を見ると、正方形になった時点で随分円より小さくなる(約3割減)し、意外に、アスペクト比1.5の長方形でも正方形と同様なので、円一択だろうか。

(16:41) 丁度良いサイズの段ボール(サイズ: 約35x35x53cm)があったので、試しに作ってみた。円に近付けるため、8角形に したかった※が、技術が ないので欲張らずに(ほぼ)正方形にした。安直に段ボールを縦にして天面にゴミ袋くらいの穴を開けた(ちょっと大きかった)だけだ。

※8角形などの場合、特に底面や蓋が難しい。

操作性や耐久性には難があるが、これで どのくらい入るかを試してみたい。良ければ ちゃんと作るか買おう。

なお、汚いので写真は載せないが、従来の長方形のゴミ箱で満杯になっ(て押し込めなかっ)たゴミを押し込めた※から、より入りそうな気がする。

正方形や円(→ 上に書いた球)に近いほうがゴミを圧縮しやすいのだろうか? ゴミが分散しやすいのか。袋を移したためにゴミが分散したとかの偶然かも知れないが。

は全くの僥倖で出来たもので、見た目は悪くないが、臭いは防げない。が、元のゴミ箱の蓋も通気性があるらしく、臭いは防げなかったので、大きな問題はなさそうだ。

(8/16 21:15) プロトタイプのゴミ箱は随分詰め込める感じだ。誇張なしで今までで一番だ。まだ隙間はありそうだけど、もう詰められないと思って袋を出そうとしたら なかなか出せず、口が縛れなくてガムテープで貼った。だから、円筒形状なら きっと最高に入るだろうけど、正方形でも充分な感じだ。

そう言えば、高校の化学で「六方細密」というの(分子配置?)を教わったのを思い出したが、8角形よりも6角形のほうが空間効率が高いのだろうか? ちょっと興味が湧いたが、ゴミ箱には正方形でも充分なことは分かったw

全くの余談だけど、その化学の先生が「落ち着いた おばさん(でも、どこか可愛気がある)」て感じで なかなか良かった。

ちょっと検索したら、どういう訳か、2次元で6角形(六方細密充填構造)まではあるが、8角形の構造はなさそうだ。自然には できない形なのだろうか。

(8/25 22:07) 8角形は隙間なく配置できないので(これを書いた時は気付かなかった)、6角形が最密とのことだ。

まあ、「細密充填構造」とは言っても、これはその元素の原子が細密なのであって、中に物(ゴミ)が最も充填できるとか、その形状の物が周囲との無駄が少なく配置できる訳ではなさそうなので、余り関係ないかも知れない。実際、面心立方格子構造(正方形)も六方細密と同じ充填率(74%)だ。

 

PS. きっと、形による面積の違いは既知の話なのだろうが、良く考えると不思議だ。周が同じで形が違うから面積が違うのだろうか? それにしても、減った分は どこに行ったのだろうか??

↑ 答えではないが、(箱または袋の)形を伸ばして直線にすると(= 袋を畳んだ状態)面積が0になるのと関係がありそうだ。少なくとも、同じ周の長さでも、形によって面積が変わることは確かだ。

変わる面積は一体どこに行く・どこから来るのかは分からないが、おもしろいことだ。

PS2. 現実には ありえないけど算数の問題に ありそうな例として、すごく長いロープで囲めるだけの土地をもらえる場合、利口は円にし、細長い形にするのは馬鹿ということになる。でも実際には、円だと きっちり分けられないから嫌がられそうだ。

なお、一休さんのような人は すごく小さい円を置いて、「どうした?」と聞かれると、「外側を全部下さい!」とか言いそうだ(が、相手が悪いと ひどいことになりそうだ)www

そこで6角形??w

 

(18:38 少し加筆・調整など; 8/15 19:54 副題を追加; 8/16 21:15 プロトタイプ ゴミ箱の感想を追記; 8/25 22:07 六方細密に補足)

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本題のアンプよりも「頭の体操」とか「下手の横好き」的な話題である。

自作アンプBA3886には出力保護用のコイルがあるのだが、以前、「アンプのコイルは振動して音に影響があるから防振したほうが良い」という記述を見て、はなはだ眉唾では あるものの、気休め程度に そうしたくなった。また、ついでに、DCコンバータの放熱用フィンも防振したくなった(思い付いて ちょっとやったまでで、コイルより更に気休めとか お遊びだ)。

