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耳の問題の原因調査昨年末からのアンプ・DACの改良の草稿や余りを捨てるのも もったいないので、最低限の加筆・修正で公開して「消化」する。僕以外の方に有用かは不明だ。

最終的に「分かった」こととは異なる内容や今までの稿と重複している内容もあるが、発端や経緯や試行錯誤が うかがえる。

稿を書き出した順序や内容から、アンプなどの改良をし出し(てしまっ)た切っ掛けが分かった。: まず、冬になって耳の問題が起こりやすくなり、その原因を調べているうちに、DACのカップリングコンデンサの劣化を疑い、試しにコンデンサを追加したら効果があったことから始まったようだ。

なお、補足を「注: *** (2023/5/16記)」のように書いた。また、公開する時に図(主にグラフ)を追加しようと思って居たが、概ね却下したもの または公開した稿で更新しているので、以下には ない。


[耳・オーディオ] 耳の問題の原因が概ね分かった!」の余り (草稿: 2022/12/5-)

音が悪いと耳が辛くなる(耳閉感が多い)現象・症状

※身(耳)調の影響は大きい。それと外部要因を切り分けるのが難しい。かと言って、耳閉感が全部身(耳)調からのものという訳ではない。というのは、それまで調子は問題なかったのに、悪い音を聞いた途端に なることがあるからだ。

  • ASUSで44kHz(フィルタ: slow)は問題なく、sharpだと危うい(昔は問題なかったが、近頃は ほとんど駄目)が、96kHz(sharp)なら問題ないので、超高域の量ではなさそう。
    • 可聴域ギリギリの高音域(15k-20kHz)での位相(か何か)の急変が関係あるのかも知れない。
      • 実際、中低域でも急なフィルタは駄目だった。 → 高域・位相とは限らず、どの帯域でも急なフィルタが駄目なのかも知れない。 (原因候補1)
        • それが何(歪み? 雑音? 位相?)に関係して耳閉感になるのか、まだ分からない。
        • 超低域(原因候補4)との関係が不明。独立なのか、超低域を補強するのか。12/31の投稿を参照。 (2023/1/3)
    • slowは問題ないが、特性が物理的に正しくないことが分かったので、使わないことにした。 (12/15)
    • なぜか、96kHzのslowが良かった。次は44kのslow。sharpは ほとんど駄目な感じ。12/31の投稿を参照。 (1/3)
    • 注: "ASUS": Essence STX II (DAC);  "44kHz", "96kHz": サンプリング周波数; "sharp", "slow": DACのフィルタの特性 (2023/5/16記)
  • また、Scarlett(96kHz)は駄目だったので、全体的な歪みと雑音の量も関係あるではないか。 (原因候補2)
    • 信じられないことに、それらの上限は とても低いようで、Scarlettの歪み: -94dB, 雑音(DR): 108.5dB(A)※では駄目だ。
      • ※ScarlettとASUSの差は約16dBなので、ASUSの約6倍。
      • 更に、(昔の?)CirrusのDACやADC(Scarlettのはコーデック)は、駄目なノイズシェイピングで可聴域外の雑音が多いせいか、耳閉感が起こる。
        • → 20kHz以上を落とす簡易なLPFを試したが失敗した。。。
          • LPF自体の性能(落とし方)の問題か、出力回路のドライブ能力の制限のために歪みが増えるためかは不明。
    • ASUSは歪み: -110dB, 雑音(SNR): 124dB(A)なので、仮に その2倍まで耐えられるとすると、歪み(THD+N): -104dB, 雑音(SNR, DR): 118dB(A)くらいだろうか?: ここらはCDの限界を超えているから、どうも信じられない。
      • 雑音の質(アナログ(ホワイトノイズなど)とかデジタル(量子誤差)とかのタイプや周波数的分布)にも関係するのかも知れない。
        • 例: 上のCirrusの可聴域外の雑音。
      • あと、小音量・SPの近くで聴いているのも関係あるだろうか。
      • 車とかヘッドフォンの音(特性・性能)は随分悪いはずなのに耳閉感が起こらないのが、謎。
        • アンプと関係ある?
          • 微細な雑音や歪みまで忠実に増幅するため?
          • 本当に発振していない? (以前測定した時は、100kHz辺りまでは大丈夫だったが・・・: スピーカーの上限が40kHzなので、100kHz以上は出なさそう。ただ、それより低い音が変質する可能性はある。)
            • 音を出していなければ症状は出ない。 → 発振していないか、音に合わせて発振することがあるか。
            • 音を出していても、「駄目なこと」(上記・下記)をしなければ問題ない。 → 発振していない可能性が高い。
    • 超低域(原因候補4)との関係が不明。独立なのか、超低域を補強するのか。12/31の投稿を参照。 (2023/1/3)

