Posts tagged ‘ESS DAC oddity’

今のサウンドカードが危うい(怪しい)ため、本腰を入れて次期DAC候補を探し始めたが、以前同様 何も残らずに呆れて居る。

国内メーカーのもので手頃で いいものがないので、「中国の店でも止むなし」と 再度13の候補を挙げたが、希望の条件(仕様(碌に公開しないメーカーもある)や特性)を満たし、絶対に許せないポップ音が全くしないものは1機種しかなかった。

更に、その残った機種について詳しく調べていたら、ESSのDACチップの新たな問題が見つかって、再び候補が なくなった。

その問題は、奇数次の高調波歪みの大きさが出力の振幅に従って正弦波的に変動するというものだ。 (→ 参照: Archimago's Musings: "Hi-Res THD(+N) vs. Output Level Measurements (ESS "HyperStream" vs. AKM vs. TI/Burr-Brown). And a bonus R-2R!" (2022))

仮にそれらの高調波歪みが聞こえないレベルだとしても、(先日知った)hump問題同様 おかしな挙動をするものは嫌だし、ゴ○ブリのように他にも まだおかしなことが隠れていそうではないか。そもそも、こういう高調波の出方をすると、音楽を再生すると(振幅に合わせて)時間的に音の成分(組成)が変化するはずで、音が変質するのは避けられないと思う。

良く、「ESSの音」※と言われているのは、そういうところから来ているんじゃないかとすら疑う。

※実際の音は分からないが、ESSに比べてAKMは「地味」と書かれることが多いから、派手とか高音が強目に聞こえるのだろうか。

あと、この問題は もちろんデータシートには書かれていないし、普通に特性を測っただけでは発覚しないし、(humpと違って)外付け回路では回避できないから、以前知ったCirrus LogicのADCの超高域の雑音増大に似た、余りにもひどい落し穴に思える。

それで、(今までのところ)ESSよりは ずっとマトモに思えるAKMを使った機種で、限定的な場面(例: PCMとDSDの切り替え時)だけでポップ音がするものでもいいかと思い、ポップ音が出る条件を調べようとしたが、メーカーは「店に聞け」だし、中国の店はサポート不能(対話不可)※なことが分かって確かめられず、そんなことでは買ったあとで問題が起こってもどうしようもないから、再度「候補なし」となった。。。

※例: Ama.のマーケットプレイスで、具体的に場合を挙げてポップ音が するかしないか聞いたら、以下の返信(ママ)。自動翻訳?? (にしても、笑う要素が全くない。)

こんにちは、あなたの手紙をありがとう。私たちはあなたが言ったことについて話し、技術者に相談し、私たちに返信することは騒音にならないでしょう、ありがとう!

これは想像だが、仮に英語や中国語で書いても同じだと思う。いい加減な回答を繰り返して、時間を引き延ばされて自然消滅するだけだろう。実際、以前AliExp.では英語で やりとりしたが、店は証拠なしで こちらの主張を認めないだけで何もせず、AliExp.の強制裁定(?)まで待つしかなかった。

日本の会社が代理店になれば いいと思うが、(特に安い)DACなんて手間が掛かるうえに需要が小さくてメリットがないのか。

 

結局、今のサウンドカード(ASUS Essence STX II)が とても貴重なことを再認識した。これ以上壊れないように大切に使うのは当然だが、先に書いた変な歪みが出る問題を直したり延命的なことをするため、同じカードのジャンク的なものを買って(あるいは それを2枚買って)「ニコイチ」みたいにするのが いいのかも知れない。

他には、もう少し時間が経って、各製品がESSからAKMに戻る※のを待つことか(それでも中国の店の低レベルサポート問題はあるが・・・)。ただ、そういう フラフラする、言ってみれば音に無頓着なメーカーを信じていいかは大いに疑問である。

※元々AKMを使っていたのが、火災で品薄になってESSに換えたメーカー・製品が多い。

 

参考: DAC(・サウンドカード・オーディオインタフェース)に希望する条件と候補と落とした理由

多くの条件のうち、必須のものと理由を重要な順に挙げる。

  • Linux対応: 使えなかったらどうしようもない。
  • ポップ音がしない。: オーディオなので、ポップ音が したら話にならない。
    • 調べると ほとんどの製品で するようだが、みんな我慢しているのか、聞こえないのか、無頓着なのか、諦めているのか?
  • 3万円以内: 昔と違って、お金を ふんだんには使えない。
  • 特性(条件明記)を公開している。: 隠すのは嫌いだし、「音の良さと数値は関係ない」とかいう非科学的な姿勢は大嫌いだ。
  • 特性(測定結果)のグラフ(例: 周波数・振幅-THD+N)が公開されている(他者(例: Audio Science Review Forum, ASR)の測定でも可)。: ひどいものは耳閉感が起こることがあるので、グラフで確認したい。
    • 少し前に知ったが、ASRは製品を送れば無料で測定しれくれるようなので、自社でできないなら そうすればいいと思う(だから、ASRのレビューには中国メーカーの製品が多い)。
    • 多くのメーカーがそうすれば、ある程度客観的な比較手段になるではないか。
      • まあ、実際には自社で測定したけど公開したくない・客観的に比較されたくないのかも知れないな。知らんけど。
  • ESSとCirrus Logicのチップでない。: 問題があったり特性がひどいので。
    • ESSでもhumpがなければ良しとする。
      • その後、本文に書いた不可避な問題も発覚したので、ESSは全部却下になった。
  • THD+N, SNRまたはダイナミックレンジが僕の基準より良い。: 経験上、ある程度良い特性でないと音が悪く感じるし、耳閉感すら起こるので。
    • 人によって変わるし、絶対値に意味は ないから基準の値は書かないが、概ね今のサウンドカードの値である。
  • DACのフィルタが変えられる。: フィルタの特性によっては耳閉感が起こることがあるかも知れない(未確認)ので。
  • 外付けならUSB以外に光か同軸入力もある。: USBの音切れやジッタやPCからの雑音流入が気になるので、予備として。

候補を落とした理由(重要な順)で分類して列挙する。

  • DACチップがESS
    • TOPPING DX3 Pro+, E50, D10s; S.M.S.L. DO100, SU-6; MOTU M2; ASUS STRIX RAID PRO
  • ポップ音が出る、かつ、サポートが駄目
    • S.M.S.L. D-6, Sanskrit 10th MKII, 同MKIII; Sabaj A10d(旧版); TOPPING E30II
  • 特性(一部非公開, ひどい), USBのみ: Zoom UAC-2

ちなみに、最後まで残ったのはTOPPING DX3 Pro+だが、ESSの新たな問題が見付かったために落とした。

これの前の版(AKM)が良かったが、中古しかなく高いので諦めた。

上を改めて見ると、Zoom UAC-2の特性(ひどいと言っても、偏差は微小)に目を瞑れば可能性がありそうだが、結構古いし、(以前 用途が違うと書いた)音楽用だし、他の項目は どうだろうか・・・ (← 更に調べたら、音楽用のため、音を作っている(特性が悪いのは その影響)とのことなので、完全に却下となった。)