コイルの防振

どうやって防振しようか考え、以下の案が出た。材料は どれも余っているものだ。

  • ハリ玉やブルタックをコイルの表面に付ける・中に詰める。
  • エアコン用パテを表面に付ける・中に詰める。
  • コーキング剤を表面に付ける・中に詰める。
  • ハネナイトを表面に巻く。
  • 接着剤を表面に塗って固める。

検討し、安直にブルタックにした。ブルタックは色(薄水色)が付いているため、今後は(見えるところには)余り使わなそうなのと、柔らかくて作業しやそうだったからだ。パテやコーキング剤も余っているが、前者は柔らかいままで固まらないため、後者は固まるまでに垂れないか心配だったので止めた。

なお、コイルの中に物を詰めたりすると特性が変わってしまうのではないかと思ったが、非磁性体なら問題ないことが分かった。詰めたりする物の比透磁率が問題となるが、プラスチックやゴムやアルミニウムなどの非磁性体では概ね1で空気と同様だそうだ。

また、耐熱性が気になって調べてみたら、ブルタック自体には「40℃(直射日光35℃)以下のところでご使用ください。」という注意があるが、材料のブチルゴムは150℃くらいまで耐えられるようなので、普通にアンプを使う分には問題なさそうだ。

実際、今までも他の箇所に使って居るが、溶けて流れたりしていない。また、120℃ 30分で問題なかったというもあった。

以下のように付けた。そもそも狭くて作業が難しいうえに、中に詰めるのはコイルに密着させるのが難しいので止め、表面だけ3箇所に付けた。また、コイルの固定を強化したかったので、コイルの下にある抵抗との隙間を埋めるようにも付けた。

DCコンバータの冷却フィンの防振

コイルの材料の案に加え、以下の案が出た。

  • 防振ゴムのリブを切ったものを隙間に押し込む。
  • 耐震ジェルを押し込む。
  • (楽天Wi-Fiの)緩衝材を押し込む。

検討し、最初はハネナイトでPETボトルの断片を挟んで厚さを調整したものにしようとしたのだが、作るのが面倒なのと厚さの加減が難しいので、防振ゴムにした。これは大昔、スピーカーの下に敷いていたものだ。「防振」と書かれていた気はするが、効果は定かでない。

なお、緩衝材は良さそうだったが、色が白くて合わないので却下した。耐震ジェルは、厚さの調整が難しいのと柔らか過ぎるので、却下した。

防振ゴムのリブ(山になっている部分)の幅が丁度フィンの隙間に合うので、リブを1本切り、短く切って嵌めた。ただ、数が微妙に足らず、配置の統一感が今一つだった(右端辺りが違う)ので、その前に試しに作ったハネナイトを3枚重ねにしたものを足した。こういう配置が良いのかも分からない。完全に趣味や好みの世界である。元々効果を期待していないので、自分が気に入れば良しだw

昔の空冷バイク(特に単気筒)の冷却フィンに こういう防振ゴムが付いているものがあったが、防音や防振のためだったのだろうか? ただ、フィンの振動を抑えてもエンジン音が抑えられるとは思えない。防振だろうか。多少でもフィンの振動を抑えることでエンジンの振動を減らそうとしたのか。

効果

  • コイル: 割り箸で叩いた時の音は「カンカン」に近い感じ(響きが少し長い)だったのが、「コツコツ」になった。
    • ブルタックの防振効果はあった。
  • フィン: 割り箸で叩いた時の音は元々「コツコツ」だったが、わずかに響きが短くなった気がする。
    • 元々フィンが短く、素材が硬くて振動しにくいため、ゴム程度では特に特性が変わらないのだろうか。
  • アンプの音: 変化なし。: 作業後に わずかに音の変化(下記)を感じた気がしたが、疲れとか気のせいだろうと思う。
    • 高域が何となく大人しくなった気がする。落ち着いた感じか。かと言って、音が悪くなった訳ではない。影響があるとしたら、コイルだろう。

今のところ、溶ける臭いなどは しないが(特にフィンのゴム)、しばらくは経過観察したい。あと、ゴムの嵌り具合については、一日使ったあとは問題なかったが、朝、冷えている時は一部のゴム(切り方の加減で わずかに薄いもの)が少し緩かった。再度作っても良いが、抜ける訳でなく面倒なので、様子見にする。

 

コイルの振動(動き)について考えた。

ここからが本題だ。: コイル(の銅線)は、音を出すと(スピーカーに出す電流を流すと)どのくらい動くか?