その後の追加

  • 雑音(34kHzなど)の結果 → (原因候補3)?
    • 34kHz → (3-1)
    • 8kHzと高調波 → (3-2)?
    • 1kHz以下の広い雑音 → (3-3)?
  • DACのカップリングコンデンサの劣化による超低域の変動? → (原因候補4)
    • DACのフィルタ(slow, sharp)や超高域の量や補正フィルタの傾きは無関係??
    • ただ、ASUSは そうでも、他のDAC(DS-200), インタフェース(Scarlett, DEQ)は無関係では。
    • なぜか、本当にコンデンサで音が違う。 (12/22) (DACのフィルタの稿に書く?)
      • 以前買って使わなかった黄色いものは悪くなかった(最初は少し違和感があった)が、WIMAは全然駄目だった。 (どちらも1uF)
        • 注: 「黄色いもの」: PARC Audioのフィルムコンデンサ (2023/5/16記)
      • 特性は全く同じ。
      • その前の電解コンデンサとの相性?
  • コンデンサの劣化とは関係なく、容量が大き過ぎて超低域がスピーカーから出て来て・あるいは超低域が変動して耳閉感が起こったようだ。12/31の投稿を参照。 (2023/1/3, 2/7) → (原因候補4)
    • 気付いた切っ掛けは、クラシック音楽を掛けると耳閉感が出て、ポップ音楽にすると消えたこと。それがリピートした。 (1/3)
    • カップリングコンデンサをフィルムに換え、アンプのフィードバックの電解コンデンサもフィルムに換えた。 (2/7記)
  • アンプのフィードバックのマイカコンデンサは音が悪いことが分かった。それが耳閉感に関係していたかも。 →  フィルムに換えた。 (2/7記) → (原因候補5?)
    • 誘電体吸収のため。 (2/13記)
  • 音以外に耳の調子によるものはある。朝、食後に問題が起こりやすい。  (2/7記) → (原因候補6)
    • 太い道路の自動車(朝の通勤時間帯は渋滞する)の低周波騒音? (2/13)

 

新DAC: 今のところ、手が出せる価格帯で可能な製品が ほとんどない。: iD4とAXE I/Oだけ(ESSとサポートがクソなところを除外した場合)。だが、どちらもCirrusなので超高域の雑音が駄目っぽい。

注: "iD4": Audient社; "AXE I/O": IK Multimedia社; "ESS", "Cirrus": DACのチップメーカー (2023/5/16記)


「三歩進んで二歩下がる? オーディオは作っては壊し? (今のDACのフィルタの謎解き → なぜか他のフィルタを作り直し)」 (改良の発端の頃の草稿: 2022/12/11-)

僕のオーディオシステムはソフトの割合が結構多いので、ハードを いじらなくても、主に部屋の影響の補正関係の調整や改良ができる※のだが、それで却って堂々巡りみたいなことをしている。ソフトなので、指を動かすだけで いくらでも作り直しができるのが痛し痒しだ。

※この前提は、基本的に出力装置(DACやアンプ)が音を そのまま出すこと、(何度も書いている、)無色透明・無味無臭なことである。そうでなかったら、何を補正するのか分からなくなってしまう。

 

DACのフィルタの謎

(いつも困っている)耳閉感の原因調査をしている時に、サウンドカードのDAC(PCM1792A)のデジタルフィルタのsharpとslowの違いを調べたら、思わぬことが分かった。: sharpは きっちりと減らすべき成分を減らすのだが、slowは超高域で大量に漏らしているのである。その成分はナイキスト周波数(サンプリング周波数の1/2)より上なので、僕の普通の測定では分からなかったことで、たまたま、スイープ信号や正弦波で調べていて気付いた。

それでいろいろ調べたら、slowの「漏れ」は既知のことだったようだ。

そんなに漏れがあるのに、僕の耳に合って耳閉感を起こさなかったのが不思議だ。 想像だが、漏れた成分の位相が逆になっていて、ナイキスト周波数の反対側の成分(本来の音)とうまく打ち消しあっているのだろうか。僕の環境では、そこまで測定するのは難しい。それでslowの緩いカーブが実現できているのだとしたら、TI(BB)のエンジニアはすごいと思う。

