いつからだったか、PCのサウンドカード(ASUS Essence STX II, 以下ASUS)で収録した音の右の歪み(全高調波歪み率, THD)が左より大きいことに気付いていた。劣化だと思って放置していたのだが、先日 とあるDACを試用した時の測定で気になって、ちゃんと調べてみた。
すると、振幅(音量)が大きい(例: -10dBFS)場合に2次高調波が大きくなっており(例: 左チャネルの約3倍)、それでTHDが大きくなっている(例: 左チャネルの約2倍)ことが分かった。
問題の部位を探す。
原因として、サウンドカードのDACまたはADCの右チャネルの特性が劣化していると考え(最初は、以前壊して直した(+性能が悪いので嫌いなw)ADCだと思った)、右(出力)→右(入力), 同右→左, 同左→右のように たすき掛けで特性を測定・比較したところ、入力するチャネルに関わらず、右で出力した場合に歪みが大きいので、右のDAC部が劣化していることが分かった。
過去の測定データから 劣化が始まった時期を調べたら、どうやら2021年3月辺りのようだ。この頃に過大入力でADCの入力部のオペアンプを壊して直したが、それに関係あるのだろうか?: グラフでは、最後の正常だったデータ(上の青: L, 赤: R)では左右の差が小さいが、ADC修理後(黄緑, ベージュ)は左右に差ができ、その後差が出る帯域が広がって現在(下の青, 赤)に至る。
なお、不思議なことに雑音に左右差はない。ここに何かヒントがあるかも知れないと思ったが、DACから出力していないので なさそうだ。まあ、(雑音の多い)ADCに問題がない証拠では あろう。
- ASUS Essence STX IIの高調波歪み率の時間的変化と歪み補償処理後: ADC故障前 (2021/1): 青: L, オレンジ: R (測定条件が違うため、歪みが大きい。); ADC修理後 (2021/3): 黄緑: L, ベージュ: R; 現在 (2022/11): 青: L, 赤: R, : ピンク: R(歪み補償あり)
- ASUSの雑音(ノイズフロア)に左右差は ない。: 青: L, 赤: R, オレンジ: R+歪み補償
DAC部の劣化する要素としては、以下の可能性がありそうだ。
- DACチップ
- 周辺のアナログ回路
- I/V変換回路(DACの出力を電圧に変換する)
- ライン出力バッファ(等倍アンプ: マニュアルにはLPFと書いてあるが、旧版ではバッファとなっている)
- 電源回路(上の3つのそれぞれ)
- 特に電解コンデンサ
DACチップの片チャネルだけおかしくなるということがあるのか、分からない(ただ、以前はオペアンプの半分だけ壊れたのであるかも知れない)。電源の電解コンデンサが劣化することは大いにあり得る。ただ、気軽には交換できない。
(11/28 10:47) DACチップPCM1795Aのピンを見ると、左右チャネルの出力用電源(VCC2L/R, AGND3L/R)が別になっているので、その右側用(バイパスコンデンサ?: 写真右側のぐるっとチップを取り囲んでいる金・銀色のうちの一つ・・・)が駄目なのかも知れない。
そこで、たまたまサウンドカードに交換用オペアンプ(LME49720)が添付されていたので、I/V変換回路と出力バッファのオペアンプを交換して試してみた。: まず、出力バッファのオペアンプ(1個)を換えてみたが、歪みに変化はなかった。次に、I/V変換回路(2個)の左右を入れ替えてみたが、これも変化はなかった。
すると、残りは、周辺回路の受動部品(コンデンサ・抵抗)か電源回路かDACとなる。どれも容易には交換できず、交換しても成功するとは限らないので、新しいサウンドカードや外付けDACに交換するのが良さそうだ。
とは言え、今までに書いて来たたように、なかなか「これ」という候補がないので、ソフト(信号処理)で暫定対処してみた。
暫定対処1: 振幅を下げる。
ます、振幅が大きい(約-16dBFS以上)場合に左チャネルより右チャネルの歪みが増すので、DACに入れる振幅を下げれば歪みは増えないと考えて、DACの前にアッテネータを入れてみた。試行錯誤したところ、アッテネータの減衰量が16dB以上なら歪みは増えないので、16dBにした。
- ASUSの右チャネルの歪み (入力: 1kHz, -6dBFS)
- 同、左チャネルの歪み (入力: 1kHz, -6dBFS)
- アッテネータで右チャネルの歪みを減らしてみた。 (入力: 1kHz, -6dBFS, アッテネータ: -16dB)
目論見どおり、歪みの左右差はなくなった。が、何となく音が悪い気がした。16dBは約2.7ビットに相当するので、それなりに音は劣化しているはずだが、それ以前に気分が良くない(数値もそうだが、趣味なので これは重要だ)。それに、振幅が小さいため、全体としての歪み率は減らないし(元のグラフと対処後のグラフの左上の囲いの中のTHDの値を参照)、小さくしたものを再度アンプで大きくするのは とても馬鹿らしい。