知識が少なくて どう考えれば良いかは分からないが、以下のような前提とした。

  • 「コイルの振動」はコイルの銅線の振動
  • 銅線の振動は、コイルに流す電流だけによる。
    • → コイルの銅線の動きは、コイルに流す電流によって線(の間)に掛かる力によって生じる。

よって、

コイルの振動は、コイルに流す電流の変化によってコイルの銅線(の間)に掛かる力の変化によって、銅線が振動すること。

※当初は上の()内のように「銅線の間」の力だけを考えたが、後に銅線とコイルの磁界による力もあることに気付いた。

だと考える。

電流による線間の力の寄与の検討

銅線の間に掛かる力は、とりあえず、(コイルの形状やコイルであることの効果(あるとすれば)を無視して)平行な電流の間に掛かる力だと考えた。

調べると、予想(斥力)に反して、同じ向きに流れる平行な電流の間に掛かる力は引力だった。高校で習ったようだが、すっかり忘れて居た。

なお、コイルの場合、隣り合った線間で同じ力(線のどこでも電流は等しいため)で引き合うため、両端以外の線では力が釣り合い、基本的に動かないことが予想され、「コイル(の線)は振動しない。はい終了!」となる

ものの、釣り合っていない両端の線の振動でバランスが崩れて内側に影響を及ぼすことがないとは言えないので、一応進める。

平行な電流間の力 F= μ IAIB L / (2πd) → μ I2 L / (2πd)

μ: 透磁率, I: 電流, L: 長さ, d: 線間の距離

Lは力を求める線の長さであるが、ここではコイルの1周(巻)当たり力を考えるので、コイルの周の長さと考え、コイルの半径をrとすると、L= 2πr となる。

すると、F= μ I2  2πr / (2πd) = μ I2  r/d となる。

アンプのコイルに合わせ、r= 0.50cm (コイルの直径: 1cm), d= 1.2mm (線の芯間), μ= 1.26 * 10-6 (空心なので空気の値)とし、仮にI= 1A (推定出力: 15W(死ぬほど大きい))とすると、

F= 1.26 * 10-6 * 12 * (0.5/100)/(1.2/1000)=  5.3μN

と かなり小さそうだ。それでも、どのくらい動くか考えてみる。

線を支持点のある棒と考えて、支持点からの距離Hの点に横に力Fが加わった場合に動く量(変位)xは、以下になる。

F= k γ

k: 横弾性係数, γ: せん断歪

 γ= x / H

k (x / H)= F → x / H= F / k → x= F H / k 

書いたあとで気になったこと: 棒の「ある点に横に力Fが加わった」場合、その変位は支点と力の掛かった点の距離に関係しないのだろうか。僕が公式を使う時に誤解したのかも知れない。

元々の式は縦(引っ張り)の場合なので、位置は関係ない。そこから横にする時の決まりが あったのかも知れない。(もしかすると、長さを掛けるなど?) そうすると、下の「変位1nm未満」というのは なさそうだ。が、小さいことには変わりなさそうだ。

更に横弾性係数を調べたら、想像が当たっていた。横の場合は変位(せん断歪)は角度だそうで、横弾性係数・変位は支点と力の加わる点の距離が関係する。 (→ 参照: 下の式を引用) → 変位の計算を修正したが、何となく おかしい感じになった。

せん断力(τ) = 横弾性係数(G)× せん断歪(γ)

せん断歪(γ) = ΔL/H

ΔL: 力の加わる点での変位, H: 支点と力点の距離

あと、コイルの場合は一点でなく円周に連続して力が掛かるので、積分が要る気もする。そうすると、力や変位は更に大きくなる。が、それだと、下の例では円周全体ではバランスするので、いくら電流が強くても全く動かないという話にもなる。

この辺りは下手の横好きまたは「付け焼き」のため、なかなか考えられず、つい、簡単な考えで済まそうとしてしまう。

→ その後調べたら、「分布荷重」で計算するような感じだが、なかなか手強い。直感的・近似的には、「円の面積倍」で行けそうな気がするが、それと元の値との関係付けが分からない。仮に、半円(輪)で考えるとすれば、元の変位 * 円の面積/2= 元の変位 * 約1.6 (= π * 12/2) とするとして、元の変位(の1倍)は円のどういう状態に相当するのか(直感的には「垂直な半径1本分」)だ。そこが説明できないと、本当に約1.6倍でいいのか分からない。

そこで、トンデモ理論になるだろうが、sin関数で円(輪)の寄与を求めてみる。

元の変位をxとした場合、垂直な半径(元々の計算での支点と力点の距離)からの角度をθとした場合、そこまで(片側)の力または変位の寄与を

dx= x * sin(θ)