逆に、以前も書いたが、サンプリングレートが44.1kHzの場合は きっちり漏れないsharpが耳にキツいのも謎で、まだ良くわからない。これも想像だが、やっぱり急なフィルタ(の謎の副作用)が良くないのではないかと思っている。更に想像だが、調べていて、sharpにある長いプリ・ポストエコー(リンギング)の影響かも知れないとも思うが、はっきりしない。そもそも、このプリ・ポストエコーを含めてDACの音が構成される理論なので、見た目はおかしくても※必要なんだと思う。

※slowとsharpのインパルス応答を比較すると、slowはプリ・ポストエコーがほとんどなくて綺麗だ。ただ、必ずしも それが正しいとは限らない。

正しい処理(フィルタリング)を実装してみた。

44kHz+slowの音は耳に合うが、ナイキスト周波数の上の漏れが多いのは物理的に「正しくない」気がするので、アップサンプリング(96kHz)と耳閉感を抑えるため、超高域を減らすslowに似せた特性の LPFを使うことにした。 (→ 参考? → 参考?: 偶然だが少し似たシステムがあった)

趣味なので、別に正しくなくても、耳に合って気分良き聴ければいいとは思うが、物事はなるべく綺麗にしたいという気持ちもあるので、敢えて苦労・苦闘した。

LPFは いろいろ試行錯誤して、音が悪くならず(耳を痛めず)、特性がslowに近くなるものを見付け・調整した。

これのインパルス応答はslowほどではないものの結構綺麗で、プリエコーがほとんどない。

まあ、全くの酔狂ではあるが、これがうまく行けば、あとでDACを買い替えた時に、仮にそのフィルタが耳に合わず、更に切り替えできなくても、この方法で音を調整できそうだから良い。

この音をしばらく試して問題なければ「一段落」となり、載せる図などを集めて文章を整えれば終わりのはずだったのだが、、、

ちゃぶ台返し! (フィルタ関係を ほとんど全取っ替え)

そのLPFを いろいろ確認・調整・改良している うちに、位相や振幅の周波数変化や左右差が大きいのは良くない(要するに、音に対する処理は最低限にしたい)と考えて、(苦労した)上のフィルタも(その前にちょっと思い付いた)HD2Cも止め、補正フィルタも左右統合して、処理を随分簡素化した。

部屋の特性補正用のフィルタの超低域(< 100Hz)の歪みが増大しているのが気になって、上で使ったフィルタにしてみたら うまく減ったのが切っ掛けだった。

注: HD2C: ソフトでDACの2次歪みを補償する(しようとした)処理 (2023/5/16記)

スピーカーから出した実際の特性は分からないが、聴感は良い。何となく、音がよりクリアになり(音が「一皮剥けた」感じ)、よりストレートに聞こえるのにキツくなく、却って聞きやすくなった気がする(例によって、たまたまとか耳の調子とか気のせいの気はするが)。

→ 実際の特性は問題なかった。その後、微調整したり長く聴くにつれ、本当に音がクリアになったのを実感している。いつものように、今まで聞こえなかった音が更に聞こえるようになった。「情報量が増した」ってやつか。

左右の特性(特に位相?)を揃えるのは重要そうだ。 (12/22)

その代わり、HD2Cも止めたので歪みは全域で左右がアンバランスだ。ただ、歪みが増大しているといっても、RがLの約2倍になって0.0012%程度なので、大きな問題ではない(実際、HD2Cを入れる前も気にならなかった)気がする。それでも何とか解消したくて、原因と対処案を考えている。が、それはソフトではできないので、貴重なサウンドカードを壊す可能性もある・・・ (12/13 17:37)

更にどんでん返しが!

