新年らしく(?)いろいろ買った。でも、ささやかなものでw 額は小さい。いつもと違い、(買ったものは)概ね期待どおりで満足している。
デジタルテスター
例によってオーディオ関係だ。耳閉感の原因の一つに、アンプからオフセット(直流)が出ていたり、超低域(ほとんど聞こえない領域)の変動があるのではないか考えた。※
※それらの原因は、アンプまたはその手前のサウンドカード(DAC)だが、後者を疑っている。その原因は、前回書いたように、カップリング回路のコンデンサが大き過ぎるためではないかと考えている。
それでその電圧を測りたいのだが、手持ちのテスターはアナログなので微小電圧は測れない。実際には、気合を入れれば数mVまで測れるが、内部抵抗が数十kΩと小さいので、測定対象の電力(電荷)を消費してしまい、正確な測定ができない。※
※この場合、サウンドカードのカップリング回路のコンデンサに溜まった電荷(電圧)があるなら測りたいのだが、アナログテスターではすぐに電圧が0になってしまう。
それで、以前調べたものの「まあ、アナログで充分使えているからいいか」と保留した機種を買った。カイセのKU-2600だ。聞き慣れないメーカーだったが、仕様や口コミでは結構良さそうだった。約5700円だった。※
※なぜか、ELPAから出ている全く同じものが安かったので、それにした。
他に、以前から欲しかった、ICの脚のような細いピンに引っ掛けるテストリードも買った。意外に高く、6本で約1700円もした。まあ、作るのは面倒だし、信頼性や耐久性が重要なので仕方ない。
なぜか、欲しかったミノムシ-クリップのものは余りなかった。両方クリップのは多かったが、テスターのプローブの先には付けにくいと思い、高いけど これにした。やっぱり自分で作れば(略)
すぐに届き、動作確認がてら、1μFと小さいフィルムコンデンサ(前回書いたWIMAもどき?)に溜まっているかも知れない電圧を測ったら ちゃんと出たので感動した。※ 数日前に音を通していただけだけど、20mVくらい残って居た。2個試したが、ステレオの左右に使っていたので、それぞれちゃんと別の電圧だった。
※KU-2600の直流電圧の最小レンジの内部抵抗は100MΩと すごく大きいので、こういうのを測るのも容易そうだ。同じクラスの他の製品でここまで小さいものはなかった。
- 新しいデジタルテスター(カイセ KU-2600)と今までのアナログテスター(サンワ YX-360TR)
- KU-2600でWIMAもどき?コンデンサ(1uF)の残留電圧を測ってみた。 → “-17.0mV”と出た。
テストリード(右の写真の片側がミノムシの赤と黒の細い線)は、線が細いのとクリップの動きが渋くて、意外にしょぼい感じだった。この線の細さは、以前買って壊れた(とは言え、買ってから十年くらいは経ったと思う)ミノムシ コードの会社だった気がする。まあ、そんなに多くないので壊れたら直そう。僕には細いクリップがあれば良い(本当に これが欲しかったんだ!)。
「これでオフセットがバンバン測れるぜ!」と思いきや、実は、アンプのオフセットを試しに測ったきりだ。※ というのは、定常的な直流は ほとんど出ておらず、直流付近の超低周波の変動が問題のようだからだ。そういうものをテスターで測るのは無理なので、アナログインタフェース(ADC)で測定しようとしている。
※その値(数mV)がアナログテスターで気合で測った値と(アナログ的に)合っていたので、再び感動したw
アンプからのオフセットには役に立たなかったものの、デジタルテスターはなかなか便利だ。一番いいのは、正負間違えてプローブを当てても値が読めることだ。あとは、抵抗測定の時に0調整が不要なのも地味に便利だ(「いつの時代だ」って感じw)。あとはコンデンサの容量測定が いい。(下に書いている)買ったコンデンサのチェックに役立った。
ただ、アナログと違って針では ないので、量を感覚的に把握できない欠点はある。逆に、きっちり測る場合は老眼の目には数字のほうが便利だw
他に気付いたことは以下だが、概ね細かいことばかりだ。
- 惜しい・気になること
- 直流電流(mA)レンジの上限が500mAで、超えるとヒューズが切れるのが怖くて使えない・・・ どうにか ならなかったのだろうか?