再考
そこで、そもそもに戻って2次高調波が増える原因を調べたが、なかなか分からなかった。が「KAKUSAN真空管アンプ」の「2次歪みの打ち消し その1」という、おっ!と思わせるページがあった。このページは、(自作アンプの製作の際にも参考にした、)「私のアンプ設計マニュアル」の「真空管で発生する歪み(負帰還の予備知識)」を参考にされており、それを読んだら、2次高調波が増えるメカニズムが少し分かった気がした。
要するに、回路(アンプなど)の正負の特性が非対称になっているようだ。非対称になる原因は分からないが、やっぱり電源、特に電解コンデンサの劣化で正負電源の能力が非対称になっている、つまり、負荷の高い時にどちらかが電圧降下してしまうのではないかと想像する。
上は良くありそうな考えだが、良く考えると、PCの電源はそんなにヤワじゃないし、DACやオペアンプが そこまで電力を消費するとも思えない(とは言え、DACやオペアンプの周りに電解コンデンサが並んでいるところを見ると、やっぱり消費するのか)。それに、調べては居ないが、元々DACやオペアンプはPSRR(電源電圧変動除去比)が高そうではないか(でも、コンデンサを並べるってことは、それほどでもないのか)。
仮に電源でないとすれば、DACやオペアンプの劣化(損傷)なのだろうか?
(11/27 9:55) 上の他に、リレー(写真の白い長方形)の接点の劣化の可能性も ありそうだ(こういう症状になるかは不明)。
結局、電解コンデンサの交換に帰着して容易でないことに変わりはない。が、最初に挙げたページから「歪みを打ち消す」という発想に気付き、回路でなくソフトでやってみることにした。
暫定対処2: 歪みを補償(キャンセル)する。
つまり、右チャネルの信号をDACに出す直前に、DACで発生するであろう歪みを引いておけば、歪みが出なくなるのではないか。早速JACK(JACK rack)のモジュールを探すと、Harmonic generatorというのがあり、まさに2-10次までの高調波が加えられる。それで、波形(1kHzのスペクトラム)を見ながら、加える量(係数)を調整したところ、0.000035が良さそうで、見事に歪みが減った。予想に反して符号が正だった(引くのでなく足した)が、参照したページと逆の歪み方をしているのかと想像している。 (以後、HD2Cと呼ぶ)
- 右チャネルの元の歪み (入力: 1kHz, -10dBFS)
- 右チャネルに歪み補償用の2次高調波(係数: 0.000035)を加えた場合の歪み (入力: 1kHz, -10dBFS)
- ASUS Essence STX IIの高調波歪み率の時間的変化と歪み補償処理後: ADC故障前 (2021/1): 青: L, オレンジ: R (測定条件が違うため、歪みが大きい。); ADC修理後 (2021/3): 黄緑: L, ベージュ: R; 現在 (2022/11): 青: L, 赤: R, : ピンク: R(歪み補償あり)
- ASUSの右チャネルの歪みを補償するため、DACに入れる前に、DACで発生する2次高調波と符号が逆の成分を加えてみた。: JACK rackのHarmonic generatorで2次高調波を加えた。
その後、広い周波数帯域・振幅で調整して係数を0.000017とした。※ グラフ(再掲)で、右チャネルの歪みは下側の赤(補正前)からピンク(補正後)まで減り、左チャネル(下側の青)に近くなっている。
※補正係数に単位はなさそう(比)だが、歪み率の差に近いようだった。
なお、いいのか悪いのか、音(聴いた感じ)に特に変化はない模様だ。そもそも、歪みが多いと言っても絶対値は小さい(増えている場合で0.002%など)し、今まで聴いていて歪みが多くなっていることに気付かなかったのだから、その歪みが小さくなっても違いが分からなくて当然な気がする。※ 逆に、数値としては問題なくても、補正処理で音が何らかの劣化をすることや、時間経過でDACの劣化具合が変わって係数が合わなくなることが心配なので、しばらく様子を見たい。
※聞こえないからと言って放置する気には全くならない。それではラジオと一緒だ。: まず趣味(オーディオだけでなく、計測・測定も)だし、良くない状態を なかったことにして使い続けるのは嫌だ。
とは言え、僕は数値特性至上主義ではない。数値が良いだけで いい音は出ないのだろう。かと言って「耳・感性がすべて」などと言うのには大反対だし、似非・疑似科学なんて もっての他だ。もちろん、何の根拠もなく・提示せずに「音がいい」などと言うのは論外だ!