昨夜寝る前に、96kHzへのアップサンプルは良くない気がした。というのは、96kHzは44.1kHzの整数倍でないので、複数のサンプルが混じるためだ(まあ、高精度な処理をすれば実害はないのだが)。

それで、44kHzに戻ることを考え、その時のフィルタをどうするかと、slowとsharpフィルタのエイリアシング成分の漏れを再度比較するためにグラフを見返していたら、おかしなことに気付いた。入力している周波数のエイリアシング成分でない、更に高い周波数に大きい漏れがあるのだ。どうも、測定時に意図しないレート変換があったようで、どうやら、測定のために44.1kHzのテスト信号を再生する時にALSAが48kHzに変換していたようだ。

が、それでも、slowフィルタが良くないことには変わりない。

それで、結局、一番最初に戻って44.1kHzでsharpフィルタで試すことにした。これが耳に合わないなら、96kHzにアップサンプルするか。。。 (12/15 7:39)

だがしかし、まだまだw

やっぱり44.1kHzとsharpフィルタは駄目で、数時間で耳に来た。耳閉感が起こり、音が悪くも感じた。それで96kHzにしたら、耳は嘘のように治り、音がクリアになった。それから丸一日聴いているけど、問題は起こっていない。

全く謎は深い。

その後、アップサンプルに使うリサンプラを比較して、PAのものだとspeex-float-10が一番良さそうだった。なお、soxr-vhqが良い説が強く、最初はそれにして居たが、比べたら1kHzくらいからの位相の遅れが気になるので止めた。speex-float-10はsoxr-vhqの半分くらいだった。

また、GMBはPAにもJACKに出せるので、JACKに出す時に設定するリサンプラGstreamerのaudioresampleの引数を変えてPA(speex-float-10)と比較したら、特性の測定が難しいこともあって、明確な答えが出なかった。今は、小さな差ではあるが、雑音は多いものの歪みが少ない(まだ結果に自信がない)ので、PAに出すことにしている。 (12/16記)

注: "PA": PulseAudio(Linuxのサウンド系), "JACK": JACK Audio(Linuxのサウンド系), "GMB": gmusicbrowser(Linuxの音楽再生アプリ) (2023/5/16記)

まだまだ!

(出力の追加コンデンサで、なぜか耳閉感が出なくなった話。あと、コンデンサの音の話)

注: 「出力の追加コンデンサ」: ASUSのDAC出力にコンデンサを追加したこと。代替カップリングコンデンサの最初。 (2023/5/16記)

 

最後に言い訳じみたことを書くが、僕は決してオーディオの音を良く・好みにしようとして こんなことをしている訳ではない。部屋の作りとスピーカーと聴く位置で音が変わるから補正は必要だし、DACは そのままの音で問題なければ何もしないが、たまたま元々の音が耳に合わない(例: 耳閉感)※ので、仕方なく調整しているのだ。まあ、おそらく一般の方は全く関係ないことで、僕の耳が過敏とかちょっと病気なためだろう・・・

※記憶をたどると、サウンドカードを買ったばかりの頃は問題なかったが、ここ数年で合わなくなったようだ。アンプを自作に換えたのと時期が合うのが気になる。: アンプが劣化して雑音が多いのか、逆にすごく良くなって微細な音(雑音まで)も聞こえるようになったのか・・・

 

(あと、ScarlettのLPFも書く? Focusriteへの問い合わせの結果(やっぱりクソだった)と一緒に別にする?)

注: 「ScarlettのLPF」: ScarlettのDACから30kHz以上の雑音が出ていたので、外付けのアナログLPFで抑制しようとしたけど うまく行かなかった話。 (2023/5/16記)

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近頃はオーディオネタばかりで自分でも飽き・疲れているものの、他にもまだ耳閉感の原因調査やDACの2次歪みやフィルタや特性補正フィルタの調整関連、次期DACの話など書きたいことが溜まっている。が、それらの検証・確定に時間が掛かって居るので、別の手軽なものを書く。 (それでも なんか長いよw)

 

昨夜、どうしてだったかは定かでないが※、再生中の音楽(グールドの「ゴルトベルク」(1981))のスペクトラムを見てみたら15kHzに山があった。FMのパイロット信号*のようなものだ。以前も気付いたのだが、同じアルバムでも、トラックによって あるものとないものがある。想像だが、このアルバムはビデオ作品も同時に制作されているので、音をビデオの処理系に通すと付いてしまうのではないか。@

※耳閉感の原因調査の一環だったか、DACや補正フィルタの設定変更の効果の確認だったか。

*今まで15kHzだと思っていたが、実は19kHzだった。

@調べると、ディスプレイの水平同期周波数は15kHzとかなので、それが混じる??

