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良く考えたり調べれば分かることは多いが、分からないこともある。ただ、それが本当の謎と言えるかは怪しく、自分に知識や経験が ないからかも知れない。

だから、それらをすぐに謎(だから分かりようがなく、どうしようもない)と決めつけて思考停止したり、(いかにも権威ありそうな)他人の言うことを盲信するのは大嫌いだ。

 

(本題)

先日、以前にも起こっていた、たまに左のスピーカーから小さい「ポツ」という雑音が出る件が ぶり返したので、自作のアンプBA3886に問題がある・生じたのか不安になって原因を確かめている。

雑音の原因の可能性は いろいろある。以下に示す、音の経路にある要素のすべてが そうだ。

PC

再生アプリ → ドライバ類(JACK, PulseAudio, ALSA) → サウンドカード(DAC)


再生機器

コード1(L/R) → ボリューム → コード2(L/R) → アンプ → コード3(L)/4(R) → スピーカー(L)/(R)

アンプに問題があると厄介(対処が面倒、気が重い・・・)なので、そこには目を瞑る。のでなくw、まずはアンプに焦点を当てることにした。: 具体的には、アンプの入力(コード2-L/R)と出力(コード3,4)で左右(LR)チャネルを入れ替えて試している。それで雑音が右から出たらアンプが おかしく、左からなら それ以外のはずだ。

 

(なぜかScarlettのドツボにハマる・・・)

一方、他の大きな原因としてサウンドカード(ASUS Essence STX II, 以下、ASUS)も考えられる。古いものだし、一度壊して(無理やり)修理したことがあるからだ。仮にASUSが駄目になっているとしたら交換することになるが、次のものは すぐには決まらないから※、まずは手持ちのオーディオインタフェース(Focusrite Scarlett Solo Gen. 3, 以下、Scarlett)の可能性を調べた。以前試したら今ひとつだったが、再度試してみることにした。

※実際にAmazonなどで探したが、手頃なものでは「欲しい」と思えるものがなかった。しかも、近頃は その辺りの業界は様変わりしていて、日本メーカーのものは ほとんどなく、中国がほとんどだ。(先入観は良くないが、)手頃なものでも仕様・特性が すごいものはあるが、本当にその値が出るのか、そして音は いいのか、結構疑問だ。

参考までに、少し前の候補は以下だが、後述の「すごく良い特性が必要だ」という誤った結論の時に選んだので、現在(自分に合う音のものが良い)は もう少し違って来そうだ(が、音が自分に合うかを確かめる術はない・・・)。

MOTU M2; Native Instruments Komplete Audio 1; Sabaj A10d(2021年版); S.M.S.L SU-6, D-6; TOPPING E50, E30II, D10s

更に、(いつになるかは未定だが)次期PCではUSB接続のDACにする(せざるを得ない)だろうから、その使い勝手も試したかった。

Scarlettの音を聴いてみると、最初は低音が豊かでパワフルに聞こえたが、実際には駄目な音だった。: 少し聴くと、豊かだと思われた低音は締まりがない こもった感じで、聴き続けたら少し耳閉感が起こった。あと、前のアンプ(改造後?)やイコライザ(BEHRINGER DEQ2496)をDACに使おうとした時にも あったのだが、音に雑物・不純物が混じっているような、ザラついたような埃っぽい感じ(要するに「音が悪い」)もした。

何が悪くて そうなっているか分からなかったので 接続や音量などを調整してみたが、改善できなかった。

それで、Scarlettの(ライン出力の)オーディオ特性を測定し、音が悪い原因を探ってみた。: すると、なぜか、振幅の周波数特性や歪みが局所的に変動する箇所があった。(→ グラフ1: 右下のインパルス, グラフ2: 左の山) また、歪みがかなり多かった(仕様の量を超えていた)ものの、決定的ではなかった。(→ グラフ)

それで、「仕様・特性がASUSより悪い(雑音: 約6倍, 歪み: 約10倍)ためだ」という、にわかには信じがたい※結論に なり掛けた。*

※というのは、確かにScarlettはASUSに比べると悪いものの、絶対的には、ダイナミックレンジは100dB以上だし、歪みも0.002%と大きくないからだ。これで駄目なら、普通の機器(すべてのCDを含む)は全部駄目なことになる。

*なので、この時は、「ハイレゾのオーディオ機器は本当に必要だった」という、それまでの持論を覆す結論にすらなり、そういう流れで書こうと思って居た。

ところが、その後、偶然にも問題の本当の原因が分かり、Scarlettの特性は充分良い(= 「最高」ではないが、実用には全く問題ない)ことが確認できた。

Scarlettの出力の接続の仕方が悪かった。: すっかり忘れて居た(というか、最初から意識して居なかったかも)のだが、Scarlettのライン出力は実はバランス(TRSジャック=ステレオ標準ジャック)で※、特性測定時にTSプラグ(モノラル標準プラグ)を使ったために負出力がGNDにショートされた*のが良くなかったようで、TRSプラグに換えて負出力を開放したら直った。 (→ プラグの比較, 参照: 「バランスーアンバランスのケーブル接続について」: 「4、電子バランスOUTPUT → アンバランスINPUT」)

それに気付く前も、歪みの多さからScarlettの出力アンプが飽和しているのかと思って、入出力振幅(レベル)を調整したりしたが、直らなかった。

※問題の原因が分からないので、何かヒントがあるかとマニュアルを見直していたら、仕様のところにバランス出力であることが書いてあって気付いた。

*バランスであることは忘れて居たが、無意識に(そこら辺にあった物を使って)した接続が偶然マニュアルどおりのアンバランスへの変換だった(けど、駄目だった)。

問題が起こる理由を考えるだが、今ひとつ分からない。: バランス出力だから出力アンプは正負別のはずで、しかも、正負それぞれの出力ジャックの前に直列抵抗が入っているだろうから、負出力をショートしても正出力側には影響は出ないはずだが、振幅が大きい場合に終段のアンプ(オペアンプ)の負荷が高くなって局所的に電源電圧が変動(低下)したためではないかと想像している。他に、アンプの発振や、GND電位が局所的に変動して正出力が変動することが考えられるが、実際に起こるのかは分からない。