- ダイオードなどを入れると精度が落ちそうだから、難しいのか。
- コードなどの抵抗の測定値が簡単に0になるのが、却って不安になる(電流が微弱なせい?)。
- コンデンサの容量の上限が200μFなのは、ちょっと小さい。届いた時のチェックで220μFが測れず、歯がゆかった。1000μFくらいまで測れれば、随分便利だが・・・
- パネルやボタンの印刷が いかにも弱そうで、そのうち消えそう。
- 今までのもの(サンワ YX-360TR)は、彫ってある文字にインクが入っているせいか、数十年経っているけど全く消えない。
- プローブのコードが硬目。
- すごいことに、今までのものは数十年経っているけど未だにしなやかで、割れたりする気配がない。
- このプローブを新しいものでも使いたいけど、本体に挿し込むピンの径が違う。あと、誤差が出るかも知れない。
- すごいことに、今までのものは数十年経っているけど未だにしなやかで、割れたりする気配がない。
- 自動電源オフの警告音がうるさい。
- 直流電流(mA)レンジの上限が500mAで、超えるとヒューズが切れるのが怖くて使えない・・・ どうにか ならなかったのだろうか?
- 良かったこと
- スペアの電池が付いている(あらかじめ中に入っているものの他に!)。
- 外側のプロテクターの後ろ側にプローブを挿して格納できる(けど面倒なのでしないw)。
3種の神器コンデンサ
これもオーディオ。前回と上に書いたように、PCのサウンドカードのカップリング回路のコンデンサが大き過ぎて超低域の変動が起こって耳閉感の原因の一つになっているのではないかと考えている。そこで、容量の小さいコンデンサでカップリング回路(代替カップリング回路)を作って試すことにした。
このコンデンサは音を通すので、いい加減なものは使いたくない。これはイメージ的な話ではなく、本当の問題だ。というのは、いい加減なものにしたら音が悪くなったのだ。どういう特性が効くのかは明確でないが、歪みは関係ありそうだ。あとは内部抵抗・インピーダンスやtanδとかいう、なかなか馴染みのない値が関係してそうだ。
そういう特性や音にはコンデンサの作り・材質が効くようで、ポリプロピレンなどのフィルムコンデンサが音が良いという定説である。
おもしろいのは、似たようなものだけどポリエステルはポリプロピレンに負けることで(実際、そういう経験がある)、きっと それぞれの素材の化学的性質が関係しているのだろうが、分からない世界だ。
当然ながら、「試聴」はできず、更に、欲しいものが全部揃っている店は ないので、一番欲しいものがある店にあるもので揃えた。以下を買った。
- パナ ECPU 1μF x5
- パナ ECHU 0.1μF x5
- 東信 UPZ 0.22μF x4
なぜECPUかというと、前のアンプに使われていた それを他のもの(アルミ電解, タンタル, TDK EPCOS, PARC Audio)に換えたら途端に音が悪くなり(個人の感想+使う回路による、以下同)、戻したら直ったからだ。僕が「音がいい」と言うのは、上下とか奥行きとか空気感とか そういうのが表現できるかどうか(どうしてできるのか、僕は知りたいが)は全く関係なく!w、特別驚くことはない ごく普通の音なのだが、その素直さ・自然さが いいのだ。
つまり、以前も書いたように、部品や再生機器に音や個性や主張があっては いけないと思う。
ECPUの他に ついでに試すものを買った。ECHUはECPUより音が良いという評判なので、UPZは この店の他の良さそうなもの(かつ素性が しっかりしているもの)は これだけだったので選んだ。
この店は なかなか阿漕商売上手で、パナの2種は小さいせいか5個単位でしか買えない。※ しかも単価が高かった(秋月の約2倍)。とは言え、メール便で送料が安いので、全部で1200円くらいと秋月より少し高いくらいで済んだ。
※オーディオ関係の部品の店なのに、なぜか奇数個単位だったのも不便だ。
秋月に しなかったのは、一番欲しいECPU(1μF)がなかったためだ。※ でも、それで正解だった。あとで書きたいが、第2候補のECHUの音は僕には受け入れられないものだったのだ。