では何かと言うと、「腐った機器で いい音は出せない」だ。最低限クリアすることがある。例えば、特性のしきい値、実装の常識があるはずだ。「音がいい」とい言うのは それからだ。
あるいは、おいそれと物理法則を覆すことはできないってことだ。もし覆したなら、隠さず・誤魔化さずに論理的に説明して欲しい。
でも、そんなことより重要なのは、音の良さと演奏の良し悪しは全く関係ないことだ。どんな機器でも いい演奏を楽しみ、感動することはできる。
それに、そういう微小だけど広範囲な歪みは ちょっと聞いただけでは分からないけど、再生音の微細な ところや全体の雰囲気に影響を及ぼすかも知れないと思う(それは時間を掛けて検証しないと確認できない)。
ところで、こういう歪み低減方式は見たことがないが、アナログアンプのフィードフォワードみたいなものだろうか。そして、この方式なら、2次高調波に限らず幅広い高調波歪みが減らせ(補償・キャンセル)そうだが(実際、試した時は左チャネルより歪みが小さくなった)、採用しないのは何か理由がありそうだ。
そもそも、固定の小さくない歪みが出るのは回路がクソ駄目だからで、設計時や出荷前に直す・調整するだろうし、出荷後や稼働(再生)中にダイナミックに歪みをキャンセルするのは困難だからだろう。それでも、電源on直後とかの初期化時や無音時やマニュアルで補正係数を求めれば それなりに効果がありそうな気がするが、きっと余り良くないことがあるのだろう。
大体、自分で やっておいて なんだが、効果が すご過ぎて信用できないw
まあ、微細な歪みを測定できるADCは高いし、プロセッサを付けるのも面倒だし、それで雑音が増えるだろうから、手軽ではない。
今気付いたが、これは処理としてはイヤフォンやヘッドフォンのANCみたいなものだ。だから、そのうち出て来るかも知れないな。そういえば、デジタルアンプであった気がした。 (→ 例: DDFA: これはフィードフォワードでなく、普通のフィードバックのようだ。)
One more thing... (また思い付きだよ・・・w)
これとは別に、歪みの値や交換用オペアンプ(LME49720)を眺めていたら、例によって思い付いた。: 折角だから、現状のもの(I/V: MUSES8920, バッファ: MUSES8820)よりLME49720のほうが特性が良いなら交換したくなった。調べたら、MUSES8820は歪み率やスルーレートが他より悪いようなので、(標準をこれにした理由は 何かあるのだろうが、)LME49720に交換してみた。
ちなみに、「オペアンプの音」というのは余り信じてはいないし期待もしていないものの、音質比較のページもいくつか参考にした。 (→ 参照1, 参照2, 参照3, 参照4: これに一番「背中を押された」かも?^^)
個人的には、本当に音が変わるとすれば、オペアンプのチップを換えることで特性が変わる以外に、それで微妙に回路の挙動が変わるために、特にダイナミックな特性や消費電力の変動特性が変わるためではないかと思う。そして、僕は その変化があることが良いとは思えない。特性の違いによる変化は あるべきだが、それ以外の変化は想定外の事象だと思う。
特性は全く変わらなかった※ものの、(気のせいや耳の調子の関係やプラシボ効果だとは思うが、)音は変わった。: 高音が少し強い感じで、音が軽目になった気がする。これもしばらく様子を見たい。
※ADCやサウンドカード(実装)の限界で 違いが測定できなかった可能性もある。
本題に戻るが、LME49720に交換しても特性(歪みの左右差も)が変わらなかったということは、少なくとも出力バッファ回路、特に電源関係の劣化は問題なさそうだ。もし劣化しているなら、オペアンプの交換で消費電力が微妙に変わって歪みの出方が変わるはずだと思うからだ。
その後 (11/28 9:32)
例によって、とりあえず対処出来ただけで安心することなく、(飽きずに)再挑戦、見直しなどをしていた。疲れたので簡単に書く。