(11/9 15:13) 想像を元にシミュレートしてみたら、やはり、負出力をショートしてアンバランスに変換した場合はオペアンプが過負荷になって居る可能性がありそうなことが分かった。

まず、Scarlettの回路図は手に入らないので、出力部が(僕の想像どおりの)AKMのDAC AK4393のデータシートにある回路例(「Figure 11. 外部LPF回路例 2」)のようになっていると想定した。※ シミュレーターを用いて、その回路の通常時(バランス出力)と負側をショートして(無理に)アンバランスに変換した場合をシミュレートした。

※が、もし本当にこのような回路で負側をショートしてアンバランスに変換させているしたら、それこそアマ以下だ。なお、AKMのデータシートでは、これのあとに ちゃんとアンバランス出力回路があるので問題ない。

すると、想像通り、ショートした場合にはオペアンプから大電流(5Vの場合、100mA前後)が流れることが分かった。

次に、同様に負出力をショートしてアンバランスに変換する方法をマニュアルに記載しているDEQ2496の出力回路(仕様には"servo-balanced"とある。: そのものは入手できないので、姉妹品DCX2496の出力回路を使った(→ 掲載例))でもシミュレートしてみた。知識が足りないため、この回路の動作が全然理解できないのだが※、出力をショートしてもオペアンプから大電流は流れなかった(5Vの場合、5mA以下)。

※それでシミュレーターを使った。シミュレート結果を見ていたら、ショート時と開放時の動作が ちゃんと連続していて、実に良く出来ていると思った。

まあ、Scarlettの回路は想像でしかなく、実際にはDCX2496と同様になっているのかも知れないが、電源off時のポップ音(DCX2496では ちゃんとミュートしようとしている。: 回路図の"AMUTE")といい、Behringerに比べて随分杜撰な作りをしているようなので、想像どおりなのかも知れない。そうであれば、僕の測定結果と推測が裏付けられる。仮にそうでなくても、いろいろ杜撰なので、どういう異常が起こってもおかしくないという想像は覆せない。実際に駄目だったし!

まあ、DCX2496の回路にも言いたいことがある(例: DAC(バランス)→アンバランス→バランス(XLR出力)でいいのか?)が、堅実だというのは確かだ。

(ここまで11/9 15:13)

 

(更にDEQ2496にもハマる・・・)

(11/10 1:04) ついでに、死蔵していたDEQ2496(以下、DEQ)がDACとして使えるかと思い、特性を測ってみた。※: 振幅は問題なかったものの、歪みは約500Hz以上が単調増加する ひどいものだった。他者の評価でもそういう傾向で、僕の測定が間違っている訳でなく、製品の作りが悪いようだ。* (とりあえず)歪み以外はASUSと同等なのに、詰めが甘いのか。もったいない・・・

※なぜかASUSのデジタル出力が うまく使えないため、別の出力(オンボードのRealtek)を使ったせいか位相が正しく測れなかったが、振幅と歪みは測れた。

*実際、アナログ部分をそっくり交換して特性を向上させる(本末転倒的なw)基板が売られていたくらいだから、筋金入りだw

なお、歪みがひどいので、上のシミュレーションが合わず、バランス出力をアンバランスに変換するのに負出力をGNDにショートしているのが良くないのかと思って開放したら、ものすごい雑音が出た。それで、正出力と負出力を使うようにしても雑音が大きかったので、DEQはマニュアルどおり、負出力をGNDにショートするのが正しい。

ということは、Scarlettも一応ちゃんと作ろうとしたけど、詰めが甘くて今ひとつなのかも知れない。

それから、昔はDEQをイコライザ兼DACとして使っていたが、このひどい歪みに気付かなかったか気付いても気にしなかったのは、全く しょうもなかった。

この歪みのせいで、DEQの音が悪く感じたのかも知れない。今日少し聴いた感じでは、耳閉感は起こらないものの、なんか落ち着いた・地味な感じ(高域がちょっと物足りない)に聞こえた。歪みの影響だったのだろうか。 (ここまで11/10 1:04)

(11/10 13:28, 17:19) DEQの歪みの原因が気になって回路図を見ていたら、ミュート用のトランジスタが悪いように思えた。シミュレートしてみたら、確かに繋がっているだけで高調波が出た。※(→ : 左下のスペクトラム) 更に、ミュート機能も不充分で、半分(正の信号)しか消せないことが分かった。* (→ : 右下の波形)

※BA3886でも 似たようなことがあった。その時はダイオードだった。

*あの回路は一見ちゃんと動くように思えるが、そうではなかった。トランジスタは片方向にしか電流を流さない。

それで、試しにミュート用トランジスタを無効にしてみたくなって基板を見たら、どうも回路が違うようだ。※: どうやら、トランジスタの代わりにリレーでミュートしているようだ。メーカーが駄目なことに気付いて改良したのではないか(実際、どこかに"Rev. 2"とか書いてあった気がする)。

※確かにトランジスタはあるが、配置が想定と異なるので、使われ方が違うようだった(リレー駆動用のようだ)。

リレーにしても、なぜか2回路のものが2個もあるのが理解不能だった。: 入力もミュートするのか、正負左右独立にミュートするのかと思ったが、どちらも無駄な気がする。

と思って再度DCX2496の回路図を見たら、入力にリレーが使われていた(入出力レベル切り替え用のようだ)。すると、別に出力ミュート用トランジスタがあるのかも知れない。 → もう少し探す。

→ やっぱりリレーでミュートしていた。どうしてか、ミュート時(リレーのコイルがoffの時)には出力を入力に繋げているようだ(ここは理解が浅い)。電源off時にパススルー的になって好都合と考えたのだろうか。