それから、そのアルバムはソニーなのでSBM(Super Bit Mapping)との関係が気になり、以前から謎だった その仕組みを調べたら、分かりやすく書かれたページ(FIDELIX 「アナログ約60dB、デジタル90dB以上というDレンジは比較不可(その2)」*)があった(ページの下のほう)。技術的に正確ではない理解だろうが、要するに、振幅の分解能をCD(16ビット)以上に細かくするため、音を高周波(ただし、CDなので22kHz以下)でPWMしているようだ。音を濁すことで、何ともおぞましい・・・

それにセコい! ギリギリ可聴域※のたった10kHz未満の帯域をケチって音質向上を目指すなんて・・・ 僕からすれば、いくら聞こえにくいと言っても、本来・メインの帯域を別の用途に使ったら音質低下になると思う。

※自分たちで可聴域に合わせてCDの仕様を20kHzまでと決めたのに、勝手に狭くしていいの?? まさに御都合主義ではないか。

あと、PWMみたいに振幅を変えるにしたって、どうせ「一番下のビットは微小で聴覚への影響はほとんどないから変動させても問題ない」とかいう論理なんだろうが、自分たちで必要だと思って決めた16ビットを狭めてどうするよ??

全くの想像だが、MQAも同様のことがあるのではないか?

*FIDELIXの技術情報のページは大変ためになった。一部を除いて僕と指向や考え方が合っている(もちろん、レベルは あちらのほうがずっと高い)ので、頷きながら読んだ。

なかなか おもしろかったのは、オーディオ(・ステレオ)は音が悪くなるほどBGMになってしまうという記述だ。

なお、僕はBGM向きのシステムを否定しない。そもそも各自の好みの問題だし、システムには それぞれの用途がある。それに、音の悪いBGMなんて なかなか耐えられないから、ある程度の質は必要だ。

だから、真意は、音の良さを突き詰めると真剣に聴かざるを得なくなって、それはBGMには向かないということなのだろう。

というのは、僕のシステムはBGMに向かないのだ。: 作業しながら だらだら聴くのは なんか難しい(大抵、作業・思考の邪魔になって停める)し、ちゃんと聴くと短時間(例えば、ポップ音楽なら数曲、クラシックだと1楽章)で満足してしまって、休憩したり寝て残りは翌日に回したりすることが結構あるのだ。

そもそも体力が落ちているとか、音が悪くて疲れるせいなのかも知れないが、音が良くて聴き込んでしまうからかも知れないと想像していたのだ。(同様なことは以前にも書いた。) だから、自画自賛的に言えば、僕の今のシステムは音が良いほうなのかも知れない。

もう一個、疲れる原因として、演奏の音質の良し悪しが分かってしまうことがある。BGMで音の悪いものが流れて来ると、疲れたり嫌になってしまうのだ。

 

それから おもろくなって、いろいろな録音演奏(CDなどの、電子的に収録されて配布された演奏、要するに生演奏以外)を調べてみたら、以下のような種類の雑音などがあった。

  • クソお粗末なノイズシェイピングらしき雑音 (約15kHz以上で増大する)
    • SBMなどの「高音質化」処理の弊害だろう。
    • 元々の素材の関係(テープや機材が古いなど)で、本当の雑音の場合もあるかも。 (→ これがそうかも: 5k-13kHzくらいまでの山はテープのヒス、それ以上はノイズシェイピング?)
    • デジタルTVでもあったが、収録・制作にそういう機材が使われている?
    • 手持ちのオーディオインタフェースScarlett SoloのCirrus LogicのコーデックのDAC(30kHz以上に同様な雑音: グラフの緑)がマトモに見える・・・
  • 露骨な高域カット: 15kHzなど
    • スペクトラムが不自然な形状の場合もあり。
    • ダウンロード販売版にあった。 → 実はCDと同じ音ではなく、ダウンロード購入するのは得策ではなさそうだ。
      • 買うなら、デモ版で確認したほうが良い。
        • が、デモ版が何を元にしているのか不明なので、分からなさそう・・・
    • なぜか、同じ演奏の配信版(Spoitfy)には ないことがある。
  • 15kHzの山: ビデオ系?
    • VHS Hi-Fiを経由したものにもあり。: 上に書いたようにTVの水平同期周波数が混じっているようだ。
      • Hi-Fiビデオはビデオの回転ヘッドで録音・再生しているため、ヘッド切り替えの雑音だろうか。
        • 当時、そういうのがある(から駄目だ)と聞いた(けど聞こえないので無視した)覚えがある。
    • SBMと書かれたCDでも、上のノイズシェイピングではなく15kHzに山のあるものがあった。
  • 16kHz近くの山: MDソフト? CD-Rレコーダ?
    • 検索してもMDにそういう規格は見つからないし、あるMDレコーダの仕様では周波数特性は20kHzまでとなっているので、このソフト固有のものかダビングに使ったCD-Rレコーダ(一瞬、PCでないものを持っていたことがある)か、その時の再生に使ったMDプレーヤのものだろうか。
      • そう言えば、このソフトには元になったTV番組の名前(「百恵復活」(1992))が付いているので、その関係と思えなくもないが、単なるベスト盤だから違うだろう。