- 再度、歪み増大の原因(箇所)の究明とハード的な対処の試行をしたが、成功せず。
- 問題の起こるライン出力とヘッドフォン出力の歪みを比べてみた。 → ヘッドフォン出力の歪みは大きいものの、左右の歪みの差がなかった。 (→ グラフ: 濃色: ライン出力, 淡色: ヘッドフォン出力)
- ヘッドフォンアンプへ信号が分岐される、I/Vのあとのリレーの接点、バッファ、もう一個のリレー、コンデンサが悪そう。 (信号経路は下の接続図を参照)
- だが、ヘッドフォン出力は左右ともに2次高調波が大きい(歪みは ほとんど2次)ので、違うのかも知れない。
- が、ここにヒントがありそう。
- ヘッドフォンアンプへ信号が分岐される、I/Vのあとのリレーの接点、バッファ、もう一個のリレー、コンデンサが悪そう。 (信号経路は下の接続図を参照)
- 基板を見てDACから出力までの回路を推定した。
- DACからライン出力までの接続は以下である。部品番号は基板の写真を参照のこと。
- ライン出力 ← RL2 ← C3/4 ← バッファ (A3) ← RL1-1/2 ← I/V (A1/2) ← DAC
- A1/2: I/V用オペアンプ (2個: LR)
- 1個ずつ、左右それぞれの正負を処理する。
- A3: バッファ(LPF)用オペアンプ
- RL1-1/2: ライン出力とヘッドフォン出力切り替えのリレー(2個: LR)
- RL2: ライン出力ミュート用リレー?
- C3/4: 出力のカップリングコンデンサ(2個: LR)
- A1/2: I/V用オペアンプ (2個: LR)
- ライン出力 ← RL2 ← C3/4 ← バッファ (A3) ← RL1-1/2 ← I/V (A1/2) ← DAC
- DACからライン出力までの接続は以下である。部品番号は基板の写真を参照のこと。
- 出力のカップリングコンデンサの劣化の可能性を考えてスキップしてみた(コンデンサ(C3)の手前から出力を出した)が、効果なし。
- まあ、電源でなく信号だし、それほど熱くなるとは思えないので、劣化している可能性は低い。
- しかも、片チャネルだけどいうのは余りなさそうだ。
- まあ、電源でなく信号だし、それほど熱くなるとは思えないので、劣化している可能性は低い。
- リレーの接点の劣化の可能性を考えて、I/Vのあとの1個(右用: RL1-1)をスキップしてみたが、効果なし。
- まあ、寿命になるほど使っていないと思う。
- カップリングコンデンサとリレー(2個)をスキップしてみた(リレー(右用: RL1-1, RL2)とコンデンサ(C3)を短絡させた)が、効果なし。
- 出力端子に並列に抵抗※があるのを忘れていて、最初のコンデンサのスキップでは不充分だったかも知れないと思って試した。
- 論理的に考えてもシミュレーションでも影響がないのは分かっていたが、試した。
- ※アナログテスターのため、抵抗値が50Ωか50kΩか判然としなかった。が、もし50Ωだったら、小さくてオペアンプが過負荷になっている可能性もある。
- が、そんなに小さい抵抗を付けるほど常識がないとは思えないし、左では問題が起こらないのには合わない。
- 出力端子に並列に抵抗※があるのを忘れていて、最初のコンデンサのスキップでは不充分だったかも知れないと思って試した。
- → やっぱり「手に負えない」 → DACを買う必要がある。 → 細かい条件の検討を開始した。
- 問題の起こるライン出力とヘッドフォン出力の歪みを比べてみた。 → ヘッドフォン出力の歪みは大きいものの、左右の歪みの差がなかった。 (→ グラフ: 濃色: ライン出力, 淡色: ヘッドフォン出力)
- 上の変更を元に戻す時に、再度オペアンプを交換してみた。