更に、(上のDCX2496の回路とは異なり、)アナログ基板内は完全にバランスで処理しているようで、そのためにリレーが2個(1個ずつ正負、左右で2個)実装されている。随分改良した感じだ。

ただ、そのミュートは電源on時には効くもののoff時には間に合わないのか、小さくポップ音がする。それは そうだろう。電源スイッチがメカニカルなので難しいと思う。

他に気になったのは、出力のサーボ回路で歪む可能性※で、その前(リレーの辺り)から信号を取り出せば比較できそうだと思って回路(部品間の接続)を解析しようとしたが、イメージと随分違って分からず諦めた。 → その後、上記のように概ね理解し、サーボ回路の前のバッファアンプらしきところから+側だけを取れば良さそうに思った。

※Scarlettの出力回路を想像している時に参考にしたページに、正側と負側のオペアンプの出力が微妙にズレる(正負で動作が違うため)というふうに書いてあったので、それが関係していると思った。

が、そもそも、信号の経路(カップリング)に普通の電解コンデンサが多用されていたりして元々音質への配慮が余りない製品だから、いくら頑張っても無駄な感じだ。なので、「もう これしかない・・・」状態になったら頑張ることにした。 (ここまで11/10 13:28, 17:19)

(11/11 17:05) DEQの歪みの原因が気になって、サーボ回路での正負の時間差と、0近傍での不感帯?(トランジスタのスイッチング歪みの類)をJACKでシミュレートしたが、今ひとつ合わなかった。シミュレートが良くないこともあるだろうが、どちらも2次から連続した高調波が発生して歪み率が周波数によらず ほぼ一定なのに対し、DEQでは奇数次だけが発生して、周波数に応じて増加するのだ。

諦め掛けた時に、少し前に読んだ「DEQはセラミックコンデンサが使われているから性能(歪み)が悪い」(その時は余り信用しなかった)というのを思い出して調べたら、本当にそのようだ。種類(それぞれの規格)にもよるが、電圧に応じて容量が変化する(高電圧で減る)とのこと。 (→ 参照) だから、基本的にはオーディオには向かないということだ。

もちろん、ちゃんと種類を選べばセラミックだって いいのは分かるが、何かを作る時に まずは失敗しないこと・安全性を目指すなら、「オーディオ回路にセラミックコンデンサは避ける」という馬鹿の一つ覚えでも、僕は いいと思う。「君子危うきに―」だ。失敗は掛け算(か足し算か不明w)で効いてくる。本質でないことにパワーを使う必要はない。

詳しくは確認していないが、例えば、ブログ:「コンデンサの歪率」の後半のLPFに使った時の周波数-歪み特性のグラフは周波数とともに歪み率が増していて、まさにDEQと同様の傾向だ。他の例では、通電してみんべ:「DACのアナログ追求⑧コンデンサその2」では歪みの傾向が逆(周波数とともに歪み率が下がる)だが、おそらく、左の例と違ってHPFにしているからではないか(未確認)。

全然知らなかった。以前どこかで読んでイメージとしては知っていたが、ここまで効くとは思っていなかった。安物の部品は駄目だね・・・

そして、仮にセラミックコンデンサがDEQの歪みの原因だとすれば、かなりの数を交換しなくてはならず(しかも小さい!)、非現実的だ(やってられない!!)。だから、上に書いた「全取っ替え」のアナログ基板が出たのだろう・・・

全部交換する前に、いくつか外して効果があるか確かめる手はある。想像だが、出力コネクタの直前にある、正負の出力とGNDの間にある2個(左右なら合計4個)が一番効きそうな気がする。もちろん やらない!w

ただ、僕のDEQに本当にセラミックコンデンサが使われているかは未確認だ。というのは、「セラミックコンデンサが−」のとはリビジョンが違うせいか、その写真とコンデンサの形状が異なっているためだ。僕のは良く見るオレンジの円盤状でなくチップ部品なので、種類が分からない。容量や色からして積層セラミックの気はするが、詳しくないので分からない。

DEQ2496のアナログ基板の入出力コネクタ付近(裏面): ベージュ色の四角がチップコンデンサ

(ここまで11/11 17:05)

 

(やっとScarlettに戻る)

Scarlettの出力プラグを直したら(写真: 下側(アダプタを挿したもの)のプラグを出力ジャックに挿し、上側を測定に用入力に繋ぐ)嘘のように特性が良くなり、ほとんどASUSと同様になった(下のグラフを参照)。

「今度は大丈夫か!?」と思って聴いてみたら、大分良くなった(かなりクリア・自然になった)ものの、やっぱり耳閉感の兆候が出る。いつものように その原因は分からず、「謎」としか言いようがないが、Scarlettには以下の気になる点がある。