僕の感想の例: 「なんとなく帯域が狭いような感じ。それでいてキツ目な感じ。ECPUと違い、高域(シンバルなど)が上品でない。」
※他に、サウンドカードの歪みの左右の差が電解コンデンサの劣化によるかと考えて全部交換しようと思ったが、調べたら劣化してなさそうなので止めたせいもある。電解コンデンサを沢山買うなら秋月のほうが良かったかも知れないが、なくなったので。
買ったコンデンサは代替カップリング回路の評価用アダプタ(基板)に実装し、時間を掛けて最終的な評価をしている。残って居るのは期待どおりのECPUに加えてUPZである。UPZ※はダークホース的で、謎に性能や音が良いのが「棚ぼた」だ。詳しくはあとで書きたい。
※UPZは秋月には なかった。もし秋月で買うとしたら、ルビコン MPS(1μF)にしようと思って居た。UPZも そうだったが、特に根拠はない。
- サウンドカードの代替カップリング回路用コンデンサが届いた。: ECPU(右), ECHU(中)は予想以上に小さく、ちょっと手が滑るとどこかに飛んでしまう。左のUPZは「懲り懲り」と書いたWIMA的な色w
- 2種類のカップリング回路(ECPU: 中央の小さい基板とUPZ: 手前の基板)を評価中
カレンダー
去年の終わり頃に、もう紙のカレンダーは止めようと思ったのだが、PCやスマフォでは、月の一覧が微妙に不便だ。予定を見るのでなく、単に月の日の並びを眺めるだけなのだが、それがスパッとできないのは不便だ。まあ、古い人間の証拠なのかも知れない。
そういうものなので、できるだけ実用性のない、数字が目立たないもの(見る気で見ない限り、数字が目に入らないもの)が良い。去年の「きょうはニャンの日?」は良かったのだが、さすがに実用性が なさ過ぎたのか作るのが面倒なのか※、今年は出ていなかった。
※すべての日に、何の日かとそのイラストが書いてある。
散々探して、「エルコミューン マトカ 2023年カレンダー 卓上 ポエトリー」(柿本芳枝)というのにした。猫は好きだけど、今回は これというのがなかったし、今は なぜか こういう ぼんやりとか癒し系のものが いい気がした。1100円くらいだった。
- 届いたカレンダーを本棚に掛けた。針金で引っ掛ける金具を作った。
- ロックな草間彌生のカレンダー!
なお、実用性がない点で草間彌生のカレンダーは最高だったのだが、もう売っていないのと、日めくり(豪華1か月分)のため月の一覧ができない点で、大変惜しくも却下となったw
おまけ: コネクタの圧着工具 (試用→却下)
電子工作でJSTのXHコネクタを使うことが多いのだが、そのジャック・レセプタクル(コンタクト側)を作るのが困難だ。圧着端子なので工具がないと線を付けられない。それで、コネクタの付いているコードを買っていたが、手持ちの謎の圧着工具らしきもの(写真: 右)でできないかと思って部品を買って試したものの、全く無理だった(コンタクトが潰れてしまった)。そのため、必要な時はコンタクトに半田付けするという無謀なことをしていた。
さすがに効率が悪過ぎるので圧着工具を買おうかと思って調べたら、やっぱり いいものがない。どの製品の口コミにも(うまくできたという話だけでなく、)うまく行かないみたいなことが書いてある。
ただ、口コミを読んでいたら、エンジニアという会社が試用に貸し出してくれることが書いてあり、調べたら本当に貸してもらえるので申し込んだ。サイズが今ひとつ分からなかったので、PA-09とPA-20にした。
数日前に届いて試したら、最初はうまく行くように見えたものの、細い線がうまく圧着できず、軽く引っ張るだけで抜けてしまうことが分かった。※ 僕の試した感じでは、AWG22(結構太い)より細いものは駄目だった。
※最初は偶然うまく行ったようだが、そのあと(いくつかの太さの線を試した)は、芯線を圧着したあとに確認せずに被覆部を圧着したので付いたように見えただけで、強目に引っ張ったら抜けてしまった。
やり方が悪いかと10個前後試したが、ほとんど全敗だった。
- エンジニアの試用品の圧着工具(PA-09, PA-20)が届いた。
- 試用した圧着工具と手持ちの正体不明の圧着工具?