- 思い付き・直感(毎度懲りないw)でやったのだが、その後、PCM1792Aのデータシートの外付けアナログ回路の推奨オペアンプの説明("APPLICATION CIRCUIT"の"I/V Section", "Differential Section")を参考にLME49720とMUSES8920の特性を比較したら、(後付けの論理ではあるが)悪くなさそうなことが分かった。
- I/V: LME49720
- TIのデータシートによれば、バンド幅, セトリング時間, スルーレートが重要そう。
- → バンド幅が広いため これで良さそうだ。また、低歪み・低雑音でもあるので、これを前に入れるほうが良さそうだ。
- バッファ: MUSES8920
- 同、低雑音が重要そう。
- → 測定方法によるが、こちらも低雑音な感じなので良さそうだ。
- I/V: LME49720
- 特性を測ったら、全域で わずかに右の歪みが下がったが、なぜか左は変わらななった。 → この辺り(DACからI/Vの辺り?)が歪みの問題に関係ありそう。
- また、右チャネルの歪みキャンセル処理(HD2C)後の歪みが より左に近くなった。
- ちょっと聴いてみると、LME49720をバッファにした時より良い感じ(馴染める、耳閉感が起こらなそう)と右の高域がクリア(だけどキツくない)になった感じだが、まあ、気のせいや体調の関係だろう。
- ただ、好みの音ではある。
- 全体としてはオリジナル(I/V: MUSES8920, バッファ: MUSES8820)に近い。
- 思い付き・直感(毎度懲りないw)でやったのだが、その後、PCM1792Aのデータシートの外付けアナログ回路の推奨オペアンプの説明("APPLICATION CIRCUIT"の"I/V Section", "Differential Section")を参考にLME49720とMUSES8920の特性を比較したら、(後付けの論理ではあるが)悪くなさそうなことが分かった。
- HD2C(DACに出す前に高調波を加えて歪みをキャンセルする方法)の副作用などが見付かった。
- 高調波を加えるために振幅が大きくなって、DACでオーバーフローする可能性がある。
- → たまたま、部屋の特性補正のためのフィルタの前に(念のため)1dB下げている(約0.89倍)ので、問題は起こらないことが分かった。
- 低域の位相が少し進む(50Hzで約8°)。
- 気にはなるが、部屋の特性補正のためのフィルタでは もっと変わるので、大きな問題ではない(止むなし)とした。
- 低域の振幅がわずかに下がる(20Hzで0.5dB程度)。: 高調波を加えるために使ったHarmonic generatorのため。
- 微小な差なので問題はない。
- どれも致命的な問題ではないが、調子に乗って「全部の高調波を減らして歪み0にしそう!」なんてやったら ひどいことになってそうだ。(上に書いたように、)「(余計でもそうでなくても)処理は増やさないほうが良い」という直感は正しかった。
- 高調波を加えるために振幅が大きくなって、DACでオーバーフローする可能性がある。
- ASUSのサウンドカードのライン出力とヘッドフォン出力の歪みの比較: 濃色: ライン, 淡色: ヘッドフォン
- ASUSのサウンドカードのDACからライン出力までの基板 (仮に主要部品に番号を付けた)
- ASUSのI/Vから出力までの回路推定のメモ
- ASUSの出力のカップリングコンデンサをスキップしてみた。
- リレー2個と出力のカップリングコンデンサをスキップしてみた。
- ASUSのオペアンプをI/V: LME49720, バッファ: MUSES8920に交換する前後の歪みの比較: 概ね、濃色(2本組の線の上側)は交換前, 淡色が交換後
- オペアンプ交換後のHD2Cの効果 -10dBFSでの歪み率 濃色: HD2Cなし 淡色: HD2C
- HD2Cは低域の位相が少し進む(50Hzで約8°)
- HD2Cに使用したHarmonic generatorのため、超低域の振幅が落ちる。: 出力-10dBの場合、20Hzで-0.5dB程度