  • 歪み: 振幅が大きい時に低域で増大する。(グラフ: 緑の左側の傾斜) → 入力の振幅を小さくすれば解消できそう。
    • これが一番もっともらしいが、他の機器でも起こることがあるので、測定上の問題や電源容量不足の可能性も考えられる。
  • 位相: 高域(6k-12kHz辺り, 特に9kHz)が不自然。 (グラフ: 右側の波の形の緑と他の違い)
    • 振幅特性のグラフを見ると分かるように、かなり急(グラフには出ていないが、20kHz以上の約2kHzで数十dB落としているはず)なフィルタのためのような気がする。
    • 測定に用いたScarlettのADCのフィルタの特性の可能性もある。
      • → 書いたあとで、JACKで使える数種類のフィルタ・イコライザで超高域(15kHz)をカットした時の特性を見た限りでは 上のような変な特性にはならなかったので、この不自然さはDACとADCのフィルタの特性が掛け合わさったためだと考えられる。 (18:36)
    • 音楽再生時に使っている、部屋の特性補正用イコライザの位相特性を調べたら、中低域は不自然なものの高域(約2kHz以上)では素直(単調減少)なので、これが関係あるのかも知れない。 (→ グラフ: 青: L, 赤: R)
      • もしそうなら、DAC出力のフィルタが選択できるものが良さそうだ。 (← 下記のように、僕には必須条件のようだ。: 18:36)
    • → 書いたあとで思い付いて、JACKで使えるフィルタ・イコライザで超高域(15kHz以上)をカットして試してみた。 (18:36)
      • フィルタは上のグラフに最も形状が近かったCalf plugin packのEQ5のHigh Shelfを使った(Q=1で傾きを最も急にした)。
      • すると、開始20分後から わずかに耳閉感の兆候が現れ、1時間後に耳閉感が起こった。
      • よって、高域の急なフィルタは耳閉感の原因の可能性が高そうだ。
      • また、今までの経験から、他の帯域(中低域)でも急なフィルタを使うと耳閉感が起こった(そのために「急さ」を制限している)ので、要するに、急なフィルタによる信号の劣化(おそらく位相の急変)が耳閉感の原因(の一つ)である可能性が高そうなことが分かった。
        • 実際、今のASUSのフィルタはデフォルトでは急なもの(fast)だが、(確か耳閉感とは関係なく、)「より自然そうだ」と思い付いて、緩いもの(slow)にしている。 (グラフ: 振幅, 位相: 青: fast; 紫, 赤: slow)
        • その効果があったかは不明だが、確かに、(良く書いていた)「それまで聞こえなかった音が聞こえた」とか、クリアに聞こえることが多い。 (19:14)
          • こういうところが、メーカーが「マエストロが経験と感性でチューニングした」とか うたうところかも知れないな(実際に やっているとすればw)。 (19:23)
    • また、ScarlettのコーデックのDACのフィルタの特性をslowに変えれば耳閉感を緩和できるかも知れないが、添付の制御ソフトですら出来なさそうなので難しそうだ(やる気・必要性が出たら、メーカーのFocusriteに聞いてみる)。 (18:36)
  • 振幅: ASUSと違い、20kHzまでフルに出ている。 (グラフ: 右端の下がり方の緑と他の違い)
    • そもそも僕は約15kHz以上は聞こえないし、15kHzくらいで切っているASUSでも耳閉感は起こるので、このこと自体は関係なさそう。

 

(11/9 19:35) 試しに、ASUSのフィルタを高域が より広く出る"fast"(上のグラフの"fast roll-off"の特性のもの)にして聴いているが、大きな問題はない。確かに、わずかに高音がキツい感じはある(それがfastの証拠?)が、耳閉感には なっていない。まあ、買った当初はデフォルトのfastで問題なく聴けていたのだから、当然ではある。

どうして大丈夫なのかは分からないが、ASUSは何かがいいようだ。だから、ASUSは僕に合っているDACだと言える。正確には、ASUSというより、それに使われているDACチップ(TI PCM1792A)を作った老舗Burr-Brown(その後TI)の功績が大きい。

ただ、良いDACチップを使っただけでは まともな特性や音は出ないので、ASUSの技術も重要だと言える。

あと、Scarlettのコーデック(Cirrus Logic CS4272)のデータシートを少し読むと、サンプリングレートによって動作モード(速度)が変わるようで、上で「不自然」と書いた44.1や48kHzは"single speed mode", 96kHz辺りは"double-", 192辺りは"quad-"となっていて、それに伴ってフィルタの特性も違う。だから、下のグラフの位相特性の違いも そのためだろう。なんで そんなクソな仕様にしたのだろう。

僕としては「全くない」。手抜きだ。こういう製品は どんなサンプリングレートでも同じ特性を出すべきで(でないとサンプリングレートで音が変わってしまう)、使うならサンプリングレートが固定の用途だ。そういうのをオーディオインタフェースに使って平気な顔をしている(それどころか、「音にこだわってこれ(CS4272)にした」とか書いているのを見た覚えがある)。見識を疑う。そもそも、その こだわった音がイマイチだ。まあ、僕とは全く合わない製品だったってことだ

そして、次のDACを買う時は少なくとも、Focusriteの製品とCirrus Logicのチップを使ったものは却下する。旧Burr-Brownのものがあればいいけど絶滅危惧種なので、AKMかESSしか選択肢はなさそうだし、今は入手性でチップどころかメーカーすらコロッと入れ換わるほどなので、音にこだわって選ぶのは難しい・・・

ASUSのDACチップの"PCM1792A"で検索してみたら、随分いいものらしい。しかも、僕はグラフを見ても良くは分からないが、フィルタが素晴らしいとのこと。(→ 参照1, 参照2) 我ながら耳がいいのかな? というか、そういうのでないと駄目だとすれば、なんと面倒な・・・

そして、昔、そのPCM1792Aを搭載したDAC(Styleaudio Carat-Topaz)を持っていたのだが、(音の良さや貴重さに気付かずに)手放してしまったのを今になって残念に思う。が、上にも書いたように、チップだけでは いい音は出ないので、「本当に音が良かったかは分からない」としておこう。

(ここまで11/9 19:35)

 

Scarlettの出力の接続方法の問題に気付く前は、音の悪さや耳閉感から、ASUSが壊れた時に新しいDACを買うとしたら、仕様・特性が ものすごく良いもの(少なくともASUS以上)でないと駄目かと思ったが、仕様・特性だけでなく、「音が良い」(正確には「自分に合う」)ものを選ぶ必要がありそうで、なかなか難しい。

この、「自分に合う」というのが、オーディオ機器にまつわる いろいろな謎の原因の一つかも知れない。大抵の人は、自分に合う(あるいは 好む)音が いい音だと認識・表現するだろうから。

耳閉感は ほとんどの方には起こらないだろうが、例えば、仮にレコードや真空管アンプには 耳閉感に限らず、各自が不快に感じる原因因子が少ないのだとすれば、それらを好む人の気持ちが理解できる。