ほかに、調べている途中でEVGA NU Audio Cardというサウンドカードが出て来て良さそうだったが、高過ぎる(6万円前後)ので却下した。

 

(15:47) 書いたあとで上限を5万円まで上げて再度探したが、やっぱり何も残らなかった・・・

一つ惜しかったのは、IK MultimediaのAXE I/O Soloというオーディオインタフェースだ。ギター用らしいので基本的に無理がありそうだが、DACとADCがCirrus Logicらしい(公式情報なし)のと、特性がもう少しなのと情報が少な過ぎるので却下(保留)にした。

(18:01) 実は、もう一つあることはある。Solid State LogicのSSL 2または2+だ。定評のあるオーディオインタフェースらしいが、残念ながら特性は今一つで、マイクでの測定に使っているFocusrite Scarlett Soloよりは良いけど今のサウンドカードより悪いので、交換しても気分が良くないのは明らかなのが惜しい。なので、今のが壊れて他になかったら買いたい。

(12/2 9:07) その後の調査・比較と妥協の末、以下が候補となった(欲しい順→良い逆順※)。

(※12/3 6:30 その後 特性を再確認していたら、AXEのTHD+Nの条件が他と異なっていて(A特性)良く見えて居たので、結局、「消去法的には」iD4が一番良くなったものの、取り立てて魅力的でない。。。)

当初の条件に反して全部 音楽制作用※だし(しかも、ギターなんて やらないのにギター用が多いしw)、DACはCirrus Logic、ADCはCirrusまたはESSだが、他にないので仕方ない。

※理由はあって、国内に店があって まともなサポートを受けられるのは この辺り(音楽やPA関係)だからだ。実際、問い合わせたら、(C国や個人経営と違って)普通にちゃんとした回答が来て感動したw

以前も書いたけど、そういうことなら、多少高くなっても代理店のような要素は必要だ。

もちろん、国内のオーディオメーカーもあるが、機種が少ないうえに希望する特性のものは高過ぎる。もちろん、今までの経験から個人経営の会社は論外だ。

おもしろいとか不思議なのは、国内の音楽やPA関係の製品(例: ヤマハ, TASCAM, Roland)の特性が良くないものばかりなことだ。きっと、やみくもに特性を追うよりも、実際に使ううえでの安定性とか耐久性を重視して居るのだろう。あと、もっとお金を出せば あるのかも知れない。

が! そもそも、今は何も困っていない(サウンドカードは綺麗な音を出している)ので 無理してすぐに買う必要がないことと、買ったもので耳閉感が起こったらどうするかという大問題を思い出し、まずは、耳閉感の原因を調べて それに掛からないものを探し、なければ対処(予防)方法を見付けることにした。

 

PS. 寿命(劣化)で買い替えと言えば、他にスマフォもあるのだが、果たしてどっちが優先なのか、結論が出ていない(出そうとしてない)w

まあスマフォは僕には単なる道具だが、DACは趣味のためのものだから、結論は明らかだ。

そう言えば、偶然か、「これ」というものがないことと目標価格は どちらも同じだw

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(なぜか分からないが、オーディオネタは長くなるようだ。)

以前書いたように、僕のPCのサウンドカード(ASUS Essence STX II)が経年劣化で怪しくなって来ている(まあ、PC全体がそうだが)。すぐに壊れることはないだろうが、趣味や暇つぶしを兼ねて次の候補を考えている。

以前から書いているように、次期PCは(来年辺りには いろいろ出て来そうだと期待している)ARMデスクトップにしたいし※、まともなサウンドカードは絶滅しつつあるので、次は外付けDACになるだろうと考えている。すると、その心臓や脳とも言えるDACチップは何が良いかを考える必要がある。

※ARMのPCでもPCIeカードは使えるだろうが、ドライバが対応しているか怪しいため、内蔵カードは避けたほうが良さそうだ。

とは言え、チップだけで音や性能は全く決まらず、フィルタ※や周辺の回路が重要だ。

※近頃実感したが、チップのデジタルフィルタは本当に重要そうだ。

が、僕としては、元々性能の低いものや問題を はらんだチップは選びたくないし、趣味なので、気分的に嫌なメーカー・製品は選びたくない。そういう観点で現在主流のDACメーカーを検討すると、以下のようになる(概ね、心情的に好ましい順)。

  • △+ TI: いいものは元BBのPCM179xシリーズに限るが、古いため採用製品が絶滅している。
    • あと、詳細なアナログ性能を出しているものの、THDチート※が分かって気分的に嫌(「信じてたのに・・・」的)になった。(けど、どこも やってるみたいだ・・・)
  • △ AKM: 詳細なアナログ性能が非公開なので、気分的に嫌
  • × ESS: 詳細なアナログ性能非公開で気分的に嫌だし、"IMD hump"問題*は解決していないようだし、それに対処した製品が分からない。
    • 今もチップにその問題の原因があるなら、どうやって製品を選べばいいのか? ("No IMD hump"とか書いて欲しい! (けど偽かも知れない・・・))
  • ×× Cirrus Logic(オリジナルか旧CS?): 駄目なもの(「安物」)しかない(個人的印象)。
    • Focusrite Scarlett SoloのCodec(CS4272)はひどいし(Scarlettも ひどい)、今のサウンドカードのADC(CS5381)もひどい。 (→ PS2を参照のこと。)

※今のサウンドカードのDAC PCM1792Aのデータシートで、歪み(THD+N)が小さくなる条件(すべてのサンプリングレートで測定上限20kHz)で測定されている。

書いたあとで確認したら、ESSも20kHzでTIより更に簡単にしか書いてなかったので、TIはまだマトモなのかも知れない。なお、AKMは歪みなどのグラフはないものの、20または40(一部80)kHzだし数値が比較的多くてマトモな部類だ。

オーディオ機器の特性では40kHzや80kHzの帯域での値を良く見るから、そこらが標準なのだろう。ただ、回路の出来の評価・比較基準としては妥当だが、聞こえもしないところまで測る意味があるのかとも思う(まあ、「ハイレゾ」を うたう場合は必要そうだ)。

*ESSのDACチップを採用している製品の歪み(IMD)特性で、中間辺りの振幅の領域の歪みが増える(歪みグラフの線が盛り上がって見える)問題。周辺回路を うまく設計・実装しないと解決できないようだ。 (→ 参照1(2022): 最初の投稿の右のグラフ, 参照2 (2019): 投稿の最初のグラフ, 参照3(2019): まとめスレッドに投稿された解決・対処方法(なかなか面倒))

いつものように、「これ!」というメーカー候補すらなくなってしまったが、消去法(+同国のよしみ?)でAKMだろうか※と思っている。次点はTI(ただし、元BBの製品に限る)だ。

※PS2に書いたように、Cirrusと違ってAKMのADCはマトモなことが分かったのも印象が良い。DACとADCは違うが、企業体質は期待できる。

それから、前回いくつか挙げた候補は ほとんど却下となった。というのは、まず、(上述のように)ESSのチップは駄目だし、中国などの海外製品で国内に代理店がないものは、故障などの対応が面倒だから駄目だ。いちいち中国まで発送してられない(お金も時間も掛かる)。それ以前に、問い合わせても話が通らない可能性も高い。

