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オーディオ馬鹿の とっても些細な話: 以前も検討した気がするが、その詳細を忘れて再度試したので書く。

Spotifyの音量正規化には、大(loud)、中(normal)、小(quiet)の3種類の音量がある。僕は、ポップ音楽とクラシック音楽両方の音量を手軽に揃え、かつ、他のアプリとも音量を合わせたいので、小にしてPC内部で増幅(7倍)※しているが、増幅するのが馬鹿らしいし音に悪い気がしたので、(他アプリとの音量合わせを諦め、)増幅を止めてボリュームで音量を調整してアンプで増幅するようにしてみた。

※「増幅」とは書いたが、数値演算(乗算)だけで、仮想的なものだ。

何も問題は なかったのだが、昨日くらいから、それは実は音に悪い気がして来た。というのは、PC内部(デジタル)とアンプ(アナログ)での増幅の音に対する影響を比べたら、前者のほうが得策なように思えたのだ。ただ、どのくらい音が劣化するか(データが落ちるか)を検討しないと分からないので した。

まず、PC内部での増幅(7倍)のデータ精度への影響は約1ビット(高々2ビット)で、内部表現(演奏の録音のフォーマットではなく、PC内部の音の処理の話)が20ビット以上なら(おそらく24や32ビットだろう)、DAC(有効精度は20ビット未満)が出す音質には影響がなさそうだ。

次に、更に詳しく検討した。元の演奏の音量(いろいろなものの平均)を1とし、アンプから出す音量をAとした場合のアンプの増幅量を比較した。

元々の(PC内部で増幅する)場合

  • 元の演奏の音量: 1
  • Spotifyの正規化(quiet): x0.45 (-7dB → 約1ビット減少※)
    • 元の演奏の音量を-16 dB LUFS(仮の想定*)、quietで正規化後の平均音量を-23 dB LUFSとして**、-7dB= x0.446とした。
  • PC内部での増幅: x2.24 (7dB)
    • 表現上は約1ビット(1.17ビット)増える※が、実際にはデータの有効数字は増えない。
  • DAC出力の音量: 1.0
  • アンプの増幅量 G1: A

※除算してから乗算するので、内部処理方法によってはデータのビット数が減少しない可能性がある。そうでない場合でも、DACの有効ビット数(20ビット未満)は内部表現のビット数(24または32ビット)より少ないので、実質的には減少分は無視しうる。

*実際には音量は演奏(曲)によって変化するので、これらの値も音量に従って変化する(下の、PC内部で増幅しない場合も同様)。

**Spotifyの情報によれば、quietは-23, normalは-14, loudは-11 dB LUFS。

PC内部では増幅しない(アンプで増幅する)場合

  • 元の演奏の音量: 1
  • Spotifyの正規化(quiet): x0.45 (約1ビット減少)
  • PC内部での増幅: x1 (なし)
  • DAC出力の音量: 0.45
  • アンプの増幅量 G2: A/0.45

A > 0なので、G1 (A) < G2 (A/0.45)となり(比は内部増幅の倍率の約2.2倍, 7dB)、増幅なしの場合はDAC出力が小さく、その分アンプ(ボリュームを含む)での増幅量が大きい。そのため、DACで小さい音量を出すことでの精度劣化(約1ビット分)、アンプまで(コード、ボリューム・アッテネータ)の雑音混入や音質劣化、アンプでの雑音・音質劣化といった負の要因が増える可能性があり、得策ではなさそうだ。

結局、元のまま、PC内部で増幅してDACから出すのが最適そうだということになって、戻した。

いずれにしても、本当にわずかな違い(しかも理論上)の話なので、実用上はどちらでも問題はない。気分の問題である。

と書いたのだが、上記のようにDAC出力の音量が(数値上は)7dB違う(約2.2倍)ので、結構音質に影響がありそうだ。聴いても違いは分からなかった(ただ、何となく音が悪い気がすることがあった。どのようにかは はっきり覚えていないが、音の鮮度が落ちたような気がしたように思う)が、実際にはどうなのだろうか(まあ、「病は気から」的なものだと思うw)。

 

(1/13 8:39) 訂正後に検討したら、Spotifyの音量正規化にquietでなくnormalを使ってPC内での増幅量を減らす(約2.5倍, 8dBに)ほうが得策なようだ。ただ、normalの場合には音量正規化処理で増幅される場合があり、それを増幅するとオーバーフローすることもあり得るので、音質が劣化する可能性がある。が、それは頻繁でなさそうなので、試す余地はある。 → あとで詳しく検討・試行したい。

(1/13 18:01) どうもこの稿は誤りが多い。上記の減らした増幅量は2.5倍でなく約0.79倍(-2dB)である。

  • 元の演奏の音量: 1
  • Spotifyの正規化(normal): x1.3 (+2dB)
    • 元の演奏の音量を-16 dB LUFS(仮の想定)、normalで正規化後の平均音量を-14 dB LUFSとして、+2dB= x1.26とした。
  • PC内部での増幅: x0.79 (-2dB)
    • 当初想定していた音量に合わせるため、Spotifyの正規化で-14dB LUFSになった音量を-16dB LUFSに戻す。
  • DAC出力の音量: 1.0
  • アンプの増幅量 G1: A

これなら、Spotifyの正規化でオーバーフローが起こらない限り、PC内で情報が失われることがないので、音質的には最良だ。

正確には、PC内部での増幅(実際には減衰)をしないのが一番だが、他アプリと音量を合わせたいので、あえてそうする。

さっき この処理を実装して動くようになった。気のせいだとは思うが、音が よりシャキッと(鮮度が上がった)した気がする。もちろん気のせいだ^^

 

(1/13 8:39 Spotifyの音量正規化の音量を訂正し、それに関連する修正・加筆した。; 1/13 12:52 PC内部での増幅ゲインも間違っていたので訂正した。; 1/14 10:55 見にくいので、訂正前の取り消し線の部分などを削除し、補足を追加した。)

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