あと、以前良く言われていた「デジタル臭い」とか「デジタルの音は硬い」というのは、上に追記したような、フィルタが良くないこともあったのではないかと思う。音楽の配布形態にデジタルが加わる頃は、(とりあえず、出すべきでない周波数をカットすることが最重要で、)フィルタの聞こえ方の評価までは充分に できていなかったのではないだろうか。 (20:26)

更に、仮にScarlettの耳閉感が解消したとしても、以下の実使用上の問題が見付かったので、そう簡単には入れ替えられなさそうだ・・・

  • スリープ時や終了時(Scarlettがoffになる時)に雑音(ポップ音)が出る。
    • 他の人も出ているので、どうにもならないようだ。もちろん、出ない機種(別メーカー)もあるから、メーカーが手を抜いたか そういう思想のようだ。
    • ScarlettのCodecチップ(CS4272)のデータシートにはミュートの回路の例が載っているが、それが有効に働くか(ちゃんと制御しているか)不明だし、正負左右の4回路を作るのは面倒だ。
      • それよりは、PCからスリープなどの前にアンプをミュートさせるほうが簡単そうな気がした。
  • PCの負荷が高い場合、「ジッ」という雑音が出ることがある。
    • プライマリ出力のASUSでは起こらないので、Scarlettから音を出すために使っているプログラムalsa_outの関係だと想像している。
    • alsa_outを使わなければいいかと思ったが、なぜか、JACKのプライマリ出力にできなかった。
      • JACKの設定が誤っていたようで、その後、プライマリに出来て雑音は出なくなった。
  • JACKからScarlettに音を出すalsa_outが今ひとつ不安定で、突然終了してしまうことがある。

以上のことから、ASUSがずっと壊れないことを祈るしかない。

 

(11/8 19:47) その後、寝ている時に、「Scarlettのフィルタ(LPF)のカットオフ辺りの特性が悪いなら、サンプリングレートを高くして(オーバーサンプリングして)カットオフ周波数を可聴帯域外に移せばいいのではないか?」と思い付いて、一日掛けて試したが(例によって)駄目だった。

寝ている時の思い付きに碌なものはないのだろうか??

いろいろ苦労してサンプリングレートを88.2kHzや176.4kHzにしてみたが、やっぱり耳閉感の兆候は出たし、音が悪い感じもした(疲れなどもあったのか、その後、耳鳴りまで出た)。それで、可聴帯域上限(20kHz)近くの音が出るのが駄目なのかと考えて、JACKで15kHz辺りで切るLPFを追加してみたが、効果はなかった。

結局、急なフィルタと可聴帯域上限(20kHz)近くの音(12-15kHz以上か)が耳閉感を引き起こすような感じだ。不思議なことに、ASUSでは問題ないので技術的に不可能ではないのだろうが、耳閉感を起こさないように(何らかの特性を良好に保って)高域を切るのは難しいようだ。

そこら辺が、「音の良いDAC(チップ)」という評判の正体(?)の一つなのかも知れない。

不思議なのは、サンプリングレートを変えてScarlettの特性を測ったところ、44.1kHzと48kHzだけがカットオフ周波数付近(当初は9kHz辺りが不自然だと思って居たが、比較するとカットオフ付近も変化が激しい)の位相が不自然だったことだ。それより上の88.2kHzや96kHzでは素直な特性だった。(グラフ: 黄緑: 44.1kHz, 紫: 48kHz, 赤: 88.2k, 水色: 96k) だから、不自然な位相は(上に書いた)測定に使ったADCのフィルタの影響ではなく、おそらく、Scarlettのコーデックの使い方が今ひとつなのかと想像する。

そこら辺は、「音の良いDAC(機器)」という評判の正体(?)の一つなのかも知れない。

44.1-96kHzのサンプリングレートでのScarlettの出力の位相の比較: 黄緑: 44.1k, 紫: 48k, 赤: 88.2k, 水色: 96k

そもそも、この思い付きの駄目だったところは、必要もないのにオーバーサンプリングすることだ。処理が増え、音が悪くなる(少なくとも良くはならない)から、いいことは何もない。そういうのはDACの中でやることで、このやり方に芽はない。

その他に、ScarlettのUSB Cコネクタ(ジャック)はプラグが上下に動くと接触不良になるようで、ケーブルを触ると電源が切れて音が切れてしまう問題が見付かり、Cコネクタ(無意味なんだからBやmicro Bにしておけば良かったのに!)が弱いのか、Scarlettや使ったケーブルの出来が悪いのか、それらの相性なのか分からないが、一応プロ用的なものなのに 随分お粗末な気はする。これでは収録中に落ちることがあるのではないか?

そう言えば、(上に書いたように、)マニュアルどおりにアンバランス接続したら駄目だし、電源off時にポップ音が出るし、まあ、「Scarlettは音が悪いうえに それ以外も いろいろイマイチだ」とガッカリし、これ以上深く関わっても おもしろいことは ない気がしている。 (ここまで11/8 19:47)

 

(ようやく本題に戻る。)

なお、そもそもの本題の時々出る雑音については、その後1-2度左から出たので、アンプは問題なさそうだ。また、DACをScarlettに入れ替えている時にも出たので、ASUSの問題でもなさそうで、ソフト(JACK)の可能性が高い。あるいは左のスピーカーや窓のシートの音かも知れない。: 原因が分かるには しばらく掛かりそうだ。

 

PS. Scarlettがバランス出力だったので、アンプもバランス入力に対応させれば わずかに音が良くなり(正確には雑音が減り)そうな気がしたが、まず面倒だし、壊す可能性が高いし、途中のボリュームをどうするんだという話もあるし、そもそも、使っているアンプ基板(ICも?)がアンバランスな気がするので止めた。まあ、僕には気分の問題だ。

PS2. 製品を選ぶ時にはレビューサイトが役に立つ。が、中にはメーカーから送られて来た製品を評価しているところ※があり、公平性に疑義があるとは言わないが、そうして出費なしで気軽に評価していいものかとか、評価対象に偏りが出ていいのだろうかと思う。

