昨日に引き続き頭の体操。基本的に数学などは苦手だが、馬鹿馬鹿しいことを真面目に考えるのは好きだw
結構前から、ゴミ袋が一杯になって収集に出そうとしてゴミ箱から出すと、まだ余裕があることに気付いていた。仕方ないので、一旦その袋を出して次の回まで別の場所に置いておき、実際に出す時に それまでの分を追加していた。が、どうも面倒だし汚いし、置き場所が もったいない。それで、どうしてそうなるかを考えたら、どうも、ゴミ箱の形が悪い気がして来た。
元々、今のゴミ箱は底に行くに従って狭まるのと、底部に蓋開閉用の出っ張りがあるので、そのせいかと思ったが、それ以上に、そもそもの形(主に断面)が関係しているのではないかと考えた。つまり、同じ袋でも断面の形によって入る量(体積)が違うのではないかと。
それで、もしそうなら、どういうゴミ箱の形ならゴミ袋に最大に詰められる(「入る」)のか考えてみた。この時、正確に考えるのは難しいので、以下の前提とした。
- ゴミ袋の周(4辺の長さの和)はゴミ箱の形状に関わらず一定。
- ゴミ袋はゴミ箱に密着する(ゴミ箱の形と同じになる)。
- ゴミ袋をゴミ箱に入れた時の深さはゴミ箱の形状に関わらず一定(ゴミ箱が充分深い場合)。
- 少し怪しいが、とりあえず成り立つとする。
すると、体積= 断面積 x 深さなので、断面積が最大になる形状のゴミ箱が一番「入る」と考えられるので、その形状を考える。
ゴミ袋のサイズを幅w x 深さhとして、一般的な形のゴミ箱の断面積を比較する。
※参考: 実際のゴミ袋(45l)のサイズ: 65 x 80cm → 可能な円周: 約130cm → 半径: 約20.7cm (直径: 約41cm), 正方形の場合の1辺: 約32.5cm
- 円
- 断面積(r: 半径): S1= π r2
- ゴミ袋のサイズと断面積の関係: S1= w2/π
- 2πr= 2w → r= w/π → S1= π (w/π)2= w2/π
- 参考:
- 45lゴミ袋での断面積: 約1320cm2
- 製品のサイズの例: 直径 43cm x 深さ: 47cm → 面積: 約1450cm2, 体積: 約68l (外寸なので大きい?)
- 正方形
- 断面積(L: 1辺の長さ): S2= L2
- ゴミ袋のサイズと断面積の関係: S2= w2/4
- 4L= 2w → L= w/2 → S2= (w/2)2= w2/4
- 参考:
- 45lゴミ袋での断面積: 約1056cm2
- 製品のサイズの例(手頃なものは ほとんどない): 32cm角 x 深さ: 63cm → 面積: 約1024cm2, 体積: 約64l
- 33cm角とすると、約1090cm2
- 35cm角とすると、約1200cm2 (ゴミ袋のサイズから不可能)
- 長方形
- 断面積(L1, L2: それぞれ短・長辺の長さ): S3= L1 L2
- アスペクト比(長辺/短辺)をRとすると、L2= R L1 → S3= R L12
- ゴミ袋のサイズと断面積の関係: S3= R (w/(1+R))2
- 2(L1(1+R))= 2w → L1= w/(1+R) → S3= L1 L2= (w/(1+R))(R w/(1+R)) = R (w/(1+R))2
- 例: R= 1.5の場合、S3= 1.5 (w/(1+1.5))2= w2/(6.25/1.5)= w2/4.2
- 参考:
- 45lゴミ袋での断面積(R= 1.5の時): 約1014cm2
- 現状のゴミ箱: R=約1.5 → S3= 1.5 L12
- サイズ(内寸): 約25 x 38cm x 深さ: 53cm → 面積: 約950cm2, 体積: 約50l
※楕円も気になるが、そういう製品は ないので省略する。
それぞれの形状の断面積を比較すると、以下になる。
以下で、w: ゴミ箱の幅, R: 長方形のアスペクト比(長辺/短辺)である。参考のため、w= 1(単位長さ), 長方形のRをいくつかの値とした時の断面積も書く。
- 円: w2/π
- w= 1の時の断面積: 0.32
- 正方形: w2/4: π≒ 3.14なので、円より小さい。
- w= 1の時の断面積: 0.25
- 長方形: R (w/(1+R))2: 複雑だが、R>1なので、正方形(左でR= 1とした場合)より小さそう。
- w= 1, R= 1.25の時の断面積: 0.25
- w= 1, R= 1.5の時の断面積: 0.24
- w= 1, R= 2の時の断面積: 0.22
結局、円が最も断面積が大きいので、
同じ深さのゴミ箱であれば、断面が円のものが最も「入る」。
という結論になる。
最初に思ったことだが、直感的に、ゴミ袋の自然な形(収集に出す時の形)が球に近いので、それに近い円筒が良いのではないか。
更に、実際には、角型の箱だと四隅に物(ゴミ)が詰まりにくい感じなので、その点でも円筒が最適と推測する。