今までの経験から、日本語にしても英語にしても、ちゃんと書いても ちゃんと読まない、読んでも分からない振りをしたり、時間稼ぎをして自然消滅させるフシがある。マトモなところもあるが、とても少ない。

更に、オーディオ用DACでなく、音楽収録用(PC用)オーディオインタフェースも余り期待できなさそうなので却下した。何と言うか、「良い音」(忠実度の高い音)にするための細かい工夫とかとか鑑賞用途には無頓着に思える。ScarlettやBehringer(イコライザ)は まさにそれだった。

それでは何に頓着しているのか、僕には良く分からない。: 堅牢性? Scarlettは駄目だったが。ものすごく微細は音はどうでも良くて、演奏(素材)が きちんと収録できれば良い? (スタジオ用途でなくデモ収録用ってこと?) だから再生性能は二の次? 演奏者や制作者にとっての使いやすさ? あとは、忠実性を追うよりもメーカーごとの音を出しているのか。

強引に車に例えれば、オーディオマニアが目指すものはスポーツカーやロールスロイスで、音楽用機器メーカーが出しているのはプロボックスとかハイエースみたいなことなのかも知れない。どっちが上とか良い悪いじゃなくて、目指すものが違うのだろう。

そして僕はスイフトスポーツみたいな「丁度いい」のが欲しいのだが、なかなかないとwww

あと、制作側が そういうものを使ってるのに、聴くほうだけ妙に細かくなる意味があるのかという疑問はあるが、実際には制作側が気付かない細部が聞こえて、(意図や本質でないにしろ)それが おもしろいかも知れないではないか。

そうだ! そもそも、演奏者や制作者が録る・作った音が「原音」なので、それがどんなに駄目な音でも、本人たちが"OK"なら どうしたって「駄目」になりようがないということを思い出した。厳しい。だから、Scarlettなどは、あれに満足して使う人が居る限り それでいいのだ。

言ってみれば、その「悪い流れ」がリマスターなのかも知れない。まあ、良い(例: 綺麗、迫力ある)音で聴けるのはいいけど、それでいいのかと思う。それは「原音」ではないのではないか?

もちろん、リミックスや再録なんて僕には論外だ。

だから、音楽用機器をオーディオに使うのは合わない。

そしてDACのwishlistは空になってしまった。が、そもそも、DAC+アンプ+スピーカーと別々に揃えるよりはデジタルアクティブスピーカー(DAC・アンプ内蔵スピーカー)のほうが良さそうだ。それならPCが何になっても使い続けられるし、アンプも要らなくなるし、セットとして整合が取れていてトータルでは音が良いはずだ。

実は、そういう合理的・論理的なことを最初に考えたのはでなく、たまたま、BBCの方のツイートのスタジオでの写真の背景に良さそうなスピーカー(おそらくDynaudio BM Compact mkII)が写っていて、それがアクティブだったという、ミーハーさだw

ただ、高いうえに音が僕に合うかは かなり不明(単体より調整・交換不可)なので、そう簡単には行けない。あと、一体型PCのような不便さはありそうだ。なので、これはPCもアンプもスピーカーも駄目になった時の話になるだろう。

あと、個人的な事情として、特性が良いだけでなく、音が耳に合う(例: 耳閉感を起こさない)必要があるが、そういう製品を探すのは不可能に近い。

 

いろいろ考え・選んでいるうちに、(今のアンプのように)DAC基板(Terra-BerryDAC 3)が見付かり、おもしろそう・良さそうな気がして いろいろ検討したが、概ね却下だ。: 音質にこだわっているように書いている割には、メーカーも他者も特性(グラフどころか値も)を全く公開していない。※ 結局、ターゲットやユーザー層が違うのかと思う。あと、問い合わせ対応も微妙だ。

※メーカーは測定していないのか、測定したけど出せないのか。どっちにしても論外だ。

測定して良い値が出たら出さない理由はないし、測定せずに「上級DAC」として出しているなら、それはもう・・・ 「音の良さは数値では表わせない」とか言うのは正しいが、製品が正しく作れたことのエビデンスとか客が判断するための参考値は必要だ。

(11/21 18:15) 一週間近く掛かって問い合わせへの回答がようやく来たが、ほとんど「話にならない」ので却下した。というのは、測定結果は一切出さず、「音質向上」をうたっていることの「聴感上の影響は不明」なのでは、一体何を信じればいいのだろうか? 一体、これの音質は いいのか悪いのか? 僕には全く分からない。まあ、信じる人が買って満足するものなのだろう。。。

そもそも、Raspberry Pi用のためPCから使うのが面倒で、USBからI2Sに変換する基板(Combo384)が要って直接的でないし、問題が起こる可能性が増えるのが嫌だ。それから、僕はUSB接続にも懐疑的だ。

 

その後 気付いたら、別の製品(SoundFort DS-200)の試用を申し込んで、いろいろ試して居るw※ これは今のサウンドカードのDACの系列のPCM1795を使っているので、(失礼な書き方だが、)他に何もなくなった時には頼りになりそうだ。

※やっぱり いろいろあって、試行錯誤している。

SoundFort DS-200を試用中。

今試す必要があるほど切羽詰まっていないが、無料で試せるのはありがたい。レビューを公開するとAmaギフト(2千円)がもらえることもある。評価結果は別の稿に書く予定だ。 → 書いた。全くの徒労だった・・・ (11/22 22:25)

 

PS. (本文には直接関係ないが、調べていて思ったこと) Audio Science Reviewのレビュー記事についての文句と感謝

ASUS Essence STX IIのレビューで、ASIOドライバの設定で16ビット出力しか選べないから それで測定して特性が悪くなって、「ひどい」("The Asus STX II despite looking otherwise, has a number of serious engineering problems.")とか「推奨しない」("my strong advice remains to spend your money on external DACs.")と書いているが、あとから16ビットでない設定ができて、まともな性能が出ることが分かっても(スレッドのあとのほうに書いてある)、本文・結論を訂正・修正しないのが すごくひどい。みんな誤解する。

ちょっと考えれば、16ビット出力では特性が悪くなるのは当たり前なのに、基本が分かっていないようだ。24ビット対応をうたうサウンドカードなのに、16ビットしか設定できないのは おかしいと思わないのだろうか? (ウマシカじゃね?? まるで この現場猫だよ!)