※どことは書かないが、なぜか変てこな日本髪(昔の結婚式?)の女性のアイコンの人のレビューが多いところ。

とは言え、日本の多くのメディアのような提灯記事ではない(客観的な測定結果に基づいている)し、メーカーから提供されたことを明記しているから、公平性には問題なさそうだ。

PS3. DAC(製品)を調べていたら、チップ単体について おかしなことに気付いた。: なぜかデータシートに歪み特性などの重要なグラフを載せず、フィルタ特性だけを載せているメーカーがある。: ESSとAKMだ。 (→ 例: ESS ES9038Q2M, AKM AK4393)

データシートには特定の点(例: 最大出力と小出力の2点)での値が載っているから、全く測定していない訳ではないようだが(当然だ)、なぜかグラフは載せたくないようだ。もちろん、外付け回路で大きく変わるのはあるが、開発した時のリファレンス回路での例を載せても誰も文句は言わない。そういうのがあれば、大いに選択や設計の参考になる。何か後ろめたいことがあるのか? 逆に、そういう情報がなくて、良く採用できるものだと思う。

例えば、ESSは、あるレビューサイトが指摘しているIMDの盛り上がり("ESS IMD hump")を放置しているようだ。(→ , スレッド: ESS THD ‘Hump’ Investigation(良く読んでない)) だからグラフを載せないのかと疑ってしまう。

おもしろいのは、上の例の記事に中国のメーカー(TOPPING)が その盛り上がりに対処できていると書いてあることだ。すごい。

だけど、グラフを見ると、問題の盛り上がりはないものの、最大振幅付近で盛り上がってしまっているので、完璧ではないようだ。それでも、歪みはかなり小さいので 大したものだ。

上に挙げたスレッドに解決策らしきもの(概略: I/V変換をESSの特性に合わせていないため(でも、そうするとアンバランス出力になってしまう)。: 全部読んでないので、確定かは不明)がある。以前から感心していたBenchmarkの人の投稿だ(そこのDACでは解決していて、その方法を書いてくれて居る)。

一方、TI(旧BB)は 様々なグラフを載せている(例: PCM1792A)。そして、今はそのTIのHi-Fi DACを載せているものは ほとんどなく、まったく希少になって居る。

技術者としては、ESSやAKMの態度(弱気とか卑怯)が全く許せないので、その点でTIのもの、しかも、最高峰と言われているPCM1729Aを使った 良いDACが欲しい。が、もう絶滅しているようだ。ますます今のサウンドカードが壊れないことを祈るしかない・・・ (11/12 20:49)

 

(11/8 19:47 Scarlettで追加で試した結果などを追記; 11/9 5:33 わずかに加筆, 15:13 バランスをアンバランスに変換する回路のシミュレーションなどを追加, 19:35 ASUSをfastで試した結果とScarlettのコーデックがクソな件を追加。おそらく完結; 11/10 1:04 DEQ2496の測定結果について追加。本当に完結?, 13:28, 17:19 DEQ2496の回路について調べた結果を追加, 19:30 題を変更; 11/11 7:17 小見出しを付けた。, 7:29 わずかに修正, 17:05 DEQの歪みの原因がセラミックコンデンサだかららしいことについて追加, 19:12 小見出しをわずかに修正; 11/12 7:28 わずかに変更・修正, 20:49 PS3を追加)

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先日書いた、ボリュームを最小にしても左から音が出る現象は、ボリュームの素子(可変抵抗器)の故障(接触不良)だった。正確には、僕の改造の仕方が悪くて※、入力のコード(ミニジャックは接触が悪くなって嫌なので、ピンジャックのコードを出した)を動かした時にコード経由*で素子の端子に力が加わり、端子と抵抗の接触が悪くなっていた。

※ただ、記録を見たら(すっかり忘れて居たが、)最初に作った時も、一時的に接触不良になっていた(その時は測り直したら直ったので、「何かの間違い」と片付けた)ようなので、元々の製品の作りも良くないと思う。ボリュームの端子と出力のピンジャックの端子が近過ぎて、きつく曲がったコードの力が掛かりやすいのだ。

*コードには抜け止めを付けていたのだが、コードが硬いため、コードが貫通するケースの穴を支点にして中で動いて居た。こういうのは慣れた方には常識かも知れないが、僕は機械とか構造の知識に乏しくて想像できなかった・・・

ボリュームの抵抗は炭素などで端子と半田付けはできないから、カシメで圧着している(+導電性ペースト?)のだが、そこに力が掛かると動いて接触が悪くなるようだ。 (→ 構造の参照: たまにエラーになるかも)

手持ちのアルプスのものを見たら、端子と抵抗の間に黒いものが塗ってあるようで(壊れたもの(海外製)は銀色か何も塗ってないか)、何となく、そういうところがアルプスが(割高だけど)いいと されている理由なのかも知れないと思った。

昔のTVなどを「叩くと直る」っていう不思議な現象の原因の一つには、こういうことがあったのかも知れない。まあ、これ以外にも、チャンネル切り替えスイッチなど機械的な接触部分は多いし、当時は真空管もあったから、それ以外のこともあるだろう。

そんなことは全然想像できなかったのだが、検索したら問題の現象が起こることがあると分かり(→ 参照)、確かにコードを左右に動かすと音の漏れ方が変わった。それで、試しに端子部をラジオペンチで挟んだりして(ここで力を入れ過ぎると、抵抗が割れてオシマイ)端子が抵抗に密着するようにしたら、直った。

近頃は寒くなったので、元々硬かったコードが より硬くなって、力が伝わりやすかったのだろう。

めでたしめでたし。

などと安心するほど おめでたくはないwので、どう修理するか考えた。: 接触不良になった端子のところに導電性ペースト・塗料などを塗るのが簡単(安直)そうだが、既に接触が悪くなっているうえにペーストがどれだけ持つか不明だから、耐久性や安定性に疑問がある。しかも結構高く(送料を含めて400-1000円)、新しいボリュームを買うほうがマシだ。