なお、製品を探すと、どういう訳か(部屋に置いた時の空間効率や見た目?)、実際には、長方形のゴミ箱が最も多く、次は円(主に屋外用)、正方形は ほとんどなかった。
なお、ゴミ袋ホルダー(箱なし)が最も効率が良さそうだが、見た目や強度の点で問題があるので採用できない。
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ゴミ袋のためにゴミ箱を買い換えるのは馬鹿らしい気もする(ゴミ箱は意外に安くない)が、もし買うなら、円か正方形に近い長方形のものを探すことにした。
ただ、上の参考断面積を見ると、正方形になった時点で随分円より小さくなる(約3割減)し、意外に、アスペクト比1.5の長方形でも正方形と同様なので、円一択だろうか。
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(16:41) 丁度良いサイズの段ボール(サイズ: 約35x35x53cm)があったので、試しに作ってみた。円に近付けるため、8角形に したかった※が、技術が ないので欲張らずに(ほぼ)正方形にした。安直に段ボールを縦にして天面にゴミ袋くらいの穴を開けた(ちょっと大きかった)だけだ。
※8角形などの場合、特に底面や蓋が難しい。
操作性や耐久性には難があるが、これで どのくらい入るかを試してみたい。良ければ ちゃんと作るか買おう。
- 段ボールで、改良版ゴミ箱のプロトタイプ(正方形)を作ってみた。
- 偶然だが、仮の蓋も出来た。
なお、汚いので写真は載せないが、従来の長方形のゴミ箱で満杯になっ(て押し込めなかっ)たゴミを押し込めた※から、より入りそうな気がする。
正方形や円(→ 上に書いた球)に近いほうがゴミを圧縮しやすいのだろうか? ゴミが分散しやすいのか。袋を移したためにゴミが分散したとかの偶然かも知れないが。
蓋は全くの僥倖で出来たもので、見た目は悪くないが、臭いは防げない。が、元のゴミ箱の蓋も通気性があるらしく、臭いは防げなかったので、大きな問題はなさそうだ。
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(8/16 21:15) プロトタイプのゴミ箱は随分詰め込める感じだ。誇張なしで今までで一番だ。まだ隙間はありそうだけど、もう詰められないと思って袋を出そうとしたら なかなか出せず、口が縛れなくてガムテープで貼った。だから、円筒形状なら きっと最高に入るだろうけど、正方形でも充分な感じだ。
そう言えば、高校の化学で「六方細密」というの(分子配置?)を教わったのを思い出したが、8角形よりも6角形のほうが空間効率が高いのだろうか? ちょっと興味が湧いたが、ゴミ箱には正方形でも充分なことは分かったw
全くの余談だけど、その化学の先生が「落ち着いた おばさん(でも、どこか可愛気がある)」て感じで なかなか良かった。
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ちょっと検索したら、どういう訳か、2次元で6角形(六方細密充填構造)まではあるが、8角形の構造はなさそうだ。自然には できない形なのだろうか。
(8/25 22:07) 8角形は隙間なく配置できないので(これを書いた時は気付かなかった)、6角形が最密とのことだ。
まあ、「細密充填構造」とは言っても、これはその元素の原子が細密なのであって、中に物(ゴミ)が最も充填できるとか、その形状の物が周囲との無駄が少なく配置できる訳ではなさそうなので、余り関係ないかも知れない。実際、面心立方格子構造(正方形)も六方細密と同じ充填率(74%)だ。
PS. きっと、形による面積の違いは既知の話なのだろうが、良く考えると不思議だ。周が同じで形が違うから面積が違うのだろうか? それにしても、減った分は どこに行ったのだろうか??
↑ 答えではないが、(箱または袋の)形を伸ばして直線にすると(= 袋を畳んだ状態)面積が0になるのと関係がありそうだ。少なくとも、同じ周の長さでも、形によって面積が変わることは確かだ。
変わる面積は一体どこに行く・どこから来るのかは分からないが、おもしろいことだ。
PS2. 現実には ありえないけど算数の問題に ありそうな例として、すごく長いロープで囲めるだけの土地をもらえる場合、利口は円にし、細長い形にするのは馬鹿ということになる。でも実際には、円だと きっちり分けられないから嫌がられそうだ。
なお、一休さんのような人は すごく小さい円を置いて、「どうした?」と聞かれると、「外側を全部下さい!」とか言いそうだ(が、相手が悪いと ひどいことになりそうだ)www
そこで6角形??w
(18:38 少し加筆・調整など; 8/15 19:54 副題を追加; 8/16 21:15 プロトタイプ ゴミ箱の感想を追記; 8/25 22:07 六方細密に補足)