メーカーに聞くとか、(表示がおかしくて できないように見えていた)ASIOではできなくてもWASAPIはできるかも知れないから、(ASIOに こだわらずに)試せば良かったではないか。

それなのにそのレビュアーは大抵偉そうな口調で書いて居るので、信用できない部分がある。

とはいえ、いろいろな製品の測定結果は(上のようなことに注意して使う分には)とても有用で、今回のDAC選びの参考にしているから、そこには感謝する。

 

PS2. ASUS Essence STX IIのADC(CS5381)が ひどい

試用しているSoundFort DS-200の特性を測る時に、どうせならと思って、高いサンプリングレート(例: 96kHz, 192kHz)で測ったら、超高域(50kHz以上)の歪み・雑音がすごく大きくなった。※ DS-200そのDAC(PCM1795)が駄目なのかと思ったが、いろいろ調べたらそうではなく、サウンドカードのADC(CS5381)が駄目だった。

※実際には、雑音の量は最高-90dBFS(最大値の約1/3万)と絶対的には ものすごく大きい訳ではない(CDの2倍程度)。が、通常は-120dBFS(同約1/100万)程度なので、落差(約32倍)がひどい。

なお、DACも高いサンプリングレートで歪みが増大する(192kHzで約3倍)ことが分かったが、ADCほど ひどくない。それは他社製品も同様な傾向のようだ。

これに関連して、AKMのDAC(AK4493S)はDSDモードの場合には歪みはサンプリングレートには関係ないようで、理由は分からないが、PCMをDSDに変換して入れるのも良さそうだと思った。ただ、DSDに変換する時に何か問題が起こるかも知れない。

CS5381は、192kHz(Quad-speed mode)では、50kHz辺り以上の歪み(正確には雑音)が増大するのだ。※ しかも、データシートには40kHz帯域での歪み率(THD+N)しか書いてないので、使うまで分からない。TI(BB)以上のチートだ。

※調べた先の記述(→ : グラフの上の文章)によれば、ADCのノイズシェイピングのために雑音が増大するようだ。そうだとしたら、仕様では最大サンプリングレートは216kHzだから100kHzくらいまでは「使える」と思うのに、50kHz以上が使えなかったら詐欺だ。だいたい、それは まともにノイズシェイピングできてないのではないか???

以下、調べて見付かった、他者による測定結果と それらに一致する僕の結果を示す。

他者の測定結果の出典(Refs)

    1. John Atkinson: ASUS Xonar Essence ST/STX soundcards Measurements, stereophile (2010)
    2. Frex: DIY Analog-to-Digital Converter project.Audio measurements tool, diyAudio (2010)
      1. https://www.diyaudio.com/community/attachments/aa5381_noisefloor_192khz_0dbfs-pdf.164627/
      2. https://www.diyaudio.com/community/attachments/eadcakm_noisefloor_192khz_0dbfs-pdf.164632/

余談: 良く読んでいないが、出典2の方は以前にAKMのADCで良い雑音特性を得ているのに、なぜわざわざCirrusで作っているのだろうか。他の特性がいい? 安いから? 国? 物好き? なんでもいいけど、こんなクソな特性じゃ、まともなオーディオ測定ツールは できなかっただろうに・・・

結局、今のサウンドカードに音を入れる場合はサンプリングレートは96kHzまでしか「使えない」ので、それで測定している。そもそも そこらを使うことは滅多にないが、48kHz以上の領域が測定できず、なんだか騙された気分だ。

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良く考えたり調べれば分かることは多いが、分からないこともある。ただ、それが本当の謎と言えるかは怪しく、自分に知識や経験が ないからかも知れない。

だから、それらをすぐに謎(だから分かりようがなく、どうしようもない)と決めつけて思考停止したり、(いかにも権威ありそうな)他人の言うことを盲信するのは大嫌いだ。

 

(本題)

先日、以前にも起こっていた、たまに左のスピーカーから小さい「ポツ」という雑音が出る件が ぶり返したので、自作のアンプBA3886に問題がある・生じたのか不安になって原因を確かめている。

雑音の原因の可能性は いろいろある。以下に示す、音の経路にある要素のすべてが そうだ。

PC

再生アプリ → ドライバ類(JACK, PulseAudio, ALSA) → サウンドカード(DAC)


再生機器

コード1(L/R) → ボリューム → コード2(L/R) → アンプ → コード3(L)/4(R) → スピーカー(L)/(R)

アンプに問題があると厄介(対処が面倒、気が重い・・・)なので、そこには目を瞑る。のでなくw、まずはアンプに焦点を当てることにした。: 具体的には、アンプの入力(コード2-L/R)と出力(コード3,4)で左右(LR)チャネルを入れ替えて試している。それで雑音が右から出たらアンプが おかしく、左からなら それ以外のはずだ。

 

(なぜかScarlettのドツボにハマる・・・)

一方、他の大きな原因としてサウンドカード(ASUS Essence STX II, 以下、ASUS)も考えられる。古いものだし、一度壊して(無理やり)修理したことがあるからだ。仮にASUSが駄目になっているとしたら交換することになるが、次のものは すぐには決まらないから※、まずは手持ちのオーディオインタフェース(Focusrite Scarlett Solo Gen. 3, 以下、Scarlett)の可能性を調べた。以前試したら今ひとつだったが、再度試してみることにした。

※実際にAmazonなどで探したが、手頃なものでは「欲しい」と思えるものがなかった。しかも、近頃は その辺りの業界は様変わりしていて、日本メーカーのものは ほとんどなく、中国がほとんどだ。(先入観は良くないが、)手頃なものでも仕様・特性が すごいものはあるが、本当にその値が出るのか、そして音は いいのか、結構疑問だ。

参考までに、少し前の候補は以下だが、後述の「すごく良い特性が必要だ」という誤った結論の時に選んだので、現在(自分に合う音のものが良い)は もう少し違って来そうだ(が、音が自分に合うかを確かめる術はない・・・)。

MOTU M2; Native Instruments Komplete Audio 1; Sabaj A10d(2021年版); S.M.S.L SU-6, D-6; TOPPING E50, E30II, D10s

更に、(いつになるかは未定だが)次期PCではUSB接続のDACにする(せざるを得ない)だろうから、その使い勝手も試したかった。

Scarlettの音を聴いてみると、最初は低音が豊かでパワフルに聞こえたが、実際には駄目な音だった。: 少し聴くと、豊かだと思われた低音は締まりがない こもった感じで、聴き続けたら少し耳閉感が起こった。あと、前のアンプ(改造後?)やイコライザ(BEHRINGER DEQ2496)をDACに使おうとした時にも あったのだが、音に雑物・不純物が混じっているような、ザラついたような埃っぽい感じ(要するに「音が悪い」)もした。

何が悪くて そうなっているか分からなかったので 接続や音量などを調整してみたが、改善できなかった。

それで、Scarlettの(ライン出力の)オーディオ特性を測定し、音が悪い原因を探ってみた。: すると、なぜか、振幅の周波数特性や歪みが局所的に変動する箇所があった。(→ グラフ1: 右下のインパルス, グラフ2: 左の山) また、歪みがかなり多かった(仕様の量を超えていた)ものの、決定的ではなかった。(→ グラフ)

それで、「仕様・特性がASUSより悪い(雑音: 約6倍, 歪み: 約10倍)ためだ」という、にわかには信じがたい※結論に なり掛けた。*

※というのは、確かにScarlettはASUSに比べると悪いものの、絶対的には、ダイナミックレンジは100dB以上だし、歪みも0.002%と大きくないからだ。これで駄目なら、普通の機器(すべてのCDを含む)は全部駄目なことになる。