それで、元々アンプで使おうと買ったものの使わずに仕舞っていたアルプスのものに交換することにした。これは抵抗値が元のより大きい(100kΩ, 元は10kΩ)ので そのまま交換できないが、新たに買うと高くて(送料込みで500円以上)もったいない(しかも、今は年末年始なので すぐには来ない)ので、回路を修正して使うことにした。

回路は、元々はアッテネータとボリュームを一体化させたもの(ボリュームの入力の前に抵抗を入れた)にしていたが、新しいボリュームは抵抗が大きいため、同じようにすると追加抵抗がかなり大きくなる(数百kΩ)ので良くないと考え、アッテネータを別に追加することにした。

そして、アッテネータを入れる場所(ボリュームの前か後(アンプの前)か)を考えた。: 前に入れると弱まった信号をボリュームで調整するので雑音の点で少し不利だと考えて、ボリュームの後にした。ただ、アッテネータがボリュームの抵抗とアンプの入力抵抗の間に入るから それらの相互作用があるので、問題があったら直すことにした。

アッテネータのゲインを元の-15.6dB(約1/6)に近くしたかったので、手持ちの抵抗でできる、10kΩと47kΩで-15.1dB(約1/5.7)とした。ボリュームに付けてチェックしてみたら、ゲインが想定より少し小さい(-16.5dB)せいか※、音が小さいようだった。おそらく上に書いた相互作用の影響なのだろうが、実用にならないほど音が小さい訳ではないので これにした。

抵抗値を変えたら大きくできたが、片方の抵抗を2本並列にする必要があって面倒なのと、両チャネルで聞いたら(上の時は片方だけだった)それほど小さくなかったので、止めた。

※書いたあとで気付いたが、数字を見ると差があるように見えるものの、実際には0.9dBしか違わないから設計どおりだったと言えるし、聞いても小さくなったとは感じないはずで、単なる思い込みとか片チャネルだったせいだろう(片チャネルだと音量は1/2, -6dBとなる)。

(1/4 12:35) その後、やっぱり もう少し大きいほうが良さそうな気がしたので(クラシック音楽で不足しそうな気がした)、ゲインを-12.3dB(約1/4.1)にした。ゲインは計算やシミュレーションから ずれるうえに、計算上同じゲインでも使う抵抗の大きさによって変わるので、試行錯誤し、10kΩと25.5kΩ(51kを並列に2本)を使った。

聞いた感じでは音量は余り変わらない気がするが、ポップ音楽のボリュームが1目盛り(11時→10時)くらい下げられるようだ。また、音は変わらない(良く言えば、落ち着いた感じ)ので、修理する前は左の接触不良のために変(不自然)な音になっていたのではないか。

それから、今回の問題を再発させないため、構造を改良することにした。最初に書いたように、ボリューム(素子)の端子と出力のピンジャックの端子が近過ぎて、コードが きつく曲がって力が加わりやすいので、ボリュームを180°回転させて、ボリュームまでのコードにゆとりを持たせてカーブを緩やかにすることにした。更に、コードをボリュームに固定して、仮にコードが動いても端子には力が伝わらないようにした。

(1/3 14:00) その後、コードをボリューム(素子)に固定すると力が掛かって良くない気がした(例: ケースが歪んで移動電極と抵抗がズレる)ので、ケースに自作アンプBA3886で余ったボスを貼り、それに結束バンドで固定した

ボリュームを回転させて取り付けると、ボリュームの回り止めの突起がケースの穴に入らなくなるので、突起を折り取り、ボリュームとケースの間に薄いゴムを貼って代わりにした。 (写真: ボリューム右側の黒い四角。左右に2個付けている。)

なお、ケースは台形で前が低くなっていて、ボリュームの端子がケースに接触しないか不安だったので、ブルタックを使ってチェックして端子の曲げ方を調整した。(→ 写真: 一番下の端子の上の薄灰色) 更に、端子に付近のケースにクリアフォルダーや絶縁テープを貼って、端子がケースに接触するのを防いだ。

また、実際に作ってみると、コードが硬くて曲がりにくくて端子に力が加わるようなので、ボリュームの回転量を180°より大きくした。回転させて取り付けた おかげで、ケース内の配線が随分すっきりした

組み上げて、雑音と周波数特性(振幅, 位相, 歪み)を確認したら問題なかったので、仕上げて完成した。と思っていたら、今朝、起きる頃にコードの抜け止めを付け忘れたことに気付いたので付けて、本当に完成した。

例によって ちょっと気になるのは、最初に曲を聴いた時に、音が違う(レンジや左右の広がりが狭い)感じがしたことだ(聴き続けたら直り、逆に、低音が出るようになったと感じた)。これは、元のは接触不良で音が変になっていたのが直って(わずかに)音が変わったためなのか、上記の相互作用の影響なのか、疲れのせいか、毎度の気のせいなのか分からない。あとで、スピーカーやアンプの特性の確認をする時に、ボリューム(+アッテネータ)+アンプの特性もチェックしたい。

(1/4 13:24) ボリューム(+内蔵アッテネータ(ゲイン変更前))+アンプの特性をチェックしたが、問題は なかった。だから、音が違って感じるのは、上に書いたように接触不良で音が変(不自然)になっていたのが直ったためか、接触不良だった左チャネルの音量が大きくなっていて、音のバランスが狂っていたためだと思う。

→ チェックで生じた ちょっとした謎について、別の稿に書いた。また、今(1/6夜)になって、音が変わった感じは直ったようだ。 (1/6 20:47)

 

余談

「1dBの左右音量差でも気になる人が居る」とか書いてあるページがあったが、眉唾だ。仮に分かったとして、それがどのくらい音楽演奏の質や音質に影響を与えるのか疑問だ。頭を少しでも動かしたら、1dBくらい簡単に差が出そうなものだし、単なる音量差なんて脳がいくらでも補正すると思う。

確かに、左右の音量差があると楽器などのバランスが変わって演奏の印象も変わるだろうが、頭や身体の移動による影響を排除するため、それらを(レースカーのシートベルトのように)ガッチリ固定し、空気の動きによる変動も排除するため、空調も停めて聴く必要があるだろう。

そこまで気にしたら、コンサートなんて まず行けないねw

そもそも、そんなことより、部屋やスピーカーの特性による周波数ごとの(左右どころか片チャネルでも)音量差は1dBなんてものじゃないと思うが、それは気にならないのか?? 「別の話」?