- PA-09と20を試したが、細い線(AWG28)を引っ張ると抜けてしまうので、却下した。: その残骸。。。
いろいろ調べたら、基本的に無理があるという結論となった。: XHコネクタの仕様とPA-09, 20が合っていないのだ。例えば、XHの仕様は、コンタクトがSXH-001-P0.6の場合、以下のようであるが(抜粋, 重要な箇所を太字にした)、
- AWG28: バレル高: 0.60mm, 幅: 1.50mm
- AWG24: バレル高: 0.65mm, 幅: 1.50mm
PA-09, 20で上に合いそうなダイスの仕様は以下である。
- PA-09
- 幅1.4: 高さ: 0.55mm
- 幅1.6: 高さ: 0.8mm
- PA-20
- 幅1.6: 高さ: 0.7mm
微妙に高さが合わない(太字)。メーカーやネットでの情報ではPA-20の1.6でできるとのことだが、圧着が0.05-0.10mm浅くなる。それで うまくできなかったと推測している。
一見、0.1mmとかなんて小さいから誤差の範囲と思えそうだが、実際の差がそれ以上になるのか かなり効くようだ。1.6は最後まで握っても駄目で、本当にユルユルだった。
いくら僕の握力が弱くても、「これ以上押せない」ってくらい押したので、不充分ということは なさそうだ。何回試しても駄目だった。
実際、0.1mmのバレル高(0.6mm)に対する誤差は17%にもなり、ちょっとヤバそうだ。
あと、そもそも線が細いので、「たかが0.1mmだからヨシ!」じゃないのではないか?: AWG28なんて直径が0.29mmくらいなので、0.1mmは35%にもなり、さすがに駄目な誤差ではないか。というか、詳しくないけど、圧着は線を潰して付けるのだから、どんなに狭くても隙間・余裕があったら駄目だろう。
なお、僕は最初は上のようなことを調べずに、勘(見た目や挿し込んだ感じ)でPA-09の1.4で試した。それは そこそこ正しく、0.05mm分深く押せたせいか うまく行ったように見えたが、実際には ほとんど駄目だった。その理由は、想像だが、幅が0.1mm狭いためにコンタクトが歪んで線が正しい位置・状態で付かないとか、純正でないためにダイスの形状が合わずに、圧着後の形状が良くなくて線がうまく押さえられないのではないか。
それにしても不思議なのは、実に多くの方(ページ)がPA-20やPA-09でXHコネクタを圧着できると書いていることだ。これも推測だが、生産時期や生産地で微妙に精度(サイズ)が異なるのかも知れない。あるいは、芯線の強度を良く確認せずに被覆部を圧着して、付いたように思っている? (抜け・抜かなければ大きな問題にはならないかも知れないが、いつか・・・)
買う前に試せて良かったが、どうしたものかと思う。他のページに「できる」と書いてある別の製品※も純正じゃないので、やっぱり駄目ってオチがありそうだ。
※買うなら、XHのバレルのサイズと工具のダイスのサイズ(特に深さ)を充分比較すべきだ。
もちろん、純正の圧着工具を買うのがベストだが、かなり高いようなので買えない。頻繁に使うならいいけど、そうでもない。だから、今は、あるページに書いてあったように、(以前のように出来合いを買って)「圧着せずに済ませる」のがベストな気がしている。
(1/10 5:53-9:40 少し加筆・修正、写真を追加, 4/2 13:03 カレンダーの作者を記載)