*なので、この時は、「ハイレゾのオーディオ機器は本当に必要だった」という、それまでの持論を覆す結論にすらなり、そういう流れで書こうと思って居た。

ところが、その後、偶然にも問題の本当の原因が分かり、Scarlettの特性は充分良い(= 「最高」ではないが、実用には全く問題ない)ことが確認できた。

Scarlettの出力の接続の仕方が悪かった。: すっかり忘れて居た(というか、最初から意識して居なかったかも)のだが、Scarlettのライン出力は実はバランス(TRSジャック=ステレオ標準ジャック)で※、特性測定時にTSプラグ(モノラル標準プラグ)を使ったために負出力がGNDにショートされた*のが良くなかったようで、TRSプラグに換えて負出力を開放したら直った。 (→ プラグの比較, 参照: 「バランスーアンバランスのケーブル接続について」: 「4、電子バランスOUTPUT → アンバランスINPUT」)

それに気付く前も、歪みの多さからScarlettの出力アンプが飽和しているのかと思って、入出力振幅(レベル)を調整したりしたが、直らなかった。

※問題の原因が分からないので、何かヒントがあるかとマニュアルを見直していたら、仕様のところにバランス出力であることが書いてあって気付いた。

*バランスであることは忘れて居たが、無意識に(そこら辺にあった物を使って)した接続が偶然マニュアルどおりのアンバランスへの変換だった(けど、駄目だった)。

問題が起こる理由を考えるだが、今ひとつ分からない。: バランス出力だから出力アンプは正負別のはずで、しかも、正負それぞれの出力ジャックの前に直列抵抗が入っているだろうから、負出力をショートしても正出力側には影響は出ないはずだが、振幅が大きい場合に終段のアンプ(オペアンプ)の負荷が高くなって局所的に電源電圧が変動(低下)したためではないかと想像している。他に、アンプの発振や、GND電位が局所的に変動して正出力が変動することが考えられるが、実際に起こるのかは分からない。

(11/9 15:13) 想像を元にシミュレートしてみたら、やはり、負出力をショートしてアンバランスに変換した場合はオペアンプが過負荷になって居る可能性がありそうなことが分かった。

まず、Scarlettの回路図は手に入らないので、出力部が(僕の想像どおりの)AKMのDAC AK4393のデータシートにある回路例(「Figure 11. 外部LPF回路例 2」)のようになっていると想定した。※ シミュレーターを用いて、その回路の通常時(バランス出力)と負側をショートして(無理に)アンバランスに変換した場合をシミュレートした。

※が、もし本当にこのような回路で負側をショートしてアンバランスに変換させているしたら、それこそアマ以下だ。なお、AKMのデータシートでは、これのあとに ちゃんとアンバランス出力回路があるので問題ない。

すると、想像通り、ショートした場合にはオペアンプから大電流(5Vの場合、100mA前後)が流れることが分かった。

次に、同様に負出力をショートしてアンバランスに変換する方法をマニュアルに記載しているDEQ2496の出力回路(仕様には"servo-balanced"とある。: そのものは入手できないので、姉妹品DCX2496の出力回路を使った(→ 掲載例))でもシミュレートしてみた。知識が足りないため、この回路の動作が全然理解できないのだが※、出力をショートしてもオペアンプから大電流は流れなかった(5Vの場合、5mA以下)。

※それでシミュレーターを使った。シミュレート結果を見ていたら、ショート時と開放時の動作が ちゃんと連続していて、実に良く出来ていると思った。

まあ、Scarlettの回路は想像でしかなく、実際にはDCX2496と同様になっているのかも知れないが、電源off時のポップ音(DCX2496では ちゃんとミュートしようとしている。: 回路図の"AMUTE")といい、Behringerに比べて随分杜撰な作りをしているようなので、想像どおりなのかも知れない。そうであれば、僕の測定結果と推測が裏付けられる。仮にそうでなくても、いろいろ杜撰なので、どういう異常が起こってもおかしくないという想像は覆せない。実際に駄目だったし!

まあ、DCX2496の回路にも言いたいことがある(例: DAC(バランス)→アンバランス→バランス(XLR出力)でいいのか?)が、堅実だというのは確かだ。

(ここまで11/9 15:13)

 

(更にDEQ2496にもハマる・・・)

(11/10 1:04) ついでに、死蔵していたDEQ2496(以下、DEQ)がDACとして使えるかと思い、特性を測ってみた。※: 振幅は問題なかったものの、歪みは約500Hz以上が単調増加する ひどいものだった。他者の評価でもそういう傾向で、僕の測定が間違っている訳でなく、製品の作りが悪いようだ。* (とりあえず)歪み以外はASUSと同等なのに、詰めが甘いのか。もったいない・・・

※なぜかASUSのデジタル出力が うまく使えないため、別の出力(オンボードのRealtek)を使ったせいか位相が正しく測れなかったが、振幅と歪みは測れた。

*実際、アナログ部分をそっくり交換して特性を向上させる(本末転倒的なw)基板が売られていたくらいだから、筋金入りだw

なお、歪みがひどいので、上のシミュレーションが合わず、バランス出力をアンバランスに変換するのに負出力をGNDにショートしているのが良くないのかと思って開放したら、ものすごい雑音が出た。それで、正出力と負出力を使うようにしても雑音が大きかったので、DEQはマニュアルどおり、負出力をGNDにショートするのが正しい。

ということは、Scarlettも一応ちゃんと作ろうとしたけど、詰めが甘くて今ひとつなのかも知れない。

それから、昔はDEQをイコライザ兼DACとして使っていたが、このひどい歪みに気付かなかったか気付いても気にしなかったのは、全く しょうもなかった。

この歪みのせいで、DEQの音が悪く感じたのかも知れない。今日少し聴いた感じでは、耳閉感は起こらないものの、なんか落ち着いた・地味な感じ(高域がちょっと物足りない)に聞こえた。歪みの影響だったのだろうか。 (ここまで11/10 1:04)

(11/10 13:28, 17:19) DEQの歪みの原因が気になって回路図を見ていたら、ミュート用のトランジスタが悪いように思えた。シミュレートしてみたら、確かに繋がっているだけで高調波が出た。※(→ : 左下のスペクトラム) 更に、ミュート機能も不充分で、半分(正の信号)しか消せないことが分かった。* (→ : 右下の波形)

※BA3886でも 似たようなことがあった。その時はダイオードだった。

*あの回路は一見ちゃんと動くように思えるが、そうではなかった。トランジスタは片方向にしか電流を流さない。

それで、試しにミュート用トランジスタを無効にしてみたくなって基板を見たら、どうも回路が違うようだ。※: どうやら、トランジスタの代わりにリレーでミュートしているようだ。メーカーが駄目なことに気付いて改良したのではないか(実際、どこかに"Rev. 2"とか書いてあった気がする)。

※確かにトランジスタはあるが、配置が想定と異なるので、使われ方が違うようだった(リレー駆動用のようだ)。

リレーにしても、なぜか2回路のものが2個もあるのが理解不能だった。: 入力もミュートするのか、正負左右独立にミュートするのかと思ったが、どちらも無駄な気がする。

と思って再度DCX2496の回路図を見たら、入力にリレーが使われていた(入出力レベル切り替え用のようだ)。すると、別に出力ミュート用トランジスタがあるのかも知れない。 → もう少し探す。