実際、僕のボリュームを直す直前は、常用する音量での左右の音量差は10dB以上あったが、音に関しては特に気にならなかった(ちょっと鈍感過ぎるがw)。

 

(1/3 14:00 入力コードの固定方法を変更した件を記述し、写真を追加。)

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自作アンプBA3886完成から半年近く経った。※ 僕が作ったのに、今まで(覚えている限り、)何も問題が なかったのが、とても意外だ。もちろん音はちゃんと出るし、雑音が出たこともない。疲れ以外で耳閉感が出たこともない。それから、直流が出力されることはなかったようで、通常使用時に自動ミュートしたことはなかった(もちろん、スピーカー保護機能が壊れている可能性はある)。更に、天面をシートで塞いでいるおかげで、内部に埃が溜まることもない。そういうことから、アンプは「ちゃんと」動いているようだ。

まあ、半年で壊れたら目も当てられないがw

※最初は、完成から半年経ったと思って題もそういうふうにしていたが、良く調べたらそうでないので半端になった。まあ、年末の締めということでw

それどころか、おそらく、このアンプの音への慣れか僕の耳の調子の関係か気のせいだとは思うが、近頃は演奏の細部が とても良く聞こえるようになり(例: 小さい音が、曲の他の音に紛れずに聞こえ、毎度書いている「発見」がある。音量が小さくても ちゃんと(悪い音でなく)聞こえる)※、なかなか満足している。記憶の限りでは、前のアンプとは大違いだ。

書いてから思い出した。おもしろいのは、元(録音など)から音が悪い演奏は、本当に音が悪く聞こえる。今までも感じていたかも知れないが、より はっきり分かって、「ひどいなあ」と思ってしまうことすら あるようになった。* まさに、昔のフィルムのCMのように、「そうでない方は それなりに」であるw (17:27)

*SpotifyのDaily mixのように いろいろ掛かる場合、音が悪い演奏を聞くとアンプの調子が悪くなったかと心配するのだが、次の曲では直るので そうでないと安心する。

ただ、誤解しないで欲しいのは、僕は音質が悪いと嫌な気分にはなるが、それと演奏の良し悪しは全く別だ。音が悪くたって いい・乗れる演奏は いっぱいあるし、音が良くたってクソな演奏は多い(こっちのほうが多い)。 (17:36)

※こういうのは、良く「エージングの効果が出た」と言われるが、僕は信じていない。というのは、エージングとして例えば数百時間の使用で素子の特性が微妙に変わって音が良くなるとしたら、逆に悪くなることだってあるはずだが、それについて話す人が居ないからだ。

ただ、近頃、ほんのちょっと気付いたことがある。ボリュームを最小にしても、左から わずかに音が出る(以下、「漏れ出る」)のだ。少し調べてみたら以下のような結果となり、アンプではなくボリュームの問題と推測している。

  • ボリュームの前で左右チャネルを入れ替えると、反対側のチャネル(右)から漏れ出るようになる。
  • ボリュームなしで とても小さい音※を出して試すと、左右で聞こえ始める音量に格段の差はない。

※1kまたは2kHzの正弦波を使った。2kHzのほうが聞こえやすいようで、-90dBFSくらい(アンプのゲインを考慮すると、スピーカー出力は約-70dBFS)から聞こえた。この時、アンプの入力は約78μVで、スピーカー出力は約780μV, 0.076μWと、とんでもなく小さい(計算が間違っていないかと心配になる)が、聞こえることに驚く。そんなに小さい量なら、どこかで漏れても仕方ないように思う。

出来た時には漏れていなかったように思うので、ボリュームの素子(例: スライダーの位置ずれ、抵抗値のずれ)か、ボリュームに内蔵したアッテネータの抵抗や配線の被覆や半田が経時劣化でもしたのだろうか?※ 面倒なので、まだボリュームの中を見てはいないが、年内にスピーカーからの再生音の特性の測定(・調整)とアンプの特性と動作のチェックをする予定なので、その時にアンプやボリューム単体のゲインに変化や左右の差がないか調べてみたい。 (その結果は ここに追記したい)

※そういえば、近頃は寒くなったので、経年劣化でなく温度による変化*なのかも知れない。そうであれば、ボリュームの素子、特にスライダーが一番怪しそうだ。

*完成直後の8月と今の平均的な室温を比べると、大体5℃くらい低い(27 → 22℃)。

(12/30 19:29) 近頃、ボリュームの問題が悪化した(漏れる音が大きくなった)ので調べたら、ボリューム(素子)の端子と中の抵抗の接触不良が原因であることが分かったので、素子の交換などをして直した。接触不良は経時劣化で起こったものではなく、僕が改造した時の構造の不備が原因だった。詳細は別途書く予定。 (→ 書いた)

それから、上の件や それ以外の作業をしていたため、年内にはアンプの特性の確認はできず、年明けにする予定だ。

 

PS. 少し前に考えたことを思い出したので書いておく。: サウンドカードに電子ボリューム(デジタルでない、出力振幅を変えるもの)が内蔵されていれば、外付けボリュームが不要になって※、上のような問題は起こらず、音質も多少は向上するはずだが、まだ調べていない。 → 調べたが、残念ながら なさそうだ。あれば資料や図に書いてあるだろうし、コスト上昇と音質劣化の原因になるので、わざわざ付けるとは思えない。

※その代わり、USBなどのボリュームノブが要る。

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