とすると、総合的な変位は以下のように考えられる。

x'= x + 2 * dx = x + 2 * x * sin(θ)= x * (2 + sin(θ))

半円の場合はθ= 90°なので、以下のようになる(かも知れない)。

x'= x * (2 + sin(90°))= 3x

であれば(テストでは0点だろうが)、ここで計算している それぞれの変位は10倍にもならないので、大きな違いはなさそうだ。(と希望する)

上を調べている時に見付かったページによれば、下のコイルの磁界による力の方向は内外向きでなく、コイルの磁場と平行(長手方向)でありそうなことが分かった。そうであれば、振動の方向は全部長手方向となるが、果たしてそうなのだろうか? 単に上のページに内外方向の力について書いてないだけだろうか?: いずれにしても、今の問題は、コイルが動くかと その量なので、大きな問題はない。

コイルの場合、円周に連続して力が掛かるため、上のHをどう考えるかが分からない(上に書いたように、積分が要りそうだ)。仮に、円周の中央(ある点から90°離れたところ)の点が支持点だと考えると、Hはコイルの半径となる。

コイルの線を直径1.0mm (断面積 0.79mm2)の純銅と考えると、k= 約48(GPa)なので、

x= 5.3 * 10-6 * (0.5 / 1000) / (48 * 109 * (0.79 / 10002))= 0μm (< 1nm)

と、(信じがたいが)かなり小さそうだ。

注: 上の「書いたあとで気になったこと」に書いたように、コイルでは力は円周全体に掛かっているため、本当の変位は力が一点に掛かっている場合とは異なる。ただ、一点で1nmより小さい変位を円周で計算したところでmm単位になるとは考えられないので、高々μm単位ではないだろうか。変位に関しては以下も同様である。

コイルの磁界による力の寄与の検討

上を書いてから気付いたが、(上で無視した)コイルであることの効果、すなわち、コイルの生む磁界によってコイルを形成している線が力(おそらく内・外向き)を受けることが考えられる。

上と同様に、コイルは円状で磁界による力は円周に一様に掛かるので、力が釣り合い、基本的に動かないことが予想されるが、構造の非対称性や僕の知らない要因で動く可能性があるので、とりあえず検討を進めた。

磁界の中のコイルに働く力F'は、コイルの生む磁束密度Bと電流Iなどから、以下のように求められるとする

F'= I B L'

I: 電流, L': (力を受ける部分の)長さ, B: 磁束密度

B= μ H

μ: 透磁率, H: 磁界

H= n I

n: 単位長当たりの巻数, I: 電流

F'= I μ H L'= I μ  (n  I) l'= μ I2 n L'

コイルの1周当たりの力を考えるので、上と同様に、L'をコイル1周の長さと考えるとL'= L= 2πrとなる。

アンプのコイルに合わせ、コイルの幅を1.3cm、巻数を11回とすると、n= 11/(1.3/100)= 約846となる。上と同じ電流I= 1Aの時、

F'= 1.26 * 10-6 * 12 * 846 * 2*3.14*(0.5/100)= 34μN

と、やっぱり小さそうだ。

この力でコイルの線が(内外に)動く量(変位)を上と同様に求めると、

x'= 34 * 10-6 * (0.5 / 1000) / (48 * 109 * (0.79 / 10002))= 0μm (< 1nm)

となる。

考察・まとめ

どちらの場合も値が小さ過ぎて不安になるが、正しいとすれば、僕のアンプではコイルに掛かる力は微小で その動き(振動)は無視できるということになった。

なお、これを計算する前は、コイルの線は左右(コイルの軸方向)に動くと思って居たが、そうではなく、内外(軸と直角)方向の力が1桁大きいため、動くとすれば内外に動く量のほうが大きそうだ。

すると、今回やったような防振は余り意味がなく※、やるとすれば、線を枠(ボビン)に「きっちり」巻き、「カッチリ」と接着するなどが良さそうだ(スピーカーのネットワークのコイルは そうなっている)。が、それは今からでは無理だ(コイルの作り直しになる)。

※それでも、防振材を付けることで、コイルの質量が増して振動しにくくなることは期待できそうだ。弾性係数は変わらないので直流で長時間で見ると変わらないものの、音の電流は交流のため、コイルの質量が増すことで動き出すまでの時間が長くなって振動しにくくなりそうだ。

まあ、そもそも上の考えや計算が合っているか定かでないし、合っていたとしても、僕の環境では実際のアンプの平均出力は100mWにもならないから、流れる電流は微小で、コイルの線が動く量は ものすごく小さい(≒ 動かない)と考えられる。コイルが動くとすれば、スピーカーの音や人や建物などの動きによる振動のほうが大きそうだ。