→ やっぱりリレーでミュートしていた。どうしてか、ミュート時(リレーのコイルがoffの時)には出力を入力に繋げているようだ(ここは理解が浅い)。電源off時にパススルー的になって好都合と考えたのだろうか。

更に、(上のDCX2496の回路とは異なり、)アナログ基板内は完全にバランスで処理しているようで、そのためにリレーが2個(1個ずつ正負、左右で2個)実装されている。随分改良した感じだ。

ただ、そのミュートは電源on時には効くもののoff時には間に合わないのか、小さくポップ音がする。それは そうだろう。電源スイッチがメカニカルなので難しいと思う。

他に気になったのは、出力のサーボ回路で歪む可能性※で、その前(リレーの辺り)から信号を取り出せば比較できそうだと思って回路(部品間の接続)を解析しようとしたが、イメージと随分違って分からず諦めた。 → その後、上記のように概ね理解し、サーボ回路の前のバッファアンプらしきところから+側だけを取れば良さそうに思った。

※Scarlettの出力回路を想像している時に参考にしたページに、正側と負側のオペアンプの出力が微妙にズレる(正負で動作が違うため)というふうに書いてあったので、それが関係していると思った。

が、そもそも、信号の経路(カップリング)に普通の電解コンデンサが多用されていたりして元々音質への配慮が余りない製品だから、いくら頑張っても無駄な感じだ。なので、「もう これしかない・・・」状態になったら頑張ることにした。 (ここまで11/10 13:28, 17:19)

(11/11 17:05) DEQの歪みの原因が気になって、サーボ回路での正負の時間差と、0近傍での不感帯?(トランジスタのスイッチング歪みの類)をJACKでシミュレートしたが、今ひとつ合わなかった。シミュレートが良くないこともあるだろうが、どちらも2次から連続した高調波が発生して歪み率が周波数によらず ほぼ一定なのに対し、DEQでは奇数次だけが発生して、周波数に応じて増加するのだ。

諦め掛けた時に、少し前に読んだ「DEQはセラミックコンデンサが使われているから性能(歪み)が悪い」(その時は余り信用しなかった)というのを思い出して調べたら、本当にそのようだ。種類(それぞれの規格)にもよるが、電圧に応じて容量が変化する(高電圧で減る)とのこと。 (→ 参照) だから、基本的にはオーディオには向かないということだ。

もちろん、ちゃんと種類を選べばセラミックだって いいのは分かるが、何かを作る時に まずは失敗しないこと・安全性を目指すなら、「オーディオ回路にセラミックコンデンサは避ける」という馬鹿の一つ覚えでも、僕は いいと思う。「君子危うきに―」だ。失敗は掛け算(か足し算か不明w)で効いてくる。本質でないことにパワーを使う必要はない。

詳しくは確認していないが、例えば、ブログ:「コンデンサの歪率」の後半のLPFに使った時の周波数-歪み特性のグラフは周波数とともに歪み率が増していて、まさにDEQと同様の傾向だ。他の例では、通電してみんべ:「DACのアナログ追求⑧コンデンサその2」では歪みの傾向が逆(周波数とともに歪み率が下がる)だが、おそらく、左の例と違ってHPFにしているからではないか(未確認)。

全然知らなかった。以前どこかで読んでイメージとしては知っていたが、ここまで効くとは思っていなかった。安物の部品は駄目だね・・・

そして、仮にセラミックコンデンサがDEQの歪みの原因だとすれば、かなりの数を交換しなくてはならず(しかも小さい!)、非現実的だ(やってられない!!)。だから、上に書いた「全取っ替え」のアナログ基板が出たのだろう・・・

全部交換する前に、いくつか外して効果があるか確かめる手はある。想像だが、出力コネクタの直前にある、正負の出力とGNDの間にある2個(左右なら合計4個)が一番効きそうな気がする。もちろん やらない!w

ただ、僕のDEQに本当にセラミックコンデンサが使われているかは未確認だ。というのは、「セラミックコンデンサが−」のとはリビジョンが違うせいか、その写真とコンデンサの形状が異なっているためだ。僕のは良く見るオレンジの円盤状でなくチップ部品なので、種類が分からない。容量や色からして積層セラミックの気はするが、詳しくないので分からない。

DEQ2496のアナログ基板の入出力コネクタ付近(裏面): ベージュ色の四角がチップコンデンサ

(ここまで11/11 17:05)

 

(やっとScarlettに戻る)

Scarlettの出力プラグを直したら(写真: 下側(アダプタを挿したもの)のプラグを出力ジャックに挿し、上側を測定に用入力に繋ぐ)嘘のように特性が良くなり、ほとんどASUSと同様になった(下のグラフを参照)。

「今度は大丈夫か!?」と思って聴いてみたら、大分良くなった(かなりクリア・自然になった)ものの、やっぱり耳閉感の兆候が出る。いつものように その原因は分からず、「謎」としか言いようがないが、Scarlettには以下の気になる点がある。

  • 歪み: 振幅が大きい時に低域で増大する。(グラフ: 緑の左側の傾斜) → 入力の振幅を小さくすれば解消できそう。
    • これが一番もっともらしいが、他の機器でも起こることがあるので、測定上の問題や電源容量不足の可能性も考えられる。
  • 位相: 高域(6k-12kHz辺り, 特に9kHz)が不自然。 (グラフ: 右側の波の形の緑と他の違い)
    • 振幅特性のグラフを見ると分かるように、かなり急(グラフには出ていないが、20kHz以上の約2kHzで数十dB落としているはず)なフィルタのためのような気がする。
    • 測定に用いたScarlettのADCのフィルタの特性の可能性もある。
      • → 書いたあとで、JACKで使える数種類のフィルタ・イコライザで超高域(15kHz)をカットした時の特性を見た限りでは 上のような変な特性にはならなかったので、この不自然さはDACとADCのフィルタの特性が掛け合わさったためだと考えられる。 (18:36)
    • 音楽再生時に使っている、部屋の特性補正用イコライザの位相特性を調べたら、中低域は不自然なものの高域(約2kHz以上)では素直(単調減少)なので、これが関係あるのかも知れない。 (→ グラフ: 青: L, 赤: R)
      • もしそうなら、DAC出力のフィルタが選択できるものが良さそうだ。 (← 下記のように、僕には必須条件のようだ。: 18:36)
    • → 書いたあとで思い付いて、JACKで使えるフィルタ・イコライザで超高域(15kHz以上)をカットして試してみた。 (18:36)
      • フィルタは上のグラフに最も形状が近かったCalf plugin packのEQ5のHigh Shelfを使った(Q=1で傾きを最も急にした)。
      • すると、開始20分後から わずかに耳閉感の兆候が現れ、1時間後に耳閉感が起こった。
      • よって、高域の急なフィルタは耳閉感の原因の可能性が高そうだ。
      • また、今までの経験から、他の帯域(中低域)でも急なフィルタを使うと耳閉感が起こった(そのために「急さ」を制限している)ので、要するに、急なフィルタによる信号の劣化(おそらく位相の急変)が耳閉感の原因(の一つ)である可能性が高そうなことが分かった。
        • 実際、今のASUSのフィルタはデフォルトでは急なもの(fast)だが、(確か耳閉感とは関係なく、)「より自然そうだ」と思い付いて、緩いもの(slow)にしている。 (グラフ: 振幅, 位相: 青: fast; 紫, 赤: slow)
        • その効果があったかは不明だが、確かに、(良く書いていた)「それまで聞こえなかった音が聞こえた」とか、クリアに聞こえることが多い。 (19:14)
          • こういうところが、メーカーが「マエストロが経験と感性でチューニングした」とか うたうところかも知れないな(実際に やっているとすればw)。 (19:23)
    • また、ScarlettのコーデックのDACのフィルタの特性をslowに変えれば耳閉感を緩和できるかも知れないが、添付の制御ソフトですら出来なさそうなので難しそうだ(やる気・必要性が出たら、メーカーのFocusriteに聞いてみる)。 (18:36)
  • 振幅: ASUSと違い、20kHzまでフルに出ている。 (グラフ: 右端の下がり方の緑と他の違い)
    • そもそも僕は約15kHz以上は聞こえないし、15kHzくらいで切っているASUSでも耳閉感は起こるので、このこと自体は関係なさそう。