今回調べた限りでは(以下同)、当然ながら、レコードカセットテープを取り込んだものには なかった。カセットテープはFMから録音するとパイロット信号が入りそうだが、上に書いたように19kHzなので、まず録音されない(当時の機材はラジカセだったし、律儀にMPXフィルタ(付いていたら)を入れていたかも知れない)。

以下に、今回測定した、演奏の冒頭の一部のスペクトラムを載せる。縦軸は振幅(音量)、横軸は周波数、赤線はピーク、黒線はリアルタイム値である。 (ポイントは どのグラフも右端だけだし、赤と黒の片方でいいのに、手抜きをして見せ方が悪いのは御容赦。それぞれの曲名などは記録しているが、特に意味がないので ほとんどを省略した。)

レーベルでの傾向としては、大変大雑把な言い方だが、レコード時代は海外のものを(手を掛けず)なるべくそのまま出していたように見受けられた、日本のワーナー系はノイズシェイピングのような雑音がなくて(余計なことをしてなくて)良さそうだった(ただし、現在の海外の本家ワーナーは そうでもなく、雑音のあるものがあった)。

ただ、メディアへの記録は素直でも、音作りでは「海苔弁」のものがあったりするから、必ずしも音がいい訳ではない。

一方、SBMを出しているように、ソニー系は(レコード時代もそうだったが、)余計なもの満載感が強い。※ そして、いかにも古風で自然派と思われたデッカにも雑音があった(そういえば、以前、繋がった楽章をフェードout/inして切ってしまった曲をダウンロードで売られたから、近頃は駄目になってしまったのかも知れない)。なお、グラモフォンは いかにも素直・実直そうなので調べていない。が、近頃はいろいろ頑張ってしまっているから どうだか。

※レコード時代に余計なことをしていたと言えば東芝EMI(今は もうないのか・・・)も気になるところだが、測っていない。余計なことの被害(?)を受けていたビートルズの手持ちは(その余計を嫌って)輸入盤(CD, EMIまたはCapitol)のみなので そっちしか見なかったが、問題はなかった。

 

音の良し悪しについては、上のような雑音やパイロット信号などの有無と その演奏の音が良く聞こえるかの相関は余りない。要するに、僕のこれまでの印象とも合うが、上のような雑音があろうがなかろうが、音の良し悪しには関係ない。

例えば、今回測って驚いたのだが、異常なスペクトラムの演奏(ルガンスキーのラフマニノフのピアノ協奏曲 第2番 (2005))を、今まで全く問題なく聴いていたのだ。

だから、確かにそこらは僕には聞こえない領域なのだろうけど、聞こえなくても感じる気がする(耳閉感の原因の一つかと考えて調査中)ので、そういう余計なものは嫌だ。

実際、何か分からないけど音が悪い感じ、聴くのが嫌な感じがしていたもの(ミヒャエル・ポンティ: 「ラフマニノフ:ピアノ曲集」(2010))には、高域に雑音があった。その雑音が音の悪さの原因とは限らないが、可能性はある。

結局、人は自由に「どこの周波数まで聴く」という設定は できないので、現代の録音演奏を聴くには、例えば僕のように15kHz以上が聞こえないほうが幸せそうだ。

なお、そういう周波数には聞いて分かる音は入っていない(聞こえないので想像w)。電子楽器を除けば、シンバルとか いかにも高い音も、基本波は数kHzだ。

 

そして、

聞こえない(聞こえにくい)から、カットしたりゴミを突っ込んだりしても問題ない(キリ)*

*全く別件だけど、Scarlettの会社フォーカスライトに30kHz以上で雑音が出る件が何とかならないか問い合わせたら、本当に「聞こえないから問題ではない」という返事が来た。まあ、そういう意識の低いところの製品を買ったのが間違いだったな。