そもそも、コイルの振動と音への影響の有無すら不明だw

 

おまけ: 「コイル鳴き」の検討

考えたついでに、PCで良く聞く(僕も一度、鳴るものに当たったことがある)、スイッチング電源の「コイル鳴き」について考えると、PCは数百Wの電力を消費するため電流も数A(100Vの場合)と大きく、線が細く、巻き密度が大きいため、磁束密度も大きいだろう。すると、線を固定していない場合の変位は 上より大きくなりそうだ。

内外方向に掛かる力について考えると、Iを同じ(1A), nを100倍, L'を0.5倍(コイルの径は約0.7倍), μを2000倍(フェライトコアを想定)とすると、力は

F''= 2000*1.26 * 10-6 * 12 * 846 * 50 * 2*3.14*(0.5/100)*0.5= 3.3N

と、約10万倍(≒ 100*0.5*2000)に大きくなる。

動く量(線を固定していない場合)は、線径を0.30mm(断面積 0.071mm2)とすると、

x''= 3.3 * (0.5 * 0.7 /1000) / (48 * 109 * (0.071 / 10002))= 0.34μm

となり、アンプのコイルよりは大きいものの、かなり小さい

書いたあとで「コイル鳴き」で検索したら、どうやら、線だけの振動でなく、「コイル」と言いつつ コアも関係しているようだ(まあ、コアも含めてコイルだから良いか)。また、コイルの振動方向は上の推算と同様に内外の感じだ(説明図からの想像)。 (→ 参照)

上の参照資料によれば、コイル鳴きは、コイルの線自体の動きとコアの動きによるものがあるようで、減らすのには線を固める他に、コアが動かないようにするとか、発振周波数を変えるべきなのだろう。※

※危険なので試してはいけない。 → つまり、電源を換えるしかない。

 

PS. 書いている時、フォントのせいで"I"と"l"と"1"の違いが分かりにくくて往生したw もしかしたら、どこかで まだ混じっているかも知れない。

PS2. オーディオ機器だけでなく、正しいことが書かれている詭弁に注意しなくては いけない。コイルの話では、物理的には電流を流すと動く(音なら振動する)のは確かだが、それと その動きが測定可能か、あるいは聴いて分かるかは別だ。

例えば、スピーカーのボイスコイルの例を出されると、「ああ確かに動くね」と思ってしまうが、あれは磁性体のコアがあって磁界が強いから動くのだ(と僕は理解している)。

本当にコイルが動いたとして、それが音に影響を及ぼすかについても同様で、確かに「多少の」影響はあるだろうが、それが聴いて分かるか、音を悪くするかは別問題だ。

そこまで定量的に書いている製品・メーカーなら信用できそうだが、誤った・嘘の値、あるいは、全く問題ないのに いかも影響が大きく見えるように書いている場合もあるから(例: 「1.1dB改善!」)、油断はできない。

あと、「測定器では音の違い・良し悪しは測れない」というのは間違っていないが、そういう自分は何をどうやって測定して、その要素に関して その結論に至ったのかと聞きたい。大抵、四の五の言ってデータどころか測ったかどうかすらも出さないから聞けば分かる。今まで うっかりしていて僕は聞かなかったが、最初に実際に測ったことがあるのか聞くのは重要だろう。どういう答えが来るだろうか? 「長年の経験から測る意味がない―」とか? すべてに関してそうなのなら感心する。テスターもオシロもスペアナも使わずに開発して、出来たものは聴くだけで出荷してるのかな。

と言うと、もちろん「違う」という答えは来るが、肝心のところは出て来ないからキリがない。例えば、すごい発見の論文が出たが、その情報で他者が検証できなかったら、偽物扱いされるってことだ。と言うと、数値じゃないと言われるが、そこらのオーディオは現代の科学の最先端の論文やノーベル賞より すごいのだろうか?

と言うと、次元が違うと言われるだろう。でも、そういう科学や数値にとらわれない人でも、なぜか基本的な道具や技術は科学的なものを使って居るのが謎だ。0から完全に自分たちの理論で製品を作り上げているなら何も言うことはないが、そういう人は見たことがない。半田も真空管もトランスもトランジスタもICも電気も何も使わないってことだ。都合のいいものだけ使うのは おかしい。説明が必要だ。

まあ、僕の経験から言えるのは、「こういう(都合の良い)ものがないか」と思っていたものが突然出て来たら、それは大体偽物だということだ。

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