 

(11/9 19:35) 試しに、ASUSのフィルタを高域が より広く出る"fast"(上のグラフの"fast roll-off"の特性のもの)にして聴いているが、大きな問題はない。確かに、わずかに高音がキツい感じはある(それがfastの証拠?)が、耳閉感には なっていない。まあ、買った当初はデフォルトのfastで問題なく聴けていたのだから、当然ではある。

どうして大丈夫なのかは分からないが、ASUSは何かがいいようだ。だから、ASUSは僕に合っているDACだと言える。正確には、ASUSというより、それに使われているDACチップ(TI PCM1792A)を作った老舗Burr-Brown(その後TI)の功績が大きい。

ただ、良いDACチップを使っただけでは まともな特性や音は出ないので、ASUSの技術も重要だと言える。

あと、Scarlettのコーデック(Cirrus Logic CS4272)のデータシートを少し読むと、サンプリングレートによって動作モード(速度)が変わるようで、上で「不自然」と書いた44.1や48kHzは"single speed mode", 96kHz辺りは"double-", 192辺りは"quad-"となっていて、それに伴ってフィルタの特性も違う。だから、下のグラフの位相特性の違いも そのためだろう。なんで そんなクソな仕様にしたのだろう。

僕としては「全くない」。手抜きだ。こういう製品は どんなサンプリングレートでも同じ特性を出すべきで(でないとサンプリングレートで音が変わってしまう)、使うならサンプリングレートが固定の用途だ。そういうのをオーディオインタフェースに使って平気な顔をしている(それどころか、「音にこだわってこれ(CS4272)にした」とか書いているのを見た覚えがある)。見識を疑う。そもそも、その こだわった音がイマイチだ。まあ、僕とは全く合わない製品だったってことだ

そして、次のDACを買う時は少なくとも、Focusriteの製品とCirrus Logicのチップを使ったものは却下する。旧Burr-Brownのものがあればいいけど絶滅危惧種なので、AKMかESSしか選択肢はなさそうだし、今は入手性でチップどころかメーカーすらコロッと入れ換わるほどなので、音にこだわって選ぶのは難しい・・・

ASUSのDACチップの"PCM1792A"で検索してみたら、随分いいものらしい。しかも、僕はグラフを見ても良くは分からないが、フィルタが素晴らしいとのこと。(→ 参照1, 参照2) 我ながら耳がいいのかな? というか、そういうのでないと駄目だとすれば、なんと面倒な・・・

そして、昔、そのPCM1792Aを搭載したDAC(Styleaudio Carat-Topaz)を持っていたのだが、(音の良さや貴重さに気付かずに)手放してしまったのを今になって残念に思う。が、上にも書いたように、チップだけでは いい音は出ないので、「本当に音が良かったかは分からない」としておこう。

(ここまで11/9 19:35)

 

Scarlettの出力の接続方法の問題に気付く前は、音の悪さや耳閉感から、ASUSが壊れた時に新しいDACを買うとしたら、仕様・特性が ものすごく良いもの(少なくともASUS以上)でないと駄目かと思ったが、仕様・特性だけでなく、「音が良い」(正確には「自分に合う」)ものを選ぶ必要がありそうで、なかなか難しい。

この、「自分に合う」というのが、オーディオ機器にまつわる いろいろな謎の原因の一つかも知れない。大抵の人は、自分に合う(あるいは 好む)音が いい音だと認識・表現するだろうから。

耳閉感は ほとんどの方には起こらないだろうが、例えば、仮にレコードや真空管アンプには 耳閉感に限らず、各自が不快に感じる原因因子が少ないのだとすれば、それらを好む人の気持ちが理解できる。

あと、以前良く言われていた「デジタル臭い」とか「デジタルの音は硬い」というのは、上に追記したような、フィルタが良くないこともあったのではないかと思う。音楽の配布形態にデジタルが加わる頃は、(とりあえず、出すべきでない周波数をカットすることが最重要で、)フィルタの聞こえ方の評価までは充分に できていなかったのではないだろうか。 (20:26)

更に、仮にScarlettの耳閉感が解消したとしても、以下の実使用上の問題が見付かったので、そう簡単には入れ替えられなさそうだ・・・

  • スリープ時や終了時(Scarlettがoffになる時)に雑音(ポップ音)が出る。
    • 他の人も出ているので、どうにもならないようだ。もちろん、出ない機種(別メーカー)もあるから、メーカーが手を抜いたか そういう思想のようだ。
    • ScarlettのCodecチップ(CS4272)のデータシートにはミュートの回路の例が載っているが、それが有効に働くか(ちゃんと制御しているか)不明だし、正負左右の4回路を作るのは面倒だ。
      • それよりは、PCからスリープなどの前にアンプをミュートさせるほうが簡単そうな気がした。
  • PCの負荷が高い場合、「ジッ」という雑音が出ることがある。
    • プライマリ出力のASUSでは起こらないので、Scarlettから音を出すために使っているプログラムalsa_outの関係だと想像している。
    • alsa_outを使わなければいいかと思ったが、なぜか、JACKのプライマリ出力にできなかった。
      • JACKの設定が誤っていたようで、その後、プライマリに出来て雑音は出なくなった。
  • JACKからScarlettに音を出すalsa_outが今ひとつ不安定で、突然終了してしまうことがある。

以上のことから、ASUSがずっと壊れないことを祈るしかない。

 

(11/8 19:47) その後、寝ている時に、「Scarlettのフィルタ(LPF)のカットオフ辺りの特性が悪いなら、サンプリングレートを高くして(オーバーサンプリングして)カットオフ周波数を可聴帯域外に移せばいいのではないか?」と思い付いて、一日掛けて試したが(例によって)駄目だった。

寝ている時の思い付きに碌なものはないのだろうか??