「聞こえない」とは言うが、帯域としては超音波だから、レベルにもよるけど、気軽に出していいとは思えない。ユーザーの中には不調を訴える人もいるのではないか(僕はそうだ)。他には、アンプやスピーカーを壊す可能性も0ではない。

仕様では出力の周波数帯域は20Hz-20kHzだそうで、その外の音は出ないかと思うと そうではないのも問題だろう。

って態度で いいのかと思う。上げ底・ステルス値上げや食品添加物や放射性廃棄物みたいなものだ。そして、そういう態度は、聞こえないはずの帯域にまで音(や雑音※)を入れて出すハイレゾと相反しており、技術者・制作者・販売者の欺瞞を感じる。

※読んだだけだが、SACDの超高域(30kHz以上)にはノイズシェイピングの雑音が大量に入って居るものがあるそうだ。 (→ 参照: 「DSD64の問題」)

(15k or)20kHz以上は聞こえるんだか聞こえないんだか はっきりしろ!

 

PS. 上のグラフを見ていると、今までの試行錯誤(メーカーの うたい文句にコロッと騙された?)を思い出す。: 「(レコード・)カセットよりVHS Hi-Fiのほうが断然音がいい」と思い(込んで)それで録音・再生していたり、(一応良く検討はしたけど)確かな根拠もなく、「これからはCDでなくMD(市販ソフト)だ」と思って数枚買ってみたり、「(カセットでなく)CD-Rに録音しよう」と思って買ったが すぐに捨て、近頃は「CDよりもダウンロード版だ」と思って買ったが、上のようにCDとは質が違うものがある。

と、今になってみると全部失敗だったよwww まあ、それもおもしろいことだ。あと、ずっと一貫しているのは、レコード・カセット(ラジオも)、更に言えば、アナログや物理メディアは嫌だってことだろうか。どういう気持ちかと言えば、壊れやすい、音質が確保しにくい・劣化しやすいもの(もちろん、面倒なものも!)は嫌なんだと思う。その点ではダウンロード版が最高だが、現実は・・・

PS2. レコード時代の日本のレコード会社の「余計なお世話」について: 本文で触れたので、どういうことだったかの例を示す。

東芝EMI: 僕の場合はビートルズだったが、どうしてかは分からないが、海外のアーティストを無理して完璧に日本化して売っていた感が強い。今となっては寒過ぎる邦題(例: "This boy"を「こいつ」)とか、単語(翻訳?)にしても"where"を「ホエア」(何だい、貝かよと思うわ)と書いたり。。。ジャケットだって、シングルは全部(オリジナルは それぞれ別だった)国内のダサいデザインに統一されて居たし、LPも下手なツギハギとかボカシ(オリジナル盤の番号をアナログでボカして消し、その下とかに国内の番号を付けていた)までして国内盤にしていたのは すごく気に入らなかった。

他に、解散後に再発した初期(Appleができる前に出たもの)のレコードのジャケットや帯や紙にAplleのロゴを付けていたのは、時代を遡るみたいなミスマッチさがあった。

そんな訳で、東芝EMIのビートルズ作品には「余計なことすんな!!!」の印象しかない。

ソニー系: 東芝EMIと同じくらいに「余計なことすんな!」だった。例えばピンク・フロイドの"The Wall"の紙の内袋に歌詞が手書き風に書いてあるのだが(→ 参照)、その国内化に必要な部分(確か、権利関係とかメーカー名だった)を、それに似せようとはしているけど下手くそで「なんかおかしい」(子どもが真似た感じ)文字を書いていたのにはムカついた。

一方、ワーナー系は そういう無駄な手間は掛けずに「ほとんどスルー」的で気持ち良かった。でも、やっぱり、あの無駄な「帯」はあった・・・

さすがに そんな下らない手間を掛けられて高く売られても いいことは全くない(役に立ったのは日本語の説明文くらいか)ので、一通り揃えた(懲りた)あとは輸入盤に切り替えた。

とは言え、当時は情報が少なくて、Capitolも阿漕なことをしていたのを知らずに買った輸入盤("Rubber soul")の曲目がオリジナルと違うことに気付いて、大変がっかりしたこともあった。

だから僕は、今、「紙ジャケを完全復刻、国内盤の(復刻)帯付き」とかいうCDを見ると溜息しか出ない。そんなものをありがたがる奴が居るのか? なぜ??????????

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