いろいろ苦労してサンプリングレートを88.2kHzや176.4kHzにしてみたが、やっぱり耳閉感の兆候は出たし、音が悪い感じもした(疲れなどもあったのか、その後、耳鳴りまで出た)。それで、可聴帯域上限(20kHz)近くの音が出るのが駄目なのかと考えて、JACKで15kHz辺りで切るLPFを追加してみたが、効果はなかった。

結局、急なフィルタと可聴帯域上限(20kHz)近くの音(12-15kHz以上か)が耳閉感を引き起こすような感じだ。不思議なことに、ASUSでは問題ないので技術的に不可能ではないのだろうが、耳閉感を起こさないように(何らかの特性を良好に保って)高域を切るのは難しいようだ。

そこら辺が、「音の良いDAC(チップ)」という評判の正体(?)の一つなのかも知れない。

不思議なのは、サンプリングレートを変えてScarlettの特性を測ったところ、44.1kHzと48kHzだけがカットオフ周波数付近(当初は9kHz辺りが不自然だと思って居たが、比較するとカットオフ付近も変化が激しい)の位相が不自然だったことだ。それより上の88.2kHzや96kHzでは素直な特性だった。(グラフ: 黄緑: 44.1kHz, 紫: 48kHz, 赤: 88.2k, 水色: 96k) だから、不自然な位相は(上に書いた)測定に使ったADCのフィルタの影響ではなく、おそらく、Scarlettのコーデックの使い方が今ひとつなのかと想像する。

そこら辺は、「音の良いDAC(機器)」という評判の正体(?)の一つなのかも知れない。

44.1-96kHzのサンプリングレートでのScarlettの出力の位相の比較: 黄緑: 44.1k, 紫: 48k, 赤: 88.2k, 水色: 96k

そもそも、この思い付きの駄目だったところは、必要もないのにオーバーサンプリングすることだ。処理が増え、音が悪くなる(少なくとも良くはならない)から、いいことは何もない。そういうのはDACの中でやることで、このやり方に芽はない。

その他に、ScarlettのUSB Cコネクタ(ジャック)はプラグが上下に動くと接触不良になるようで、ケーブルを触ると電源が切れて音が切れてしまう問題が見付かり、Cコネクタ(無意味なんだからBやmicro Bにしておけば良かったのに!)が弱いのか、Scarlettや使ったケーブルの出来が悪いのか、それらの相性なのか分からないが、一応プロ用的なものなのに 随分お粗末な気はする。これでは収録中に落ちることがあるのではないか?

そう言えば、(上に書いたように、)マニュアルどおりにアンバランス接続したら駄目だし、電源off時にポップ音が出るし、まあ、「Scarlettは音が悪いうえに それ以外も いろいろイマイチだ」とガッカリし、これ以上深く関わっても おもしろいことは ない気がしている。 (ここまで11/8 19:47)

 

(ようやく本題に戻る。)

なお、そもそもの本題の時々出る雑音については、その後1-2度左から出たので、アンプは問題なさそうだ。また、DACをScarlettに入れ替えている時にも出たので、ASUSの問題でもなさそうで、ソフト(JACK)の可能性が高い。あるいは左のスピーカーや窓のシートの音かも知れない。: 原因が分かるには しばらく掛かりそうだ。

 

PS. Scarlettがバランス出力だったので、アンプもバランス入力に対応させれば わずかに音が良くなり(正確には雑音が減り)そうな気がしたが、まず面倒だし、壊す可能性が高いし、途中のボリュームをどうするんだという話もあるし、そもそも、使っているアンプ基板(ICも?)がアンバランスな気がするので止めた。まあ、僕には気分の問題だ。

PS2. 製品を選ぶ時にはレビューサイトが役に立つ。が、中にはメーカーから送られて来た製品を評価しているところ※があり、公平性に疑義があるとは言わないが、そうして出費なしで気軽に評価していいものかとか、評価対象に偏りが出ていいのだろうかと思う。

※どことは書かないが、なぜか変てこな日本髪(昔の結婚式?)の女性のアイコンの人のレビューが多いところ。

とは言え、日本の多くのメディアのような提灯記事ではない(客観的な測定結果に基づいている)し、メーカーから提供されたことを明記しているから、公平性には問題なさそうだ。

PS3. DAC(製品)を調べていたら、チップ単体について おかしなことに気付いた。: なぜかデータシートに歪み特性などの重要なグラフを載せず、フィルタ特性だけを載せているメーカーがある。: ESSとAKMだ。 (→ 例: ESS ES9038Q2M, AKM AK4393)

データシートには特定の点(例: 最大出力と小出力の2点)での値が載っているから、全く測定していない訳ではないようだが(当然だ)、なぜかグラフは載せたくないようだ。もちろん、外付け回路で大きく変わるのはあるが、開発した時のリファレンス回路での例を載せても誰も文句は言わない。そういうのがあれば、大いに選択や設計の参考になる。何か後ろめたいことがあるのか? 逆に、そういう情報がなくて、良く採用できるものだと思う。

例えば、ESSは、あるレビューサイトが指摘しているIMDの盛り上がり("ESS IMD hump")を放置しているようだ。(→ , スレッド: ESS THD ‘Hump’ Investigation(良く読んでない)) だからグラフを載せないのかと疑ってしまう。

おもしろいのは、上の例の記事に中国のメーカー(TOPPING)が その盛り上がりに対処できていると書いてあることだ。すごい。

だけど、グラフを見ると、問題の盛り上がりはないものの、最大振幅付近で盛り上がってしまっているので、完璧ではないようだ。それでも、歪みはかなり小さいので 大したものだ。

上に挙げたスレッドに解決策らしきもの(概略: I/V変換をESSの特性に合わせていないため(でも、そうするとアンバランス出力になってしまう)。: 全部読んでないので、確定かは不明)がある。以前から感心していたBenchmarkの人の投稿だ(そこのDACでは解決していて、その方法を書いてくれて居る)。

一方、TI(旧BB)は 様々なグラフを載せている(例: PCM1792A)。そして、今はそのTIのHi-Fi DACを載せているものは ほとんどなく、まったく希少になって居る。

技術者としては、ESSやAKMの態度(弱気とか卑怯)が全く許せないので、その点でTIのもの、しかも、最高峰と言われているPCM1729Aを使った 良いDACが欲しい。が、もう絶滅しているようだ。ますます今のサウンドカードが壊れないことを祈るしかない・・・ (11/12 20:49)

 

(11/8 19:47 Scarlettで追加で試した結果などを追記; 11/9 5:33 わずかに加筆, 15:13 バランスをアンバランスに変換する回路のシミュレーションなどを追加, 19:35 ASUSをfastで試した結果とScarlettのコーデックがクソな件を追加。おそらく完結; 11/10 1:04 DEQ2496の測定結果について追加。本当に完結?, 13:28, 17:19 DEQ2496の回路について調べた結果を追加, 19:30 題を変更; 11/11 7:17 小見出しを付けた。, 7:29 わずかに修正, 17:05 DEQの歪みの原因がセラミックコンデンサだかららしいことについて追加, 19:12 小見出しをわずかに修正; 11/12 7:28 わずかに変更・修正, 20:49 PS3を追加)

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